YLxxさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

めまい(1958年製作の映画)

4.5

各登場人物の心の深淵を覗く演出/物語にくらう。これを見てはっきりしたのはデイヴィッド・フィンチャーがどれだけヒッチコックの影響を受けているかということ、ミステリー/サスペンスそしてロマンスとは人の内面>>続きを読む

映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

3.9

意外にも映画監督の苦悩というよりも映画現場全体の苦悩をコメディタッチに描かれた作品、81/2のライトバージョンとでも言おうか。本編ではニューシネマをとりながらフランス語でヌーヴェルバーグ作品をアメリカ>>続きを読む

バーニー みんなが愛した殺人者(2011年製作の映画)

4.0

モキュメンタリー的映画なのだが、そもそもこれ実話やったんかよという驚きとインタビューガチな点にビビる。

正直リンクレイターらしさはさほど感じられずひたすら主人公バーニーの善行と市民のバーニーへの信仰
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クンドゥン(1997年製作の映画)

4.0

この精神を失ってはいけない

どうしても観ているとラストエンペラーと被るものがある、しかしこちらで語られるのは一人の強い男の物語。
宗教と国という強大な文化圏を壊さぬようそして存続するように導いて行く
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SAND LAND(2023年製作の映画)

4.2

コレこそホンモノの週刊少年ジャンプ作品映画化のあるべき姿ではないだろうか

誇張抜きで人生において一番読んだ単行本はサンドランド、映像化すると聞いたときはテンションめちゃ上がりました。幼少期に死ぬほど
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バービー(2023年製作の映画)

3.3

正直言ってしまうとグレタガーウィッグとノアバームバック夫妻コンビでこの作品を撮った事実に落胆する。

今年ネットフリックスにあったノアバームバックのホワイトノイズの様にコメディとして描きつつ語る作品だ
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インスペクション ここで生きる(2022年製作の映画)

3.8

母親の態度には一方的で勝手な期待を込められた愛しかなく無償の愛とは全く違う何かであり見ていて気持ちが悪くなる。
事前に与えられたもの以上のものは物語上ないが実話を基にしている為生々しさがハンパじゃなく
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ドアをノックするのは誰?(1968年製作の映画)

3.6

dvd特典スコセッシ解説が良い
同時の生活環境、60年代の映画界、トリュフォーについて等メーン解説以外のインプット話が面白い。

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.1

視界を遮られ続けた人生

160分飽きずにここまで見せれる事にそもそも驚き、華やかな世界とコンクリの世界が交互に映し出されるのが面白い。
また詳しく書こう
乳母役の人がシンプルに現代風で可愛い、ディレ
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ニュートン・ボーイズ(1998年製作の映画)

3.2

テキサスのタフガイズ

いやほんまにこれリンクレイターが撮ったん?って感じ、どこまでちゃんと関わった??
once upon a time in americaを10倍に薄めたみたいな内容かつまさかの
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魅せられて(1996年製作の映画)

3.9

ベルトリッチ×リヴタイラーそして美しい風景と音楽

Netflixであったトスカーナはこれに影響受けているのかな?とか思ったり
彫刻はもちろんミツバチや踊る労働者など所々で直接的に語りかけてくるが、基
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花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

3.7

幸せな時間は孤独をより一層際立たせ二人だけの孤独な世界を造り出す装置になる

WKW4Kレストアシリーズの中でも昔に見ていた為に唯一未視聴であった花様年華、駆け込みでブエノスアイレスとセットで見てき
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イノセンツ(2021年製作の映画)

3.8

童夢オマージュに引っ張られて見てきました。
要所での設定や描写はかなりというかほとんど一致しており童夢好きにはたまらんものがあり、更にそもそもこの作品がもつ画の強さが半端じゃなく刺さる人には間違いなく
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2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)

4.3

キムタクが出ている割には他作品に比べ日本での評価が低いと感じる今作、その理由は下に詳しく書いているがキムタク×香港の巨匠だけに引っ張られて見てしまうとかなり痛い目に合うためであると推測する。

王家
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若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

3.7

WKWレストアシリーズの中で未見であった今作と2046を続けて観ました。
2046との共通点も多く2046の解像度がかなり上がったように思える。

エロがテーマであるが元からエロく人を撮るのがうまい
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ロープ(1948年製作の映画)

4.2

ヒッチコックのお勉強として前から気になっていたロープ
脱帽のショットが随所に現れるのだが正直それよりもワンショット映画なのも相まってか小物による細かな演出とスリルある会話に緊張が走る。遺体と共に部屋に
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ヒッチコック/トリュフォー(2015年製作の映画)

3.5

トリュフォーは大人は判ってくれないだけでヒッチコックはサイコのみしか見たことが無かったが、スコセッシ、デヴィッドフィンチャー、リンクレイター、ポールシュレイダー、ウェスと好きな監督がかなりインタビュー>>続きを読む

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~(2019年製作の映画)

3.6

100分でやるのならもう少し作品内時間を絞った方がよかったのだろうな、正直テレビシリーズに比べると薄く物足りないのとテーマが焼き直しでしかないと感じせざるを得ない。

悪い意味で演奏パートはリズと青い
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

3.5

ユーフォニアム全話一気見した流れで鑑賞
本編では特徴的であるブラックな雰囲気が全くない真っ白に近い作品。個人を愛し尊重するという本筋は守られてはいますが、ユーフォニアムとは全くの別物と考えて見たほうが
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革命前夜(1964年製作の映画)

4.3

「革命前夜を生きなかった者は生きることがいかに甘美か理解できない」の言葉から始まる今作。ベルトルッチの半自伝的作品でもあり物語としては超美人な叔母に恋する典型的な青年といった感じなのだが、現代にも通ず>>続きを読む

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.2

初めて見たニューヨーク・ニューヨークに食らい過ぎ、スコセッシ作品をなにか見直そうと思い鑑賞。部屋にツアー帰り設定のライザミネリのパネルを発見でき連続して見たかいがあった。流し見するつもりだったが見入っ>>続きを読む

ウェイキング・ライフ(2001年製作の映画)

4.1

バキバキに見る映画で絵をずっとみていたら頭がおかしくなる。音声と字幕に比重を置かないと本当におかしくなる。
といっても、リンクレイターあるあるな会話が多くそもそも真剣に会話を聞くような作品でもない。
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ニューヨーク・ニューヨーク(1977年製作の映画)

4.5

何故ここまでスコセッシ作品の中で評価されていないのかが分からない。
人が話す時の生感が半端じゃない、出発地点と到着地点だけを決められ即興で何度も何度も取り直したのが良くわかる。

デニーロ演じるジミー
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チェルシーホテル(2001年製作の映画)

3.6

イーサンホークらしくカルチャーへのリスペクトとくだらない素人哲学を語ったり愛を語ったりの映画。
中盤までぐちゃぐちゃすぎて大変だったが終わってみると意外とスッキリしていてカオスさよりも哀愁が漂う。

風立ちぬ(2013年製作の映画)

3.8

震災、戦争、恋人の大病そんな逆風も追い風にして彼は好きに生きる。音響面や音楽がかなり面白い作品、特に震災のシーンのジブリでも屈指の場面では(あの場面を拡大させたのがすずめの戸締り説)あと最初の夢場面こ>>続きを読む

血ぃともだち(2022年製作の映画)

2.9

押井守×唐田えりかにそそられて鑑賞。
これは自分のリサーチ不足だが、そもそも唐田えりか活休後の作品だと思っていたらそうではなく、ただ面白くない俳優と押井おじいちゃんのオナニーかつオナニー用作品を見せら
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.2

なにかに適応するには自分の中のなにかを捨てなければならない、捨てられない彼女は自分を曲げずにバスへ乗る。

サブカルシーンで熱狂的な人気のあるGHOST WORLD見たら一瞬でその理由が理解できまし
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憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023年製作の映画)

3.2

映画としては特段言うこともないので一野球ファンとして書きます。
阪神タイガース/SDパドレスファンです。

野球、ジャパニーズベースボールと言っているが正直メキシコもアメリカも倒したのは小技などではな
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フォー・ルームス(1995年製作の映画)

4.0

ティム・ロス演じるベルマンの奇妙な動きや発声をするキャラクターのドツボにはまっていきラストにその良さがグッと凝縮される感じが堪らない。全てにおいてテキトウがすぎる魔女、もう何故キレているのかもよくわか>>続きを読む

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

3.9

また違った愛だよ、また違ったキスだよ

この言葉がこのラヴストリームスという名の渦まく二人の心を体現する。それぞれ愛へ対する解釈が違うのと同時に愛へ対する解釈が幾つもある。
子供が10代の娼婦を飼って
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バックドラフト(1991年製作の映画)

3.8

ゆとり世代関西人なので幼少期閑散したユニバで大変お世話になったバックドラフトのアトラクション、ETやジュラシックパーク等はアトラクションから気になって映画も見たがなんせアトラクションのせいもあり見ずに>>続きを読む

カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.0

まるでオスカーアイザック演じる主人公のギャンブルで生業としているとは思えないほど欲が無く整然と真っ白で淡々とした映像が続く、それに対応するような過去の回想トラウマシーンはジメっとして汚くて気持ちが悪い>>続きを読む

スタン・リー(2023年製作の映画)

3.4

スタンリーのありがたいお言葉を聞く作品と割り切れば良いが、途中のゴタゴタが気になりすぎて消化不良感は否めない。

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.5

バットマンやスーパーマンの映画を10代の頃何本か見たことあるくらいの知識でしたがアクロスザスパイダーバースとの兼ね合いもあり見てきました。

マーベルが何作かマルチバースモノをやった後なのでハードルは
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そばかす(2022年製作の映画)

4.2

寝袋から出てテントの小さな扉から外を見る。この画を見た瞬間やられた!と完全に思わされた。少しでも周囲の普通から外れているだけで大丈夫?可愛そうと心配される社会は狂っている。「他所は他所、家は家」と幼い>>続きを読む