だいごろーさんの映画レビュー・感想・評価

だいごろー

だいごろー

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

4.5

@新文芸坐

難解とされてるけど、激渋なスパイ映画として素晴らしい。
ハンガリーの将軍と会う最初のカフェのシーン、意識的な無意識を装った空間の緊張感、垂れる汗、ここから最高。
タイトルクレジットからの
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

3.5

Amazonプライムビデオで鑑賞

これも「リバー、流れないでよ」と同様に小規模なSF作品で最初のギミックは面白いと思ったものの、その面白さは持続はせず、中盤くらいで出てきた時空警察も、いや、その時点
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

Amazonプライム・ビデオで鑑賞

気になってたので今更鑑賞。
川の神様に祈った結果、タイムループが発生したという前半の展開はなかなか面白いし可愛らしいとも思ったのに、結局オチはそれかい、感があった
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RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

4.0

@シネマート新宿

前作が大好きだったので今作も期待してたけど、想像以上に良かった。
かなり壮絶な戦禍での出産シーンから、喧嘩殺法を師匠に教わり、そこからクライムな展開を経て獄中でのレコーディング、そ
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.2

@キノシネマ新宿

真綿で首を絞められるように、徐々に臨界点に近づいていき、最悪の結末を迎えていく「呪われた一家」の話。
家族を愛するが故に逃れられない環境というのが本当にしんどい。
一人残された長男
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オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

4.0

@TOHOシネマズ新宿

想像以上に良かった。
ジャンプスケアだけじゃない、ホラー映画的な見せ方も良かったし、音響もかなり良かった。

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.8

@新宿ピカデリー

ミア・ゴスが素晴らしい。もうすっかりホラーヒロインの座を確固たるものとしてる感すらある。
父親譲りの人体破壊描写と倫理観完全無視な世界観も面白い。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2

@グランドシネマサンシャイン

膨大な台詞量と登場人部、時系列の複雑さもありつつ、よくここまで描き切ったなと思った。
広島、長崎の惨状を描いてないって批判もあったけど、当然映画として描く、描かないは選
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ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

4.5

@ル・シネマ

素晴らしかった。
最初の荒々しい波の映像から、そのままの荒々しさと繊細さを兼ね備えたような映像に圧倒された。雨の中、膨らむ黒いドレスと、ラストの海に沈んでいくピアノの映像は忘れ難い。

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

@ヒューマントラストシネマ渋谷

日本のエンタメ作品でこんなに満足する作品は久しぶりかも。和製ノアールの快作。
話のプロットや展開は先が読めず面白いし、岡田将生の快演もかなり癖になる塩梅ですごく好きだ
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

3.6

@ユーロスペース

誰かの人生と街の歴史が交差する。
街は多くの人が集まり、そこで生活の基盤を築き、離れ、また集まってくる場所。そこには人の思いや歴史だけでなく、あったかもしれない未来もふんわりと重な
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コロッサル・ユース(2006年製作の映画)

3.8

@シネマヴェーラ渋谷

ショットがめちゃくちゃ決まってて素晴らしいし、繰り返される愛の詩も印象に残るものの、どうしても閉鎖的な空間の行き来がメインになるので終盤は飽きてしまった。

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.0

@シネ・リーブル池袋

満足度の高い作品。
後半にかけての緊張感が高いレベルで維持されてて手に汗握った。盲目ゆえのハンデと、タイトルの通り、ある特性を持つことで進んでいく展開が良かった。見せ方も上手い
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ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.0

@イメージフォーラム


一番最初の飲み屋のカットが素晴らしい。閉店後の店内で酔っ払ったオッサンたちを駒に、惑星ごっこをする。そのあとの物語との繋がりはイマイチ見えなかったけど、一気に引き込まれた。
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

@ル・シネマ渋谷道玄坂

夫婦というものの複雑さとそれを外にいる人が語ることの困難さ。だからこそ、唯一の目撃者であり、家族でもある息子の覚悟にグッとくる。
犬の演技が見事すぎる。死にそうになる演技はど
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.8

@TOHOシネマズ新宿

なんか演出がイマイチだった気がする。久しぶりのマシューヴォーン作品だったから忘れてるだけで、こんなもんだっけ?
サムロックウェル好きなんで満足はしたけど。

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.2

@横浜ブルク13

前作が壮大な前振りだったので、今作は物語も大きく進展し、圧倒的な映像体験や没入感含めて満足のいく作品になってた。
あんまり監督が興味ないのか、戦闘描写が凄そうに見えて案外あっさりし
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(1985年製作の映画)

4.5

@早稲田松竹

久しぶりに観たしスクリーンは初めてだったけど、圧倒された。
ショットが決まりすぎてる。ロングショットが特に素晴らしい。仲代達也が城を追い出されるくだりの演技、一挙一動が凄すぎる。原田美
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.8

@ヒューマントラストシネマ渋谷

同じテーマにしか興味ないんだなと思いつつ、ところどころ面白いところはありつつも、流石に地獄めぐりを一緒にさせられるにしては長すぎる感もあった。お風呂場のシーンが一番良
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.2

@ヒューマントラストシネマ渋谷

あの日2人を繋いだ本が巡り巡って持ち主のところに戻ってくるように、人生は旅であり、出会いや別れを繰り返しつつも、いずれ再び巡り合うことはきっと必然なのだろう。そうであ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.2

@TOHOシネマズ新宿

各々が抱える心の闇を星の光が照らす移動式プラネタリウムのシーンが素晴らしかったんだけど、まさかの映画オリジナルだと知って驚いた。全編にわたってフィルム撮影(特に夜のショットと
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Here(2023年製作の映画)

4.0

@ル・シネマ

偶然の出会いから始まり、森の中の自然のミクロとマクロを同時に味合う冒険のような行程、そしてラストに示される緩やかな関係性が心地よい。スープを配ることで生まれる繋がりも微笑ましい。

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.2

@ル・シネマ

最終電車を寝過ごした女性が夜の街を彷徨いながら家に帰るだけの物語なんだけど、夜の街に点在する人たちとの一期一会や一瞬の重なりに宿るぬくもりに静かな感動を覚える。真夜中の静かさと、孤独を
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

@TOHOシネマズ日比谷

久しぶりにマークラファロを思う存分堪能。
美術や衣装、セットの豪華さや作り込み具合が素晴らしく、目で観て楽しめる作品だった。
一人の女性の成長譚としてだけでなく、生命や身体
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.8

@新宿ピカデリー

原作は途中まで読んでいる中で鑑賞。
原作へのリスペクト、登場人物たちのこれ以上ないほどのマッチ具合も含めてよく出来た邦画大作として満足。
漫画原作ものに関しては山崎賢人に全てを背負
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僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

3.8

@キノシネマ新宿

小品ながら結構良かったジェシー・アイゼンバーグの初監督作。
母と息子の世代間のぶつかりから始まり、お互い痛々しすぎるほどの空回り、喪失を経てお互いの世界を見つめ直すきっかけを得る。
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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.0

@シネリーブル池袋

脱北を支援する韓国人の牧師さんが、ある家族を脱北させる行程にカメラが密着して、その様子を捉えたドキュメンタリー。撮られてしまった映像の強度が強すぎて見応えありすぎる。

まず、韓
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彼方のうた(2023年製作の映画)

4.0

@池袋シネマロサ

登場人物たちの背景や動機の説明を一切廃して余白で語るタイプの作品。
カセットテープという、まあある意味過去と現在を繋ぐ装置としてはありがちなものを頼りに、「音」を追い求める主人公は
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.8

@アップリンク吉祥寺

久しぶりに山下監督の作品観た気がする。
軽いタッチではありながらも、声変わりという少年から大人になる過程を辿る主人公が、ヤクザとの交流を通じて成長していく成長譚として描かれてい
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

4.0

@アップリンク吉祥寺

常識や社会性、人間としての成熟や成長などとは無縁で、全てを捨て去って「お笑い」にのめり込んだ青年の愛と狂気の日々。
ある意味「さかなのこ」のさかなくんと近い部分もありつつも、彼
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生きている画像(1948年製作の映画)

4.2

@ラピュタ阿佐ヶ谷

数年前の千葉泰樹特集で見逃した作品をようやく観れた。
著名な画家とそこに集う人々の群像劇なんだけどど、笠智衆とその奥さんの物語がとても感動的だった。
特に結納式で、大河内傳次郎と
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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.0

@アップリンク吉祥寺

ようやく映画館で観れた…あとスクリーンでの未見作品はジャッキーブラウンだけなのでお願いします。
やっぱりオープニングとラストの切れ味が素晴らしい。

サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.6

@新宿ピカデリー

気軽に友達と家で観る映画としてはまあまあ面白いかもしれないけど、さすがに薄すぎたかな。
死に方のバリエーションもそこまでの満足感はなく。

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.6

@新宿ピカデリー

闖入者が現れて一家が崩壊していくという話の流れに搾取するもの、されるものという構図や現代の東南アジアの構造なども含まれて見応えあったけど、前作のインパクトと比べるとだいぶ劣るなと思
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ヘル・レイザー 4Kデジタルリマスター版(1987年製作の映画)

4.0

@シネマート新宿

やっぱりビジュアルが最高だってことをスクリーンで再見して改めて感じた。あのヌメヌメの質感とか魔導士たちの見た目が素晴らしい。
 

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.2

@ポレポレ東中野

今まで観てきたどの映画とも違う、ドキュメンタリーやフィクションなどのジャンル分けも拒否するようなとても不思議な映画で、唯一無二の体験ができた。

大まかなあらすじは最初の15分くら
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