みかんぼうやさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

みかんぼうや

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あの子を探して(1999年製作の映画)

3.6

【ドキュメンタリータッチで中国の困窮した山村部における生活や教育事情にスポットをあてた社会的意義あるヒューマンドラマ】

12月末までに配信終了となるU-NEXTのマイリスト作品が24本!いくら年末の
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或る夜の出来事(1934年製作の映画)

3.3

【ベタベタコテコテな既視感の連続は、本作がいかに後世のラブコメに影響を与えたかという証明と分かりつつ、今観るとどうしても感じてしまう物足りなさ。】

「スミス都にいく」、そして何よりも我がライフタイム
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ある男(2022年製作の映画)

3.9

【作品としての重さとエンタメ性の絶妙なバランスと役者陣の確かな演技力が作り上げる、ミステリーにして、強い社会派メッセージを提示する高次元のヒューマンドラマ。】

「ザリガニの鳴くところ」から20分空け
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.7

【美しい天然の自然描写。ミステリー色濃厚の予告とは異なる、偏見の中で自分らしく生き、恋をし、決断する、ある女性の意志の物語】

先日のコロナ以降初の映画館鑑賞(「秘密の森のその向こう」を鑑賞)以降、映
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縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)

4.4

【間違いなく今年一番の衝撃作。純粋無垢な少年視点で描かれることでその残酷さがより際立つホロコーストの悲劇】

間違いなく今年一番衝撃を受けた作品。いや、観終わった後に心臓をえぐり抜かれたようなこの感覚
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愛なのに(2021年製作の映画)

3.0

【演者の新たな魅力を感じつつも、物語の非日常性と登場人物の人物像に入り込めず最後まで作品との距離を埋められなかった初めての城定監督作】

「街の上で」で引き込まれ「かそけきサンカヨウ」で一気に虜になっ
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バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

3.8

【サスペンスの音楽とは思えぬモリコーネばりの美メロ、次々に登場する怪しさ満点の登場人物。ダメ押しのサイコ感。その縦横無尽な作風に魅了される失踪系サスペンス】

実は全く知らない作品だったのですが、フィ
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飢餓海峡(1965年製作の映画)

4.2

【10年におよぶ金と愛への執着が生みだすスペクタクル。どこか狂気じみた印象的な映像と戦後の貧困層の生き様が生み出す虚無感と非情さに満ちた傑作サスペンス】

同じ3時間の作品、「ドライブ・マイ・カー」と
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.0

【圧倒的なプロットの前には、余計な演出や場面変化など一切不要。12人の男の議論をただ見続けるだけなのに、そのサスペンス性の妙味と決めつけや同調圧力に対する皮肉をたっぷり堪能】

古典的名作と名高い本作
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昼顔(1967年製作の映画)

3.6

【理性と性的欲求の中で葛藤する貴婦人の心理描写を現実と妄想が交錯する映像表現で巧みに描く。】

先日視聴した「忘れられた人々」でルイス・ブニュエルデビュー。そこから彼の作品に興味を持ち、彼の商業的に最
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かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

4.4

【今泉監督の自然で繊細な描写は、自分にとって非現実的なほど理想的な世界を現実的に見せてくれる。この優しさに溢れた世界にずっと浸っていたい。】

恥ずかしながら、“かそけき”も“サンカヨウ”もどちらの言
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.4

【未だ逃れられぬ“ロック・ストック・トゥ・スモーキング・バレルズ”の呪縛。】

大学生の時に初めて「ロック・ストック・アンド・トゥ・スモーキング・バレルズ」(以下LSTSB)を観た時の衝撃は今でも忘れ
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.4

【期待ほどの衝撃は無かったものの、スタイリッシュな映像と超独創的な世界観で描かれる新たな“愛の形”】

“衝撃”、“ぶっ飛んでいる”という様々な評論やレビューでずっと気になり楽しみにしていた作品。貧乏
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

3.8

【苛立ちの泥沼の中に零れ落ちた優しさと好奇心に満ちた一粒の雫が、泥沼を美しいオアシスへと変えていく。】

「禁じられた遊び」に続いて“メインテーマが先行していた作品”である本作。あちらは祖父母の影響で
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禁じられた遊び(1952年製作の映画)

3.8

【思い出に残り続ける超有名なギターの旋律をバックに、戦場の生々しさを見せることなく、戦争の残酷さを表現する。】
様々な思い出とともに、】

小学校の頃に、祖父母が観ているテレビ画面から何度となく聞こえ
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モヒカン故郷に帰る(2016年製作の映画)

3.5

【沖田作品の中でもなかなかストレートアヘッドな家族の絆物語に“しんみり”させられつつ、ゆるくて温かくてクスッと笑える沖田節は健在!】

久しぶりの実家に帰った息子が病気の父親と久しぶりに親子の時間を過
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.3

【クルド人難民家族に待ち受ける在留制度の壁という大きな試練を通じて、秩序や治安を守る法や制度の在り方を問う】

今年観た邦画の中でも数本の指に入る印象的で見応えのあるかなりの良作。日本という国における
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.8

【毒をもって毒を制す!「キル・ビル」より遥かに恐ろしい女の復讐劇】

ちょっと頭が疲れ気味なので、考える系の作品はやめてエンタメ性強めの作品を・・・と思い本作を選択しましたが、いや、かえって疲れ倍増し
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.8

【エゴとエゴの間に生まれる隔たりの前には、理解し分かち合おうとする常識的な対話などもはや無意味なものなのか】

先日の「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(以下TWBB)」でポール・トーマス・アンダーソン(
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ミセス・ノイズィ(2019年製作の映画)

4.1

【対騒音おばちゃんを描くブラックコメディかと思いきや、自分を正当化しようとする人間心理と相手の視点に立つ大切さに踏み込んだ社会派ヒューマンドラマ】

レビュアーさんの評価がだいぶ分かれている作品ですが
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鍵泥棒のメソッド(2012年製作の映画)

3.8

【私的“キング・オブ・邦画クライムコメディ”内田監督とあの半沢コンビがタッグを組んだ、超練り込まれた脚本を堪能できる極上クライムコメディ】

内田けんじ監督作3作品目の視聴。毎度のことながら、ただただ
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.0

【ジャズの旋律とニューヨークの街並みが作り出す“お洒落”な雰囲気。しかし、決して“お洒落だけ”にはやられないぞ!】

私はジャズが大好きです。20代の頃は都内のジャズバーを開拓し続け、自分もサックスを
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ごめん(2002年製作の映画)

4.4

【ちょっとお下品なオープニングからスタートする小学生の初恋物語が、こんなに可愛らしく甘酸っぱく爽やかとは。その純粋さ、アラフォーオジサンの心を鷲掴み。】

なにこの映画、最高。ノスタルジックさ&甘酸っ
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.9

【3年ぶりの映画観鑑賞!俗世間から離れた静かな暗闇の中に現れる美しい自然と優しい音に囲まれ、ノスタルジックな余韻に浸る】

コロナ禍以降、実は一度も映画観に行っていませんでしたが、ついに映画観復帰。以
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共謀家族(2019年製作の映画)

4.2

【韓国映画ばりの劇画的な過剰演出と目まぐるしい展開の中に“家族”というちょっとしたヒューマンドラマスパイスも入った、期待を遥かに超える高エンタメ度のクライムサスペンス!】

「これ、中国映画なの?韓国
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ペレ 伝説の誕生(2014年製作の映画)

3.4

【“サッカーの神様”ペレの個人の人生を追ったヒューマンドラマというよりは、ブラジルW杯優勝のサクセスストーリー。しかし、サッカープレーのダイナミックでスピード感溢れる映像は圧巻!】

“サッカーの神様
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.9

【認知症という要素を組み込むことで独特な緊張感と不安感が終始引き立つサスペンス。驚きの展開に短尺ながら見応え十分】
★本作、ネタバレになるので、Youtubeに流れている“予告”すら観ないほうがいいら
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.8

【エドガー・ライトお得意のお洒落な映像と音楽とやや力押しながらラストまで動きのある展開で楽しませてくれるエンタメ感抜群のタイムリープサスペンス】

「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督最新作
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

3.8

【ただスタイリッシュな映画という印象から、この不器用で純粋な男の生き方を愛おしく思える作品に変わった瞬間、20年という月日の重みを実感する。】

映画は小学生の頃から観てはいたが、ほとんどハリウッドの
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私の殺した男(1932年製作の映画)

4.0

【世の中には知る必要のない真実もある。国を超えて分かち合える人の繋がりを提示した本作公開の数年後、第二次世界大戦が勃発するという皮肉。】

わずか80分弱、そして第一次世界大戦の戦場でドイツ人の若者を
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子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

3.3

【安定の温かく和み力満点の沖田演出は、やや複雑な家庭環境さえも癒しの舞台にしてしまう。が、沖田映画の中では登場人物にイマイチ魅力を感じられず・・・】

初めて観た沖田監督の「横道世之介」があまりにも好
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忘れられた人々(1950年製作の映画)

3.9

【メキシコの“貧困”そのものよりも、“子どもの教育における大人たちの信頼と愛情の大切さ”に意識が奪われるメキシコシティの忘れられた不良少年たちの物語】

ルイス・ブニュエル作品初鑑賞。フォローしている
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.5

【抜群の映像演出と音響、バリー・コーガンの無機質な演技が作り出す前半の強烈な不信感と、真相が見えるにつれて感じ始める後半の違和感】

本作、以前からレビュアーさんの評価が賛否両論分かれていて、ヨルゴス
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ピアニスト(2001年製作の映画)

3.3

【何かに身を捧げ続け、抑圧された人生の先に辿り着いた“歪み”】

カンヌの主要な賞を総なめして公開当時気になりつつも結局これまで観てこなかった作品。例の如くU-NEXTの配信終了に背中を押されて初鑑賞
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.3

【中途障がい者当事者として本作に思うこと(レビューというより個人の経験中心)】

突如聴覚障害を発症した若きドラマーの苦悩と葛藤の物語。聴覚障害というと先日観た「コーダ」が思い浮かびますが、本作は聴覚
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.1

【ゆる~く軽い独自のノリと世界観に高評価続出は納得も、思った以上の軽さにハマりきれなかった殺し屋女子2人の痛快アクションコメディ】

フィルマで本作を知り、以前からずっと気になっていて無料配信を長らく
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