古き良きアメリカの原風景は失われてゆくが、いつだって野球を観るとき我々は子供に戻ることができる。「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」と称し、今もこの映画のロケ地でMLBの公式戦が行われているのは洒>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
長い長いと思ったら3時間もあったのか……。『ミッドサマー』的な変なキャッチーさ(?)は無くバズりそうな感じはしないけど、「無意識下に存在する有害な男性性」みたいなものが根底にあるのは『ミッドサマー』の>>続きを読む
特に目新しい情報は無かったけど、世間のイメージとは裏腹に意外とアツい奴らなんだということが分かるいいドキュメンタリーだった。「The Wagon」はいい曲だけど、やっぱりJとルーとマーフの3人じゃなき>>続きを読む
年末暇だったので観た。眠かったのもあって頭がぐわんぐわんした。サイケデリックな描写はなんとなく少し単調だったかもしれない。オタクがやんわり救われる展開に00年代の時流を感じた。
西村ツチカ氏の絵をどうやってアニメ化するんだろうと思っていたけど意外に違和感なく受け入れられた。セルフレジでの決済や注文用のQRコードやタブレットが普及しつつある昨今(オートメーション化という名目で客>>続きを読む
現代社会において、体裁を保つために心を擦り減らしてまで無理をして自分を偽ることそれ自体が病理だと思うし、いずれ必ず破綻が起きてしまう。想像力を掻き立てられる痛々しいシーンが続くのも手伝って、自分も知ら>>続きを読む
バカバカしくてトレンディーなコーエン兄弟のコメディ。でも『ビッグ・リボウスキ』のバカバカしさには劣るかな。登場人物全員が不憫なのだが、特にブラッド・ピットの役が不憫すぎて笑う。
ウェス・アンダーソン、すごく好きな監督かと言われるとそうでもないし今作においてもわざわざ入れ子構造にした意図は?とかいろいろわからない部分もあったんだけど、独特の間やシニカルなユーモアのキレのおかげか>>続きを読む
いい意味で『ミッドサマー』のようなあざとさのない、観ているものにいろいろと想像させる余白を多く残した作品だと思った。まるで俳優のように様々な表情を見せる動物達(羊だけでなく犬や猫も)の姿は見ていて飽き>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
今までのジョーダン・ピールの作風を想像していたので肩透かしを食らった感があった。冒頭とかすごくそれっぽかったんだけど。いろいろと深く読み解けそうな示唆的な要素は多くあったのだが。例えば「撮る側」と「撮>>続きを読む
前から思ってたんだけどクレヨンしんちゃんの映画、毎回これくらいコンセプト練って気合い入れて制作するのさすがに難しいのかな。今同じことやるとしたらテーマはやっぱりバブル時代なのか。万博記念公園のEXPO>>続きを読む
社会、あるいは「家庭」という枠組みから外れてしまった登場人物達の間にひょんなことから擬似的な家族のような親密さが生まれてしまい、そしてそのままうまく行くのかと思いきやそうはいかず……というストーリーは>>続きを読む
普通こういうスポーツものではデータ偏重キャラは噛ませ犬で最後はがむしゃらな方が勝つのがセオリーだけど、データを用いて這い上がってゆく側に主眼を置いたストーリーになっているのが新しい。セイバーメトリクス>>続きを読む
『ブギーナイツ』のドライブ感と『パンチドランク・ラブ』の甘酸っぱさ。久々に原点回帰した感のあるポール・トーマス・アンダーソン、素直に観ていて楽しいと思える映画だった。70年代の音楽とファッションも素敵>>続きを読む
全編モノクロ。トーキー時代の窮屈なアスペクト比やビンテージの撮影機材を採用するなど、未だ30代とは思えないロバート・エガース監督の徹底した懐古趣味(『めまい』とかヒッチコックの映画を連想したけど実際に>>続きを読む
ジョン・トラボルタはいろいろ出来て本当にすごい。本邦では「推し」なる便利な用語が普及して久しいが、他人の養分として生きることにどれだけの価値があるのか一度しっかり考えてみた方がいいのかもしれない。結局>>続きを読む
1人の男の栄枯盛衰。後のスコセッシ作品や『ゴッドファーザー』シリーズ、『スカーフェイス』とも共通するテーマである。とは言っても本作は一応ボクシングというスポーツを題材にした映画なのだが。
当時台頭して>>続きを読む
我々大人が子どもから学ぶべきことはたくさんある。ジェシーとの関わり合いによってジョニーや周りの大人達の関係性が少しずつ解きほぐれてゆく様子を見ていてそう思った。この複雑な世界の中で我々の心はしばしば大>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
村上春樹の原作「ドライブ・マイ・カー」の枠組みだけでなく、同小説が収められている短編集『女のいない男たち』から「シェエラザード」「木野」という2つの作品の要素を借用している。それに加えて、チェーホフの>>続きを読む
他人の意識を乗っ取るまでの過程の生々しさや、所有者の意識が分裂してゆく様、そして自死することへの抵抗をしっかり描いていたのが、後を引く嫌な感触の根源なんだと思う。テクノロジーと肉体性が同居する、そのS>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
『ダークナイト』3部作、『ジョーカー』のヒットを経て、もうDC的にはバットマンはこの路線を突き詰めるしかなかったんだろう。長い、重い、暗い、三拍子揃ったシリアスなクライムサスペンス。ニルヴァーナの”S>>続きを読む
恥ずかしながら、この作品を観るまでサンフランシスコにおけるジェントリフィケーションの問題を知らなかった。よく考えてみれば、お馴染み『フルハウス』の一家も裕福な白人家庭である。
元々その街に息づいている>>続きを読む
自分の中の「正義」を貫き通すことが同時に身近な人を危険に晒すことを意味する時、自分ならば一体どんな決断ができるだろうか?ということを問いかけられているような気がした。いずれにせよ、邪悪な権力や体制に対>>続きを読む
原作を忠実に映像化したらこうなる。まー低予算カルト映画の香り漂う作品といった感じ。物語の残忍さ、社会から弾き出されたレスター・バラードが人里離れた山奥で味わう孤独とはミスマッチな軽快なテンポ感が印象的>>続きを読む
ウェス・アンダーソン、『グランド・ブダペスト・ホテル』が自分にとってはちょっとファンシーすぎるかなと感じてしまい、あんまりハマれず苦手意識があったのですが今作はかなり良かった。情報量が多く、しかしテン>>続きを読む
『St. Anger』製作期の、めちゃくちゃギスギスしていた頃のメタリカを追ったドキュメンタリー。ジェイムズとラーズのぶつかり合いは見ていてハラハラするけど、ここまで考えてることをダイレクトにぶつけ合>>続きを読む
男性と女性、実際に子どもがいる人といない人で感じ方が変わってしまうのだと思う。オリヴィア・コールマンの演技が素晴らしい。未成熟なまま老いてゆく1人の女性を見事に演じている。
繊細な感情の機微の描写を通>>続きを読む
3作ともまとまりがあっていい終わらせ方だったように思う。トファー・グレイスはいろんな映画出てるけど今だに顔が覚えられない。いろんなヴィランが出てくるのはやっぱり楽しい。
サム・ライミ版の3部作は1と2の内容が頭の中でごちゃ混ぜになってた。アクションシーンはこっちの方がいい。キルスティン・ダンストのMJ役は公開当時散々言われてた覚えがある。確かに華やかさに欠ける感はある>>続きを読む
十何年ぶりくらいに観た。オタクの夢(妄想?)が詰まっている。ジェームズ・フランコが若い。
このレビューはネタバレを含みます
これはかなり集中して観てないと結末が理解できないかもしれない。演出が示唆的すぎる。なんとなくそういうことなんだろうなーと思いながら観てましたが残念ながら決定的な場面に対しての理解が及ばず……。最近のネ>>続きを読む
ヒップホップ+和テイスト(武士道)みたいなの時代を感じるなーと思いながら。ジャームッシュとRZAの絡みはこれが初めてになるのかな。後の『パターソン』にも通じる雰囲気がある。
『葉隠』を愛読し、武士道を>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
笑えないんだけど笑える。いや笑うしかないというべきか。人類滅亡からの回避をエサにナショナリズムの高揚と支持率アップを狙う大統領と、自分達の利益を守ることしか頭に無い偽スティーブ・ジョブズ(?)をはじめ>>続きを読む
戦争という異常な状況の中で運命を狂わされた人々の話。戦争はしているけど一個人としてはノーサイドだよ、という態度がどこまで実際にあり得たのかは疑問だが、少年時代のセリアズの回想や坂本龍一が手掛けた音楽が>>続きを読む
「昔は良かった」という懐古主義に終始し、ただ閉塞的なその世界へと耽溺するだけではなく、過去(60年代)のショービズ界に確かに存在していた、権力側が夢を追う若い女性を(時に性的に)搾取するという醜悪な構>>続きを読む
神経症的な焦燥感、緊張感と、うっすらとした嫌〜な予感だけが最後までずっと続いてゆく至高の作品。たぶん何かをベースにした話なんだろうな、と思いながら観ていたが、ギリシャ悲劇「イピゲネイア」をモチーフにし>>続きを読む