さいゆきひろさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

あん(2015年製作の映画)

4.4

もし映画の正しい使い方があるとしたら、これだろう。

人に感じるべき感情があるとしたら、この映画にあるような感情だろう。

この世にこんな映画があると知っただけで、少し安心する。世の中は間違いだらけだ
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.8

とんでもない映画だった。新しい種類のスペクタクル。

こういう「DUNE」を求めていた。こういう映画を求めていた。観て楽しむだけではなく、腹の中で宇宙規模の重みを感じさせられる映画。

もっと騒がれる
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空白(2021年製作の映画)

4.2

どれほど泣いても、怒っても、謝っても、苦しんでも、死んだ人は戻ってこない。

事実を突き詰めること、誰かを悪に見立てること、いろんな形で気持ちを整理させようとするが、全て虚しさを際立たせるだけだ。
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.2

あんまりいい映画ではなかった。

とても平凡なヨーロッパ映画、という感じで、ムーミンの生みの親の話である必要性も特に感じなかった。

個人的には、キャラクター一人一人の感情もよくわからなかった気がする
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.8

本物の感情に限りなく近いものが、心にドスンと、直接伝わってくる。河瀬直美の演出はもはや魔法としか言えない。

町田くんの世界(2019年製作の映画)

4.5

この映画の一番すごいところは、キャスティング。

ど新人の二人を主役にして、周りをベテランで固めることで、主役たちの純粋さが際立つ。ベテラン俳優陣の演技には、巧みさや計算などが見えるが、新人の主役たち
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ばちらぬん(2021年製作の映画)

3.5

久しぶりによくわからない映画を観た。

とてもいいところが沢山あって、好きになりたかったけど、最後までなれなくて、とても残念だった。

豚とふたりのコインランドリー(2021年製作の映画)

4.0

素晴らしい。

どこかにあって欲しい、優しいひと時。それを存在させるためだけの映画。

シンプルでパワフルな、いい短編。

距ててて(2021年製作の映画)

3.0

いろんな要素が上手く編み込まれていて、楽しく観れた。

でも、作ってる本人たちが楽しんでいるのを側から見てる感じで、少し疎外感のような距離があった。

映画が客と距ててて…、そこだけが残念だったかな。

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

3.9

映画館は特別な空間。大切な空間。そんなことが当たり前じゃなくなってきた。

映画館が守るべきものになってきたこの時代。寂しいけれど、戦い甲斐がある。みんなで守ろう!って、叫んでやれる。

映画は映画館
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

人と人との関係はどんな形をしているんだろう。一台の車は夫婦の間にどんな役割を持っているんだろう。

妻は死に、車は残った。
妻はもういなくても、二人の関係の「形」は残っている。
その車を運転するという
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息をするように(2021年製作の映画)

3.6

マジックアワーな世界。

太陽が沈む直前、目に見える世界は黄金色になる。それをマジックアワーと呼ぶらしい。

おの映画の世界はずっとマジックアワーの中にいる。すぐにでも闇が訪れそうだが、黄金色の時間は
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.7

少しだけ「自分」と向き合える時間。

もう十年ほど前のことだが、カナダの東海岸から、アメリカのフロリダまで車で30時間かけて行ったことがある。給油のため以外はいっさい止まらず、一気に目的地まで走り切っ
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エイプリルフールズ(2015年製作の映画)

3.8

嘘ってなんだろう。嘘ばかりの人たちの、心底の真実を描いた作品。