映画漬廃人伊波興一さんの映画レビュー・感想・評価 - 32ページ目

映画漬廃人伊波興一

映画漬廃人伊波興一

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ジェニーの肖像(1947年製作の映画)

4.1

蔵出しです。チャンスがあれば観るべし ウィリアム・ディターレ「ジェニーの肖像」

ジェニー(ジェニファー・ジョーンズ)に逢瀬をかさねる事がイブン(ジョセフ・コットン)のカセになれば(例えば逢うたびに体
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

2.9

フィンチャーよ・・全く・・「ゴーン・ガール」

今年はNETFLIXの無料期間を利用して多数の映画を観れましたが「ブレイキング・バッド」全5シーズンとデビッド・フィンチャー製作の「ハウス・オブ・カード
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マドモアゼル(1966年製作の映画)

3.6

ジャンヌという名の毒  T・リチャードソン「マドモアゼル」

青山真治監督がかなり関心を表明していたので以前から気になってました。

この作品をきっかけにリチャードソンは当時の奥様であり大女優バネッサ
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ピクニックatハンギング・ロック(1975年製作の映画)

3.0

すっかりカルトムービーに風格も備えて  ピーター・ウィアー「ピクニックatハンキングブロック」

公開当時は題名から全く観るがしなかったんですが何故か忘れていたわけでもなくyoutubeあたりでディレ
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別離(2011年製作の映画)

4.4

アスガル・ファルハーディー「別離」、また如何にして私たちは痛みを共有しえるか

どこかに結論めいたものを求める事なんて、映画を愉しむ上ではなるべく回避した方が良いと思うのですが、時にはどうなるのか、と
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山の焚火(1985年製作の映画)

4.6

30年以上経っても色褪せぬヌーボーシネマスイスの代表的傑作 フレディ・M・ムーラー『山の焚火』

確か高3か大学入りたての頃に今はもう無い大阪西梅田の毎日文化ホールで観ました。併映は何と映画史
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私の男(2013年製作の映画)

3.1

どこかで断ち切るべきDNA〜『私の男』

今の時代に限った事ではありませんが原作ありきの場合、その衝撃性が高ければ映画の敷居が低くなる傾向があります。
私はこの作品を買うとするなら原作に拮抗しようとす
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マンディンゴ(1975年製作の映画)

4.2

アメリカ映画負の臨界点~R・フライシャー「マンディンゴ」

興味本位で近づいてはいけない映画もあるんです。日本映画では三隅研次「桜の代紋」
そしてアメリカ映画ではこのリチャード・フライシャー「マンディ
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ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

-

岩波ホール満員御礼。キネ旬3位。どこがそんなにいいのかわからない~「ハンナ・アーレント」

公開時に岩波ホールでは10年ぶりの大入りで喜んだそうです。映画が盛況なのは産業としては喜ばしいですし更にキネ
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.0

一度サイレント映画として変換して観ては?  リンチ「マルホランド・ドライブ」

公開時から半年遅れでレンタルしてみました。多分最後まで観てなかったと思います。退屈だったからじゃなく突発的用事が生じたか
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アーティスト(2011年製作の映画)

1.5

マルカム・マクダウェルがカメオ出演とは・・「アーティスト」

かなり信頼できる筋から厳しい意見を聞いていたので長い間放置してましたが・・確かに亡霊かもしれません。私には褒めどころがなくて好きな方に多謝
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アメリ(2001年製作の映画)

3.1

いつの時代も小悪魔ってのはw
ジュネ『アメリ』

公開された当時に観ました。そこから遡る事10年前に観た同監督の『デリカテッセン』を想い出し相変わらずの個性だなあと楽しめました。
本棚のDVDから久し
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島国根性(1990年製作の映画)

-

映画の「てい」をなしておりません 渡辺某「島国根性」

「ザザンボ」などという得体のしれないモノが公開されたときに京都で特集上映された時に観ました。既にデビュー作「家庭教師」という得体のしれないモノは
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太陽の季節(1956年製作の映画)

1.0

ギター旋律にどこかATG色の香りが・・・「太陽の季節」

長門裕之が南田洋子と別の女性とヨットに乗りこむシーンでまさにそのヨットに『TSUGAWA』と記されてます。長門裕之さんの自前なんでしょうか?男
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マグノリア(1999年製作の映画)

4.1

唐突な目覚め  P・トーマス・アンダーソン「マグノリア」

「ブギ―ナイツ」もそうでしたがP・T・アンダーソン作品には失敗作すれすれに撮られた面白さがあります。事実この映画あと一歩で映画でなくなってし
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孤独な天使たち(2012年製作の映画)

4.3

イーストウッドやゴダールも若いけどベルトリッチも若いなあ『孤独な天使たち』

イマジカBSで録ってたのを先程観終えました。ゴダールの『さらば愛の言葉よ』やイーストウッドの『ハドソン川の奇跡』を観た時も
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モールス(2010年製作の映画)

3.0

マット・リーブス「モールス」

「ぼくのエリ~」が素晴らしかったので早速こちらも鑑賞。最近はリメイクも早いですな。2年の隔たりしかない。どうせなら同時期に公開されて同じ映画祭に出品されて競われていたほ
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最前線物語 ザ・リコンストラクション(1980年製作の映画)

4.2

本当の意味でのフルメタルジャケット サミュエルフラー『最前線物語』

サミュエルフラーはキューブリックの『フルメタルジャケット』を観て唾棄したそうです。私はキューブリックは好きでも嫌いでもありません
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エレニの帰郷(2008年製作の映画)

4.7

改めて追悼と敬意と畏怖を込めて
アンゲロプロス『エレニの帰郷』

鈴木清順監督が大往生で逝った時何となく鈴木清順監督らしいなと感じ、アンゲロプロスの訃報を聞いた時も不謹慎ながらその唐突さがアンゲロプロ
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ヴェルクマイスター・ハーモニー(2000年製作の映画)

4.7

この異様なる町の貌 タル・ベーラ「ヴェルクマイスター・ハーモニー」

一昨日あたりに観た「ニーチェの馬」があまりに素晴らしかったので迷わず観ましたがこちらも遜色ない素晴らしさ。

ビリー・ワイルダーの
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

4.2

いつの時代も更新されていくか弱き存在。T・アルフレッドソン「ぼくのエリ 200歳の少女」

いくらオスカーがエリに提案する血の儀式が都合よすぎると言われようが私は大好きな映画です。
今年はパク・チャヌ
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FAKE(2016年製作の映画)

4.0

誰が一番FAKEなのか?そこがこの作品の一番面白いトコ
森達也『FAKE』

軽部真一さんナビの日本邦画劇場で森達也監督とのトークを含めてディレクターズカット版を楽しめました。
奥様、凄い方です。そし
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ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)

3.3

懸念度合が高すぎただけに意外と楽しめました『ニンフォア〜VOL2』

ロープであんな結び方があったんですね

ニーチェの馬(2011年製作の映画)

4.4

なす術もないとはこういう事 タル・ベーラ『ニーチェの馬』

今年前半にデ・シーカの『ウンベルトD』とワン・ビン王兵の『三姉妹 雲南の子』という作品に出会えました。国籍も色合いも違うこの2作品を並べ
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ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)

3.1

人騒がせなだけかもしれませんが・・・ラース・フォン・トリアー「ニンフォマニアック vol1」

よりによってフィボナッチ数まで持ち出してくるなんて・・衒学趣味が相変わらずイヤミ臭プンプンのラース・フォ
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

3.0

ドゥニ・ヴィルヌーブ「灼熱の魂」

観ながらどこか拒まれていた気がしましたがやはり「秘密」を抱えていたんですね。この作品が好きという方ごめんなさい。私だってダテに齢食っちゃいません。1時間以内に見透か
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名もなきアフリカの地で(2001年製作の映画)

3.5

優しきケニアの人々  

カロリーヌ・リンク
「名もなきアフリカの地で」

もちろん映画だから描かれている事全てを真に受けているわけではありませんがケニア人が優しく描かれてるのは母イエッテルが娘レギー
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ブエノスアイレス(1997年製作の映画)

3.0

ラストの疾走感でかろうじて・・「ブエノスアイレス」

ウォンカーウァイに豊かさを求めるのは限界があるというのは今や映画の常識となりましたがまさかパトリス・ルコント位まで堕していかないだろうな?という懸
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ファイヤークリークの決斗(1968年製作の映画)

-

テレビ産業盛りの影に  「ファイヤークリークの決斗」

この監督ヴィンセント・マックビーティーはテレビの「逃亡者」や「アンタッチャブル」などの演出を手掛けて本作が映画デビューだそうです。テレビが家庭に
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フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)

3.7

あらゆる映画の母胎  ジャン・ルノワール「フレンチカンカン」

鈴木清順が「オペレッタ狸御殿」を撮った時も李相日が「フラガール」を撮ったときもきっとこの作品が意識下にあったんでしょうね。それにしてもル
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プレイタイム(1967年製作の映画)

4.4

いまだに追いつけないジャック・タチ「プレイタイム」

1967年にこんな映画を撮ってしまったタチはエリッヒ・フォン・シュトロハイムと並ぶ大怪物ですね。イマジネーションのスケールが桁違いです。もし異星人
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サンドラの週末(2014年製作の映画)

3.2

頑張れサンドラ!
ジャン=ピエール&リュック・ダニエル「サンドラの週末」

いらぬ言葉を誘発しない素敵な余韻ですね。スティーブン・ソダーバーグの「エリン・ブロコビッチ」とはえらい違いです。

特攻大作戦(1967年製作の映画)

4.0

ロバート・アルドリッチ「特攻大作戦」

私たちがローランド某やマイケル某を確信をもって未熟モノめが!と断言出来るのはロバートアルドリッチを知っているからだと思います。

ぼっちゃん(2012年製作の映画)

3.5

大森立嗣「ぼっちゃん」

同監督の「ゲルマニウムの夜」での新井浩文と大森南朋~どちらも非妥協の徹底的なサディズムとマゾヒズムでもって交錯してました。こちらの水澤紳吾&宇野祥平と渕上泰史も然り。でも実は
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セデック・バレ 第二部 虹の橋(2011年製作の映画)

4.0

とても残念ですがどうしても支持できません。「セデック・バレ 第二部 虹の橋」

自国の歴史の上に犠牲となった先人たちに畏怖と敬意を込めた台湾映画人にまずは脱帽します。私は20代のころ電影宣言の台湾映画
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セデック・バレ 第一部 太陽旗(2011年製作の映画)

3.0

二部構成なので最後まで観てから・・・「セデック・バレ 第一部 太陽旗」

第一部鑑賞終了。どうしても懸念を禁じえませんが第二部を観ない事には語る資格がないと思いますので頑張って観ます。