笑も狂気も紙一重~「龍三と七人の子分たち」
皆様大真面目。
でなきゃこの不思議な余韻は残らない。
私は馬車に乗ったことはありませんがこの映画の何が起きたのか何が起こるのか分からぬまま疾走しきった感触>>続きを読む
たおやかな大家の視線~「ハドソン川の奇跡」
まずはこれがエンドクレジットを含めて96分の映画であることが奇跡。演出と編集に神がかったシャープさが備わらなければ成しえない偉業です。
そしてそのシャー>>続きを読む
私が歩んできた(映画路)には時として、こんな理由で否定できない作品も出現いたします。ポン・ジュノ「オクジャ okja」
映画を観続けていれば、偽りの想念と余人の目を瞞着する情報を昼夜分かたずに運ぶ奇>>続きを読む
きっとイイ映画なんでしょうが・・・「海街diary」
「ワンダフルライフ」や「幻の光」からおそらくは2000年以後の日本映画界を担うと感じてた是枝監督ですがデビューから約20年。すっかり巨匠の安定感>>続きを読む
偉大な映画先人に敬意をこめて〜セシル・B・デビル『キング・オブ・キング』
今、サイレント映画がアツい!上山草人も出演していたようです。認識出来ませんでした。泣
スピルバーグをナメるなよ『激突!』
例え今更か?と罵られようが
80年代の我々が50年代のヒッチコックによって覚醒したように70年代のこの映画は20ゼロ年代の映画青年たちを覚醒する。
実は観直すのが恐ろしかったのですが〜『シェルブールの雨傘』
普段は名画とか名作なんて言葉は映画にとっては何の賛辞にもならぬと思ってますが『シェルブールの雨傘』を観るとそんな言葉も満更悪くない気がしま>>続きを読む
お若い日本映画ファンへ。この作品から森崎東を始めることなかれ「黒木太郎の愛と冒険」
森崎東作品では唯一と言っていいくらい閉塞的作品です。
もしも森崎ワールドに興味がある若い日本映画ファンの方がいれば>>続きを読む
(ダルク)ではなく(ダーク)とは・・・「ジャンヌ・ダーク」
結構なバーグマンファンでして彼女の作品歴の中でも不評名高いこの作品をなぜ今更観る気になったのか分かりませぬが観始めてたら案外最後まで観てし>>続きを読む
キリシマのてっぺんに何が夢見たのか? 中島貞夫「鉄砲玉に美学」
今年偶然渡瀬さんがお亡くなりになった一週間前「仁義なき戦い 代理戦争」を観ました。組織間抗争でその若い命を一瞬で散らす哀れなチンピラを>>続きを読む
リメイク版を最初に観てしまったのが失敗だったかも「蠅の王」
昨年ハリー・フックの1990年版を観ました。原作は既に読んでいたのでストーリーに驚かされるわけではありませんから映画的にどう面白いか?予想>>続きを読む
痛みに向き合うつもりなら・・「処女の泉」
田中登に『人妻集団暴行致死事件』という傑作があります。『処女の泉』は2度目の鑑賞ですが観終わった後になぜか上記の作品の余韻が蘇りました。もっと言えばアンゲロ>>続きを読む
不幸な中に作品があるのか、あるいは作品の中に不幸があるのか?
「ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ」
遺族側の承認云々で国内劇場公開が流れたと聞いていたが早々とビデオ市場に出回っていたの>>続きを読む
全ては丸山明宏+三島由紀夫のカルト「黒蜥蜴」
この作品の少し前に井上梅次+新藤兼人 京マチ子+大木実で同じ「黒蜥蜴」があったようですが未見。
深作欣二がこの作品では雇われ監督であるのは明白で不憫に>>続きを読む
タランティーノもロドリゲスも・・・「夕陽のガンマン」
ハッキリ言えばレオーネ作品は下品です。というよりマカロニウエスタンが総じて下品なんて今や映画史の常識です。あのアップの多用なんて今や大学の映画研>>続きを読む
廣木隆一作品は意外と老化しないんです「やわらかい生活」
最近ゼロ年代の日本映画を追いかけるように観てます。10年間もあれば数千本単位にもなるでしょうからさすがに全てに言及出来ませんが(19)90年代>>続きを読む
小津映画にもバイオレンスはある「風の中の牝鶏」
小津作品では珍しい肌触り。
ドメスティックバイオレンスどころか田中絹代の階段落ちまであります。小津作品唯一のスタント使用とのこと。
珍しいといえば小津>>続きを読む
立教ヌーベルバーグの熟成なんて言葉を使えば当事者の方々やファンから叱られるかも。「カナリア」
「黄泉がえり」で塩田監督の次の動向が心配でしたが杞憂でした。傑作です。
それにしても谷村美月さんは素晴ら>>続きを読む
小津監督は本当にアメリカ映画が好きだったんだな。「朗らかに歩め」
傑作「非常線の女」の3年前の作品。調べたら1930年の一年で7本も発表してるのですから驚きです。
小道具が見事に生きまくった洒落た逸>>続きを読む
マジで面白い「狂った一頁」
前衛的でも難解でもなくモダンホラーの先駆けです。
サイレントであるのは分かってましたが無字幕とは知りませんでした。でも無字幕だからこそ醸し出せる狂気(ポエム)が味わえま>>続きを読む
三島由紀夫「憂国」
この28分の短編を「興味本位」で観てしまった私は不謹慎でしょうが更に不謹慎覚悟で「面白い」と言ってしまいます。「本気」の自主映画です。当時小説家としては不動の地位だったでしょうが>>続きを読む
吉田喜重「秋津温泉」~この悪酔い感は?
内容は非常にシンプルで個人的な世界なのに社会派大作の如くすごい豪華出演陣。そしてスタッフも最高水準レベル。岡田茉莉子さんも企画、衣装デザインまで携わり相当な入>>続きを読む
若松孝二処女作「甘い罠」
観たのは短縮版ですがこんな映画まで観る事ができる時代って映画ファンには有り難いはなしです
等身大の愛しき昭和女性たち~「ブルーレイン大阪」
「さすらいの恋人 眩暈」と「夢野久作の少女地獄」を観て小沼勝ファンになりましたがこの作品は初見。
派手さは薄いですが志水季里子さんの演技は周囲を包み>>続きを読む
「ガレージ」
初めて観るインドネシア映画。どこも大して変わらぬ「ムラ」意識。
本人のなんの罪もないのに「不倫の子」だ判ると大人たちがこぞって非難する件。
イスラム圏の戒律の厳しさ故かあれだけ勝気な少>>続きを読む
「甘い泥」
イスラエル発「解放」の小品。
先月観たフィリップノイスの「裸足の1500マイル」は国策の規範による抑圧からの解放でしたがこの「甘い泥」はコミュニティの抑圧からの解放。
ただフィリップノ>>続きを読む
初めて観るシンガポール映画。
とは言え主題もオーソドックスだし主要人物三人も日本の街中でいくらでもお目にかかれそうな平成風の端正なお顔立ち。
前半の展開が不要な説明ナシでひたすら主人公とヒロインの行>>続きを読む
「青いパパイヤの香り」に出演したゴー・クァン・ハーイの監督デビュー作「モン族の少女 パオの物語」はベトナム北部の小さな村から「映画」だけの心臓の鼓動を私たちに伝えてくれる生きた映画でした
ベトナム北>>続きを読む
どの世界にも退屈な「名作」よりもはるかに面白い「無名作」が存在します。
少し思い出してもラリー・ピアースの「ある戦慄」(1967)ジョン・ギラーミンの「かもめの城」(1965)ジャック・クレイトンの「>>続きを読む