高橋早苗さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

高橋早苗

高橋早苗

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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

4.0

言い忘れたことがあると 止まったまま
伝えそびれたことがあると
いつまでも 残ったまま

魚の骨が喉につっかえたみたいに
飲み込めるものも 飲み込めない
ごはんも喉を通らない

何がしたいのかも 分か
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プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

3.8

子どもの頃
大切にしていたものを
忘れた大人の話

・・・というのは
テッパンほどに ありふれているから
目新しさは皆無だけれど


それなのに
笑えて 泣けるのは
私も “忘れた大人”の一人だから。
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4分間のピアニスト(2006年製作の映画)

3.7

刑務所にやってきたピアノ

初の“教室”に現れた“生徒”ジェニーは
些細なことから 看守を殴り倒す

そんな荒っぽい彼女に 老教師トラウデは才能を見てとり
コンクールに出場させることで 再生の道を開こ
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最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)

3.5

余命宣告を受けた 二人の男


「残された日を知れば
 解放された気になると思っていた」カーター

一代で富を築いた男 エドワード


人生の残り時期を知った二人は
病院を飛び出す
「棺桶リスト」に従
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

3.4

自宅キッチンから始めた事業を
220名の社員を抱えるまでに成長させたジュールズ

事業は順調だが
彼女の情熱とは裏腹に
社内は問題山積み

進んで家庭に入った夫とも すれ違い続け
母親とは仲が悪い
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ナショナル・ギャラリー 英国の至宝(2014年製作の映画)

3.4

絵には人生がある
音楽が、映画が、哲学が、科学がある


絵には時がない
一瞬で見るから
興味あるものはすべて
アートの中にある


☆☆★


ダヴィンチ
ターナー
といった大企画展

ギャラリート
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さすらいのレコード・コレクター 10セントの宝物(2003年製作の映画)

4.3

ロックもヒップ・ポップも
彼にはノーサンキュー
「がん」とまで言い切り
ジャズさえ 「今のはジャズじゃない」とバッサリ♬


彼の“お目当て”は
1920年代 レコードが出回り始めた頃のアメリカン・ミ
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生きる(1952年製作の映画)

3.6

30年勤め上げてきた市民課長

有給すら使わず 部下にからかわれるほど「真面目な」男は
自分が癌だと知り落ちこむ

妻には早くに先立たれ
同居の息子夫婦とは会話もない

誰にも言えずに男は
毎朝時間通
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しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年製作の映画)

3.7

“みんな”が嫌いな男エベレット
つまり
皆と一緒、世の中の常識、世間体
…そんなものとは 無縁で
ひとり暮らしてきた男


一方のモードは
リュウマチを患い
人と違うことが
当たり前で 生きてきた女
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地球交響曲 ガイアシンフォニー 第三番(1997年製作の映画)

4.8

星野道夫を初めて知ったのも
誰かの言葉からだった

彼の死を伝えるニュース
熊の写真を撮りに行った先で
熊に襲われて死んだカメラマン
その伝えかたに ものすごく違和感を覚えたのを覚えてる


そうして
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アズールとアスマール(2006年製作の映画)

4.0

瞳の色が違い
肌の色が違い
話す言葉が違う二人の子

同じ母(乳母)に育てられ
同じ子守唄を聴いて育った二人は
ある日突然、引き離される

成長したアズールは
乳母の子守唄を忘れず
遠い異国へと旅をす
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夜のとばりの物語(2011年製作の映画)

4.0

昔々あるところに・・・
なんて口上が似合いそうな影絵アニメーションは
教訓めいたところが一切なく
なぜ?の謎解きもなく

…こんなお話がありましたとさ。と、ただシンプルに魅せてくれる。



「狼男」
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ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜(2011年製作の映画)

4.4

エイビリーンの
初めての告白

実母を亡くした白人の子を育てる
メイドとして初めての仕事
彼女をママと信じる子が
「どうしてママは黒いの?」と聞く

「珈琲の飲み過ぎ」と答えて
目を丸くされる話が好き
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マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年製作の映画)

3.7

歌の上手い下手だけで観たら
コメディね笑える〜^_^か
なんだこのクソ映画。ってことになるし

映画の出来だけを観ちゃうと
メリル・ストリープは、やっぱすごいね!って、怪演っぷりの評価で終わっちゃう。
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ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

3.9

ル・アーヴルの町に住む靴みがきマルセルは
貨物コンテナに隠れ 町に辿り着いた密航者の子と知り合う
同じ頃 妻アルレッティは病に臥せる


仕事に 誇りを持ち
 「靴みがきと羊飼いこそ 人々に近いんだ」
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ラッキー(2017年製作の映画)

4.2

「魂なんてない!」と叫ぶ現実主義の90歳は

自身が ブっ倒れる

という現実を受けて
はて、これから・・・?と考え始めるのですね
(御年やっと、考え出したのかい?というツッコミは まぁ置いとこうw)
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ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

3.8

絵に描いたような
アメリカの片田舎で
食料品店に勤めるギルバート


家族は
母親代わりを勤める姉と
学生の妹
脳に障害を持つ弟
そして
ここ何年も家から出ずに
食べ続けてる母親。



彼曰く『音楽
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私は、マリア・カラス(2017年製作の映画)

3.7

スクリーンは、マリア本人の声以外を排除。
親しい人へ送った手紙を
「永遠のマリア・カラス」
でマリアを演じたファニー・アルダンが朗読している。


3年かけ集めたという非公式の映像や録音が惜しみなく披
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ホリデイ(2006年製作の映画)

3.8

新しい恋は
…忘れていた感情に出会うこと


一番大事な時に
泣けない女と 怒れない女のハナシ



3年の片思いの間に
「上手くいかないのは私のせい」
を自身の中に染み込ませ

都合のいい時だけ言い
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天才たちの頭の中~世界を面白くする107のヒント~(2019年製作の映画)

3.6

「なぜ、あなたはクリエイティブなのですか?
 Why are you creative?」


1,000人あまりの人へ
この問いを投げ続けた男の 見てきたものは
到底 88分に収まりきるわけもないの
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黄金のアデーレ 名画の帰還(2015年製作の映画)

4.4

ナチに奪われ
いつの間にか国の持ちものになり
国民から愛されているけれど
描かれている 美しいひとが愛した家族は
今ははるか 大西洋の向こうにいる


その、家族
アデーレの姪マリアが
叔母の肖像画を
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デザート・フラワー(2009年製作の映画)

3.5

ワリス・ディリー
という名前は知っていた

有名なモデル
自叙伝が出て
話題になったことも覚えてる

そのくせ
自叙伝を手に取ることはなかったんだけど。



ソマリアでの少女時代から
すぐにロンドン
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

「娘の同級生に恋をして」変わり始める男の毎日。


けど、娘も、妻も

「気持ち悪い」
「いいかげんにして」

だけ。


自身を取り戻した男が
最後に見たのは・・・?


…これを悲劇と観るなら
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ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー(2010年製作の映画)

3.4

エンドロールは
ドワネル役オーディションの映像

ジャン=ピエール・レオーが
質問に答えてる



最後に見せた表情が
スクリーンの中では
見たことのない笑顔で


この子は
こんな風に笑うんだ

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単騎、千里を走る。(2005年製作の映画)

3.3

・・・10年 音信不通の息子
入院したと知り
会いに行く父

面会を拒絶する息子と
嫁が渡す ビデオテープ
「仕事ぶりを 見てください」


民族学者の息子が単身 中国へ渡り
撮影しようとした仮面劇
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博士の愛した数式(2005年製作の映画)

3.5

新人の数学教師
初めての授業
「ノートはとらなくていいよ」と話し出す、幼い頃の話。
なぜ数学を目指したのか。



家政婦をしていた母と
その“勤め先”のご主人
・・・交通事故から
「記憶が80分しか
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SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬(2018年製作の映画)

3.8

のっけから
YMOの 聴き覚えある音で

第一声『この写真で僕は、ギター始めて』の
聴き覚えある声で

そして、見覚えのある写真たちで。


なんだけどー。
見覚えあるのに、なんだろうこの違和感は。
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雪の女王(1957年製作の映画)

4.2

『あるのは平安と寒さだけ』
という氷の世界に住む 雪の女王は
怒りから 少年カイに呪いをかけて
連れ去る



カイと仲良しのゲルダは
ひとり カイを探す旅に出る


ゲルダは
目にするもの
聞くも
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WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常(2014年製作の映画)

3.6

受験に失敗したチャラ男がなぜか
ケータイも通じない村へ行って
林業やっちゃうw


村はもう
その村全体がコミュニティ

知らない顔なし
ローカル線1日3本w
バスなし
コンビニなし

そして皆が
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ダライ・ラマ14世(2015年製作の映画)

3.6

ナレーションの声が
どことなく星野道夫に似ている気がして
うるっときそうになりつつ

法王のお茶目回答に
我に返ったw



印象的だったのは
日本を訪れた法王を尋ねてきた
チベット人留学生たち
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ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

3.9

…公開前には、少佐がなぜ日本人じゃないのか?という話も聞こえてきたけど、アジア人の華奢な体躯よりはよっぽど「らしい」んじゃないかな。

それと、私はスカーレット・ヨハンソンの声が好き。だから、まず本人
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キリクと魔女(1998年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

アフリカらしい、色鮮やかさが目を引く。


自らの意志で生まれた
ちいさな子 キリク

強い好奇心を持ち
村から水を奪い 黄金(きん)を奪い
男たちを奪い貪り食うという魔女カラバに 真っ向立ち向かう
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もしも建物が話せたら(2014年製作の映画)

4.5

2011年
東京都現代美術館で観た、ヴィム・ヴェンダースのビデオインスタレーション
「もしも建築が話せたら…」


スイス・ローザンヌにある
SANAA《ロレックス・ラーニング・センター》
ゆるやかに
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ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

4.3

こう言っては何だけど
充分おっさん(といってよいお年よね)のくせして
あの、女の子みたいな
か細いささやき声^^

…ジョアン・ジルベルトに影響を与え、ボサノヴァ誕生の一因になったのだとか。



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シーモアさんと、大人のための人生入門(2014年製作の映画)

4.4

予告編を観て、気になった
菩薩と見間違うような
その笑顔

それ以上も以下もない
その瞬間だけに響く言葉、その声
そして
ピアノの音。

まるっきり、初めて
そう、初めて聴いた音だった。



監督は
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幸せへのキセキ(2011年製作の映画)

4.3

とかく 連れ合いに先立たれた男は
同じ女よりも弱い。
驚くほど弱い。


街には、妻との思い出だらけ
何を見ても思い出す
 季節ごとに咲く花
 一緒に歩いた道
 入った店
 彼女が好きだったペストリー
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