みかんぼうやさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

みかんぼうや

みかんぼうや

映画(782)
ドラマ(0)
アニメ(0)

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019年製作の映画)

4.0

米国巨大化学メーカーのデュポン社の環境汚染問題とその訴訟を描いた本作。巨大権力VSそれに立ち向かう立場弱き者、という比較的よく描かれる構図ながら、その脚本や演出の素晴らしさもあり、期待を遥かに超える同>>続きを読む

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)

3.9

ISIS(イスラム過激派組織)のテロリストに拉致され人質生活を送ったデンマークのカメラマンの実話ベースの物語。「ホテル・ムンバイ」を思い出させる、胃袋を握り潰されそうな緊張感と恐怖を終始感じる作品。>>続きを読む

ガス燈(1944年製作の映画)

3.7

有名古典サスペンス作品の本作。犯人はすぐに分かるし、終わってみれば結局そうなるか、という内容ではあるものの、観ている間はそのラストに至るまでの展開が読みづらく、クライマックスまでどのように持っていくか>>続きを読む

グローリー 消えた腕時計(2016年製作の映画)

3.8

全体のレビュー数がかなり少ないわりに、フォローしているレビュアーさんが多く観ていて点数も高めなので気になって鑑賞。サスペンスでありながら、エンタメ的派手さのない淡々とした、しかしテンポの良い演出、かつ>>続きを読む

その手に触れるまで(2019年製作の映画)

3.7

久しぶりのダルデンヌ兄弟作品鑑賞。多感な時期の少年が周りの大人たちとのコミュニケーションの中で感じ行動する姿を、ダルデンヌ兄弟らしい静かで淡々とした描写と演出で描く。しかし、本作には“宗教”という大き>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.0

ザ・恋愛に振り回される男女の恋は盲目映画。約2時間、徹底して岸井ゆきのと今泉力哉監督の作風を愛でる作品。いや、岸井ゆきのだけではない、この一方通行な恋に生きる人間臭い登場人物たちとそれを演じた各演者た>>続きを読む

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

3.9

イカれ妄想癖ストーカー野郎の大暴走劇。マーティン・スコセッシ監督お得意の“人間の狂気”を描いた作品の中でも、「タクシードライバー」のトラヴィスに勝るとも劣らぬ、いや、スコセッシ作品の中でもNo.1にイ>>続きを読む

駅馬車(1939年製作の映画)

3.8

告白します。この古典名作、最初の60分は名作と言われるほどの面白さが分かりませんでした。が、後半のインディアン襲撃から一気にテンション爆上がり!撮影中に何人か死人が出てもおかしくないような強烈なアクシ>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

4.5

「仁義なき戦い」、「龍が如く(ゲーム)」が好きな私なら絶対に好きだ、とフォロワーさんからずっとオススメいただいていた本作、ついに視聴。いや、もう申し分ないです。「仁義なき戦い」への強いリスペクトはもち>>続きを読む

あの頃、君を追いかけた(2011年製作の映画)

3.4

フィルマでの平均評価がかなり高かったので、相当期待値が上がっていたのかもしれない。一言でいうと、思った以上にコメディタッチでポップな演出、そして分かりやすすぎる“焦らし&胸キュン”にイマイチついていけ>>続きを読む

天国の日々(1978年製作の映画)

3.9

1970年代の作品にして他作品を圧倒する映像美!CGなどではなく、そこにある自然の素材の美しさをなんとも言えぬ純度の高さで映し出す。1つ1つのシーンが1枚の絵画になりそうな美しい画の連続で、アカデミー>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

酒は飲んでも飲まれるな、そういうこと。ジャケ写と予告から、酔っ払いたちを中心にしたコメディだと思っていました。いや、前半の“人はアルコール血中濃度を一定量高めておくことで、より高いパフォーマンスを発揮>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.4

劇場で観たいと思っていた作品だが結局観られず配信でようやく視聴。期待通りの重さたっぷり骨太社会派邦画。

とある学校のいじめ問題を追いかけるドキュメンタリーディレクター由宇子が自らの正義を信じ、マスコ
>>続きを読む

キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)

3.3

親と一緒にいるのが嫌で家出した反抗期の高校生たちが作る森の中の秘密基地での約1か月間の生活を描いた作品。フィルマでの評価が高い作品なので期待していたが、正直なところ、作品全体の“ノリ”が合わなかった。>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.8

今年観た映画NO.1(配信含む)&私的日本アニメ映画史上NO.1作品(ただし思い出補正発動中)。劇場鑑賞必須案件。初めて映画を“全身で聴いた”。

「SLAM DUNK」の試合シーンに勝るとも劣らぬ興
>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

3.6

バスケットボールシューズ市場でコンバース、Adidasに大きく遅れを取り業績不振に陥っていたNIKEが業界史上空前のメガヒット商品となる「エア・ジョーダン」を生み出すまでの超王道ビジネス物語。

Th
>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

3.6

最近の韓国映画のイメージと比較すると、ビックリするくらい静かで淡々とした青春群像劇。高校時代の仲良し5人組が社会に出る中で、それぞれの仕事、生き方、家庭環境の違いから、微妙に変わっていく関係性を描く。>>続きを読む

血と砂(1965年製作の映画)

3.9

岡本喜八監督のストレートな反戦映画。同じく反戦映画ながら全く戦闘シーンを見せなかった「肉弾」とは対照的に、未来ある若者たちが壮絶な戦場の現場に送り込まれ、敵に立ち向かっていく姿を直球で描くことで戦争の>>続きを読む

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

4.3

レビュアーさんたちの評価が高いことは前々から知っていたし、最近は「オットーという男」としてハリウッドリメイクされたこともあり、きっと良い作品なのだろうと思いつつ、頑固爺系作品は個人的に結構当たり外れが>>続きを読む

レスラー(2008年製作の映画)

3.9

かつて一世を風靡した人気プロレスラーが、その人気の低下とともに、もはやそれだけでは食べていくこともままらない地下プロレスの世界に生きるプロレス人生晩年を描く。大学生までプロレス大好き少年だった私にとっ>>続きを読む

カランコエの花(2016年製作の映画)

4.0

「Still Dark」に続き短編映画2連発。フォローしているレビュアーさんの評価が軒並み高いのも納得。40分の中に凝縮された差別をなくすことの難しさ。

高校のとある1クラスだけ行われるLGBTの授
>>続きを読む

still dark(2019年製作の映画)

4.4

「Skin」以来の短編映画。全盲の青年ユウキがとあるパスタでコックを目指す、凝縮された40分間の作品。

こんな仲間、こんな世界、こんな映画、ただただ最高じゃないですか。この作品の素晴らしいところは、
>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.9

キラキラ系恋愛映画が苦手で時代劇が大好きな映画部の女子高生が自主制作時代劇を作るお話。

本来、この手の青臭いお茶目演出系青春コメディ映画は得意ではないし途中で発覚するなかなかの“とんでも設定”は苦手
>>続きを読む

危険なプロット(2012年製作の映画)

3.6

フランソワ・オゾン監督作品初挑戦。クロードという生徒が高校の文学の授業で提出した連載物の作文。その生徒の友人家庭を覗き込んだような生々しい表現と文才に惚れ込んだ担任の先生は、その生徒の才能を伸ばそうと>>続きを読む

アンテベラム(2020年製作の映画)

3.3

え!?これ、絶対に予告編を観てはダメな映画ですよね?だって、予告編の中で本作の肝となるトリックを思いっきりネタバレしているのだもの。

「ゲット・アウト」のプロデューサーが放つ新たなスリラーということ
>>続きを読む

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

3.5

鈴木清順監督作初挑戦にして代表作の本作をチョイス。シュール?奇天烈?アート?怪奇?色々な言葉が頭の中を飛び交いながら目に飛び込んでくるなんとも独特な世界観と画力。2人の男と2人の女の物語は、その展開を>>続きを読む

カサブランカ(1942年製作の映画)

3.6

AFIの「アメリカ映画ベスト100」で2回連続ベスト3にランクインする本作。「市民ケーン」同様、このタイトルで期待値が跳ね上がるも、今観るとそこまでの凄さは感じず。

ド直球の美しきラブロマンスかと思
>>続きを読む

黄昏(1981年製作の映画)

3.9

頑固じいさんと生意気な孫の交流を中心に繰り広げられる、“安心印”の超王道ハートフルファミリーヒューマンドラマ。80年代アメリカ映画のノスタルジックで優しい映像と音楽、美しい湖の画と深まりゆく家族の絆。>>続きを読む

女神の見えざる手(2016年製作の映画)

3.3

銃規制法の成立をかけて、権力と闘う勝利至上主義の女性ロビイストの物語。相手の何歩も先を読む天才ロビイストの活躍と銃社会アメリカに抗うメッセージ性に映画としての見応えは十分。だが、時折人としての弱さは見>>続きを読む

さざなみ(2015年製作の映画)

3.8

突然ですが、しばらくフィルマをアクセス頻度を減らして鑑賞済み映画の記録用にすることにしました。

これまで主に映画好きの皆さんとの交流や色々な方のレビューを読むことをメインにしつつ、自分なりに感想をま
>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.3

【人は“ノッている時”と“ピンチの時”にその本性を現す。破綻した“返報性の法則”の中で起きる、人気女子Youtuberと献身オジサンの泥沼劇。】

うわ~、この映画、めっちゃ好きです。こういう映画を大
>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.5

これはもう内容について余計な言葉はいらないでしょう。
物語、作画、音楽、申し分ありませんでした。

「アニメだから、無理せず家で配信で観てもいいかな」と揺らいでいた自分にゴリのゲンコツをガツンと食らわ
>>続きを読む

グランド・イリュージョン(2013年製作の映画)

3.4

【サスペンスを期待していたら、思いのほかド派手クライムアクション!腑に落ちない点が多くイマイチハマり切れなかった天才マジシャン VS FBIの攻防】

ここのところ、落ち着いたヒューマンドラマ中心(「
>>続きを読む

(1961年製作の映画)

2.6

【離れゆく心を確かめる数日間。とってもお洒落で最も苦手なタイプの映画だからこそ気づかされる映画鑑賞の醍醐味。】

イタリアの巨匠ミケランジェロ・アントニオーニ監督作に初挑戦・・・でしたが、うわ~、全然
>>続きを読む

痛くない死に方(2019年製作の映画)

3.5

【在宅医療を選ぶという、“尊厳死”の形。1人の医師の挫折と成長とともに、人生の最期にどう向き合うかを考えさせられる医師と患者と家族のヒューマンドラマ。】

最近邦画ばかり観ているのは、邦画ブームがきて
>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.6

【ともに綿矢りさ原作、妄想女子が主人公でありながら「勝手にふるえてろ」とは似て非なる、より主人公の内省に寄ったラブコメの皮を被ったヒューマンドラマ。「あまちゃん」以来の、のんと橋本愛の友情関係にも胸が>>続きを読む