なんでこんなに楽しいんだ?
気がついたら即興の波に乗せられて、海岸を軽やかに駆けている。
「ただ座って見つめればいい」
結婚式のシーンが好き。
映画自体が、ジョナス・メカスの被写体への判断なき愛、そして被写体自体が持つ愛によって奇跡的と言えるほどに成り立っている。
「陰謀と偶然が織りなす軽やかなダンス」
ロメールが儚くも楽しい人生の秋を映し出す。
すべては美しいラストダンスへの助走だ。
「ずっと後悔しているから。自分の大切な感情のために戦わなかったことを」
ロメールのような会話劇をベースとしつつも、濱口エッセンスが炸裂し、軽やかに第5の壁を超えてくる。
「孤独な夜を知ってる?」
中盤以降、気がついたころにはもう、
カサヴェテス特有の即興的激流に飲み込まれている。