HAL8192さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.9

「生きる意味や産まれてきた目的、なんてないよ」

 寂れた中学校の音楽の非常勤講師の主人公が、夢の舞台への切符を手に入れた瞬間に、うっかり死にかけて、魂の世界(ソウルワールド)に迷い込む、というお話。
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フラグタイム(2019年製作の映画)

3.8

三分間だけ、時間を止めて気になる子のパンツを見る作品。

濃密な百合で、基本的に透明感のある作画、ただ内容はキツいくらいの青春的描写満載。

リアルな陰口や交友関係やディスコミュニケーションの数々とが
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劇場版ポケットモンスター ココ(2020年製作の映画)

3.7

ポケモンと人間の間で揺れ動くアイデンティティ!

ポケモン世界にしては珍しく「父親」がテーマの物語。アニメポケモンの根幹設定に十歳大人法があった頃に「父親」という存在は舞台から外されていた為、それの復
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.7

ハーレイクインというキャラクター「を」楽しむ映画。

前作にあたる「スーサイドスクワッド」の人気キャラクターのハーレイクインにスポットを当てた作品で、一人のヴィランのドタバタな話。

そもそも彼女は「
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のび太の結婚前夜(1999年製作の映画)

3.8

大人になりと視線が変わった作品。

とりあえず、ドラミちゃんの短編とドラえもんズについて軽く記述。

ドラミちゃんの方はかなりシンプルな内容で一話完結型のストーリーとしてはまあまあ面白いかなぁといった
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PK(2014年製作の映画)

3.9

楽しい気持ちにさせてくれる宗教議論映画!

まず前提にインドという国は宗教的に非常に難しい地理的状況にある国で、多宗教が入り乱れている。

こんな国で、神についてここまで真面目にふざけた映画が撮れる事
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

3.8

消費しろ、考えるな、出産しろ!

世界は実は既に宇宙人に支配されており、ありとあらゆるメディアはサブリミナル効果のある単純な命令が加わっている。

そんな現実に謎のサングラスを偶然手に入れたおかげで、
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クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

3.8

アジア向けシンデレラス現代価値観アップデート版!

ストーリー自体の骨子はシンデレラなのだが、あちこちが現代的だ。

いわゆる身分差物の恋愛劇なのだが、主人公自身が強い。ニューヨークで経済学の教授を最
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

3.8

価値なんてない物へ、挑む、ロードムービー

小さい女の子向けのミスコンの出場権を入手したことから始まる物語。基本的にはコメディだが、絶えず喪失と共に進んでいく。

主人公の家族全員が問題を抱えており、
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鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

3.7

設定の小気味良さとそこから逆算できてしまう展開。

出来ればこの映画を鑑賞するときに、この映画は全体で何分の映画で、あと何分残っているからこうなるな……とか無粋なことを考えないようにすること。

まず
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

4.0

眠れる獅子は眼を醒ましたか?

中国アニメとしては転換点になるような本気のクオリティを見せつける作品。

元の話から、前日談である故に、多少能力設定等が分かりにくいところはあるが、それ以外は見事!
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来る(2018年製作の映画)

3.7

嫌いじゃない「イヤな空気」感!

とにかく、前半のイヤな空気感というか、日本人的の薄寒い幸福と枠にハマった理想像がちょうど良く気味が悪くて良い。

全体的にホラー描写は大味なテイストでの表現だが、金は
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それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ(2006年製作の映画)

3.7

自己犠牲と復活の系譜は機械仕掛けの神で許されるか?

本作はアンパンマーチで語られる「何のために生きるのか」という命題を、未就学児童にも飲み込めるように糖衣でとてもコーティングした作品だと思う。

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劇場版『えいがのおそ松さん』(2019年製作の映画)

3.8

徹底したファンムービー!

ここまで、ゴマを擦り下ろした作品はないと言って良いくらい「ファン」を大切にしている作品。

アニメシリーズは社会現象になったというか、一時期pixivで見ない日はなかったと
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

4.0

圧倒的な絵での迫力!!

まず、制作会社のユーフォーテーブルさんが異質だ。制作体制から業界的に圧倒している。

それ故に現代のアニメーションの中でこのレベルの作画は世界トップクラスの実力だろう。

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スネーク・フライト(2006年製作の映画)

3.9

誰がなんと言おうと最高の「B級」映画!

この作品は馬鹿だ。馬鹿のBだ。だけど、そこがいいんだ!!!

まず初めに飛行機の中に蛇を数百匹入れてターゲットごと墜落させて殺そうとする悪役が良い! 普通に爆
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.0

最高に心地よい暴力映画!

露悪的というのはこういうことを言うんだろうと言わんばかりの残酷描写の数々とグロテスク描写の一歩手前、現実感満載の痛みを伴いアドレナリンが分泌される暴力。

それでいて、エン
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スプリング・ブレイカーズ(2012年製作の映画)

3.4

ストーリーはないが、テーマは面白い??

まあ、水着の女の子が見れればそれで良いような作品なので、見て感動するようなタイプではない。

意外とテーマみたいなモノは案外はあったが、結構楽しいかなぁ……

パラノイドパーク(2007年製作の映画)

3.7

あの頃、好き「だった」映画。

確か、主人公の弟(13歳)くらいにこの映画を見て、この空気感が好きだった。あの場所の居心地の良さが特別だった。

あの、スケボーに乗り、若者がたむろする自分にとっての居
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

3.7

男性と女性のすれ違い。

感覚として、ものすごく確実に存在する性差を嫌らしく撮っている。正直破綻寸前のその夫婦と出会いの瞬間を交互に見せる演出はとても良い。

この長所であった、好きなところであったと
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

映像表現の極限と脚本の妙技!

まだ、一度しか観ていないので、完全に理解は出来ていない事を実感する映画。

物語的に難解な内容をテーマにしているが、決して理解しにくいように表現はしていない。

初見で
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2分の1の魔法(2020年製作の映画)

4.2

抜群の世界観設定と地に足のついた冒険譚!!

まず初めに説明される世界観設定が異様なまでに良い!!!

誰が、現代的に退廃しきったファンタジーワールドをここまでリアリティ満載に描けるか!?

重要なの
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦(2002年製作の映画)

4.0

クレしん映画の転換点!

明確な「子供向け」の殻を脱いだ作品。前作のオトナ帝国も十分「大人向け」だが、あくまでギリギリのラインでコメディだった。

だが、本作は違う。
コレは一線を超えている。

それ
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ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

3.8

よく、この設定で二回目が作れたという話!!!

設定は前回のホラー要素からSF要素に変わっている。それでいて、実際に別の問題を上手く定義付けていて、二作目としてよく出来ている。

ループが何故起こるの
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.8

殺人とループ!

基本的にはループ物の作品に殺人というホラー要素を加え、徐々に犯人に迫っていくというアイデア作品。

単純な内容で、スナック感覚的だが、よく出来てると思う。作品そのものが心地よいリズム
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ドラゴンボール超 ブロリー(2018年製作の映画)

3.8

丁寧にリブートされた作品。

今までの過去作とは別作品、パラレルワールドを強調した設定である事を丁寧に説明しながらストーリーが進んで行く。

戦士「ブロリー」の生い立ちを物語の基軸に添えながら、魅力的
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.7

急、旧、Q!

何が何だかさっぱりわからない。
本当に意味不明。

公開当時の印象はコレ……
破のラストで流れた、次回予告をやってくれよ……

まあ、コレが本来のエヴァンゲリオンの味。基本的に気持ち悪
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.1

見たかったのは、こういうエヴァンゲリオン!!!

アニメショーンとしてとにかく心地よい!

動き回る作画と手書きとCGの綺麗な融合、それでいて外連味溢れる演出!
ああ、心地いい!

それでいて、エヴァ
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

3.8

思い出補正盛り盛りの作品!

一時期、エヴァンゲリオンというジャンルにハマっていた時がある。

故にこの評価。物語的には絶えずアップテンポで、ストーリーを進めていくため、TV版を見ていないと分からない
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search/サーチ(2018年製作の映画)

4.1

ここまで、創れるようになったなんて信じられない。

まず初めに「ユクシー」は可愛い!!!
(ポケモンの記憶と知恵の伝説的存在)

さてこの話は、インターネットのデスクトップ画面のみ、分かりやすい画面で
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.7

設定は面白いけど、世代的には分からない……

ある売れないミュージシャンが、ある日パラレルワールドのような「ビートルズ」がない世界に行き、彼らの音楽を利用して、成り上がっていくという話。

この設定自
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映画ドラえもん のび太の新恐竜(2020年製作の映画)

4.2

空を飛ぶ夢を叶える作品。

ドラえもんというジャンル映画で、最も美しく終わっていると思う作品。

多くの人がドラえもん映画というものは見たことがあると思うし、それに求めているものは分かりやすい。

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十二人の死にたい子どもたち(2019年製作の映画)

3.2

僕の考えた最強のテーマで議論しようぜ!

12人の怒れる男達をベースに、クローズドミステリーを「自殺」っていう最高にイカれたテーマでやったら最高の作品になるんじゃね??? っていう浅い考えが見えたのは
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.7

旧アメリカの夢物語。

作品としては、よく出来ているし、シナリオもキャラクターも面白いとは思う。

しかし、圧倒的な「時代的共感性」に欠ける作品。この物語を最も楽しむには、公開当時にアメリカ人として2
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泣きたい私は猫をかぶる(2020年製作の映画)

3.6

変身の代償は何ですか?

お面を被れば、猫になれるというお話。そして猫の状態で好きな人に甘えて、媚びて、好かれるという夢の話。

正直、この脚本家(岡田麿里さん)は完全に人を選ぶ作家さん。10年代のア
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ウィロビー家の子どもたち(2020年製作の映画)

3.7

自己のアイデンティティは「家族愛」?

タイトルの通り、ウィロビーという不可思議な家の物語。一族と言っても良いかもしれない。

父親と母親、長男(主人公)長女(ヒロイン)
双子の男の子(かなり特徴的な
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