ゆみこさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ゆみこ

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逃げた女(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

初ホン・サンス。


淡々と繰り広げられる会話劇の中に含みを持たせているように感じたがその真意にいまいち気付けない。

しかし、最後に出てくる映画のスクリーンを観て、ハッと気付くものがあった。
"逃げ
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魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)

3.5

おジャ魔女どれみ世代として、気になっていた作品。


ガチ勢だったわけではなく、朝早く起きられたときにだけ観ていた程度のおジャ魔女ファンの私にも懐かしさはこみ上げた。


ミレとは同い年だし、仕事のこ
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.9

古典的な要素を入れつつも、視点や考え方に目新しさがある。
学園モノの新時代を感じた。


登場人物ひとりひとりを丁寧に描き出しており、全員がとっても愛おしい。
人物を多面的に映し、固定観念を打ち砕く。
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BLACKPINK ライトアップ・ザ・スカイ(2020年製作の映画)

3.4

BLACK PINKのことはほぼ何も知らないで鑑賞。
曲は一曲も知らないし、メンバーもリサしか知らなかった。

メンバー一人一人にスポットを当てていく中で、価値観はもちろん、生まれも育ちも違う。
国籍
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

映像表現が完璧。

光の当て方、影の作り方。
遠写を主としながらも、大胆に入り込む接写のタイミング。
何もかもが求めていたもので、とても気持ちよかった。
私は黒沢清作品の引きの画が大好きだ。

そして
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オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

3.5

ビル・マーレイの困り眉を前にすると私は無力になる。
牙を抜かれた獣のように無力になるのを感じる。



こんなお父さんいいな、と思うと同時に、この作品の主人公の女性にソフィア・コッポラを見た。

ボー
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空に住む(2020年製作の映画)

2.8

岩田剛典のアイドル映画を撮りたかったのか、はたまた気骨のあるドラマを撮りたかったのか。

その疑問を打ち消すことができぬまま作品は終わる。
とても中途半端な作品だと感じた。


女性の孤独と強さを描い
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月世界旅行(1902年製作の映画)

3.7

動きや美術の荒唐無稽さがとてもキュートで愛おしい。


120年ほど前の作品ではあるが、その古臭さが逆に目新しく、惹かれるものがある。

今私たちは月がどのような空間なのか、宇宙がどのようなものかを知
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17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン/キオスク(2018年製作の映画)

3.4

想像していたものとは少し異なっていて、ファンタジー色の濃い作品だった。

その斬新な作風は魅力的ではあったが、やや粗雑なCGや空気感に少しがっかりしてしまう。


フロイト教授との関係性はもちろん、故
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

3.5

テレビ版は未鑑賞だが十分に楽しめる内容だった。

展開、音楽、台詞、間。
全力で泣かせに、感動させに来ていて少々たじろいだが、素直に涙を流してすっきりした。
この作品が作られるまでの経緯、あの事件のこ
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鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

3.3

ネオン、雨、バイク、麺、黄緑色の光、ピンクの光。


中国フィルム・ノワールに象徴的な表現がたくさん出てくるが、そこにノスタルジーを感じられなかったのは、それらが小綺麗で整いすぎていたからだろう。
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.5

どこを切り取っても滲み出てくる"村上春樹な瞬間"にじわじわ締め付けられる。

ストーリーの観点から見れば、私はこの作品は好きではない。
前述の村上春樹の行間に対する嫌悪と、バレバレのミスリードと、予想
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キッドナップ・ブルース(1982年製作の映画)

4.1

詩的かつ散文的。
多くを語らず、断片的な会話と画で魅せる作品。


さすがは写真家の撮る映画。画に惹かれる。
構図がピタッとはまっているように気持ちよく、ボケた色合いにさえノスタルジーを感じる。

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ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

3.4

その特異な設定ゆえに全く感情移入ができなかった。

それなので、鑑賞後に残るものは別段何もなかったが、その特異な設定ゆえに展開に深く没入できた。


しかし、ルッキズムに心が毒されてしまっている自分は
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行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

4.1

セラピー映画万歳。


先日、『ハニーボーイ』の感想にも書いたが、自分や周りの人々の辛い過去やトラウマを作品に昇華することで癒しを与える、ということは素晴らしいことだと改めて感じる。


また、私がこ
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ハニーボーイ(2019年製作の映画)

3.5

シャイア・ラブーフのシャイア・ラブーフによるシャイア・ラブーフのための映画。


彼のトラウマや逃げ出したくなる過去を、映画にすることで昇華しようとしている。
これは一種のセラピーでもあると感じたし、
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さよならテレビ(2019年製作の映画)

3.0

いや、何がしたいの。


これがテレビだよ、これがテレビ局の現状だよ、と言いたかったのか。
ただ、自分たちの手腕の高さやギミックに酔い、弱味をも晒す姿勢にジャーナリズムの役割を全うしたとでも言いたげな
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

『アラバマ物語』の地で起きた実話。
現代にも色濃く残る人種差別についてが語られる。


展開は予想こそできたものの、やはり心にくるものがあった。
無罪を勝ち取ったときにはこちらまで嬉しく、清々しい気持
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LETO -レト-(2018年製作の映画)

3.3

これはフィクションです。
この警告の前後に挟まれる突拍子の無い演出。


映画を観ているような、演劇を観ているような、MVを観ているような不思議な感覚。
ただ、その"遊び心のある演出"が個人的には苦手
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WAR ウォー!!(2019年製作の映画)

3.7

映画3本一気見したような充足感。


アクション、アクション、アクション!なんだけど、プロットもしっかりとしている。
なにより、そのアクションの魅せ方が多角的で観ていて飽きない。


インド映画ってす
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つぐみ(1990年製作の映画)

3.5

なんだこいつは。

素直じゃないし、性格ひん曲がりすぎだし、気強いし、暴力的だし、がさつだし、言動おかしいし、一人称俺。

なんでこんな女がモテるんだ、顔が良いからって調子に乗りすぎだろ、と、ルッキズ
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.6

『ミッドナイト・イン・パリ』を想起させる後味の残り方。
この清々しさが気持ちいい。


ウディ・アレンの作品を観る時、ちょっとだけスノッブな気持ちになる。
そして、"知識や教養に理解のある自分"に酔う
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なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

3.6

人として社会の海を泳ぐとき、純真さや素直さ、真面目さは毒になることがある。

この小川淳也という男も、その真っ直ぐすぎるほどの熱情と純粋さが政治家としての弱点だ。


しかし、その愚直さにこそ胸を打つ
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東京オリンピック(1965年製作の映画)

4.1

この時代を生きてはいないけれども、当時の熱気、空気を感じることができたと思う。


感情やドラマを作品に持ち込まず、ただありありと東京オリンピックが始まり、東京オリンピックが終わる。
その事実だけを描
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誰がハマーショルドを殺したか(2019年製作の映画)

3.5

次から次へと色々な人物が登場し、焦点が移り変わって行く。

たしかに、真実を追い求めたドキュメンタリー映像ではあるのだが、事実であると断定はせず、疑念を持たせる作り方がなんとも不思議で少しばかりもどか
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国家が破産する日(2018年製作の映画)

3.4

正直、私は経済や金融に関してはかなり疎い。

そんな私をぐっと引き込む圧倒力とスピード感がこの作品にはあった。


多角的に描かれた経済破綻危機に対峙する人々、その行動と対照が興味深かった。
しかし、
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.4

ヤンニョムチキン食べたい、、
甘辛いタレがかかったサクサクのチキンが恋しくなる作品。


期待値が高かったこともあり、大満足とはいかなかったが十分に楽しめた。


笑いどころにはわかりやすく音楽が鳴り
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キラーソファ(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

中途半端!


そこまで恐くもなければ、笑えもしない。
ストーリーはしっかりと書かれてると思いきやわりとスカスカ。
キラーソファのビジュアルのかわいさに惹かれて観に行ったが、全然かわいくない。活かせて
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その手に触れるまで(2019年製作の映画)

3.6

"その手"に触れるまで。
鑑賞後にいろいろと考えてしまう邦題。

原題は『若きアメッド』。
こっちのタイトルの通り、若さ故の無垢さが恐ろしい。
アメッドの危うさにハラハラしながら観た。


また、自分
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MOTHER マザー(2020年製作の映画)

3.5

filmarks試写会にて。


依存と執着、その終着について。

正直、観ているのが辛くなるほど悲しくて、恐ろしくて苦しかった。
一気に絶望の中を駆け落ちていく展開に、息つく暇も無かった。


その
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ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

4.1

ゴッホ。
あなたの作品で人々は感動し、深く、優しく感じている。


ゴッホの死の真相を追う中で、色々な人に会い、話し、思う。
RPGのゲームをやっているような感覚に陥る。
また、その帰結が素敵。
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ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

3.7

話のゆるさとスタイリッシュな映像の組み合わせが良い感じ。


映像の撮り方に対するこだわりが随所に感じられた。
"引き"と"寄り"の加減が絶妙。

ある程度のゆるい話の中に、死体や血、鈍器といったショ
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ラストがずるい。


主人公の男の子の表情がずるい。全部良いもん。
鑑別所に運ばれていくときに流す涙と夜の街。

街並みだけでなく、印象的な映像がたくさんあった。
反復と繰り返しの多用がとりわけ記憶に
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夜霧の恋人たち(1968年製作の映画)

3.6

主人公の男を一目見たときに、「なんてかっこいい人なんだ」と惚れ惚れしたが、その後のクレイジー具合と間抜けさに幻滅しまくる。

頭に疑問符が浮かぶような唐突な展開と行動の嵐だったが、それらも全て洒脱に感
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リアリティのダンス(2013年製作の映画)

4.0

差別や宗教、政治などの大きな題材を扱う。
それらに対して核心を突きながらも、それをファンタジーとして昇華させる手腕の凄まじさ。


"前衛的"、"芸術的"という言葉で表すことは容易だが、それだけでは表
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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.2

自分の中にある"無"を愛そうと思った。


「あなたが何も与えてくれなかったからこそ、私は全てを得ることができた」というような台詞が劇中にあった。
ここまで狂ってはないものの、彼と同じく親子関係が一筋
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