ちょっと前までのインディロックシーンにおいて、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドというバンドは半ば神格化され、「必修科目」みたいな存在であったように思う。数え切れない程の後進アーティストが影響下にあっ>>続きを読む
PTAならではの完成された構図の美しさが見事。ため息が出てしまう。逆に言えばそれと俳優陣のポテンシャルで持っているような部分もあるかもしれないが。
カルト宗教を題材にしながらも、たぶん主題はそこではな>>続きを読む
古き良きホラー作品のリメイクだと思って観たら、かなり難しい内容で少し困惑した。当時のベルリンが置かれている社会情勢、ドイツ赤軍との対立が背景に据えられているのだが、未だWW IIの記憶が色濃く残る70>>続きを読む
ディレクターズカット版は通常版と比べて物語の構造をより親切かつ丁寧にはっきりと説明してくれている。通常版より更にクリスチャンに同情できなくなるのと、ペレの立ち位置が序盤から示唆されているのが主な大きな>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
しっかりグロくてしっかり悪趣味で、それでいて爽やかで素晴らしい。映画って監督が変わるだけでこんなにも変わるんですね……。前作に物足りなさを感じていた方も、逆に前作の突き抜けなさをこよなく愛する方にも是>>続きを読む
ひとつひとつのカットが絵になる綺麗なホラー。昔のホラー映画ってストーリーや設定、演出のアイデアは素晴らしく申し分ないのに、撮影技法の進化もあって今観るとどうしてもハリボテぽい印象(それもほのぼのして味>>続きを読む
クローネンバーグ監督なだけあって雰囲気は良いのだが、中盤までは会話劇が中心であまり物語に動きもなく正直少し退屈だった。しかしラストシーンには緊迫感があったのと、高度に発達した資本主義のシステムに対する>>続きを読む
久しぶりに観た。今のコンプラに照らし合わせるとキワドイ部分もあるがやっぱり面白いし、シンプルに男だけで旅行とか行きたくなる。流れてる曲とかも絶妙に懐かしい(気づけばそうなってしまった)んだよなあ。
で>>続きを読む
クローネンバーグの最近の作品を全然観たことがなかったのだが、期待通りかなり好きな雰囲気でした。ショービジネスという華やかな世界の裏にある欺瞞、名声への執着とそこに介在する搾取的構造など、ハリウッドを覆>>続きを読む
シンプルで洗練された正統派オカルトホラー。印象的なカットのひとつひとつが美しい。ロバート・エガース監督、気鋭といった感じがします。
魔女狩りとは史実であり、いわば一種のジェノサイドでもある訳で、映画の>>続きを読む
ルーザーズ・クラブ再集結で過去のトラウマ総ざらい……までは面白かったのだが、途中からいかんせんクドく感じてきてしまった。前作まであったホラー要素はほぼ捨て去られ、壮大なアクション大作に振り切っちゃった>>続きを読む
スティーヴン・キングの小説を上手く現代版にアップデートしているなーと思った。ペニーワイズのサービス精神が旺盛すぎてホラー映画としては大味だが、キング原作のホラーなんてこんなもんじゃないの(『シャイニン>>続きを読む
自分のプライベートな領域を赤の他人に侵されることへの嫌悪感、信頼していたはずのパートナーへの不信感、否応なく他人のペースに乗せられ、状況に飲まれていくことの怖さ、センシティブな領域にズケズケ踏み込んで>>続きを読む
とうとう「サメ映画」という禁断のジャンルに足を踏み入れてしまったという感がある。全シリーズ制覇する気力は今のところ起きないが……。
「サメは空からも来る!」この台詞に全てが集約されている。そう、陸上だ>>続きを読む
悪夢。ひっでぇ映画。アルコールを嗜む人間ならば誰しもがクソみたいなパーティーの記憶のひとつやふたつを持っているかとは思うが、それを100倍、200倍に増幅したようなバッドトリップが1時間半、これでもか>>続きを読む
ティモシー・シャラメ主演で夏を舞台にした映画ということで『君の名前で僕を呼んで』みたいな感じをどうしても想像してしまっていたのだが、実際に観てみると全然違う作風。まるで夏のミックステープを聴いているか>>続きを読む
クリストファー・ノーラン『インターステラー』やテッド・チャン『あなたの人生の物語』、劉慈欣『三体』シリーズなど、後続の作品に及ぼした影響は大きいんだろうなと。『インターステラー』を経てしまった今観ると>>続きを読む
『アメリカン・ユートピア』に触発されこちらも鑑賞。これまで部分的に映像を見たことがあるだけで、映画として通して観るのは今回が初めて。
冒頭、ラジカセから流れるビートに合わせたアコギ弾き語りによる「Ps>>続きを読む
重層的なグルーヴと華麗なステージングにはとにかく高揚感があって、見ているこちらまで踊り出したくなる。もはやオールスタンディングでやって欲しかった。ステージには様々な性別、国籍、人種(アジア系の方が見ら>>続きを読む
良くも悪くも「爽やか戦争映画」という印象。クリストファー・ノーランならではのリアルな映像美、ハンス・ジマーの手掛ける重厚感たっぷりのスコアなど映画としての完成度に対しては文句の付け所がないのだが、史実>>続きを読む
クイーンについてはそこまで詳しくなく、思い入れも無いまま観たのだが、それ故に?楽しむことができた。TOTP出演時の「キラー・クイーン」や、ライブエイドのシーンについては、細部まで再現することへの注力が>>続きを読む
何となくキャリアを通してマイペースを貫いてきたイメージのあったビースティ・ボーイズだが、『ライセンス・トゥ・イル』で得た成功、派手なショウビズ界への戸惑いからその後のDIYな方向性(自主レーベル『グラ>>続きを読む
ハイソなニューヨーカー達の様子と、その中に時折登場する俗なモチーフとのバランス感覚(ラシダ・ジョーンズのカジュアルだけどそこそこ金掛かってそうな着こなしとか)が絶妙にソフィア・コッポラぽい。結局は文化>>続きを読む
アメリカのどこにでもいるごく普通の大学生が戦場で心を破壊され、ジャンキーになって銀行を襲うようになるまでの悲痛な物語。MCU作品を手掛けたりしているルッソ兄弟の撮り方は終始丁寧で、正直もっとザラついた>>続きを読む
ずーっと淡い白昼夢を見ているような耽美な感覚。どこかノスタルジックな夏のイタリアの街並みと、眩しすぎるくらいに若さ、瑞々しさを湛えたエリオ(ティモシー・シャラメ)の魅力には夢中になる人が多いのも理解で>>続きを読む
自意識が形成されつつある多感な時期に、当たり前のように既にSNSが普及している(してしまっている)世代が経験する苦労は察するに余りある。とはいえティーンが抱えがちな葛藤の根底は往々にして普遍的なもので>>続きを読む
村上春樹の短編小説「納屋を焼く」が、現代の韓国を舞台にした仄暗いノワール映画に。
女にかどわかされ、不可解な出来事に巻き込まれてゆく、どこか虚ろな雰囲気の主人公は少しデヴィッド・ロバート・ミッチェルの>>続きを読む
主人公が何度も同じ夢を見るというプロットは、言うまでもなく、アメリカという国で延々と繰り返されてきた、凄惨な人種差別の歴史のメタファーなのである。
実際に起きている事件をベースにした、あまりにも直接的>>続きを読む
“いいか 何人たりとも──
ゲイだからって理由で殴るな
黒人だからって殴るな
女性だからって殴るな
暴力を振るうな”
レベルミュージックに心を奪われたあの頃の自分に対して恥じない信念を持って生きてい>>続きを読む
一度失ってしまったものは元には戻らない。戻ったように見えても、それは前とはどこかが少しずつ違っている。
感覚器官(聴力)と同様、人との繋がりや幸せだった人生の段階に関してもそのことが言える。例えば同じ>>続きを読む
勘繰り、愛欲、性的倒錯。低予算でシンプルながらも観た後にはベットリとした変な余韻が頭の端に残る。一方でどこか爽やかさを感じるのは素朴な(あっさりとした)役者達の演技から来るものだろうか。ジェームズ・ス>>続きを読む
前二作程は……って感じ。ほんのりサイバーパンク風味な劇中作のモチーフをはじめ、映像は陶酔的な美しさに貫かれているが、メロドラマ的な筋書きに途中から疲れてしまう。主演でない木村拓哉を見るのはなんだか新鮮>>続きを読む
『欲望の翼』や『恋する惑星』のように、それまでのウォン・カーウァイの作品からはある種の青さ、甘酸っぱさを嗅ぎ取ることができたが、本作はより作品として成熟し、洗練されているように感じる。
思わせぶりで示>>続きを読む
まるで耽美な夢を見ているような映画体験。
「1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない。君とは“1分の友達”だ。」
なんて刹那的でロマンティックなんでしょう。レスリー・チャンの役>>続きを読む
台本ベタ読み、情緒やニュアンスをガン無視したいかにもオタク好みしそうな早口なセリフ回しに辟易。リアリティにこだわったんだなーというのはよくわかったが正直それが何なんだって感じ。感動ポルノ的な、漠然とし>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
TVシリーズの放映開始から長い月日が経ち、我々も庵野秀明も大人になったし、前に進む為には色んなものの落とし前のようなものをつけ、精算を行う必要があったんだろうな、と。それはゲンドウやミサトの決断に大き>>続きを読む