イワシさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

イワシ

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処刑マニア(1989年製作の映画)

3.6

電話帳からアトランダムに標的を決める連続殺人鬼のジャド・ネルソンとそれを追うレオ・ロッシとロバート・ロジアの新米ベテラン刑事コンビ。面白い。クライマックスにて尋常ではないほどあちこちの電話がなり続け、>>続きを読む

処刑リスト(1988年製作の映画)

3.5

これは良かった。ジャン=マイケル・ヴィンセントの息子が間違いで誘拐され、本来の標的だった元マフィアの証人レオ・ロッシとバディを組んで奪還に向かう。殺し屋ランス・ヘリクセンのアジトの廃工場でのアクション>>続きを読む

報復軍団ヴィジランテ・フォース(1983年製作の映画)

3.0

フレッド・ウィリアムソンが自警の必要性を説くオープニングが素晴らしい。ジェームズ・レモはフェラーラ『天使の復讐』『処刑都市』のカメラマンであるだけにやはり夜の場面が格別。ロバート・フォスターの視点から>>続きを読む

マニアック・コップ3/復讐の炎(1993年製作の映画)

2.8

アラン・スミシー名義ということで前2作と比較すると明らかに出来が悪い。脚本に推進力は無く、ロバート・ツダールの復讐代理も味気ない描写に終わる。良かった点はロバート・ダヴィの受付回転フェイントと炎上しな>>続きを読む

マニアック・コップ2(1990年製作の映画)

3.7

2階から車に落下し立ち上がり撃たれるまでのワンカットや投げ飛ばされ壁に激突する、身体が燃えながらも殺し続けるなどスタントが何気に凄い。射撃場の警官を全員射殺したロバート・ツダールが的のあいだから現れ、>>続きを読む

マニアック・コップ(1988年製作の映画)

3.5

キワモノっぽい映画なのに、殺人警官の正体が明らかになるまで真っ当な刑事ものとして面白いのが流石ラリー・コーエンの脚本仕事。中盤のツイストには驚愕したし、カーチェイスも見応えある。深夜の街頭に佇む巨漢の>>続きを読む

クリープス(1986年製作の映画)

3.5

宇宙から来た寄生蛞蝓によるゾンビへの対処がショットガンで頭部を破壊し、飛び出てきた蛞蝓を火炎放射器で焼き殺すというハワード・ホークス的な連携で、しかも主役のカップルがやってるのが良い。口から寄生すると>>続きを読む

血ぬられた入寮式/呪われた女子大生の謎(1984年製作の映画)

3.5

ソロリティ入寮のイニシエーションとしてショッピングモールの夜警の制服を盗むことになり、それが実行される後半から俄然面白くなる。半端に照明が点る人工的な無人の施設を空間描写が抜群で殺人よりもむしろ何も起>>続きを読む

キルボット(1986年製作の映画)

3.5

閉店後のショッピングモールでパーティをしていた若者たちと暴走した警備ロボットとの76分の一夜の対決。頭部破壊に加えスタントをちゃんと使用した焼死場面もあり死に様が派手でおもしろい。ポール・バーテル、メ>>続きを読む

日本暗殺秘録(1969年製作の映画)

3.8

万延元年の若山富三郎から始まる暗殺オムニバス。千葉真一が小沼正を演じる血盟団事件のパートが最も長く約100分ほどを占めるが、2・26事件の首謀者である青年将校らの銃殺で迸る血がが余りにも忘れ難い。国家>>続きを読む

レイク・マンゴー 〜アリス・パーマーの最期の3日間〜(2008年製作の映画)

3.5

埋められた携帯電話に残された映像がマジで怖い。顔が怖いのは勿論だけど、何より近づいてくるのが最悪。それまでの映像や写真は検証のため静止画を拡大するこちらからの操作だったのが、あちらからの接近という止め>>続きを読む

風と女と旅鴉(1958年製作の映画)

4.1

中村錦之助のやんちゃな役どころが個人的には新鮮。錦之助と丘さとみが触れ合う場面の川、森、自然の豊かさはルノワール!

瞼の母(1962年製作の映画)

4.5

再見。中村錦之助と沢村貞子の酒屋での会話の場面、互いの身の上話を交互にするうちに第三者だった酒屋の親父も聞こえてくる話に感化されたように沢村と中村を見送る芝居の細かさ、演出の細かさ。

関の彌太ッぺ(1963年製作の映画)

4.5

再見。因果が巡ってきたかのように背中を斬られた木村功の最期の「兄ぃ…」の台詞があまりに切ない。中村錦之助と十朱幸代のあいだに立ちはだかる垣根が画面の大半を覆い尽くし、どう足掻いても別れる定め。彼岸花が>>続きを読む

ファニー・ピープル/素敵な人生の終り方(2009年製作の映画)

3.1

スタンダップコメディの描写が次々に差し込まれるがコメディ映画というよりコメディアンたちの生活を主題にしたドラマ作品の趣き。アパトーなら他の作品のほうが笑えるんだけど、エミネムが愚痴った「スーパーにも行>>続きを読む

40歳の童貞男(2005年製作の映画)

3.5

自動車事故のシーンがちゃんとマジっぽくて笑う。フリードキン『ジェイド』っぽい喋り方でナンパを成功させる場面は時期が時期なので妙に感動してしまった。直前まで持っていけるものの不条理なくらい本番に縁が無か>>続きを読む

フェリスはある朝突然に(1986年製作の映画)

3.5

脱獄映画のフォーマットを利用した学校サボり映画。マシュー・ブロデリックの細工の数々が『アルカトラズからの脱出』等を想起させるし(特にベッドの人形)、ジェフリー・ジョーンズの留年の脅しは刑期延長そのもの>>続きを読む

クルージング(1980年製作の映画)

4.0

再見。殺しの直前に特定の歌を口ずさむのは『M』を彷彿。ナイフでの殺し、送られなかった手紙とのちに『ハンテッド』で再利用される細部が目につく。ゲイポルノが上映されるハッテン場併設の小屋での殺人シーンが良>>続きを読む

ガーディアン/森は泣いている(1990年製作の映画)

3.0

ホラーとしてもサスペンスとしても微妙なんだけど、木の怪物がチンピラ三人を惨殺する場面とチェーンソー血みどろ伐採クライマックスは気合い入ってておもしろかった。頭を木っ端微塵に砕かれて残った死体は犬に喰わ>>続きを読む

ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.6

中務裕太が廃墟になって久しい邸宅を訪れた場面の怪奇現象が良かった。外観とはあまりにもかけ離れた小綺麗な内装、不穏な違和感を覚える山川真里果と中務の態度、二階の扉の向こうの影の揺れ、反復による違和感の積>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

2.5

冒頭の『2001年宇宙の旅』パロディだが、荒野でのおままごとには『ミークス・カットオフ』の家事労働風景を連想。最も笑ったのはマーゴット・ロビーのうつ伏せの体勢。アメリカ・フェレーラのスピーチは憲法改正>>続きを読む

ダークレイン(2015年製作の映画)

2.0

古典的なボイスオーヴァーから始まる50年代くらいのSFオマージュみたいな映画だけど、そういった部分と奇天烈なアイデアだけしか視覚化してなくてダレる。バス待合室に突っ込んでくる車の運動感の無さが異常。7>>続きを読む

パラドクス(2014年製作の映画)

3.4

かなり特殊なフラッシュバック映画。逃れようにも逃れられない運命の象徴として登場するハイウェイのパトカーはウルマー『恐怖のまわり道』を参照したのだろうか?ただただ性欲の解消のための本人も望んでないだろう>>続きを読む

キング・オブ・スタテンアイランド(2020年製作の映画)

4.0

実家暮らし24才無職クローン病発達障害のピート・デイヴィッドソンが家を追い出されやむなく消防署に居つくようになってからが抜群に面白い(スティーヴ・ブシェミ!)片付けられた父の写真の代わりにビル・バーの>>続きを読む

宇宙大怪獣ドゴラ(1964年製作の映画)

3.5

着ぐるみではない不定形の怪獣としてのドゴラの描写の数々は確かに目を瞠るが、最も鮮烈な印象を覚えたのは冒頭の宙に浮く酔っ払い。水槽の中の魚のように漂いながら呑気に歌なんか口ずさんでいるので、現象とテンシ>>続きを読む

ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)

3.5

これは80sの古典になるわー。アリー・シャーディがナイフをパクる場面やエミリオ・エステヴェスの大量ランチなど固定のワンショットで笑いを誘う。破った本の頁が机に舞い落ちたり、サンドイッチからレタスがポロ>>続きを読む

ときめきサイエンス(1985年製作の映画)

3.7

出てくる男子が全員バカで好き。核ミサイルが『となりのトトロ』みたいにニョキニョキ伸びて屋根を突き破りその先端に白い鳩がとまる場面で滅茶苦茶笑う。ラストでケリー・ルブロックが腕立て伏せを指示してるのに悩>>続きを読む

スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

地下室映画と見せかけて、『呪怨:呪いの家』からそっくり持ってきたかのような屋根裏の生活空間。つまり高橋洋の実家ネタ。とはいえアメリカンなホラー映画を思わせる地下室そのものはそこに触手めいた太いパイプが>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.5

これまでの冒険活劇と異なり一つの町に留まり続ける人物たち。昼の光、夕闇の光、夜の焚火、UFOの光と風景の色を変える光量の変遷が繊細で素晴らしいし、その中で変わりゆく人々の関係の描き方も涙が出るほど繊細>>続きを読む

U.M.A レイク・プラシッド(1999年製作の映画)

3.5

オリヴァー・プラットとワニがじっくり見つめ合う場面が好き。危機的状況なのに文字通りplacid=穏やか。スタン・スウィントンのアニマトロニクスもじっくり見られるし、人やヘリコプターとの比較でワニの巨大>>続きを読む

13日の金曜日PART3(1982年製作の映画)

3.8

冒頭の洗濯物のショットから良い。前作の惨劇を伝えるニュースの声がしてから、垣間見える巨躯の影をまず捉え、勝手に開く納屋の扉やトイレの棚のカーテンをじっくり映すので何もない時間がサスペンスとして持続する>>続きを読む

13日の金曜日PART2(1981年製作の映画)

3.0

前作生存者が殺害される冒頭は『ホステル2』でもやってたからオマージュなのかも。エイミー・スティールが小屋に逃げ込んだとき、カットを変えずに接近してくるジェイソンの麻袋の頭巾が窓から見えるところは良かっ>>続きを読む

残酷な記念日(1968年製作の映画)

4.0

ベティ・デイヴィスが極悪過ぎて笑い転げた。元は戯曲だけどキャラと台詞が余りに強烈。満を持しての登場の時の階段へのカメラワークや焚火へのジャンプカット、鸚鵡のいる温室での動線などロイ・ウォード・ベイカー>>続きを読む

青い戦慄(1946年製作の映画)

2.5

殺人事件の逃亡も捜査もロマンスも鈍臭くって観てらんないんだけど、アラン・ラッドがブラックジャックでぶん殴られた瞬間のぶっ飛び具合とドン・コンスロの左足に不幸が襲う直前の凝った構図はちょっと良かった。

絶壁の彼方に(1950年製作の映画)

3.7

英語が通じない異国の地で偶然逃げ込んだミュージック・ホールでウォルター・リラの英語の歌が聴こえたときの安堵感。身振りと主観でサスペンスを成すロープウェイの場面、山岳ガイドの撃ち抜いた狙撃と反射的に兵士>>続きを読む

せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.8

白黒糞尿譚としてゲルマン『神々のたそがれ』を連想する向きもあるが、個人的には武田『おんなの細道 濡れた海峡』を連想(ポロポロと言うよりボチャボチャで大分汚いが)。糞ではなく味噌が白い握り飯に包まれ、そ>>続きを読む