背骨さんの映画レビュー・感想・評価

背骨

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殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)

3.6

連続殺人鬼と捜査官の対決を描いたサイコミステリー
取り調べシーンと犯行シーンが交互に描かれる構成で、ツイストの効いたストーリーと共に飽きさせない
実際の連続殺人鬼たちをモデルにしているらしい人物造形や
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不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

4.0

恋という不可思議で無限の力を秘めた感情を概念的に可視化する事に成功した超絶怪作

『アズミハルコ〜』以来の松居大悟の才気を肌で感じられて大満足
好きすぎて、ピュアすぎて機能不全を起こしてしまう見上愛は
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.4

同じ顔をした二人の男に恋をした女の物語
「人は何に恋をし、それは愛に変わるのか… 」誰にでもある不可思議な感情を圧倒的強度と綺麗事抜きの心理描写で描いた恋愛心層ホラー

濱口竜介は麦と朝子だけをホラー
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バジーノイズ(2023年製作の映画)

3.6

音楽映画ではあるけど、嫉妬やエゴ、独占欲などバンドあるあるな負の感情や関係も描かれていて、友情のドラマとしても見応えアリ

二人を繋ぐ気持ちが恋愛というより、「この世界を生き抜くために励まし合う同志」
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リバウンド(2023年製作の映画)

4.2

まるでリアルスラムダンクな韓国高校バスケで起きた奇跡。
最強山王工業戦を思わせる決勝戦は止めどなく涙が溢れてしかたなかった。
寄せ集めアウトローたちが見せた崖っぷちの青春とそして人生は続くなミラクルな
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.8

今年初泣き。
自分の人生を変えてくれた人との再会の旅を描いた藤井道人監督作品。
映画の中の旅のゴールはすぐにわかるのだけど、人生という旅はどこに辿り着くかより誰かと過ごした時間の中にある事を教えてくれ
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告白 コンフェッション(2024年製作の映画)

3.4

過去の殺人を告白してしまった男と聞いてしまった男。山小屋の中で繰り広げられる狂気の密室劇

限られたスペースでギミックと演出を駆使しながら見せる魅せる。設定オチにならない工夫が凝らされた一作。ホルモン
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正義の行方(2024年製作の映画)

4.0

最期まで無実を訴えながらも刑確定から僅か二年で死刑執行された「飯塚事件」を追ったドキュメンタリー

こういう言い方は不謹慎かもしれないが、其々の正義と真実が交錯し合う後半の面白さは抜群で、真実を自らの
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辰巳(2023年製作の映画)

4.1

噂通り凄えぇ!
裏社会でしか生きられない奴らの金と命の奪い合いを描いた作品だが、こんなにもリアルで生々しくヒリヒリする映画、なかなか出会えない
役者が良い、セリフが良い、ロケーションが良い… 魂はディ
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

肩に力が入っていないように見える中にも張り詰めた空気を漂わせ、観る者の心をザワつかせるザ・濱口監督な作品。傑作などという評価は的外れな気もするし、なんなら今さら失礼なんじゃないかとすら思ってしまうほど>>続きを読む

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

3.6

小難しい事抜きにハッピーな気分を味わいたいならこの映画。
訳あって相性最悪な二人がそれぞれの思惑のために付き合ってるフリをするラブコメだが… その展開はまさに王道。G・パウエル、トップガンの時以上に飛
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サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

3.4

日本の戦隊モノへの愛がハンパないSFスプラッターバトル
かぶりもの連中より主人公の女の子のキャラが良すぎ。てか、この子逸材やろ。正直好みのタイプの映画じゃないけど、彼女のおかげで最後まで観られた感じ。
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毒娘(2024年製作の映画)

3.8

これは面白い。
血塗れホラーなルックでありながら、家族という関係に潜む闇を破壊しにくる映画であり、アイデンティティを取り戻す映画でもある
ちーちゃんはホラーアイコンでありダークヒーロー。まずは見てほし
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.8

ラスト一発で全てを物語ってしまう演出が見事すぎる。あれが見られただけで満足
あり得たかもしれないもうひとつの未来に想いを馳せながらも自らの選択に後悔はしない二人… というところだけは『ラ・ラ・ランド』
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.4

モラル崩壊スリラー。その島はクローンが身代わりに罰を受ける島… 金さえあれば犯罪のスパイラルは止まらない
罰を受けているのは肉体か精神か。自分とは何者なのか…
ミア・ゴス最狂。間違いなく主役は彼女でし
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僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

3.6

神様にお願いしたから友だちが出来たと思っていたのに、その神様に裏切られてしまった…
無垢な少年の目に映る信仰の世界と残酷な現世の理不尽な関係。これはまるで子供版『沈黙サイレンス』であり『シークレット・
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.7

『君の名は。』から遠回りしながら辿り着いたド直球なポスト震災映画。
エンタメとして描くという事への非難から逃げてない作品で、絶対に風化させない、明るい未来を届けたいという想いも感じる。
災害三部作の中
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蛇の道(1998年製作の映画)

4.2

スナッフビデオのために娘を惨殺された男の復讐劇。
不穏さと狂気に満ちた廃墟と乾いた銃声が黒沢清的ニヒリズムに溢れていて、久々に観たが「オレの好きな黒沢清とはコレ」を凝縮したような作品だった。
セルフリ
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ラブリセット 30日後、離婚します(2023年製作の映画)

3.8

面白かったー!
また韓流お得意の記憶喪失モノかよーなどと思わせつつも、チョン・ソミンの振り幅大きいツンデレが抜群のキレ味とキュートさで永遠に見ていられるし、工夫次第でここまで面白く出来るの好例。
ほぼ
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異人たち(2023年製作の映画)

3.6

見事な新解釈リメイク。
異人たちを外界のものとして描いた大林宣彦版以上に東洋的で、『私達はみな異人である』というタイトル通り、その内も外もなく全てが等価となった世界は誰もが孤独でありながら、同時に一人
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マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

3.2

自分の中に眠る怪物性に気づいてしまった男の偏愛劇。
スロウリーな展開と意外性のないストーリーに大傑作『マジカルガール』を期待すると肩透かしを食らうが、許されざる者たちのラブロマンスとして見ると面白いか
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.6

往年のファンが歓喜するプロレス映画でありながら家父長制と男らしさの呪縛に苦しんだ家族の物語
呪われた一族と呼ばれたエリック家に起きる出来事が実際に起きた事とはいえ辛すぎる。苦悩と悲しみを一人で背負うザ
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貴公子(2023年製作の映画)

4.1

さすがパク・フンジョン最後まで目が離せなくなる面白さ
謎の御曹司と謎の弁護士と謎の「友達」との逃走劇から一気に全貌が見えてくるバイオレンス満載のクライマックスへ
見せ方わかってるなぁ、エンタメ力強すぎ

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

原爆賞賛でも、逆にオッペンハイマーを断罪する映画でもなかった。強いて言うなら一連の出来事を通して人間の愚かさを描いた映画とでも言おうか。ただノーランがこの作品を通して核の歴史と未来に向き合ってほしいと>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

3.8

今までに見た事がないタイプのホロコースト映画。
人類史上類を見ない虐殺が行われている塀の外に広がる穏やかな生活と平凡な人々… それはまるでわれわれと何も変わらないかのように…
不快感を掻き乱す呻き声の
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15ミニッツ・ウォー(2019年製作の映画)

3.6

1976年、当時フランスの植民地だったジブチでスクールバスが武装組織に乗っ取られる事件が発生。5人のスナイパーが集められ犯人全員を同時に狙撃するという前代未聞の作戦を立案するが…
「奇跡の人質救出」と
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アルティメット(2004年製作の映画)

3.5

近未来のパリ。犯罪者を壁で囲い込んだ危険地域13区を舞台に妹をさらわれた男と爆弾を解除するために潜入した刑事が共闘する
見せ場はなんといってもCG・スタントなしの超絶アクション。鍛え上げられた究極の肉
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

2.8

オジサンにとって「こうであってほしい昔の彼女像」を演じる森七菜が可哀想な映画
それらしい設定の上で展開する全く切実さを感じない長澤まさみの独特な恋愛観はもはやサイコだったし、ラストも感情移入出来ず。
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.2

超絶くそヤバい傑作の予感しかしない『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章』
これは近年の暗雲立ち込める日本を濃縮したような世界で繰り広げられるSF青春譚にして、明るい未来を抱けず日常を生
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

でーじ面白い!
一族を乗っ取ろうとする殺人鬼と人生を変えたい少年たちの頭脳戦。
めっちゃ人死ぬ。めっちゃ闇深い。めっちゃ裏切られる。
沖縄の青空の下繰り広げられる先の読めないデスゲームは、東野圭吾とア
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

PART1は序章に過ぎないといわんばかりの壮大なスケールによる復讐戦。
人間模様が入り組んだドラマとともに映像・音響効果が凄まじく今回ばかりはIMAX推奨と言わざるを得ない。
綺麗に決着をつけながら次
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泣く男(2014年製作の映画)

4.0

マジで最高。誤って少女を撃ち殺してしまった殺し屋の贖罪の戦い。

韓国映画にはめずらしい本格ガンアクションと近接戦闘が味わえるアクションノワールで、ひたすらハードボイルドな世界と殺し屋同士にしか分かり
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

3.6

前作『わたしたちの家』から舞台を多摩ニュータウンに移し、交わるはずのなかった人生が交差するパラレルワールド
描かれるのは人と人との行動の連鎖であり、土地に刻まれる生きていたという記憶であり… それは清
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禁じられた遊び(2023年製作の映画)

3.4

なぜか白石晃士テイストを感じさせる中田秀夫監督によるとんでも面白ホラー。
登場人物みんな挙動不審で奇怪な演出や「この泥棒猫!」というまさかのセリフをぶっ込んでくる勇気にも讃美を送りたい。
新たなホラー
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.6

家族という呪いと自己のアイデンティティに苦悩する人たちの物語。
予想以上に射程の長い話しで予告編で見せているのはごく一部
気になるところもあるけど、杉咲花の名演に打ち消されるし、重要な意味がある志尊淳
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ミッシング(2024年製作の映画)

3.6

試写感想。𠮷田恵輔監督『空白』の系譜にある作品。推しのライブに参戦中、子供が失踪してしまった母親の苦しみと錯乱の日々…

人は喪失にどう向き合うのか… 石原さとみが今まで見た事ないような姿で時に狂気的
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