背骨さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ラッカは静かに虐殺されている(2017年製作の映画)

4.1

シリア内戦の惨状を世界に発信しているジャーナリスト集団「ラッカは静かに虐殺されている」についてのドキュメンタリー
家族を処刑されながらもラッカの現状を伝えるのをやめない彼ら。それはジャーナリストとして
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

-

試写。清水崇総合プロデュースによる不気味極まりない田舎怖いJホラー

祖父母の家で血まみれになって世にも恐ろしい体験をする古川琴音が可哀想にもほどがある。そう、この世は誰かの不幸の上に成り立っている。
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.2

笑いへの熱情だけで他は何も何も持っていない男の笑いに捧げた人生

これは人間関係不得意じゃ済まないでしょ。笑えるところが全くないどころかマジでムカツいたよツチヤ、オレなら速攻クビ!主人公の社会不適合ぶ
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ミス・シャンプー(2023年製作の映画)

3.4

追っ手から匿う事からはじまったヤクザと美容師の恋。ちょっとエッチで笑い満載、そしてアクションもアリとドタバタなラブコメだけど最後の締めはギデンズ・コーらしい。映画納め、映画初めにはもってこいかも

ディア・ドクター(2009年製作の映画)

4.3

僻地医療を担務していた中年医師伊野が突如失踪した。彼のついていた嘘は村人のためか自分のためか…
一貫して「嘘」を描いてきた西川美和監督の真骨頂とも言える作品。単なる罪としてではなく、それでいて偽善にも
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(2017年製作の映画)

3.5

石川慶監督・脚本による短編。高校時代付き合ってた二人の10数年ぶりに会う気恥ずかしさと少しずつわかってくる今と…
会っていなかった時間を点と点とが結びついて瞬時にあの時の気持ちに戻ってしまうあの感じ。
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夢売るふたり(2012年製作の映画)

3.8

火事で全てを失った夫婦が結婚詐欺で再び夢を手に入れる… なんて上手くは行かない物語。
女として見られたくない本心や女として生きる苦悩、難しさを描いた西川美和監督の自力が感じられる人生悲喜劇。さすがだな
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

4.1

裏社会の最下層を生きる姉弟による起死回生の一撃。
今日本でこのようなクライムサスペンスを描くとしたら原田眞人が筆頭なのではないかと思わせる手慣れ感。
主演の二人、特に山田涼介が意外なハマりっぷりで、大
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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

3.3

想像以上に福山雅治のクセが強すぎたけど、この映画に関しては細かいところを突くのも野暮かな。観に来ていた多くの若い人にとって、戦争について知る、考えるキッカケになれば充分役割を果たしていると思う。あと自>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.0

さして刺さらず。この仕事で下町エリアに駐車場付き二階建てアパートに居を構えるのは難しいだろうと思ったら運転手付きの妹さん登場。わざわざ実家が太い事を匂わせる描写を入れてきているという事は敢えてあの仕事>>続きを読む

赤い糸 輪廻のひみつ/月老 また会う日まで(2021年製作の映画)

4.1

さすがギデンズ・コー。日本オマージュ満載な世界で繰り広げられるバカバカしくも最高に切ない霊界恋愛劇。途中ゴチャつくところもあるが、あのラスト持ってこられたら泣くしかない。『あの頃、君を追いかけた』が好>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.0

友だちのいない学生が友人一家の豪邸に招待されひと夏を過ごす… かと思いきや!
さすがエメラルド・フェネル監督ただの青春映画なんて撮るわけない。この気持ちは愛なのか、それとも負の感情なのか… 全編見どこ
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.0

噂通りのずっと残ってほしい名作。戦時下で生も死も乗り越えて少女は少しだけ大人になる。こんな純度の高い成長譚なかなかない

多くの子供たちが観に来ていたが、彼らがみんな幸せでいられるようにと願わずにはい
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王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.1

ランダムに繰り返される本番とリハーサルの中で構築されていくフィクションと解体される映画
凄まじい強度を誇る脚本をベースにした実験的試み(映画)は現実が虚構に溶け合っていく瞬間を見せつける類を見ない映画
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終わらない週末(2023年製作の映画)

3.7

旅行先で襲われるサイバー攻撃をキッカケに次々と異常事態に巻き込まれていくサスペンススリラー…?

無作法な来訪者、飛行機の墜落、謎の飛行物体、死体の山… 世界中が敵国アメリカが抱える唯一ともいえる恐怖
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女優は泣かない(2023年製作の映画)

3.7

崖っぷち女優と伸び悩みディレクターによるドキュメンタリーの行方とは…
二人息が合ってきてそれぞれが目指す方向が定まっていく後半がアツい。親御さん地方のまま東京で勝負してる人はもれなく泣くやつじゃないで
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.2

謎の殺人鬼ジョン・カーヴァーによる恐怖の感謝祭開幕!怖いサイコスリラーというより連発するグロを笑いでコーティングしたようなどちらかというと楽しい仕上がり。今年の映画納めにいかがでしょうか。

敬愛の念
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REBEL MOON ー パート1: 炎の子(2023年製作の映画)

3.7

これはいい!村を守る野武士軍団vs帝国軍の戦いはさながらザック版『七人の侍』
内に秘めたアツいドラマに十八番のスローモーションを多用したアクション。これを大画面で観れた感動たるや… 後半も気になるが、
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市子(2023年製作の映画)

4.3

プロポーズを受けた翌日に失踪した市子のそれまで語られることのなかった壮絶な過去。その視線は断罪するわけでも、同情するわけでもなくあくまでもニュートラル

何はともあれ杉咲花の圧倒的勝利。彼女の一挙手一
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隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)

3.6

“異星人難民Xを探せ”というストーリーの奥に込めた今も続く在日、部落差別等の根源を炙り出すSFの皮を被った社会派
その人は何者かを出自ではかろうとする悪しき因習について『ある男』とは違ったアプローチで
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Mr.BOO!ミスター・ブー(1976年製作の映画)

3.7

普段コメディを見ない人でも絶対笑える香港映画。絶対条件として吹替で見て!広川太一郎の超訳吹替とビートたけしのテキトーさが笑えるから。内容もパロディと風刺とくだらなさをミックスしたもので、誰でも楽しめち>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

4.0

アキ・カウリスマキ監督による同時期に失業してしまった夫婦再生の物語。不況のあおりを受けざるをえない労働者のアイロニカルな視点とビターなエンディングがいかにも「らしい」

再見したけど、やっぱり初期の北
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怪物の木こり(2023年製作の映画)

3.2

期待していたバイオレンスアクションじゃなかったし、サイコパス手術なんてどこの世界線の話?という感じだったけど、亀梨映画としては言うことなし。ちなみに亀梨君、今回は修二じゃなくて彰を演じていて、内容も『>>続きを読む

朝がくるとむなしくなる(2022年製作の映画)

3.2

唐田えりかと芋生悠によるシスターフッドムービー。なにもする気が起きない毎日が旧友との再会を機に少しずつ光が差してくる。何も特別な事をしてくれなくてもいい、話を聞いて、少しだけ励ましてくれれば… 何も起>>続きを読む

21ブリッジ(2019年製作の映画)

3.6

あらゆる面で気が利いている上質なクライムアクション。警官殺しの捜査をするうちに浮かび上がる疑念…個人的には「アメリカ映画ってこういうの好きだよなぁ」という既視感しかなかったけど、好きな人はそこも含めて>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

新自由主義が生み出した「新たな時代の遊牧民」の視点から見つめる「人と社会」「生と死」…
生きるとは自分らしさを探す旅であり、答えもなく終わりもない無限の宇宙。社会の歪みから、哲学的主題へと広がりを見せ
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PASSION(2008年製作の映画)

4.2

二十代終わりを迎え、自分とは、他者との関係とは何かを見つめ直す男女5人。しかし言語と思考で形成してきたはずの自分の感情と行動がそれを裏切る。それはまるで「矛盾を孕んだ人間の本質を剥き出しにしようとする>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.1

「当然のように世界はそこに在って、皆同じモノを共有している」という考えがブッ飛ぶとんでもない怪作。老いによる喪失を外からだけでなく内側から描く事で「認知症とは何か」に留まらず「世界とは何か」の考え方ま>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.7

初期を彷彿させつつ、熟成されたウイスキーのような風格も感じる大人なガイ・リッチー
何度も裏切られる、最後の最後まで面白い。「麻薬は人を壊す」なんて言っておきながらポンポン人が死ぬとこもいい。茶目っ気と
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

3.8

人間の醜さによって作られている理不尽で救いのない… まともな神経ではとても生きてられないこの世界。石井裕也はきっと綺麗に撮ろうなんて思ってない。いや、上手くまとまる事を拒否している。その歪さ故に伝わっ>>続きを読む

くれなずめ(2021年製作の映画)

3.4

グダグダな学生ノリの裏にある「忘れられない出来事」「忘れたくない友情」
大人になる事を先延ばしするかのようなダラダラとした時間はかなり良い。が、肝心のラストでコネすぎた。もっとスパッと終わっていれば…
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藍に響け(2021年製作の映画)

3.4

「自分の人生は自分しだい」であると同時に「人は一人では生きていけない」をストイックにやりきってる青春映画。言葉として語られる事のない「それぞれが抱える複雑な感情」が結実する『セッション』ばりのクライマ>>続きを読む

明日の食卓(2021年製作の映画)

3.6

どんなに愛していても伝わらない想い、愛しているからこそぶつけてしまう怒り…
どこにでもいる家族に起こる、あってはならない出来事。一線を越えてしまったあの人は自分だったかもしれないのに… 親になるとはど
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るろうに剣心 最終章 The Beginning(2021年製作の映画)

4.0

躊躇なく人を斬る抜刀斎が、自然に微笑みを湛えるようになる姿。愛と恨み、二人の男への想いに揺れる巴。寡黙で詩的なアニメ版の良さを引き継ぎつつ、それを体現する佐藤剣心&有村巴があまりにも素晴らしい実写版追>>続きを読む

るろうに剣心 伝説の最期編(2014年製作の映画)

3.6

原作以上のラスボス感を醸し出していた真剣佑縁は肉体・佇まい・アクション… 全てが素晴らしかったが、作品としてBeginningとの前後・繋がりを整理しきれないまま作った感は否めない。この構成でやるなら>>続きを読む

猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

4.1

都会で搾取されながら、夢のために、自分を守るために彼女は嘘を積み重ねる。その嘘はやがて本当を侵食し、自分を苦しめ、大切な人をも傷つける
どこにでもいるような人たちが、よくある恋愛話の中で見せる「傷つけ
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