shimaluckyさんの映画レビュー・感想・評価

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ミツバチと私(2023年製作の映画)

4.3

子供のトランスジェンダーを扱った問題作品。トランスジェンダーの9歳の少年を演じるのは、なんと女の子。
美しいバスクの風景を舞台に、喧嘩する両親、過疎の問題、男尊女卑、古い価値観、父親の身勝手さなどを自
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クラユカバ(2023年製作の映画)

4.6


アニメ「クラユカバ」は、クラウドファンディングを通じて制作されたファンタジー探偵もの。物語は主人公・荘太郎を中心に展開し、世間を惑わす「集団失踪」を闇を探る内に、彼の父親が命を落とした原因にも対峙す
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.4


平凡な男が突如としてアナーキーな世界に飛び込み、驚異的なアクションを繰り広げるスリリングな作品。
主人公のハッチは、一見すると普通の中年男性。ある出来事をきっかけに彼の中のスイッチが入り、隠された過
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ベル・エポックでもう一度(2019年製作の映画)

3.2

人の心の複雑さと恋愛感情の継続の難しさを巧みに描いている。
主人公ヴィクトルと妻マリアンヌの関係は一見すると破綻寸前、それでも過去の美しい記憶を再現することで、新たな気づきと感情が芽生える。
この映画
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

3.3

「亡き父の思い出を娘に」と奮闘する母のポレット、周囲を巻き込む大騒動をコメディタッチに描く新感覚アニメ。

筆で書いた輪郭に絵画のような色の付け方がいかにもフランス、コレからのアニメはこのような形で行
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.2

1980年代初頭のアイルランド。大家族にまた赤ん坊が生まれるということで、夏休みの間、遠い親戚の家に送られるコット。口数が少なく学校にも家にも居場所がない9歳の少女コッドと無骨ながら愛情深いアイリンと>>続きを読む

ジョン・レノン 失われた週末(2022年製作の映画)

4.2

ジョンとヨーコの別居中、ヨーコにあてがわれたような形でジョンの側にいた秘書メイ・パンから見た「失われた週末」と呼ばれている18ヶ月。
高圧的なヨーコからの指示でジョンのそばにいることになったメイ、彼女
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.4

35年間、母に自宅監禁されていたバビー。実父がフラッと立ち寄ったことで、家庭内の人間関係は崩れ、バービーは外に出る。
虐待、近親相姦、殺人、宗教、偽善活動等、35年たった今、やっと時代が追いついてアナ
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アアルト(2020年製作の映画)

3.6

著名なフィンランドの建築家のドキュメンタリー。「退屈」「面白くない」というコメントが多いが、客観性を最後まで貫く姿勢は、ドキュメンタリーとして好感をもてた。
アアルト本人は、第一世界対戦も経験している
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

2.7

リンクレイター監督は、人の心の奥底の複雑な気持ちを丁寧に描く事が得意と思っていたが、なんとまあ雑な作品を出してきたんだろうか。
主人公は、元新進気鋭な建築家で一度の失敗から立ち直ることが出来ず、同時に
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Fair Play/フェアプレー(2023年製作の映画)

3.0

女性の成功を嫉妬する男」「成功した女性の男性化」は、既に十分多く作品で描かれている。サンダンス賞賛というが、サンダンス自体が古い価値観囚われ始めているのか。
話が少しシンプル過ぎた。身の回りにある嫉妬
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マッド・ハイジ(2022年製作の映画)

-

B級思いっきり振り切ったB級自主映画、「マッド・ハイジ」。
チーズで国民洗脳、チーズを食べないと非国民、闇チーズ販売は見せしめ処刑、スイスのシンボルも斜めに置いたらナチのハーケンクロイツ。ツッコミどこ
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テノール! 人生はハーモニー(2022年製作の映画)

3.3

移民社会にどっぷり浸かっている主人公の出世物語。パターンは決まっているので安心して見ることが出来る。
「ラップ」バトルで小銭を稼ぐ主人公、ふとした事でオペラ教授の目に留まり、レッスンを受ける事になる。
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遺灰は語る(2022年製作の映画)

3.2

ノーベル賞受賞者の遺灰を故郷に運ぶ旅。故人について語らない分、淡々と時代背景、市井の人々、政治的なこと、シチリアの美しい風景を描いていく。
まず思うのは、「偉人も死んでしまうと一般人からの扱いはぞんざ
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コンペティション(2021年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

美優を揃えた業界風刺映画!期待していただけにがっかり感が高い。
利己的で自己中心的な人間が荒波をうまく乗り切って成功してしまう様をブラックユーモアとして描くのは、何も目新しい事はない。既視感あると思い
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

4.2

インドのニューシネマ・パラダイスというキャッチコピーも納得がいくのと同時に、ニューインドムービーとしていきなりインドの巨匠となったに違いないパン・ナリン監督、今後目を離せない。

光、線路、彩り、家族
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ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

2.6

ユダヤ人虐殺のプロジェクトを決定する会議の模様、ほぼ一室の会議場面だけの硬質作品。
ホロコーストを正しいこととして業務遂行のために知恵を練る様、各人のマウント、偽善、格式主義、権威主義等々、非常に既視
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チーム・ジンバブエのソムリエたち(2021年製作の映画)

4.0

ジンバブエからの難民4人組が、ソムリエとなってワインテイスティングの世界大会へ挑む。

最近よくある軽いカルチャーギャップの笑いと貧富の差への批判がそこかしこにばら撒かれている。が!コレはドキュメンタ
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

4.0

オリビア・ワイルド、単なる美人女優じゃないのか。

絵に描いたような穏やかなアメリカンレトロハッピネス。何か違和感を感じ…. という展開はかなり早い段階から展開は想像できた。ソレでも「時計仕掛けのオレ
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ドライビング・バニー(2021年製作の映画)

3.0

社会の弱者からの視点とはいえ、弱者の主人公のバニーに共感ができず心が動かされないのは、他人の好意を無にする「恩を仇で返す」行動を見せつけられるからだ。彼女は「怒りを抑えることが出来ない」と自ら言うよう>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

3.8

新しいスパイシリーズがスタートか?!

ライアン・ゴスリングのPR映画なんじゃないか?!と思えるほど彼の魅力を2000000倍ひき出したスパイ映画。
刑務所にいる犯罪者をCIAの殺人兵器に仕立てるのは
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

2.7

Cult宗教テーマ、なんてタイムリーなんだと感心してたら、漫画が原作だそうだ。
Cultに洗脳されている3人が無人島で実験的に生活している。ブラックジョークのようだが、現実にあると思われる。
漫画の原
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グレート・インディアン・キッチン(2021年製作の映画)

4.2

高位カースト同士の見合い結婚、とはいえ女性の地位は低い。まるで昭和の日本を見るかのようなジワジワと追い詰められる感じ、女性としてはホラー映画を見ているかのよう。
前半はインドの文化をカラフルに好意的に
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ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)

4.2

政府が高額で購入したゴヤの絵画をめぐるハートフルコメディ。身分、家族の愛、女性の地位、人種差別等々、社会風刺をコメディ仕立てに仕上げたロジャー・ミッシェルに称賛。

ゴヤの「ウェリントン公爵」盗難事件
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シルクロード.com ―史上最大の闇サイト―(2021年製作の映画)

3.6

「闇のシルクロード」の創設者の実話を元にしたクライム・サスペンス。

「新しいものを作って社会を変えたい」

そんな志も、成功しないといけないプレッシャーからドラッグや武器の闇サイトを立ち上げることに
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エル プラネタ(2021年製作の映画)

4.2

監督・脚本・主演・衣装デザイン・プロデュースまで手がけた若手アーティスト・アマリア・ウルマン。セント・マーティン卒のスタイリッシュな彼女が作り上げた世界観がたまらない。SNS時代の寵児になりえるか。>>続きを読む

ダ・ヴィンチは誰に微笑む(2021年製作の映画)

3.5

「サルヴァドール・ムンディ(世界の救世主)」、レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の作品をめぐる美術界の闇をシニカルに描く。

二束三文と思われた絵が、巨匠の作品とされ史上最高額で取引される。そもそもコレは
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アンネ・フランクと旅する日記(2021年製作の映画)

4.0

日記から飛び出したアンネのイマジナリーフレンド、キティの視点でアンネの人生を語りつつ、過去のユダヤ人虐殺と現代の移民問題を批判する。さすが「戦場でワルツを」の監督の最新作。

キティ時代を飛び越えて、
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.6

豪華なキャスト、きらびやかなセット、ギラギラな音楽、That's 80's !

3代目マウリィオ・グッチ殺人事件を中心にグッチ一族の凋落が描くリドリー・スコット監督。登場人物に寄り添わず、あくまで第
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

4.3

呪術オタクじゃない私でさえ楽しめたエンタメアニメ。
ジャンプの「友情・努力・勝利」のモットー通りに構成されているので、非常に見やすい。マンガを追うのも時間がかかるので、2時間でうまくまとめてくれて本当
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パーフェクト・ノーマル・ファミリー(2020年製作の映画)

4.0

トランスジェンダーのテーマを11歳の女の子の目線から描く、監督の実体験をもとに描いた作品。

父親が突然女性になる宣言をする!ホルモン注射や性適合手術を受け、女性になっていく父親を受け入れられない女の
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悪なき殺人(2019年製作の映画)

3.3

悪ある殺人!悪あるだろー、ダメだろ

吹雪の夜に行方不明になった女性を巡る偶然の連鎖。オムニバスのように5人に焦点を当てて話を紐解いていくと真相が見えてくる。
誰もが自分の欲望のために他者を利用する。
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ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

2.8

電車事故で妻を亡くす軍人のマークス。残された娘のために家へ戻ると偶然同じ電車に乗り合わせたオットーという男が「これは事故じゃない」という。数学者オットーとその仲間たちとタッグを組んで、バイオレンスな復>>続きを読む

ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)

3.7

オタクをフォーカスするのは、世界的傾向なんだろうか。

学校でジミキャラなパティ、覆面パンカー ジョンQに真髄してる。警察に追われるサイモン、実はジョンQを匿う事で二人の運命が絡みあう。
実は・実は…
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アフリカン・カンフー・ナチス(2020年製作の映画)

3.7

愛すべきB級映画。ヒトラー、東條、アフリカ、人種差別、ジェノサイド等々、なぜに日本がカンフー?など細かい事は抜きにして、とにかく楽しめるゆるい作品。

ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)

3.5

How to build a charmin girl !

コラムニスト キャトリン・モランの自伝的映画。赤毛のアンの如き、妄想歴のあるジョアンナ。傍目かなり痛いけど、そこも含めて抱きしめたくなるほ
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