ブルジョワ階級の解体、シンプルにカトリック的な罪と救済の話だったような。ブルジョワ一家に現れたストレンジャーは、家族とメイドに秘蹟を与え、一人一人の告解を聞き届けて姿を消す。その後それぞれは奇跡を起こ>>続きを読む
神よ、我々人類の罪と選択を許し給え。特に特権階級の。って、自虐的ブラックジョークというか悪趣味に近い終末クリスマス映画。
早々にネタバレしてるので、最期を迎えるまでどう引っ張って展開するかが肝心なのだ>>続きを読む
『パディントン2』がラディカル・ナイスコアと評されたように、この世知辛い世の中では良心とか繊細さ優しさは過激思想となる…そんなぬいぐるみ過激派映画(?)。
ここでの優しさとは「他人の領域を侵さない」こ>>続きを読む
アフリカ系アメリカ人を黒人ステレオタイプに押し込めようとする世間に対抗し、敢えてそのステレオタイプ通りな小説を書いてみせる作家セロニアス・“モンク”・エリソン(天才ジャズ・ピアニストの名前…)。中流家>>続きを読む
窓が印象的だった。パリ中心地を流れる川岸に、木製の窓が沢山ついて動かない船の形をしたアダマン号がある。窓の扉を閉めても隙間から光が差し込み、日当たりの良いデッキには植木鉢が下げられて、まるでヴァカンス>>続きを読む
中国近代史を背景に、哀しき運命を辿る京劇役者の大河メロドラマ。蝶衣と小楼の愛の悲劇が「覇王別姫」の物語、その役覇王と虞姫に重ねられる。今頃やっと観て、予想以上にドロドロ濃厚でどんよりしてしまった。
華>>続きを読む
久しぶりに観て、やっぱすごい映画だ。タイトルバックのひまわり、ひまわり、そこに止まる虫、遠くから近づいてくる赤い服のぼんやりとした人影…既にホラーである。続くピクニックの家族は子どもが赤い服だけど、夫>>続きを読む
付き合おうとする女性はみんな遠距離住まい。デート相手が変わるたび、内気で主体性ないハウはちょっとずつ安全圏から出て自分をアップデートしていく。
現在の香港がもうひとつの主役だった。ハウにとって女性たち>>続きを読む
選ばれなきゃない、競わなきゃない、参加しなきゃない、勝ち取らなきゃない、降りられない、死ぬまでプレッシャーと疲労と焦燥に耐えなきゃない。でもそんなルール誰が決めた?
あー、登場人物と同じストレスを感じ>>続きを読む
ラスベガスのカジノで、ルーザー同士が人生の負債を挽回するギャンブル。欲深さと情け深さが表裏一体の人間模様は、『ブギーナイツ』『マグノリア』へと繋がってそう。
負けっ放しの人々は勝ち急いで墓穴を掘る。金>>続きを読む
ステイサム版&コメディ版ミッション・インポッシブル(他にもあちこちからエッセンスを拝借)。世界を飛び回るプライベート・ジェット、豪華客船と豪邸、映画スター、大富豪の陰謀…とやたらゴージャスな外観でも、>>続きを読む
演芸場で財布をめぐる出来ごころから、長屋に身を寄せた女性に抱いた出来ごころへと。間抜けで気のいい喜八とハンサムで無愛想な次郎の間で、春江は想う人には想われず…
といっても、「男2人女1人の関係は男同士>>続きを読む
大きな袖でボリュームたっぷりの布地を纏った上半身と、ショートパンツに素足を出した下半身。ベラの衣装は身体と脳のアンバランスさに呼応してて、やがて精神と肉体が整合すれば衣装もそうなる。アヒルみたいな足取>>続きを読む
手を通して現在と過去、家族と歴史、手仕事と労働、実写とストップモーション・アニメーションを繋ぐ。
同じ顔をベースにした登場人物たちの大きな手は、捏ね、縫い、切り分け、掘り、摘み、積み、担ぎ、書き、弾き>>続きを読む
「いつかあれが起きる」のを待って毎週クラブに通うミステリアスなジョン、その秘密を信じて付き合うメイ。一つのクラブで時間と共に音楽やファッションの流行が移り変わりメイも歳を取るが、ジョンだけはいつも同じ>>続きを読む
ヴァカンスは日常からの逃避、逸脱。フィフィにとってのヴァカンスは、スペアキーでこっそり入り込んだ友人の留守宅だ。そこには赤ん坊の泣き声や弟の喚き声、理不尽な使いっ走りをさせる家族もない。代わりに、鉢合>>続きを読む
どうしてホラーは悲しみや喪失から始まることが多いんだろう。それはともかく、とても教育的なお話だった。
子どもの気持ちを汲んでコミュニケイションを学習するミーガンちゃんに対して、出てくる大人はみんなコミ>>続きを読む
殺人事件に巻き込まれた舞台俳優と、たまたま出会ったバンドデシネ作家のニワカ探偵バディもの。ダイイングメッセージ「緑の香水」、国際的陰謀、謎のスパイ、指名手配、車、自転車、列車…クリスティにヒッチコック>>続きを読む
あらゆるスパイダーマンとあらゆるコミック&アニメーションとあらゆるアメリカ映画エンターテイメントを一つに繋いで、しかもちゃんと実写シリーズにも繋がってて、レゴ・スパイディやドナルド・グローヴァーまでい>>続きを読む
現代から80年代へと遡り、怒涛の勢いで展開するジュリオ、パオロ、リッカルド、ジェンマの青春大河ドラマ。
強い父権はファシズムの恐怖支配であり、旧世代の象徴。横暴な父と育ったジュリオ、頼る父のいないパオ>>続きを読む
家にいる七面鳥をイマジナリー・フレンドに、ジャンヌの思春期の通過儀礼が描かれる。序盤はややコミカル、やがてホラータッチに変貌する雌の七面鳥。「その時」が来たら役目が終わる七面鳥は、変化を恐れながら成長>>続きを読む
2人の女が「〜と〜ならどっち?」の選択ゲーム。相手を試す質問とその答えが結構えげつない。そこに親友らしき女同士の信用ならなさを滲ませるところが90年代っぽいかも。
マトリョーシカに封じ込めたトラウマ。柔らかく可愛らしいタッチのアニメーションが、そこだけモノクロの荒々しい線に変わる。その落差でかなりショッキングな演出描写だ。それでも一度開けた記憶を改めてそっと箱に>>続きを読む
アニメーション『ふたりは姉妹』とペアになりそうな、双子兄弟の優しい関係。品の良いピアノが流れ、ずっと向き合って並んできた2人だけに焦点を当てて、その仲睦まじい様子をとてもとても美しく撮っている。それだ>>続きを読む
免許も結婚も色々ダメな主人公の面倒な里帰り。レズビアン・カップルなのは今更トピックでなく、娘や実家家族との関係で自分を受け入れていくよくある話。主人公の髪と胸のボリュームがドタバタ引きずる身体性の重み>>続きを読む
想定外にリゾート地でソロ・キャンプする羽目になった主人公。せっかくのヴァカンスもったいないから来たけど別にやりたいこともないし、他人がいると疲れるわー、めんどいわー。そんな女子にこれまた想定外の出会い>>続きを読む
シンプルな線と色のキャラクターがかわいい。このままグッズにできそう。オタマジャクシくんの成長に笑っちゃった。なのに…おいおい!おい!
パステルタッチの可愛らしい絵柄(みつはしちかこ風)で、小さな妹とお姉ちゃんが元気いっぱいに飛び回るアニメーション。あ、そうだったのかと最後に気付く、優しい世界。
下向いてばかりのジャンくんは隠キャというんでしょうか。でも誘ってくれるルームメイトがいて、外でそれなりに「冒険」を楽しんで、ちょっと変化して。ケミカルな色のカクテル?とポテトが美味しそうに見えた。
ダンスでも演劇でもいい、でもボクシングでなきゃない。ストイックな個人競技だけど、1人1人が集まってコミュニティに、ユニオンになるのだ。労働者組合会館は誰にでも開かれたジムであり、リングであり、居場所。>>続きを読む
パーソナリティよりも音楽そのもの、音楽の講義みたいだった。音楽理論は難しくてピンとこないとはいえ、数々の映画名場面に重ねられるおかげで、なるほどバッハだ!とかわかったりして面白い。
ポップソングから実>>続きを読む
「画家の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて猫を愛するようになったか」…もとい、元祖猫ブームを巻き起こしたルイス・ウェインは、如何にしてあの強烈な猫絵に至ったのか。その物語を語る猫。
伝>>続きを読む
傍若無人な作家マイケル・ケインと、それに振り回されるオーブリー・プラザのブック・ツアー。主体として映画を引っ張るのはオーブリーのエモーショナルに芯の通った演技で、受けるのはケインの方だ。あの睨みの三白>>続きを読む
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』じゃなくて…牧場主さんの仕込んだサイダーは、マルド・サイダーなのかな。
60年以上連れ添った女性カップルのラブ・ストーリー。2人の辿った人生を通じて、様々な景色が見えてくるドキュメンタリーだった。なんとプロ野球選手(リアル『プリティ・リーグ』!)だったテリーさん、交際した>>続きを読む
まだ続くのか!てか、もう何代目?!いい加減マンネリだけど、今回はちょっと原点回帰っぽい印象。特撮にCGI合成とレニーハウゼンのオマージュ、スパイグッズと特訓、ゲームのヴァーチャル世界も若干古い感じなの>>続きを読む