SPNminacoさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

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出まかせから生まれたファイトクラブから、やがて本当に女子同士の連帯が生まれる?クラブを強引に率いるリーダーとネガティヴ思考の親友はモテないレズビアン。片思いの相手は学園クイーンとクイーンビー、ライバル>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

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倉庫の扉が開いて、映画とゴミ収集作業員の労働時間が始まる。けれどその後、日々の流れ作業は何度も中断する。独立は相棒の死で頓挫、新しい相棒は呑むのを中断、男のケガの手当てで女は仕事を中断、女が現れて男は>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

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山奥の秘湯目指して、男2人犬1匹が小さな旅。政治議論も、世知辛い現実もそこまでは届かない。現在地はわからないけど、行き着く先は見えてる。きっと、これが最後の旅になると。
「こっちの水は甘いよ」と誘われ
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バーバリアン(2022年製作の映画)

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そこは蛇の道、ゴーストタウンの暗い地下。そら出たぞ!と思った瞬間にホラーらしい怖さを迂回して、物語をぐるっとひっくり返す。展開は先が読めないけど、教訓はわかる。紐があっても引っ張るな!逃げれるうちに逃>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

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聖女か魔女か、愛の奇跡か罪なのか。この中でキリストや司祭らは富、支配、権力、ルールの象徴。「キリストの花嫁」だなんて、搾取する男側の巧みな方便に過ぎない。おそらくベネデッタはそれを知ってる。そして自ら>>続きを読む

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

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『真夜中の虹』に続き、この頃のカウリスマキ映画で希望といえば「行けばなんとかなるだろう(根拠はない)」。で、「アメリカならなんとかなる」と言われて行ってみると…意外となんとかなっちゃうのだった。そこで>>続きを読む

ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

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芯の通った脚本と隅々まで血の通ったキャラクター、ユーモアと良心、フリアーズお得意の英国穴掘り映画であり、信頼のスティーヴ・クーガン案件。今回はクーガン史上2番目にいい人キャラだった。
うん、人生いつど
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月は上りぬ(1955年製作の映画)

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三姉妹の末娘節子は、2番目の姉綾子と素敵な雨宮さんを結婚させようとするお節介なキューピット。でも自分の恋心には素直になれず…と、ちょっぴりジェイン・オースティンを思わせるロマンティック・コメディ。
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

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物語の発端からずっと、あらゆる場面が皮肉に満ち満ちている。大尉にとってペルシャ語は自分の未来のため、なりすました「ペルシャ人」にとってペルシャ語は今を生き延びるため。それだけでも皮肉だが、もっと皮肉な>>続きを読む

フラワーショウ!(2014年製作の映画)

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ランドスケープ・デザイナーの実話を基にしたサクセス・ストーリーだけど、かなり古臭い少女漫画タッチ。純朴なアイルランド人メアリーが世界最高峰フラワー・ショウに挑戦、ついでにハンサムでセクシーな植物学者と>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

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ケリー・ライカールト94年作は、サバービア映画だった。かつてリバー・オブ・グラスと呼ばれたその草原にはハイウェイという川が流れている。人生は水のない川を惨めな死に向かって流れていく。親世代と同じように>>続きを読む

狂気の愛(1985年製作の映画)

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噂に聞くアンジェイ・ズラウスキー、なるほど凄かった。人を食ったようなディズニーキャラ銀行強盗からアクション、ダンス、爆発銃撃、戦争と破壊、ズレたまま流れるダイアローグ、笑いと炎と血と裸がハイテンション>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

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ある日森の中、クマさんじゃなくて終末の使者と出会った。そいつの言うことにゃ、お嬢さんと2人のお父さん、誰かを犠牲にして世界を救いなさい……こんな厭ホラーだとは思わなかったよシャマラン。津波とかトリガー>>続きを読む

キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱(2019年製作の映画)

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マルジャン・サトラビ監督なので、やはり普通の伝記映画にはならない。序盤はまるでベタなロマンティック・コメディ。マリは科学ギークとして猪突猛進(ケラケラ笑うロザムンド・パイクはいいね!)、同じくギークな>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

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家族とは接ぎ木。お茶は宇宙。宇宙とは金魚鉢。終わりは始まり。木と緑に溢れた東アジアン・テイストをふんだんに取り込んで、未来SFの禅問答。そんな風景に馴染んでしまうコリン・ファレル。故障したヤンをどうし>>続きを読む

FALL/フォール(2022年製作の映画)

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恒例うっかり系サヴァイバル。高さ600のTV塔でピンチに次ぐピンチの絶体絶命。高所恐怖症なので普通に怖いけど、さあどうするか?までが結構長かった。グイグイ強引に上らせる友達の怖いもの知らずぶりが常軌を>>続きを読む

デッド・カーム/戦慄の航海(1988年製作の映画)

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息子を失ったショックを癒そうと航海へ出た夫婦のヨットに、遭難した船から男が乗り込んでくる。ホーム・インヴェイジョン・ホラーを船に置き換えた形で、ほぼ3人だけの密室劇。しかも、夫と妻は別々の船に引き裂か>>続きを読む

ハロウィン・キラー!(2023年製作の映画)

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ママを殺したシリアルキラーを阻止するためタイムトラベルで87年へ…ジョン・カーペンター+ジョン・ヒューズ+バック・トゥ・ザ・フューチャー!正にそのまんま!特別に良く出来た映画ではないけれど、ゴアもしっ>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

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いや、だって王と王妃から明らかにプレッシャー感じるじゃないですか、その場の空気もあるしまあゲームだっていうし多少見栄もあって、だから思い切ってみたんですけど、緑の騎士を倒せたのはいいものの、嫌な予感し>>続きを読む

コンペティション(2021年製作の映画)

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最高の監督と最高の主演俳優は最高の映画を作れるか。非常にミニマムなコメディで、ものすごく壁紙映画。モダン建築のダダッ広い空間に数人の登場人物を配置した構図がかなり独特だ(なるほど『ル・コルビュジエの家>>続きを読む

イコライザー2(2018年製作の映画)

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1作目を観てからかなり間が空いたけど、ホームセンターのカリスマ店員から5つ星タクシー運転手へ転職したマッコールさんは、相変わらず読書家で、流しの殺しは時間に正確だ(とはいえ時間にあまり意味はない)。大>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

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アパートで淡々粛々と進行する生活。キッチンで料理し、寝室に男を迎え、バスルームで身体を洗い、ダイニングで息子と食事を共にして…ただ延々と続いていく光景で、壁のクリーム色、緑色、ブルーの服、髪と家具の褐>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

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スウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』はそこまで面白いと思わなかったのだが、トム・ハンクス主演のリメイクは如何に?主人公の名前がオーヴェ→オットーということでスウェーデン系を踏襲しつつ、物語の比重がだ>>続きを読む

真夜中の虹(1988年製作の映画)

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失業してもキャデラック・コンパーチブルがある。絶望しても愛がある。無愛想でも優しさがある。笑わなくても可笑しみがある。冴えない男女に美学がある。真夜中に虹がある。良いも悪いも有るも無いも矛盾してる。そ>>続きを読む

a-ha THE MOVIE(2021年製作の映画)

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辺境ノルウェーから世界的バンドへ。a-haの知られざる道のりを追ったドキュメンタリーは、どこか世界の片隅から覗くようなシニカルな視点だった。
“Take On Me”のマッシヴ・ヒットによって大それた
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

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映画に夢中な少年が映画館に入り浸り、映写技師の相棒として手伝うようになる…と、そこだけ抜き出せばインド版『ニュー・シネマ・パラダイス』だが、あんな風にロマンティックなノスタルジーとエモーショナルの大河>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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初めて映画を観に来た少年サミーに対し父親、母親の顔が180度切り返しショットで交互に映るその瞬間、サミーの目がカメラになる。これぞまさに映画!そしてそのまま、サミー/サムのカメラを通して語られていく家>>続きを読む

カサンドロ リング上のドラァグクイーン(2023年製作の映画)

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メキシコ名物、ルチャ・リブレとソープ・オペラ。その2つを合体させたのがエクソティコ・ルチャドールのカサンドロと、この映画だ。そもそもどちらも本質は同じーーベビー(善役)とヒール(悪役)がはっきりしてて>>続きを読む

ヘカテ(1982年製作の映画)

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フランス外交官の男と、夫がいるのに一人異国で自由に振る舞う女の情事。主な舞台となる30年代北アフリカには変わりゆく秩序や大戦の影があり、主人公ら人々は敢えて何も考えず、刹那だけを見ている。やがて何もか>>続きを読む

クリフ・サバイバー(2022年製作の映画)

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トラウマを治療しに聖なる山に来た女たち。オカルトか、サイコスリラーか曖昧な展開で引っ張るが、異常体験といっても普通の風景に音響とかフラッシュバック映像を後から加えただけなので怖くない。ていうか山は怖く>>続きを読む

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

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ビデオってのが既に使い尽くされた恐怖演出だし、モンスター映画、スラッシャー映画、70〜80年代ホラーのアレとかアレとかアレを連想するので意外性はないけど、それをごった煮してジェームズ・ワン風にアレンジ>>続きを読む

3つの鍵(2021年製作の映画)

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車を止めようとした妊婦、女性を撥ねた飲酒運転の車、そして家に突っ込んだ車の目前にいた少女。そこから一気に3家族の不幸の連鎖が加速していく。
みな同じアパートの住人、事故現場は目の前。登場人物はそれぞれ
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悲しみよさようなら(1990年製作の映画)

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はみ出しっ子少女(ウィノナ)のカミング・オブ・エイジ・ストーリーであり、ホームタウン・ヒーローもの映画。
序盤で大スターのロキシーが田舎町に帰郷することで広がる波紋を、たっぷりと積み重ねる。ロキシーに
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ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)

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コクトーの戯曲翻案だけど100%アルモドヴァル色。スタジオに組んだ家のセットで「狂気と憂鬱」を演じるティルダ・スウィントン。原色とエロティックな絵画、濃厚な視覚美術で彩られた演劇空間は、工具が並ぶホー>>続きを読む

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

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同じ産院で同じ日に出産したジャニスとアナ。2人のシングルマザーと2人の娘、更にアナと母親、現代と内戦時代、いくつも交錯するパラレル構造で一筋縄じゃない。それを導くのはDNA。伝えられる記憶。
わたしの
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プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

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刹那の享楽に逃げるバーテンダーのボス、病身のウード。ラジオDJだった亡き父の声と、男2人の後悔を乗せて車は進む。
初めから別れた元カノを訪ねる動機と目的がはっきりしてるので、ロードムービーとしては直線
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