イワシさんの映画レビュー・感想・評価

イワシ

イワシ

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ホット・ロック(1971年製作の映画)

4.0

盗んだダイヤの行方を追ってどんどん侵入困難な場所に挑戦する泥棒たち。超面白い。博物館での警備員との追いかけっこは服装が同じなせいでスラップスティックだし、仲間の脱獄のために刑務所の全力疾走を捉えたロン>>続きを読む

ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)

3.5

ョン・トルヴォルタの作業場面はどれも良い。ヒキガエル、梟、水中、自動車、女が揃う『狩人の夜』な録音風景や雑誌の切抜きのパラパラや撮影、音声素材にマークする作業(白文字のXがギューンと流れるあの俯瞰!)>>続きを読む

ザ・クルー(2015年製作の映画)

3.5

エンドクレジット抜きで実質77分。ギャングに強要された麻薬強奪の受け渡しからの反撃、カーチェイス、人質になった母親の救出、団地での銃撃戦とアクションが連鎖していく感覚が堪らない。母親の救出後、団地から>>続きを読む

シャドウ・オブ・ヴァンパイア(2000年製作の映画)

3.3

マークし忘れ。本物の吸血鬼を雇って『吸血鬼ノスフェラトゥ』を撮るムルナウの映画という、これだけで勝ったも同然みたいな設定の割にはイマイチ盛り上がらないけど、それでもまあまあ面白い。とはいえ、被写体であ>>続きを読む

フランス特殊部隊 GIGN(ジェイジェン) 〜エールフランス8969便ハイジャック事件〜(2010年製作の映画)

3.5

GIGNの突入は終盤。序盤はハイジャックの報を受けたメラニー・ベルニエら外務省職員が階段を降りながら報告を行う場面の編集はほぼ活劇。突入後のコックピットと通路の仰向け姿勢の近距離銃撃戦は新鮮。コックピ>>続きを読む

インストーラー(2007年製作の映画)

3.3

SF映画だけど、刑事アクションの方に気合いを入れてる。冒頭の銃撃戦の縦構図はCGが目立つものの、中盤の犯人を追うワンカットら俯瞰から前方に回り込むカメラワークが凄いし、相棒を人質にとられた狭い勾留室の>>続きを読む

チャイム(2024年製作の映画)

3.5

割と良かった。吉岡睦雄がシャベル片手に橋を渡る場面のロングショットのワンカットが素晴らしい(カット冒頭のガードレール下から道路へのシャベル放擲も)。疲弊した身体を引き摺るように歩く姿が徐々に背筋が伸び>>続きを読む

マイ・ライフ(1978年製作の映画)

3.8

ダイエット目的から走ることそのものの楽しさに目覚めるジョアン・ウッドワード。TVMだからか切り返しが多めだが、役者を信頼し切ったカメラが捉える演者の表情の良さが心地よい。荷物を抱えた足取り重い移動がい>>続きを読む

絶頂姉妹 堕ちる(1982年製作の映画)

3.5

江崎和代が中丸信をナイフで突き刺すとマンションのドアが開き、東京のビルの夜景が画面に広がるショットが素晴らしい。もう2度とそこに辿り着けないと定まった瞬間にその世界が現れ、裸=真実の姿の江崎が中丸諸共>>続きを読む

モヒカン族の最後(1920年製作の映画)

3.0

極端なロングショットで捉えられる急峻な岩崖の上で繰り広げられるアクションは、風景と比べて人間があまりに小さいため敵味方の判別がつかず、勝敗の行方よりその場所で撮っているという事実に圧倒される。そしてそ>>続きを読む

ナイト・オブ・ザ・コメット(1984年製作の映画)

3.7

彗星通過による人間蒸発とゾンビ発生をサバイバルするキャサリン・メアリー・スチュアートとケリー・マロニーの姉妹。赤い無人のロスを映し続ける場面が超好きだし、姉妹二人のとにかく遊ぶか!みたいな態度も最高。>>続きを読む

ジェシカ/超次元からの侵略(1984年製作の映画)

3.3

ウェス・クレイヴンのTVM。郊外舞台のボディスナッチャーもの。ロバート・ユーリックが自身が開発した宇宙服に身を包み、副題にある超次元へ向かうクライマックスが面白い。宇宙服でサバービアを走るビジュアルも>>続きを読む

どこまでもいこう(1999年製作の映画)

5.0

超絶大傑作。オールタイムベスト。鈴木雄作と水野真吾の身長差がまず素晴らしいし、性格の違いを冒頭のヤクルト盗難のアクションで見せるのも最高。箱から盗むか、箱ごと盗むか。ひたすらただ活劇たらんとし走りまく>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.8

フォン・エリック一家の映画であり厳密にはプロレス映画ではない。勿論、それは意図的なものであり作品の瑕疵ではない。『カリフォルニア・ドールズ』や『パラダイス・アレイ』と異なり終盤に試合が配されないものの>>続きを読む

FLY!/フライ!(2023年製作の映画)

3.8

飛翔と抱擁のための手段としての翼。それぞれのアクションは場面によって交互に為されるが、クライマックスでついに同時展開される。その前振りとしてダックスの翼はデルロイの羽で補修=彩色が施される。他者に触れ>>続きを読む

不都合な理想の夫婦(2020年製作の映画)

3.6

ディナーの場面、キャリー・クーンが注文を終えメニューをウェイター渡した瞬間に引きの画からバストへのアクションつなぎ、そこからジュード・ロウとの切り返しが始まり、背景とロウの視線でウェイターの動きを示し>>続きを読む

奇跡(1954年製作の映画)

5.0

風に靡く、というより飛び去るのを押さえ込まれているかのような激しいシーツのはためきも上空を横切る雲もプレーベン・レーアドルフ・リュと共にフレームに収められる。白の動きは光の動きとして変奏され、ビルギッ>>続きを読む

怒りの日(1943年製作の映画)

4.5

アンヌ・スビアキアの慄く顔、リスベット・モビーンの幸福と悪意の両極に満ちた顔、シグリ・ニーエンタムの傲岸が凝固した顔といった女たちの顔の印象が目に焼きつくほど凄まじいが、同時にその口から放たれた言葉/>>続きを読む

Skinamarink(原題)(2022年製作の映画)

3.9

ドアや窓や両親が消えた家に幼い姉弟が閉じ込められるというホラーだが、この二人の姿はほとんど映らず映っても足だけ。無人の空間と暗闇が大半を占める室内版『この場にいないようにするために』(の前半)という趣>>続きを読む

彼方のうた(2023年製作の映画)

3.5

キノコヤでの横入り会話の盛り上がりや唱和場面を見てるからか、背後で妹と母親の会話を徹底的に意に介さず一心不乱にドーナツにかぶりついている姉らしき女の子を捉えたフィックスの長回しがこの映画の最も良いショ>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.0

青酸カリ注入青林檎投げ捨てのおざなりな撮り方に比べ、フローレンス・ピューの花束ゴミ箱投下の鮮やかさ。投げるアクションの無関心さはキリアン・マーフィーの態度顛末に対応してると好意的に解釈してもいいけれど>>続きを読む

ミリオンダラー・アーム(2014年製作の映画)

3.7

ジョン・ハム移動しまくり映画。チラシを手に走り回り、自動車到着、連続ピッチングという選考会の編集も良かったが、素晴らしかったのはマウンドへ向かうピトバッシュの背中。ジョン・ハムから手渡されたカメラを手>>続きを読む

くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ(2012年製作の映画)

3.8

孤児院のベッドがある空間のとてつもない広さを活かした演出の数々。巨大な影によるこわがらせ、小鼠たちの乱闘、くまの巨大感演出もあの広さ故。キーストン・コップスもかくやな追っかけも楽しいが蝋燭に照らされた>>続きを読む

マーサ、あるいはマーシー・メイ(2011年製作の映画)

3.6

エリザベス・オルセンの奇矯な振る舞いの由来をマッチカットの回想で少しずつ提示しつつ、やがて現在/過去の区別をすぐに明瞭にしない場面つなぎでサスペンスを高める。家宅侵入場面のジョン・ホークスの台詞のせい>>続きを読む

カルロス(1991年製作の映画)

3.5

山田吾一がトドメを刺されたときに高く放り投げれるバット、後からフレームインする血染めの灰皿、成瀬正孝にからまれた組員が投げ捨てたタバコの軌道に惚れ惚れ。やくざの親分役ではドスを構える大木実よりチャック>>続きを読む

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

3.5

序盤の掃除場面でチラリと映る子どもの落書き、壁の落書き、ノートの落書き、ロッカーの落書き等アクションを連鎖させるイラスト類。掛軸やその裏の巻物、尻尾メーター、地面の円を経て、堂々と展示される尻尾メータ>>続きを読む

ドレス(1990年製作の映画)

4.0

赤いドレスを身に纏ったメッチェン・エイミックの美しさはロングショットでの登場だからこそ一際目立つ。周囲が黒のタキシードとドレスなのも理由だが、ナタリー・シェイファーへの給仕からバーテンの動きへのマッチ>>続きを読む

ボディ・バッグス(1993年製作の映画)

3.5

カーペンター製作のオムニバス。1、2話がカーペンター、3話がトビー・フーパーが監督。カーペンターは解説役も自演。1話が最も面白い。活劇。深夜のガソリンスタンドという舞台も良い。アレックス・ダッチャー視>>続きを読む

ブレード/刀(1995年製作の映画)

4.0

烈しい剣戟は言うまでもなく凄まじい。身体が回転するのは勿論、カメラまで地面を転がり出すのでめまいがする思い。個人的にはチウ・マンチェクの修行場面が最も好き。身体を縄で吊り、欠けた剣を振って何度も体勢を>>続きを読む

エクスタミネーター(1980年製作の映画)

3.6

ゼリーを掬うスプーンのように肉に分け入り文字通り首の皮一枚でぶら下がる頭部の断面が直角を作る斬首描写に興奮。瀕死のジョージ・リー・チェンが撃たれる前に振り返る動作も良い。処刑人として覚醒してない序盤の>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.5

崩れ落ちるように背中を丸める動作をとる岡田将生、羽村仁成、黒木華らの三者三様の様子を見聞きする江口洋介。星乃あんなの言葉である「繋がっている」をまさしく体現する存在として(特に黒木との関係において)ひ>>続きを読む

パウ・パトロール ザ・ムービー(2021年製作の映画)

3.8

人命救助アクションも楽しかったが、発煙筒や規制テープを用いた素早い現場封鎖からの救助活動へのなめらかな移行にまず目を奪われた。各メカニックの出動や動作のディテールも抜群だし、チェイスのトラウマに纏わる>>続きを読む

アシスタント(2019年製作の映画)

3.9

ジュリア・ガーナーの業務(範囲外作業も)を逐一捉えながらときにカットが飛躍する。手紙の開封で指を切った次のカットではエレベーターのボタンを押す絆創膏を巻いた指のアップ。投げつけられる/捨てられる丸めた>>続きを読む

Butcher, Baker, Nightmare Maker(原題)(1981年製作の映画)

3.8

面白かった!血塗れの姿で乳房を晒しながらジミー・マクニコルに縋りつくスーザン・ティレルにかなり嫌悪感を抱いたけど、ぜんぜん序の口だった。最後の最後までやめてほしいことしかしない。『断崖』以上に牛乳が活>>続きを読む

キラー・ホビー/オモチャが殺しにやって来る(1991年製作の映画)

3.4

ウィリアム・ソーンのセックスと殺害目撃が普通に不憫。トラウマを刺激するような2度目のベッドシーン目撃と再会した両親のセックスのクロスカッティングは過剰なエロの見世物で辟易してたら最後のアレで納得。嫌悪>>続きを読む

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