kottanさんの映画レビュー・感想・評価

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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.3

冒頭とルーブル地下での狂乱の一人芝居群は見応えあったし、回想シーン若き日の露伴先生ターンの台詞が聞き取りにくかったことを除けばまあ満足。でもやっぱこのシリーズはドラマ向きだと思う。

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.3

一度離脱してたがBSで再見。本編中ずっとモヤモヤしてた。
"聞こえない"家族の中では"聞こえる"ルビーは異端だ。同じなら良かったのにと言いながら、その子に頼り切り子の可能性にすら思い至らないあの家族の
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ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん(2015年製作の映画)

3.8

探検家である祖父を尊敬し自ら探しに行く貴族のお嬢様というありがちな設定と思いきや、世間知らず苦労しらず少女の成長物語でもある。
凍てつく北極圏の描写、その過酷さはマッツ・ミケルセンの「残された者」を思
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奇跡のリンゴ(2013年製作の映画)

3.5

植物を育てるって本当に大変で家庭菜園ですら害虫や自然との闘いでガッカリすることも多い。
収穫も収入も無く家族に苦労をさせながら何年も暮らすのは考えるだけで辛い。周囲の理解が得られず追い詰められた様子と
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.8

分かりみ。

片思いはこじらせると本当にヤバい。時間が経てば経つほど思い出は脳内変換でキラキラ輝くばかり。
思い出に近づこうとするとその幸福は崩れ落ちるんだろう。ヨシカの気持ちが分かりすぎて恥ずかしく
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山女(2022年製作の映画)

3.5

テレビ放送版鑑賞。
冒頭5分位観て一旦止めた。エグい。しかしあの時代の山村ならあの光景も納得のリアルさ。自然と共生し恐れ静まれと若い命を差し出す。確かにこういう時代があったのだろうが、相当に胸糞悪い。
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るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

3.0

うーむ…やっぱ実写は3作目までで止めるべきだったかなあと思う。
新キャストのビジュアルも演技も良いとは思うけど、るろ剣にいちばん期待するのは肉弾戦じゃなく華麗な殺陣なので。
刀を振るう剣心がもっと見た
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特捜部Q 知りすぎたマルコ(2021年製作の映画)

3.0

何とキャスト総入れ替え。
設定自体は変わっていないが違和感は拭えない。特にカールの変わり様はちょっと受け入れ難い。普通のおじさんになっちゃった。アサドは雰囲気があり良かったのに。ロマ人のマルコ、NGO
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眠れない夜の月(2015年製作の映画)

4.0

眠れない夜には月が木に引っかかっている ー 夜更かし癖がちょっといい感じに思える。
言い伝えは父から子へ…子供は大冒険の末に大きく成長する。小さな木彫りの人形たちや生き物たちが表情豊かに生き生きと動き
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劇場版ごん GON, THE LITTLE FOX(2019年製作の映画)

4.5

よく知られた物語であるが故にストーリーの先が読めてしまうのでずっと涙涙涙…。優しい兵十とごん。本当に神様などいないんだなと実感する。互いにかけ違ったボタンと哀しい結末がただただ切ない。

マイスモールランド(2022年製作の映画)

3.8

BS1にてドラマ版を鑑賞。
難民に対する我が国の対応は自分の想像より遥かに残酷で容赦ないものだということが分かっただけでも観て良かったと思う。父と妹弟、クルド人コミュニティ…自分を取り巻く全ての事情を
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キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性(2012年製作の映画)

4.2

戦後すぐから続いている仕事にも関わらず、キャスティングという仕事が未だに正当な評価をされていないのだという現実に愕然とする。
ディレクターという名称に拘り、キャスティングディレクターという表記やスタッ
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モータルコンバット(2021年製作の映画)

3.8

WOWOW吹替で鑑賞。
ほぼアジア系しか出てない。武器もほぼ刃物なので死に様がエグい。出るわ出るわ…血飛沫が内蔵が骨が。いつもなら心折れて脱落するところだけど面白くて最後まで観てしまった。真田広之の殺
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ボブという名の猫2 幸せのギフト(2020年製作の映画)

3.8

猫であれ人であれ出会いは唯一無二のご縁だと改めて実感する。どん底だったジェームズの人生に光を差したのは確実にボブだ。やっぱり猫は幸せを運ぶ天使。この作品は誰しもが優しい気持ちになれる物語です。

ストレイ 犬が見た世界(2020年製作の映画)

3.7

野良犬がこんなに自由に暮らしているとは驚いた。車や人が忙しなく行き交う道のど真ん中でも眠り、食べ、頭を撫でられても平然とし人もまたその状況を受け入れている。その日常の善し悪しは別に人と犬たちが共生して>>続きを読む

マローナの素晴らしき旅/マロナの幻想的な物語り(2019年製作の映画)

4.0

小さな犬の見上げる先には愛する人間がいて、名前が変わってもご飯が無くても寝場所が無くてもそれは変わらない。
犬の視点で描かれる人間や街の様子は独特の表現で優しくも怖くもあり、いつの間にか強烈に感情を揺
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僕のワンダフル・ジャーニー(2019年製作の映画)

3.5

今作のレビューする前にワンダフルライフの方はどんなレビューしてたか確認したら結構キツい評価してて、当時のメンタル具合を思い出した。
犬があまりにも辛い目に逢うのは嫌なのよ。その点では良いんだけど、今度
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病院坂の首縊りの家(1979年製作の映画)

4.0

金田一が指紋の指摘をしたり鑑識さんが出て来たり車や洋楽器が出て来たりとこれまでの作品とは違う近代感が漂う。その癖、前時代的な人間関係や系譜、女性たちの扱いなど一貫したテイストが保たれているのがいい。殺>>続きを読む

ザ・センチネル/陰謀の星条旗(2006年製作の映画)

2.8

たまたま観た作品。80年代後半か90年代位の作品かと思ったら2006年か…ちょっとテイストが古臭い。マイケル・ダグラスとキーファー・サザーランド過去作品の焼き直しというか、シャッフルして摘んで作ったみ>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

3.8

戦時中の暗い世相にはびこる空気感や陰鬱さが画面から伝わる。おぞましい事実を隠して気鬱になる気持ちとリンクするように差し掛かる影、襲いかかる暗闇とそこに差し込む光。美しい構図と美術。演者の秀逸な演技。な>>続きを読む

世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ(2018年製作の映画)

3.5

「もう人生の終盤だ。お金は必要ない」
そう言ってトラクターに乗り水色のビートルに太った身体を押し込み仕事に行く。
発する言葉は分かりやすく心に響く。時として善が悪に、悪が善になる…賛否は付きまとうが信
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水を抱く女(2020年製作の映画)

4.0

オンライン試写会で鑑賞。
ウンディーネの常軌を逸した愛情の深さや業の強さが言動の端々にこれでもかと現れていて、これが実在の女性であったなら怖いだろうと思う。精霊ウンディーネのイメージやエピソードの一つ
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世界の涯ての鼓動(2017年製作の映画)

3.0

運命の出会いとそれぞれの生きる場所。
2人を隔てる地と海の果て。
美しい2人と美しい風景、厳しい現実。
哲学的とも思える会話と思考。
互いを求めても交わらない世界が歯がゆい。美しい映像の影に人の優しさ
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テッド・バンディ(2019年製作の映画)

3.5

超有名シリアルキラーの僅かに残った人間性をドキュメンタリーさながらに観せて貰った。
予想とはかなり違う切り口で、ああそういう視点で描くのかと戸惑ったけど。何せ邪悪部分はほぼオブラートに包まれてたし。爽
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RBG 最強の85才(2018年製作の映画)

4.5

差別的な判例を勝ち抜いたギンズバーグ氏の功績とカリスマ性がビシビシ伝わる。
しかし、あの時代に妻のキャリアアップを当然の如く後押しし、支え続けた夫のマーティン氏の度量に感嘆せずにはいられなかった。この
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残された者-北の極地-(2018年製作の映画)

4.0

マッツ・ミケルセンが出ていなければ完全にサバイバルドキュメンタリー。
説明も台詞もほぼないが、それでも彼の状況は明確だ。雪と氷しかない世界で命を繋ぐ為のルーティンワーク。思いもよらず自分以外の存在が出
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

4.0

冒頭シーンを観て全く違う結末を予想してたら、現実は遥か斜め上を行ってた。
真実は小説より奇なり。
テンポの良い展開でサクサク観れる。
トム・ハンクスとディカプリオは言わずもがな、脇役陣も上手い人ばかり
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殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

4.0

感情の表現がほぼ死ねとか殺すなのに、それがとても感情豊かで心に響く。アイスとか花火とか日常の何気ないものが重要な意味を持つ…そういうことが酷く懐かしいような恥ずかしいような切ない気分にさせられる。終始>>続きを読む

劇場版 おいしい給食 Final Battle(2020年製作の映画)

3.9

担任と生徒、2人の給食マニアのいかに給食を楽しむかっていうバトルと給食文化に対するシニカルな視点が面白い。
その上で社会的な側面にもサラッと触れていてそれが説教臭くなく皮肉が効いていてニヤニヤさせられ
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

4.5

映像のクオリティ、絶妙な緩急の付け方、アクションシーンの迫力…テレビアニメから相変わらずの素晴らしい完成度。
炭治郎、伊之助、善逸、の進むべき道を生き様で示し、禰豆子の存在に言及する煉獄さんの器の大き
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.5

過去現在未来を股に掛け、時間の流れが縦横無尽に行き交う世界。
時系列や伏線がストンと落ちた時の高揚感は格別だ。ハイスペックなノーランの脳宇宙から繰り出される発想と映像は期待以上。少しでも気を抜こうもの
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マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

4.2

可愛い本屋や衣装や車。美しい景色にそぐわぬ人々の本音と建前、陰湿な悪意との対比が切ない。
ビル・ナイ演じるブランデッシュさんの不器用でいて率直な求愛ぶりやクリスティーンとのやり取りが素敵で愛おしかった
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泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)

3.5

将棋がテーマの映画は多くあるが、主人公がだいたい超人的なのが定番。
しかし、この映画の主人公は数多のチャンスをことごとく逃し続ける。どこか諦めモードで仲間とはしゃぐ瀬川は情けなく、観ていてもどかしくイ
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

5.0

ドラマティックで胸踊る少女時代からそれぞれの道を行く4人。
我が道を行くと決めたのにあの頃の全部が愛おしい…そんなジョーの後悔が身に染み、エイミーの度量が羨ましくなる。大胆でいて繊細かつ忠実な描写、心
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サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

4.0

電気水道ガスに機械という機械がストップし、都市機能が完全麻痺した東京。
使えるのは人力のみという状況で鈴木家は西へ向かう。ライフラインを求める旅がまるでグレートジャーニーと化す頃には目的地鹿児島へ辿り
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恋人たちの予感(1989年製作の映画)

4.5

もう何度目か分からないがBSで放送があったので鑑賞。
いつ観ても面白いし、脚本、演出、キャスト…どれを取っても文句が無いし、95分で過不足なくまとめられてるって事がまた素晴らしい。

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