セツコさんの映画レビュー・感想・評価

セツコ

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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

3.5

動くものが映るだけでこんなに嬉しくなれるんですねえ〜。
いつどんな音を流すかのタイミング。

ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

4.5

最初から一貫して流れる緊張感が、この映画を濃密で厚みのあるものにしている。たぶんシンメトリー中心の画面構成にもその理由がある。
ロウソクを持って端から端まで歩くときに放たれまくるスリルも相まってその緊
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

コインランドリーで開封前の粉洗剤の袋を振る仕草、神社のベンチでビニール袋が飛ばないように牛乳パックを上に置く仕草がよかった。そういう些細な日常らしさがとても好き。

挿入歌の歌詞がほとんど喋らない役所
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.8

たぶん他にもあったけどラストあたりのベラとマックスが湖畔を歩くシーンで、人物以外の背景が丸くボケる(魚眼ではない)撮り方がよかった。
和やかな愛って感じで。

高校大パニック(1978年製作の映画)

4.2

「ラジオ講座があんだよオオオオ!!!」

石井岳龍、とにかく滅茶苦茶になるのが通例なのかな、最高。
階段で人の雪崩が起きるカットが笑っちゃうくらい暴力的な圧のある画で超かっこよかった。
白飛びしそうな
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アンソニーのハッピー・モーテル(1996年製作の映画)

3.5

今まで見たウェス・アンダーソン作品の中ではかなり好きな方だった。
カメラワークに片鱗がありつつも構図や色味においてはそこまでのこだわりは感じられない。見た目的な特徴がないからウェスらしい作品ではないの
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.5

いやおもろ?どうした??
BGMと劇中の音楽のシームレスな行き来をとことんやるとこうなるんか…。
この映画一本で一曲みたいな緩急。序盤、このまま仕事を積み重ねていく感じで進むならつまらんな〜と思ったけ
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少林寺 怒りの金剛拳(2021年製作の映画)

3.5

面白かった!
少林寺ものなので修行シーンを期待してしまったけど、最初から強くてもいいか…という気持ちになった。

昔ながらの香港映画おもしろ編集は見られないけど、音ハメMV風編集も悪くない。まあ凝って
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時の支配者(1982年製作の映画)

4.0

U-NEXTの新着で見つけてなんとなく観たけど面白かった。
『ファンタスティック・プラネット』とは少し趣が違うけど根本的なテイストは変わらず。あんまりテンポよすぎないところやハラハラさせすぎないところ
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イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

4.0

めっちゃ前に一回観たけど、元気になりたい気分なのでなんとなくまた観た。
テンポよくて尺も丁度いいし、内容的にも誰でも楽しめると思う。
良い。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「序盤からどうしてこんな悲しい話にするの…」と思いつつ、悲しい話なら悲しい話でいいのに、まあなんか上手いこと丸く収まったね…という感じ。
胸筋がすごいゴジラも見慣れるとかわいい。

全体的にめっちゃダ
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メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

3.5

久しぶりの映画、久しぶりのゴダール。
ゴダールのグロ演出が見られる映画だった。病院にある死体がなかなかの見た目をしていてエグかったし、血の滲みがついた包帯ぐるぐる巻きの女が映ったけど誰だったのかわから
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キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

5.0

は?おもしろすぎるやろ?
どういうこと?
タランティーノのギャグ線が炸裂してて笑いまくったし、ユエン・ウーピンがアクション監督ということで、アクションシーンがいいことは言うまでもない。

階段の隙間か
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独裁者(1940年製作の映画)

4.0

Fight for liberty!
演説のシーンで案の定泣いた。

モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.0

今までで1番短い87分だったかも。
テンポよすぎてもう終わるの!?ってくらいだった。
ラストでチャップリンが指先で「笑って」と伝えるシーンがめちゃくちゃよかった。
いやあ、幸福感すごいな。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

一体何を見せられてるんだ…?という気分になったが、商業映画でこれをやれる宮崎駿はすごい。

今までの作品はあくまで商業映画で、ポップな見た目とストーリーでありつつも深掘りできるものであったものに対し、
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時をかける少女(2006年製作の映画)

-

30回以上は余裕で観ているので今更…という感じでもあるけど、『ときかけ』を映画館で観られるということで、こんな機会を逃すわけにはいかないので鑑賞。
好きすぎるので作品の正当な評価は全くできない。
何回
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小説家の映画(2022年製作の映画)

3.2

初ホン・サンス。
全カット長回し、カメラはほぼ固定。ちょっと気の強くて空気の読めない人が醸す雰囲気が長回しによって滲み出ていた。
シアタールームから出てきたキム・ミニの表情がめっちゃいいのと、「若い頃
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ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

4.2

初カサヴェテス。というかカサヴェテスという監督の存在を初めて知った。

とめどなく一方方向へ流れていく愛は不可逆であり、自分が流し込んだ愛が溜まった「プール」に飛び込んで「仲直りした」と言わせてしまう
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.3

うーん、わからん。
言いたいことはあるけど言わないから察してくれ系の映画。

演出に含みを持たせて解釈を委ねる方法はわかるけど、本作はただ言いたいことを言ってなくて、そこに生まれる空白を観客に補完させ
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怪物(2023年製作の映画)

4.8

『ベイビー・ブローカー』にあまりハマらなかった&賞とか取ってても全然良いと思えないことは多々あるのでかなり構えて観た。

悔しいくらいに良かった…。

作り物感ありまくりの希望に満ち溢れすぎた画があっ
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少林寺三十六房(1977年製作の映画)

4.0

監督のリュー・チャーリァンとラウ・カーリョンって同一人物で合ってる…?
オープニングが出オチというか見応えがあってグッド。
欲を言うなら少林拳を思いっきりやっている修行シーンをもっと見たかったけど、今
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.8

これに共感することで全人類が偏見とされる共通認識を持っていることを暴く映画。
そういう意味で誰でも楽しめる映画ではないし、気になる人はいろんなところが気になると思う。
加えて、痩せている人が肥満の人を
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SPL/狼よ静かに死ね(2005年製作の映画)

3.8

アクション映画というにはアクションが少なめなので、そこにはあんまり期待しない方がよかった。
ただ、アクションシーン自体は少ないけど「ドニー速すぎやろ!どうした!?」「サモハンそんな動けるん!?え?」っ
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一晩中(1982年製作の映画)

3.3

ストーリーというより、そこに映っている人と動きがこの映画のすべてなので、本当にただ映像を眺めていた。
暗くて顔もあまり見えないので、同じ人が映っているのか違う人が映っているのか判別ができなかったという
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少林寺2(1983年製作の映画)

3.5

『少林寺2』と言いつつ、キャストが同じなだけで話は全く繋がっていない。
1でも大人数の乱闘、2でも乱闘。子役含めみんなすごいけど、ジェット・リーの動きの美しさは本当にすごい。
謎のアニメーションから始
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少林寺(1982年製作の映画)

3.8

ジェット・リーのデビュー作。
少林寺拳法と少林拳は別物らしく、少林寺拳法は日本発祥の拳法ということなので、劇中の翻訳は「少林拳」でなくてはいけないのでは?と思うけどそんなことはどうでもいいんですよね。
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三茶のポルターガイスト(2022年製作の映画)

3.0

期待を上回らず下回らず、こうだろうなと思ったジャストなクオリティ。
「てっちゃんって呼んでいい…?」に始まるフレンドリーこっくりさんは、終盤に向かうにつれてどんどん和気あいあいとしてくる。
臭いだけで
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導火線 FLASH POINT(2007年製作の映画)

3.8

総合格闘技がベースということで、技が多岐に渡っていてかなりの見応え。ドニーがアクション監督をやっているらしい。
イップマンシリーズでもカメラワークがいいなと思ったけど、さすがのウィルソン・イップという
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー(1993年製作の映画)

3.5

同監督の『マスターZ』を見たときも思ったけど、まとまってるけど目新しさはないといった印象。安定感はある。
「悪党、死ね」というシンプルすぎるセリフに笑ってしまった。
ワンチャイシリーズは音楽がのんびり
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地争覇(1992年製作の映画)

3.5

フェイフォンとイーがめちゃくちゃ仲良くなっててびびった。
アクションは少なめだけど、構成が1から3にかけてだんだんよくなっていくので、シリーズの中では1番見やすいかも。
画面がごちゃごちゃしすぎてスロ
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ワンス・アポン・ア・タイム/天地大乱(1992年製作の映画)

3.8

ドニー・イェンが出てくることを知らなくて歓喜。
前作よりテンポもいいし、ストーリーもおもしろい。今回も戦う場所が最高だった。棒術もたくさん見られて満足度高い。ワイヤーを使っててもワイヤー感があまり無く
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明(1991年製作の映画)

3.3

ジェット・リー初見。伸び伸びした綺麗な動きだなあと思っていたら、長拳の競技選手だったということでなるほどという感じ。
アクションシーンは全体的に物が多くて狭くてごちゃごちゃしてる場所が舞台になっていて
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

特筆すべき点がないという点で驚くべき映画。
全キャラクターに感情移入できない。行動の動機が描かれてなくて、こう話したからこう動く、こう行動したから次はこう、という計算式のように決められた流れ。ドラマが
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