滝井椎野さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

滝井椎野

滝井椎野

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生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.3

生きるということは……。
人生の目的を見つめ直す本作、名優ビル・ナイの素晴らしい演技も相まって人生賛歌の傑作となっている。

黒澤明の原作から大幅に短くなっているにも関わらず、内容が薄くなるということ
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.7

毎度のことながら、過度に期待を抱いてしまうシャマラン作品。今回は何ともシャマランらしい終末映画で、ジワジワと確実ににじり寄って来る恐怖が実に居心地悪い。

バッタに始まる本作、言わずもがな黙示録をテー
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.3

実に楽しくワクワクする世界観。
久しぶりにド直球の王道ファンタジーを観た気がする。

世界感は言わずもがな、キャラクターが良い。
決して万能ではないキャラクターたちが自分たちの持ち味を活かして冒険を進
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

よし、エスターを観るぞ! と意気込んでいたところ、思わぬ方向に話が進み面白かった。

前作はエスターの不気味さだけで映画が一本作られていた。その正体がすでに分かっている状況でどんな話になるのかと思いき
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.3

前作に続き最高で最強の二人組は健在。
相変わらずのオフビートなやり取りと、そこからは想像もつかない激しく緻密なアクションがやっぱり素晴らしく、しっかりと期待に応えてくれた。

前作の後、アニメの『リコ
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グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

最高のお祭り映画。見たかったものをすべて、いやそれを軽く超えるものを見せてくれた。

何を言ってもネタバレになるのだが、開始から(そうそう、こういうのが見たかったんだよな)→(え! こんなものまで頂い
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シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

所々の小ネタが楽しい。アナベル人形で始まりキャリーで〆る。
前作もそうだったが、こういうハチャメチャで脳天気なヒーロー映画は最近となっては逆に珍しい。最近は何となくシリアスなヒーロー映画が多く、ちょっ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

これぞヲタクによるヲタクのための映画。
ライダーファンへのご褒美というよりは、ライダーファンである庵野監督へのご褒美で作らせてもらえた映画という感じ。取り敢えず、ストーリーを楽しむような映画ではなく、
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.2

スピルバーグの自伝的作品ということで、本作は彼が映画人としてのスタートラインに立つまでを描いた作品。
『ET』を彷彿とさせる自転車シーン等、所々にある名作へのオマージュは観ていてニヤリとさせられる。
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.2

混沌としてるようでシンプル。
様々な色が混じり合って出来た闇をベーグルの真ん中に見る。そこに超絶カンフーをプラスすることでこれまでに見たことのない作品に仕上がっている。それでいて内容は一本芯が通ってお
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バビロン(2021年製作の映画)

4.1

ニューシネマ的な哀愁と、ギラギラとした狂気が入り混じった劇薬のような作品。
人々が今以上に『映画』というものに幻想と憧れを抱いていたまさに黄金時代を鮮明に描いており、ところどころで描かれる『映画』その
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アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~(2023年製作の映画)

4.3

10年間。子供から大人になるには十分な歳月でありその間シリーズを追いかけていた人、途中で離れていた人、途中から加わった人、全てに刺さるような作品だったと思う。

お恥ずかしながら私はこのシリーズずぶの
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

これは間違いなく今年ベスト級。
ジャズの青い炎に心が滾り自然と涙が止まらなくなる。
『JASS』のメンバーそれぞれの悩みと葛藤、それを乗り越える姿が主に描かれていて、ある程度内容をそこに絞っている為予
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

小さな世界でのコミカルなアクションが楽しい作品だった本シリーズ、まさかこんなにも規模の大きな話になるとは当時思いもよらなかった。
シリーズもここまでヒットするとこんなにも自由な作風で色々な作品を作れる
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

主人公と共に列車に乗り、静かに自分を見つめ直すことが出来るような作品。鑑賞後は少しホロ苦いような、それでいて爽やかな余韻に浸れた。

列車旅を通して主人公ラウラにとっては良い事と悪い事が少しずつあり、
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バンバン!(2014年製作の映画)

4.3

派手で楽しいパワフルエンタメ作品。
『ナイト&デイ』の骨組みはそのままだが見事にインド映画ナイズされており、良いも悪いも完全に別作品になっていたと思う。

特筆すべきはリティク・ローシャンの圧倒的なス
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

4.3

サンタを信じる良い子に夢を与える、これは良いクリスマスムービー。
とはいえ子供には観せられないが……。

悪い大人たちから心優しい少女を守るためにサンタが戦う映画。そういうと王道クリスマスムービーのよ
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.7

概要だけをみると、何となく小さな田舎でのひと騒動的のんびりした話なのかと思ったのだが、なかなかどうして身につまされる部分も多く辛い話だった。

良い奴だが単調な毎日を過ごし、これといって面白味のないお
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.7

映画を超えた最高の体験。スラダンの山王戦をとんでもない臨場感と熱量で体験できた衝撃と喜びで、いつまでも余韻に浸っていたくなる。

はじめ、文字通り湘北メンバーが描き上がり動き出すシーンが最高に格好良く
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キラーカブトガニ(2021年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

これはやられた……。
まさかカブトガニにこれ程までのポテンシャルがあったとは、正直舐めていた。
ここまで望んでいるものを完璧以上に観せられてしまうと、あっぱれ以外の言葉が出てこない。

しっかりとトン
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

4.2

映画への熱烈ラブレター的作品。

ニュー・シネマ・パラダイスを彷彿とさせるシーンをはじめ、その他にも映画好きにとって嬉しくなるような描写が多い本作。
ただ、方向性やテーマはしっかりと独自のものを描いて
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.1

直木賞作家作品だけあり、流石にいい話だった。

本屋に並ぶ原作の分厚さをみるに、割りかし内容は省かれていたのだろうか? 掘り下げるキャラクターを絞っているために、何人かは愛着が湧く前に終わってしまった
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

16ミリフィルムのザラつきと、そこに響くパンチミットの音が実に心地よい。

耳の聞こえないハンデを抱えながら日常を送るケイコの生きづらさや、心の機微を見事に描いており、その場面場面の描き方や演技には脱
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トゥモロー・モーニング(2022年製作の映画)

4.0

個人的に結構良かったのだが、この評価の低さは一体……。やはりミュージカルは人を選ぶということなのだろうか。

一組の夫婦の始まりと終わりを同時に描く試みはなかなか興味深く、独身の身でありながら身につま
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泣いたり笑ったり(2019年製作の映画)

3.8

トニとカルロ、全くタイプの違う二人と、その家族の対照的な恋愛観や家族観が興味深く、お互いがお互いの足りない部分や溝を埋め合わせていく展開はなかなか良かった。

トニとカルロ、それぞれ全く異なるタイプの
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.4

前作に引き続き、美しく広がる世界が素晴らしく、すっかり作品内に飲み込まれてしまった。

舞台を海に移したことで、風景からキャラから、何もかもが青に包まれていた。おかげでとんでもなく長い上映時間を集中し
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.7

なかなか難しい作品。
思っていた内容と結構違っていて、怖いというよりは気持ち悪い。特にラストの畳み掛けは、意味の分からなさも相まってどんな顔で観ればいいのか分からなかった。
結構カップルで来ていたお客
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Never Goin' Back ネバー・ゴーイン・バック(2018年製作の映画)

3.8

パワフルなバディムービーで良かった。
主役二人の関係性が実に微笑ましく、結構碌でもない事をしでかしているのだが、二人が仲良く笑い飛ばしている姿をみていると許せてしまう。これぞ若さの特権! 的な作品だっ
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劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編(2022年製作の映画)

3.7

いつもの転スラ。
劇場版ならではの……! といった派手さは特になく、良くも悪くも安心感がある。
TVシリーズと違い、尺に収めるために展開がどんどん進んでいく。良いことなのだが、キャラの多さも相まって若
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.8

意外や意外、ホラーやスリラーの類かと思っていたら、ブラックコメディだった。

最初から最後まで結構シリアスな顔をしているが、ちゃんと観ていると全編通してグルメに対する皮肉に溢れており、完全に笑かしに来
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.4

『すずめの戸締まり』のタイトルの通り、すずめが家を出て「行ってきます」を言えるようになるまでを描く傑作ロードムービー。
観れば前を向ける作品……というよりは前を向くために観る作品。少なくとも、私として
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ブラックアダム(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ド直球のヒーロー映画で良かった。

最近はMCUもしんみりとした作品が多く、そろそろパワフルなヒーロー映画が観たいと思っていたので丁度良かった。
やっぱりドウェイン・ジョンソンのアクションに外れはない
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

湿地の美しさと暗さを描く上質なミステリ。

人の心に巣くう暗闇が暴かれる法廷でのシーンが面白く、少しずつ丁寧に積み重ねられていく情報の一つ一つが観ているこちらを作品の中へと引き込んでいく。
そして裁判
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貞子DX(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

ラストはwith貞子の世界で人間の逞しさを描く怪作。
そういえば、最近観た『オカムロさん』で似たようなテーマを扱ってたな……と変な笑いが出てしまった。

しかしこれ、リングシリーズのファンはどう捉えて
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チケット・トゥ・パラダイス(2022年製作の映画)

4.3

最高の超絶ハッピーロマコメだった。
ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツの掛け合いが素晴らしく、所々で演技でなく素でやってるんじゃ……? と思わせてくれる。
舞台のバリ島も実に美しい風景が広がり、
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マスター 先生が来る!(2021年製作の映画)

4.3

我らが大将ヴィジャイが歌って踊り、悪を叩く。
その圧倒的存在感はまさにスーパースター。何においても焦らして焦らし、満を持して大暴れをする。その姿たるや、これで興奮するなと言う方が無理な話だろう。

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