KIKIKIさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

KIKIKI

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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

神はその座を神経に譲ったのか。
不眠症は祝福か、あるいは警告か。
破壊の後に、安眠は訪れるのか。

どこにいても目に飛び込む情報・広告。
粉飾がアイデンティティとなり、自己啓発は祈りになった。

一方
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エル ELLE(2016年製作の映画)

4.3

命のリレーは修羅

可視化する過去

不可視な内面

巣食う虚無

破滅願望

無関心

人間

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

4.2

国境は地図上の筆跡に過ぎず、国籍は便宜上の滞在証明に過ぎない。

思想の変換には、納税も雇用も戸籍もあらゆる書類も手続きも必要がないし、時間の境目もない。

世界を覆う大きな流れは、誰もが瞬時に接続可
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ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

背景は不要、悪意で村は色付くから。
情けは無用、悪意が村に蔓延るから。

クライマックス、カタルシスを得る我々も、ドッグヴィルの住民。
いじわるなトリアー。

エレファント(2003年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

あの日は始まりから、幾度となく繰り返した惰性だった。
銃声が聞こえるまでは。

しばらく学校には行けない。
警察やらマスコミやらでそれどころじゃなさそうだ。

再開したらあの子は今までと同じ様子で登校
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ザ・レイド GOKUDO(2013年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ハンマーガール×バットマン
この姉弟は、世界線を間違えたかのような異物感を纏いながら、作品の内側のギリギリのところで鈍器を振り回し、強烈なインパクトを残す。

前作のストイックな脂質制限から急に高カロ
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

太いディックのキング
白髪混じりのコング
生き急ぐドラゴン
相手はライオン
楽しむピッグ
貧しいブラック
凍るチャイニーズ
相手間違うジュール
息子殺されたロシアン

退屈なコッポラ
始まったド
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

観たことがあるようで、観たことがない。
クラシックかつ新奇。
琴線に触れる世界観。

言葉による説明は最小限。
細部から全体を想像で補完することが求められる。

ポンコツグループが一矢報いる展開はカタ
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るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

剣心が
辿るかも知れなかった影道=志々雄
辿った道から生まれた怨念=縁

混沌の未来に立ち向かうためには、過去の精算が必要になることもある。

生きて罪を償うことは辛く、また尊い。

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

宇宙の始まりから終わりまでの長い長い旅路に寄り添うように、人生は螺旋を描く。

数十光年前の星の残滓が手のひらに降り注ぐのならば、死んだ人間といつかどこかで邂逅できるのもあながち非科学では無いのかもし
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

他人の苦悩は目には見えない。

トランスジェンダーが絶望する社会は、シスジェンダーが絶望しない社会ではない。

絶望の淵で見た朧気なダンスは、過去に夢見た自分。

現代の人間讃歌

草彅剛の画面への溶
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

日本社会の下層は、自分よりも下層がいてほしいと願ういびつな本心が生み出した通念。

見て見ぬふりが正解とされる世界。

自分への嘘は罪か。

「パラサイト」「ジョーカー」の影響を受けたであろう本作
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映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます


ゴミ人間は心を投影する。
もう一人の自分を写すもの。

自分の気持ちに気付いたルビッチは、
仲間の協力を得て、無知と誤解の煙を取り払う。

なんの変哲もないストーリーだが、なぜか心に残るのは、上を見
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罪の声(2020年製作の映画)

3.8

抱えたマグマが人を傷つける。
夢見た理想郷はエゴの中にしかない。
燃やせば破壊し、冷めれば塵となる。
声はいつも届かない。

宇野祥平
阿部純子

見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

無関心は実体のある圧力で、押し出され弾かれた人間が、暗闇の中で喰らいあう。

現代人の六根は、目に見えない「何か」によって覆われている。

全盲の女性が、そんな盲目的世界を照らす。
皮肉と希望。
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最後の命(2014年製作の映画)

3.7

愛のない世界で
傍観者と当事者
罪と償い
出来事と選択
柳楽優弥

Z Bull ゼット・ブル(2018年製作の映画)

3.4

アクションシーンがいい
銃とシヴァ
「軍事企業で暴力沙汰はまずい」

ザ・ファブル(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

エッジが足りない
妹の存在感薄い
山本美月はかわいい
柳楽優弥最高
福士蒼汰おしい

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

住宅の材料に生命は不要であるから、殺害が必要。

目的は芸術
過程は殺人
着地は地獄

ひたすら、地獄への旅路の同伴が楽しめるパルプフィクション。

取って付けたような地獄の描写は、トリアーなりの反省
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地獄の黙示録 ファイナル・カット(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

黒が白になる異常地帯は、意図せずとも案外容易くできて、増殖する。

正義 欺瞞 思い込み
技術 魂

人間の愚かさを、カーツは自らの死をもって証明したかのよう。

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

コーパス・クリスティの虐殺

男の愚かさ

リアリティのある夢

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ワンカット風(上映時間と劇中の経過時間がほぼ同じ)ということで、単調なストーリーかと思いきや、
緩急の付け方が絶妙だったと思います。

画作りの感性がすごい。

火口のふたり(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

人間は様々なものに縛られている

身体、土地、制度、政治

二人は期限付きで、自由になる許可を得た

目に見えない大きなものを感じる一方で、目の前の欲に従う

結局、自分以外の他者にはなれない接続不可
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