タカシサトウさんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

タカシサトウ

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ブレードランナー(1982年製作の映画)

4.9

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[人間はどこから来るのか]

 ブレードランナーのデッカード(ハリソン・フォード)がレプリカントを仕事として殺していく。しかし、レプリカントと人間の区別がほとんど無いので、観ているうちにまるで人殺しの
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地獄の黙示録・特別完全版(2001年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

 観るのにかなり時間を費やしたが、なかなか素晴らしかった。

 フランス人入植者のエピソードが入ることにより、増々ベトナム戦争の混沌さが出ていていい。新たに加わったプレイメイトのエピソードはいい訳みた
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地獄の黙示録(1979年製作の映画)

4.3

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[自分の心の奥に入っていく]
 
 前半は痛快な戦争映画のようで、あのロバート・デュバルのキルゴア中佐のワーグナーもナパーム弾でジャングルを焼き尽くすのも爽快だけれど凄まじい。しかしそれは、アメリカ軍
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夏の夜は三たび微笑む(1955年製作の映画)

3.6

[軽いコメディ]

 終わってみると、それなりに面白くて軽いラブコメディ。

 前半は少し長く、カップルが不釣り合いな相手から、後半は畳みかけるようにちょうどいい具合に収まっていくところが心地いい
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.8

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[珠玉のような映像で見せていく]

  素晴らしかった。暗闇からフッと現れる珠玉のような全編に渡る映像が本当に美しかった。

 しかし、終盤、オメロ・アントヌッティの父が突然自殺してしまう。その苦
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.9

[映像の美の極致]

 一つ一つの映像はこの上なく美しく、説明はほとんどなされないが、むしろ台詞は必要ない程だと思える。

 アナ・トレントのアナが、最初は姉のイザベルの作り話から始まり、通過儀礼の
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情婦(1957年製作の映画)

4.0

[ラストの余韻が強烈で感動する]

 ラストの感動と余韻が強烈で、さすが、ビリー・ワイルダーの力だと思う。原作の展開がやや強引な所はあるが、それでもかなりいい。

 妻クリスチーネ役のマルレーネ・デ
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お熱いのがお好き(1959年製作の映画)

3.9

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[最高のエンディング]

 幕切れの台詞で、冗長さがすべて帳消しになり最高のエンディング。

 ジャック・レモンのジェリーが自分は「実は男」だから結婚できないと言うのに、相手のジョー・E・ブラウンが
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サンセット大通り(1950年製作の映画)

4.0

[ぞっとする位の幕切れ]

 ぞっとするような凄まじい幕切れ。「アパートに鍵貸します」とは正反対の、しかし、強烈な印象を残す。グロリア・スワンソンの鬼気迫る演技とビリー・ワイルダーの見事な手腕だろうと
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アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

4.5

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[ラストも上手い]

 ラストでシャーリー・マクレーンのフランが、バドの元へ走り出す時の生き返ったような顔、そしてエンドクレジット前の「配って」という言葉が、涙が出る程良かった。

 ジャック・レ
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女はそれを待っている(1958年製作の映画)

3.7

[閉じられた世界でのエピソード]

 なかなか凄かった。出産を巡るエピソードであるし、閉じられた産院の中だけで展開されるからこそ凝縮されたドラマになっている。

 期待と絶望、諦めと希望、が背中合わ
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現金に体を張れ(1956年製作の映画)

4.0

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[ラストで昇華される]

 ラストの札束が舞い散って飛ばされる所で、すべてが終わるというか、昇華される、それがなかなか素晴らしかった。それまでは、テンポよく進む展開。それぞれの仲間の背景が、ややぎこち
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不良少女モニカ(1952年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

[後半はハリーの物語]

 特に前半は、モニカのハリエット・アンデルセンが光っているし、何とも奔放でセンセーショナルだ。この映画でデビューしたハリエット・アンデルセンは、その後、長期にわたってイング
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

3.8

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[それが結婚のコツとは…]

 観るのは公開時以来。
 
 トム・クルーズは「ミッション・インポシブル」の方がイキイキしているが、ニコール・キッドマンは随分若いし、やっぱり美しい。それが、この映
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.0

[ラストの皮肉な爽快]

 暴力の管理への痛烈な風刺と、皮肉に満ちているが、ラストでは、それがチャラになり、爽快感で終わる。それは、人間の心は管理出来ないよ、という皮肉だろう。また、この映画を観た後
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.7

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「[これを超える映像は未だにない]

  何と言っても、この圧倒的な映像が美しい。そして、「美しく青きドナウ」を始めとする音楽との融合が本当に素晴らしい。息を呑む程だ。

 後半にやっぱりウトウト
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冬の光(1962年製作の映画)

3.5

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[ダメになっていく牧師]

 牧師トマス(グンナール・ビョルンストランド)は、信者ヨーナス(マックス・フォン・シドー)から相談され、生きる意味を問われると、逆に自分の悩みを訴えてしまい、ヨーナスを死
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鏡の中の女(1975年製作の映画)

3.5

[トラウマの再燃]

 精神療法医エニー(リヴ・ウルマン)が、患者と会ううちに自分の葛藤や過去のトラウマが次第に明らかになり、出会った医師トーマ(エルランド・ヨセフソン)の助けも借りながら、その葛藤や
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イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

3.5

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[奇妙な世界]

  奇妙でグロテスクな世界。音楽(単なる“音”)も凄まじい。気持ちが悪くなる迄は行かないので、観れない訳ではない。唯一、魚のようなグロな赤ちゃんとは言え、殺してしまうのはやめて欲し
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

3.9

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[数奇な人生に区切りをつける]

 なかなか良かった。もう3回目にもなるので、これはデヴィッド・リンチのゲテモノ趣味とか、感動名作だとかは思わず。小屋でも病院でも見世物にされ、しかし、人との交流もし
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

3.9

[訳の分からなさに浸る映画]

 何とも訳の分からない話。デヴィッド・リンチ監督らしいと言えばそう。ラストで、フレッド(ビル・プルマン)が、何か言われたのは、自分自身が彼に言ったんだという事が分かり
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ブルーベルベット(1986年製作の映画)

4.6

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[すぐそこにある闇とドロドロの性倒錯]

  何でもない田舎町のすぐそこにある闇。

 イザベラ・ロッセリーニの淫らなドロドロが凄い。切られた耳の中に引き込まれて行くとこや、デニス・ポッパーの異常
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第七の封印(1956年製作の映画)

4.6

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[この世の終わりに生きる意味と神の存在を問う]

 なかなか素晴らしかった。

 主人公の騎士アントニウス(マックス・フォン・シドー)が、死神(ベント・エケロート)に死を宣告され、生きる意味と、神
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処女の泉(1960年製作の映画)

4.5

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[衝撃的だが寓話的]

 ラストで、娘の亡骸の跡から、泉がコンコンと湧き出てくることで、両親が一瞬安堵の表情になる。娘を殺されたのにホッとしてしまうのはいいのかなとちょっと思ってしまった。 

 
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海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

3.5

[中途半端さがよくよく出ている]

 樹木希林は、主人公篠田良多(阿部寛)の母淑子役。
 良多が、妻に離婚され、子供のプレゼント代もギャンブルでスッてしまい、母淑子にお金をせびりに来る。それを母が
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海街diary(2015年製作の映画)

3.7

[時間の経過で家族らしく]

 エピソードを詰め込み過ぎだし、なんだか“家族ごっこ”と言えなくもないが、広瀬すずのすずと3姉妹が時間の経過とともに、それらしくなり、ストーリー自体も家族に馴染んでい
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誰も知らない(2004年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

[ドキュメンタリーと虚構のはざま]

 なかなか素晴らしかった。随分前に観てまた観る。ストーリィの弱さと、是枝裕和監督の出身であるドキュメンタリーの強さのこの2つの微妙なバランスが心を揺さぶってくる
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 ラストで、数年後に、阿部寛の良多が、子供を作るのはまだ分かるとして、車までも持っているのをわざわざ見せるのが、取って付けたようで少し残念。

 しかし、それまでに至るいろいろな場面でなかなか良かった
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そして父になる(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

[福山雅治が父親になろうとする話]

 観終わって少し経つと、スターである福山雅治の顔ばかり浮かんでくる。

 しかし、その福山雅治の良多は、子供の取り違えが起こってしまってからは、父親役割も仕事
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野いちご(1957年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

[死ぬ前にようやく自分を振り返る]

 何度かになるけれども、なかなか素晴らしかった。

 主人公のイサク(ヴィクトル・シューストレム)の最初に見る夢が、自分の死体だったり、針の無い時計だったりす
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

[人格の統合]

 なかなかすさまじかった。リヴ・ウルマンの女優エリサベートは、自分の過去の痛みを覆う為に失語症になって仮面を被る、そして、ビビ・アンデショーンの看護婦アルマは、自分が気付かないうち
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秋のソナタ(1978年製作の映画)

4.5

[母と娘の対立と葛藤]

 すさまじい限りだった。

 娘(リブ・ウルマン)が、母(イングリッド・バーグマン)から受けた傷への恨みや憎しみを洗いざらいぶちまける。そして、それを受けた母は、自分も両
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

[三姉妹、一筋縄でいかない三女優]

  子宮癌で苦しんだアグネス(ハリエット・アンデルセン)は、独身で子供もおらず、子供の頃は母の愛を妹のマリア(リヴ・ウルマン)に奪われていた。だが、姉妹とアン
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沈黙(1962年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

[神が“沈黙”した世界 ]

 イングマール・ベルイマンの中では、かなり難解なもの。

 姉のエステル(イングリッド・チューリン)は、理性的にあろうとし、妹のアナ(グンネル・リンドブロム)は欲望のま
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愛のレッスン(1954年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 [ライト・コメディー]

なかなか面白かった。

 最初の始まりは、軽過ぎると思ったのだが、話が進んでいくうちに段々事情が分かって来て、巡り巡って、最後には、それで元の鞘に収まるのか,という感じ。
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