背骨さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

背骨

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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.8

楽しくて可愛くてキュンとする系SFファンタジーラブコメ。慌てなくてもいい、諦めるのはまだ早い… そのままのアナタを愛してくれる人はきっといる
ギミックを効かせつつ、細部まで巧妙な脚本が見事だし、視点の
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Arc アーク(2021年製作の映画)

3.3

興味深い前半に対して後半は凡庸になっていく印象。至極真当な結末ではあるけど「死こそ生を価値あるものにする」という死生観を否定した事に対してなんの回答もなくそこに帰結するのは違和感がある。その他多くの事>>続きを読む

ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

4.2

対照的だが決して離れられないコインの裏表のような七月と安生の人生を描いた小説が書かれた意味とは…
二人が抱く「愛おしくも憎らしい」複雑な感情と永遠の友情が虚実入り乱れながら描かれる見事な脚本と演出。多
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いとみち(2020年製作の映画)

3.9

口下手で人見知りな主人公を代弁するかのように言葉少なな語り口だが、ちょっとした表情や仕草で少女の内面に起こる大きな変化をダイナミックに伝えてくる力強さがある
青森、リンゴ、メイドカフェ、家族、三味線…
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.1

過去の価値観や行為が恐ろしく思い出され、誰もが他人事ではいられなくなる… ポップで痛快、且つリアルで哀しき復讐劇
時代性と普遍性、社会性とエンタメ性を全て内包しつつ、軽やかにジャンル横断するようなタッ
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少年の君(2019年製作の映画)

4.0

凄惨なイジメに遭う受験生と、親に捨てられた不良少年。頼る者もなく、どこにも逃げ場のない二人がやっと見つけた希望を、さらなる不条理が打ち砕いていく…

社会問題をテーマにしながらも怒涛の展開を見せるフィ
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.6

かなり楽しめたけど細かなところについては賛否両論語りてぇー!日岡が想像してた程は変わってないかな… と思ったけど、それが最後にドカンと効いてくるのがいいし、『ヤクザと家族』が匂わせつつ直接表現を逃げた>>続きを読む

返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

3.3

閉じ込められた学校の中で悲しき事件の真相を追うダークミステリー
「市民が互いを監視し、密告し合う」独裁政権下における緊迫感と不穏さを全体に纏いつつ「あの時代を忘れない、二度と繰り返してはならない」とい
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.1

友情、恋愛、青春、映画… それぞれへの愛が全て繋がるラストシーンは超激アツ。今年一番わけわかんない涙が溢れた
力技と繊細さが融合し、好きなものこそ戦わなくちゃいけない事を教えてくれる脚本も最高。だから
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.7

『ファブル』的超絶アクション&ギャップコメディを『メランコリック』的社会不適合者の成長モノとして描いた意欲作
巻き込まれ型主人公たちが見せる緩い日常と激しいアクションの振り幅は最高。「自分のため」以外
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ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)

3.8

前作よりもド変態度アップ。視点が二転三転し、いったい誰の味方をしたらいいのかわからないバトルロワイヤルは、もはやドント・ブリーズもクソもないけど、アイデアが豊富で最後まで飽きさせない。でも、なんだろ、>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.6

ゴア描写やり放題もミッションが進むほどに、小国を食い物にしてきた米国への批判やアメリカ映画らしさを随所に盛り込んでくるあたり、意外とソツのないJガン。最高のバトルシーン-正直物足りない日和ったラスト=>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.1

決してわかり合えないと知りながら、言語と思考、コミュニケーションで相手の心の奥底へ近づこうともがくThe 濱口竜介な映画
物語とは、演じるとは、生きるとは… 多くのテーマが絡み合って現れる豊かさと圧倒
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子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

3.7

オープニングシーンに『ぐらんぶる』のタイムリープ級の狂気を感じ、ベタなギャグと独特の間伸び感に前半意識が遠のくも、ペースが落ち着いてからは優しい世界を堪能
上白石萌歌が超絶キュート。『屍人荘の殺人』の
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シュシュシュの娘(2021年製作の映画)

3.4

北関東を舞台に日本という腐った田舎国家と民族を斬る… タイムリーな風刺が効いてる現代の必殺仕事人的作品。
自主映画だからか『サイタマノラッパー』時代を思わせる長回し&テンポ良い音楽による独自スタイルが
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.6

思春期の生々しい感情が複雑に混ざり合い、無邪気な残酷さが誰かを傷つける。今思うと、なぜあんな事をしたのか不思議で、でもその頃はそれが世界の総てだった…
後半にかけて徐々に原作とオーバラップしていく見事
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鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.4

原作は未読だが、たしかにこれは先の読めない小説を味わっているような面白さ。フィクションとリアル、過去と未来を行き来しながら辿り着く結末は一切の情報なしで観る事をオススメします。それと今回の西野七瀬はマ>>続きを読む

君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

4.2

自分は他人の痛みを感じられる人間だろうか、何かが欠落した人間ではないだろうか… ポスターからは予想もつかない強度を感じさせる青春ドラマ
どこに行くのかわからないフワフワした序盤のエピソード全てが繋がっ
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.0

ドキュメンタリー監督としてある事件を追いつつ、一方で別の事件の関係者となる主人公。
真相を知るほどに… 自分の立場、関係者の幸せ、事態の収束を考えるほどに激しく揺れる由宇子の天秤。
「正しさ」という概
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空白(2021年製作の映画)

4.0

「人間」を描いてきた𠮷田恵輔監督のネクストステージにして間違いなく現時点での最高到達点
苦しさしかない107分はまさに「この世界で生きる事」そのもの。怒りと後悔と喪失感、そして己の醜さを抱えながら人は
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黄龍の村(2021年製作の映画)

3.6

『ミッドサマー』のような「こんな村は嫌だ」的ホラーかと思いきや、阪元裕吾流バイオレンス復讐劇だった…
期待以上の激盛り超ハイカロリー。そのため中尺でありながら満腹&胸焼けをおこす。一ノ瀬ワタル&可愛い
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光を追いかけて(2021年製作の映画)

3.8

「好きで嫌い。何かしたいけど何も出来ない」過疎が進む町に生きる人々の複雑な心情を映したドラマ
悲観的すぎず、嘘くさい再生論や妄信的な郷土愛を掲げるでもない絶妙な距離感がいい
今回、ミステリーサークルと
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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.8

いわゆるダメな邦画表現もあるけど、それ以上にこの映画が今日本で作られ、多くの人たちに観てもらえる形で公開された事に意味がある… と信じたい
たまたま生きながらえた我々はこれを観て何を感じ、どう行動する
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.9

あらゆるジャンル映画を愛するライトによるサイコスリラー。ちゃんと怖い、音楽最高、アニャとT.マッケンジーが毛穴まで美しい。締めはあらゆる時代を生きた(る)女性たちへの敬愛と自由へのメッセージ。…あまり>>続きを読む

草の響き(2021年製作の映画)

4.2

狂わぬようにひたすら走る主人公、スケボーする少年。二人にとって死とは日常のすぐ隣にありながら、決して生の延長線上にはない絶対的な無
多分原作から凄いのだと思うが、映画としても小説を最高の形で実写化した
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.0

あまりにも壮大なる序章。
人類の歴史を遡るような侵略と搾取の物語から未来へと繋がる友愛と共生の物語へ。
ヴィルヌーヴがこの古典をいかに「今の」映画として描くのか。続きが気になるので誰か金を出してくれ!
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.7

三幕構成で語られるレイプ事件の当事者それぞれに見えていたものと、たったひとつの真実… らしきもの。歴史的事件を元に描く、現代にも繋がる人の愚かさと抑圧・搾取・消費のシステム
被害者さえも揺らぐ第三幕の
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ひらいて(2021年製作の映画)

3.9

オレたちが待っていた山田杏奈はコレだ!全アンバサダー待望ベストオブ山田杏奈映画ここに誕生。キラキラでも拗らせでもない、というか恋愛という枠に収まらない「少女が初めて他者と向き合い、世界を知る」成長譚>>続きを読む

燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.8

相も変わらず冗長さなどとは無縁の原田眞人節。歯切れのいいテンポで見せながらもしっかりとドラマに仕上げてくる腕前はさすがと言うべきか。愛だの正義だのとやらず、時代に翻弄されていく人々をドライな視点で描い>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

4.0

Marvel版 EVANGELION meets The Matrix DCの香りを添えて…
この世を司るのは宇宙の理か、自由意志か。ミクロとマクロの視点からこの世界を因数分解し、全ての人々へ力強い
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.0

やってくれたな、ジェームズ・ワン!
古典的ホラー手法と映像技術の融合、漂うJホラー感、予想のさらに上をいくやりたい事全部のせなストーリーを「もっと見たい!」と思わせてしまう超絶カメラワーク。後半はずっ
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

3.4

小説を読んだ時のエモさが全く訪れなかった… なぜだろうか。原作を先に読んでしまったせいか、それともあの頃よりさらに歳をとってしまったせいか。少なくとも伊藤沙莉演じる「なんか普通だね」なんて言ってくる女>>続きを読む

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

3.9

ジジババを騙し、財産を根こそぎ奪うR.パイクが似合いすぎていて笑ってしまう。形勢不利になるほど戦闘力アップしていく彼女を見てるのは楽しかったが、最終的に娯楽性・メッセージ性… どちらにも振り切れてない>>続きを読む

悪なき殺人(2019年製作の映画)

3.8

いくつものストーリーがひとつの事件へと繋がっていく… なんてもんじゃおさまらない複雑で緻密なプロットが面白すぎ。
それは同時にアナログとデジタルによる現代的人間関係や、因果と偶然、円環までもを感じさせ
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成れの果て(2021年製作の映画)

3.4

妹を◯◯◯した男と婚約する姉。それと対峙するために帰省する妹。いくらフィクションでもそれはないやろ!からの「うわぁ、あるかも」… 「うむ、納得」な「田舎怖い」「人間の闇深い」「家族という地獄」の展開は>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.7

確実に破滅へと向かう危機から目を背け、金儲けと快楽に耽る現代社会を風刺した笑えて笑えない一級品のディザスターコメディ
この映画はネトフリが超豪華キャストで作り、我々がスマホで消費してはじめて完成すると
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