エスさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.0

ちゃんと想いが込められてるのなら、形骸的じゃないのなら、伝統を重んじるのも美しいんだなと。

ディズニーがいま描ける最大レベルのセクシュアルなお話(言い方)

やっぱ恋愛ものは苦手だなって思いつつも、
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ザ・ライダー(2017年製作の映画)

5.0

自分が何十年先もみていたい、そして何億年先まで語り継がれていて欲しい映画をみつけた。

その辺一帯で誰よりもカウボーイの気質を持ったブレイディ、ある日のロデオでの事故で頭に大きな傷を負う。それが脳まで
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

4.3

特別さに焦がれて取り返しのつかない突飛なことをするのではなく、地に足つけて生きることの過小評価されぶり。それを物凄い角度で描いていたなと。

辿り着くまでの葛藤と、いざ挑んだ本番での大茶番。そして、青
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.7

自分はこれを真のラブストーリーだと定義したい。

何かと話題だった今作、溢れかえる周りのドン引き気味の反応。どんな地獄が待っているだろうと蓋を開けてみれば、とにかく強いバリーコーガン。乙女っぷりから圧
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ゴッズ・クリーチャー(2022年製作の映画)

4.1

いつの間にか”母の息子”ではなくなってしまうことがある。そして手に負えなくなり、憎悪さえ湧いてしまうことがあったりする。どうしてそうなってしまうのだろうか。

いやーまいった。内容も知らずポールメスカ
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.0

今まで自分がスクリーンで見た中で一番身近だと感じれる物語。誰かの世間話をきいてるような。そんくらいの温度感が心地よくて、親密すぎず遠すぎずなリジーの周りの関係性が素敵だった。アートスクールも憧れちゃう>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.9

心地好すぎる自然音と寝息、ハープが響く劇伴。草を踏む音まであそこまで鮮明に聴こえることはそうそうない。そして美味しそうなドーナツ。
しかしこの映画の予告や噂にきくのどかさを胸にいっぱいにワクワクしてい
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レディ・マクベス(2016年製作の映画)

3.3

”なんで他人の不倫みながらおせち食べなきゃならないんすか(100自分のせい)”なんて愚痴ってるうちはまだまだ平和でした。

大好きなフローレンスピューが注目されるきっかけとなった今作、やっとみれて良か
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

4.4

至る所ホコリまみれのボロモーテルからモハーヴェ砂漠のオアシスの誕生までの物語。突如現れたミステリアスな夫人、女神のような風格を持ち、ピリついていたバグダッドに新たな風を運ぶ。

段々ジャスミンが受け入
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.4

いやすーごい。
これを作り上げた監督が双子YouTuber(サムネにA24をでかでかと掲げて”ホラー映画作ってみた”が出来るのかっこよすぎる)らしくて、もう映画人はここまでシームレスになってるんだと驚
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セブン(1995年製作の映画)

3.6

えー………………………という感じ。笑
期待値を上げすぎてしまっていたのが第一要因ではあるとして、ただ思ったよりあっさり(というかガッカリ)な結末でした。

けれども口数が減らないブラピとずっと呆れてる
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マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

3.6

マーゴットロビーに丁寧に説明してもらった時点でもう????だったので話に着いてくのは無理だと諦めつつも、演出が良くて見入っちゃった。このなんだろうモキュメンタリー?メタな感じがどんぴしゃに好みで。>>続きを読む

ウィッシュ(2023年製作の映画)

4.1

自分がどんな時でも夜空を見上げる理由や、
どでかい夢を抱く理由。
そこにはいつもディズニーがいたんだなと。

自分の中での気持ちがまとまらなくてめっちゃ時間かけたレビュー。何だかんだ賛否が分かれてるの
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.5

解説動画を見漁り、3回の鑑賞を得て、夢にまで出てくるようになった。それでも尚、全然わからん。これはもう凄いとしか言いようが無い。

そんな難解なギミックが展開されていることを知り、100の理解を試みる
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.5

”女の人は記憶が無くなるほど酔ったらレイプされても仕方がない。自己責任。レイプした相手が悪いのではなく。挙句の果てには狼少年というレッテルを貼られる。”

一旦立ち止って考えてみて欲しいこの世の理、
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ミナリ(2020年製作の映画)

4.3

いつか必ず対面しなければならない老い。
生きてく上でそれを避けることは不可能であり、いつの間にか、物理的にできることが劇的に少なくなってくる。
そんな自分を受容するに伴う憂い等って、きっとなってみない
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ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)

3.7

キャストがどコメディ。

数多くのカメオだったり、元祖ゴーストバスターズへの目配せも良かったと思うし、大好きな人達のどたばたをみれて楽しかったです。ケイトマッキンノンかっこよすぎ。

けどただ登場人物
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.5

好きでしか無かった。というか、チョコ好きお母さん好きミュージカル好きパディントン好きサリーホーキンスにヒューグラント好きの自分に刺さらない訳が無かった。

見た後たまらなくなり、コンビニに直行してチョ
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.7

久々にこんな訳の分からぬ作品を観た。ここまで真剣で謎だと不思議とコメディにみえてしまう。耐えきれぬ不穏レベル。"白黒でよかった"が過ぎてます。

支配欲を剥き出しにした男たちが孤島に取り残されるとどう
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.6

全ては下克上の為。今まで見たどの作品よりもクイーンの基質を持ったエマストーンに惚れ惚れしてしまう。"哀れなるものたち"への予習にきっとぴったりです。

利用されてると分かりながらも得れる利益が大きい為
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グレッグのダメ日記(2010年製作の映画)

3.7

"にいパイ"は懐かしくてやばい。

本読まなかった小学生の自分が唯一図書室から永遠に借りてた大事な一作の実写化。

グレッグはハゲてるんだってずっと思ってたのでこの実写に何処と無く違和感を沸かせつつも
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.4

エドガーライト監督は選曲がマージでピカイチ。毎回心をガッツリ掴んでくる。それだけでもう脱帽したくなってしまう。お気に入りは"A World Without Love"と"You're My World>>続きを読む

スーパーノヴァ(2020年製作の映画)

4.9

予告で泣いた名作をやっと。

認知症を患い、長年共に歩んできた人生の終え方と向き合う二人のお話。迷惑かけたくないタスカーと全部背負うからそれでも一緒にいてほしいサム。どちらもお互いをこよなく愛してるか
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.8

巨匠の強タッグ作。

これは間違いなく好みの問題。
歴史に疎すぎる自分が驚くほどちゃんと起きて見れたけど、こう余裕がある作品だと自分は違うこと考え始めちゃうから向いてないんだなっていうことを長年映画を
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トムボーイ(2011年製作の映画)

3.9

最初は、あの仕打ちがあって、最後あれだけで終わらせるのはアリ????こんなのあっていいの?????????って困惑してました。大好きな監督なだけに胸糞が抑え切れずに半泣きになってました。

ただ、トラ
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アルゴ(2012年製作の映画)

3.6

嘘みたいだけど本当の、思わず目を覆ってしまいたくなるほどのハラハラドキドキ架空映画クルーごっこ逃亡劇。ベンアフレックがめちゃくちゃかっこいいです。

ただ裏側を知り、これがかなりの脚色で飾り付けられて
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エイリアン(1979年製作の映画)

3.5

顔に張り付いちゃったなにかがもたらすカオス。

制作時代背景を鑑みると素晴らしい技術や演出が込められていたのだとわかる。造形美も豊か。そして色んな作品でオマージュされてた場面の元はこれだったんだなとい
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グッバイ、サマー(2015年製作の映画)

4.9

好きな女の子に性のついて、窮屈だと感じる学校や家の存在。そんな同じ悩みを抱え、自分は周りのやつなんかとは違うと信じるふたりが、自分たちを取り巻く全てに中指を立てるように家みたいな車を作り上げ、旅に出る>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.1

彼等が重んじてきた醜く汚く泥臭いそのシステムを一蹴するこのアイロニックさ。痺れちゃいました。

構想30年の文字に惹かれて鑑賞。
映像もリッチで凄かったです。

そして思った以上にめちゃくちゃゲイ。
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.4

タイトル回収が本当に見事。
最後のあの自信に満ち溢れ輝く姿。
トランスジェンダーとして生きると決めたロランスとパートナーのフレッドの腐れ縁を色濃く力強く描いた秀作。

肉体的な愛じゃなく精神的な愛をド
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.5

今作のスコアでのチラつかせ方、天才の所業でした。

ご飯中にみれない程半端なくグロくて怖いんだけど、アクションも満載で楽しい(?)し、何よりもお話がめちゃくちゃ面白い。待ち受ける強烈な真相に一緒に口を
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.9

あの何にも変え難い20分間の押し寄せる感動。今作じゃないと成し得なかった素晴らしき瞬間だったと思う。ご飯の手が止まったと思えば、気づいたら箸を置き、ただただ画面に、音に、あの熱気に釘付けに。

ずっと
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めまい(1958年製作の映画)

3.6

後半のジュディを着せ替え人形にしか思ってないファガーソンに衝撃(ほぼ嫌悪感)を受けすぎて苦手意識が強まりながら、歪な愛を育み始める二人から置いてきぼりになりながらも、なるほどなと唸る脚本(はっきり解る>>続きを読む

ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

4.9

信じられないくらい涙がボロッボロ出た。

AIやテクノロジーからのしっぺ返しがくるシンギュラリティものでもありながら、飛び出してくるんじゃないかってくらいポップで元気なアニメーションたちに乗せて贈られ
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すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

4.5

映像だけでは引き出せない神経レベルの感覚を味わせ、映画というものをより芸術的に引き立たせる実体のない空気の振動、"音楽"。
それが生み出す感情はとてつもなく神聖なもの。

大好きな映画に携わった大好き
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.9

あのバスの意図とは。これはハッピーエンドかバッドエンドか。

そのどちらかふたつで言い切ってしまうのは今作においてはナンセンスな気がした。深々と考え込むエンドロール明け、誰かと語りたくて堪らなくなる。
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