タカシサトウさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

タカシサトウ

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夢売るふたり(2012年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

 里子(松たか子)と夫の貫也(阿部サダヲ)の二人が営む小料理屋がふと目を離したすきに火事になるが、簡単に全部燃えてしまい過ぎで、二人の拠り所が無くなるという意味なんだろうけれど、ちょっと安易な話の作り>>続きを読む

ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 ここで描かれる戦闘の凄さは並ではなく、観ているときは、かなり緊張した。

 ハリウッドの映画だから、ラストは、よくやったみたいな形で終わるんだけれども、杜撰な作戦の話だから、前線では、ブラックホーク
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うなぎ 完全版(1997年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 山下拓郎(役所広司)が、浮気した妻を殺し、服役し、出所したものの、それを引きずって、うなぎとしか交流できなくなる。そして、でも、世のしがらみから死のうとした服部桂子(清水美沙)を救ったことから、生き>>続きを読む

幸せのレシピ(2007年製作の映画)

3.8

 「マーサの幸せレシピ」を観たので、また観る。

 シェフとしては一流だが、人付き合いに不器用なケイト(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)が、姉の子のゾーイ(アビゲイル・ブレスリン)を引き受ける羽目になる
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

[ピアノが中心]

 観るのが初めてではないので、話しは大体覚えているが、海辺に置き去りにされたエイダ(ホリー・ハンター)のピアノが、その音楽も含めてあまりに強烈で、忘れられない。そして、さすがに、エ
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

モンタナの風景は圧倒的な美しさだった。話が、常にこの風景を背景にして進んで行く。

 そして、ストーリィの細部がよく分からなかった、ピーター( コディ・スミット=マクフィー)が、フィル(ベネディク
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ディア・ドクター(2009年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 ネタバレになるけれども、医師の資格のない者(伊野治:笑福亭鶴瓶)が、村から絶大の信頼を得た医者になって、そして、消えて行く話。

 伊野が、彼自身が、偽物なのかどうなのか、たとえ偽物だとしても、相手
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蛇イチゴ(2003年製作の映画)

3.7

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 ここに描かれているのは、明智家の家族が崩壊して行くというより、崩壊している家族の一人一人の事情が表面に出て来ることだろうと思った。

 父親(平泉成)の借金も、母親(大谷直子)の介護ストレスも、そし
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.0

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[自分に向き合う]

 人気小説家の衣笠幸夫(本木雅弘)が、妻(深津絵里)が事故で亡くなった時に、不倫中でその死を悲しむことさえできない。華やかでいるようでいて、誰も愛せないし、誰にも愛されない。
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ゆれる(2006年製作の映画)

4.2

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「すばらしき世界」を観て、西川美和監督作品を続けて観ようと思った。

智恵子(真木よう子)が落ちたのは事故だったのか、それとも突き落とされたのか、何が真実か、分からない中で、何とも言えぬ惹かれるも
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 刑務所に13年もいた三上(役所広司)が、シャバで堅気な人間として生きようとするが…という話。

 三上は、理不尽なことが嫌いで真正直なのだが、短気ですぐ暴力を振るってしまう。母に捨てられたという彼の
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ジュリア(1977年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 作家のリリアン・ヘルマン(ジェーン・フォンダ)が、作家のダシール・ハメット(ジェイソン・ロバーツ)と暮らしながら、作品を書いて行くのだけれど。メインは、リリアンの友人で、社会活動家のジュリア(実生活>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

[アルフォンソ・キュアロンの自伝]

 白黒の映像は本当に美しかった。流れるようなカメラワークも。1970年のメキシコの街をCGを含めて再現し、家具は、当時の物をかき集めて撮影したらしい。

 ま
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シベールの日曜日(1962年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

 なかなか凄かった。

 ピエール(ハーディ・クリューガー)は戦争で記憶喪失と罪の意識を背負い、フランソワ(パトリシア・ゴッジ)は親に捨てられたという傷を背負い、その共通点が共鳴し合い、お互い気持ちが
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身毒丸(1978年製作の映画)

3.2

 かなり画像が悪く、あんまりはっきりとは見えなかった。その為、天井桟敷の演劇の雰囲気を味わう位のものだったかと思う。

 母を失った身毒丸(若松武)が、義母の撫子(新高恵子)を受け入れられず、地獄にま
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砂の女(1964年製作の映画)

4.0

 何とも言えず奇妙な話だった。あたかも、人の心の底に降りて行って、段々そこから抜けられなくなっていくような、そんな話だったのではないかと思う。

 “女”の岸田今日子が何と言うか、謎めいて妖艶でもあり
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 あまりにもインパクトが強過ぎて、何とも言えなかった。

 何とも辛く、凄い話だった。家福悠介(西島秀俊)の子が亡くなるということや、音(霧島れいか)に本当のことが聞けなかったこと=殺してしまった、渡
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エル・トポ(1970年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 まさに、これがカルト映画、という気がした。

 自分探しなのか、救済なのか、何かを訴えようとする。異色で、一部の人にしか受け入れられないが、その一部の人は熱狂する、と思う。

 主人公のガンマン、エ
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

4.0

 なかなか良かった。アレハンドロ・ホドロスキーの話を聞いているうちに、人間にとって夢や志が如何に大切かということを感じた。

 “映画は芸術だ”、というホドロスキーの言葉に、私もそう思う。そして、何と
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映画 プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!(2016年製作の映画)

3.0

 オールスターズだから、例によってプリキュアが沢山出てきて、誰が誰やらよく分からない。

 しかし、事件の首謀者のソルシエールの声と歌がゲストの新妻聖子で、彼女が主役みたい。しかも、プリキュア達より歌
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.0

 兎に角、映像が美しく凄かった。スケールも壮大だった。だから、これは、映画館で観るべき映画なんだろうけれど、珍しく行こうとした時にはもう終わっていて、今回、PC画面で観ることに、情けない。

 物語も
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さらば箱舟(1982年製作の映画)

3.5

 ごった煮のような、奔放な性の世界を含んだ寺山修司の世界が展開される。

 スエの小川真由美にしろ、夫となる捨吉の山崎努にしろ、本家を牛耳っていた大作の原田芳雄にしろ、役者の魅力で引っ張って行ったのだ
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サード(1978年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 昔に観た時に、私のトラウマになった、少年院で、サード(永島敏行)が洗礼を受けたかのように出された、あの食事を、再び観ることになった。でも、今回は、それなりに筋を追って観ることが出来たので、以前のよう>>続きを読む

草迷宮(1979年製作の映画)

3.5

 まさに、これが、寺山修司の求めるイメージの世界だろうと思った。主人公明(三上博史)が本当の(?)母を探し続ける、乳房の象徴、母の象徴である手毬を頼りに、旅から旅へ。そして、淫靡な妖艶な女に引き込まれ>>続きを読む

ボクサー(1977年製作の映画)

3.5

 なかなか激しかった。しかし、あまりにもやるせない、そしてアクの強過ぎる感覚にあんまりついて行けなかった。

 それでも、コーチ隼謙次の菅原文太は存在感があるし、天馬哲生の清水健太郎があまりに若くて、
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ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

3.9

 美術や雰囲気は、さすがに古さは否めないけれども、アニタのリタ・モレノを中心とした“アメリカ”が、素晴らしく、アメリカ移民の苦しい現状を皮肉る内容は、今のアメリカにも当てはまるかも。

 また、ベルナ
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書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

3.5

[前衛]

 北村英明の私(佐々木英明)の青春時代の葛藤を通じて描かれる、挑発、挑戦。

映像が古めかしいし、場面場面がちょっと長過ぎて疲れるし、もう少し短くしてくれたら、と。でも、あえて、長
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田園に死す(1974年製作の映画)

3.9

[独特の世界]

 古めかしいけれど、風変わりな、独特の世界。寺山修司の自伝的な作品。

 寺山修司の母は、遠方に仕事に行ったり、彼を取り込んだり、安定しない人で、寺山は母に飲み込まれているような状
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エレニの旅(2004年製作の映画)

3.5

 170分はかなり長かったが、映像は本当に素晴らしかった。

 水没した村を小舟で進む所や、テオ・アンゲロプロスの特徴的な映像の曇天の海など、見事だった。

 主人公のエレ二の人生が、身内の喪失が説明
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評決(1982年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

[ローラをもう少し]

(ネタバレはほとんどしてませんが、なしで観ることをお勧めします)

 後半は、特に観てる間は、観るのが何回か目なのに、フランク(ポール・ニューマン)がコンキャノン(ジェ
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こうのとり、たちずさんで(1991年製作の映画)

4.0

 何とも不思議な、そして、魅惑的な映像。黄色い雨具も。

 ストーリィは、国境を隔てて、国を捨てて異国に行かざるを得ない人達、難民の少女が婚約者と国境の川を境にして対面せざるを得ないような現実を見せて
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シテール島への船出(1983年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 スピロ(マノス・カトラキス)とエカテリーナ(ドーラ・ヴァラナキ)の夫婦が二人で一緒に行くラストがすべてと思った。

 しかし、それに至るまでが、長く、特にアレクサンドロス(ジュリオ・ブロージ)の父の
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

 自分でもなぜかよく分からないが、「1」に比べて随分テンションが落ちたように思ってしまった。

 日岡秀一(松坂桃李)に対して上林成浩(鈴木亮平)が最強の敵として出て来るが、上林が敵と思えば誰でも殺し
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永遠と一日(1998年製作の映画)

4.4

 なかなか素晴らしい映像だった。そして、主人公アレクサンドロス(ブルーノ・ガンツ)の心象風景がやりきれない現実を潤していくように思った。

 過去の妻アンナ(イザベル・ルノー)と母への思慕と、アルバニ
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プレイス・イン・ザ・ハート(1984年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 ロバート・ベントンの「クレイマー、クレイマー」がかなり良かったので、これを観た。サリー・フィールドのエドナに尽きると思う。

 夫が急に亡くなって、そうせざるを得なくて、家族や使用人(モーゼス:ダニ
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ユリシーズの瞳(1995年製作の映画)

3.3

[過酷な地域]

 映画監督のA(ハーヴェイ・カルテル)がバルカン半島の地でいろいろな女性(すべてマヤ・モルゲンステルン)に会いながら幻の映画のフィルムを探していくというもの。

 この地はギリシ
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