しんどうさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

しんどう

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荒野にて(2017年製作の映画)

4.2

印象的なのは、田舎競馬で見切りをつけられたピートという馬との関係性だろう。彼は決してピートに跨ろうとしない。
乗馬するのではなく、広大で危険な荒野を共に歩む。それだけで、馬と青年が歩む様だけで、こんな
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激突!(1971年製作の映画)

3.8

最高にシンプルで怖くて面白かった。トラックの運転手の追い越せってあの悪意のある手の芝居とか、バックミラーにトラックの顔が迫ってくる画とか凍りつく程怖い。ローアングルから車体を捉えた構図の迫力とスピード>>続きを読む

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

3.7

ウェス・アンダーソンの初期の作品ということで初めて鑑賞。ストーリーはかなり支離滅裂だったりするが、思わずニヤッとするシーン満載で実に楽しい作品だった。印象的な音楽の使い方とかカットの撮り方とか、この頃>>続きを読む

ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

3.9

ラストが衝撃的との評判。確かに恐ろしいが、それほどのショックを受けなかったのは、近年の映像的驚かしに慣れてしまったためか。しかし、だからといってこの作品がつまらない訳ではない。むしろ、淡々とした描写の>>続きを読む

ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

3.7

ジブリ作品の話はどれも心うつものがあり、この作品もそれは勿論ありますが、それよりもルパンの使いどころが見事です。あれだけキャラが確立しているルパンをジブリ風にアレンジして客の心をつかめるのは監督の手腕>>続きを読む

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

4.1

役者陣の鬼気迫る演技が凄まじく、終始圧倒された。なかでも緒形拳と清川虹子のシーンが個人的に堪らない。トラウマに近い強烈な余韻が残る素晴らしい作品でした。

シシリアン・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

2.6

あまり前情報を入れないで観たので想像していた内容と全く違い、躊躇いが大きい。
実話をもとにした寓話なのですが、もっと甘々な話だと思ってました。
観客に解釈を全面的に委ね過ぎな所や、時系列やメタ的手法も
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冒険者たち(1967年製作の映画)

3.5

主人公3人は一緒に冒険をするけれども、その前からそれぞれの道で冒険者だった。
今だったらもっとテンポよく編集されるのだろうけど、シーンの余韻や唐突なカットがとても心地良かったです。

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

3.1

男女の小粋な会話が主として進むけれど、会話の中に危うさを感じた。
どっちに転がるかわからないサイコロをふっているような気分。
さっき見終わったばかりなのに、あんまり記憶に残ってないというか印象をう
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RONIN(1998年製作の映画)

3.3

ハードボイルドな男気溢れる映画。
物語は裏切りに次ぐ裏切りの連続でわかりにくくなっているが、ストイックな”プロ”の世界を感じさせてくれる。
要所要所に出てくるプロフェッショナリズム溢れる男達の行動やピ
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復讐 THE REVENGE 消えない傷痕(1997年製作の映画)

3.6

 前作「運命の訪問者」の続篇ですが、ダークなムードは依然続く中、妻を殺した犯人探しと復讐を続ける元刑事の古紙回収業者・哀川翔が描かれる一方、その哀川となぜか意気投合して何かと哀川の世話を焼きたがるヤク>>続きを読む

復讐 THE REVENGE 運命の訪問者(1997年製作の映画)

4.2

脚本が高橋洋ということだけあって普段の黒沢清映画よりも起承転結がはっきりしていてわかりやすい。
しかし、お得意の妻が拉致されるときにみせる「見せない恐怖」はここでも冴えているし、画面の外から唐突に人
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トゥルー・クライム(1999年製作の映画)

3.0

ストーリーはかなり荒っぽい。イーストウッドが得意としている事実に基づいた話でなく、無理やりにサスペンスを盛り上げようとしているためだろう。こんなに安易に無実の罪を着せられたり、直前で死刑台から引っ張り>>続きを読む

リトル・オデッサ(1994年製作の映画)

4.1

これほど静かに冷たく、淡々と進行していく映画というのも珍しい。
ロシア移民たちの街を題材にしているせいか、他の作品と比べて良い意味での違和感のような物が全体から感じられ、印象深い作品でした。
ティム・
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セブン・サイコパス(2012年製作の映画)

1.5

突然のバイオレンスや残酷シーン。妄想と紙一重の現実。登場人物の意外な行動。話の組み立てや展開次第ではもっと面白くなったのではないか。突飛や行動や、無理やりなユーモア感に乗れなかった。

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

2.1

物語にほんのりとした可笑し味をもたらす赤ジャケのフロントマンとベルボーイのコンビが絶妙で、哀感漂うメンフィスのうらびれた都市風景とともに、各挿話を繋ぐビジュアルアクセントとして効いていた。

グリーンバーグ/ベン・スティラー 人生は最悪だ!(2010年製作の映画)

2.0

監督お得意の「え? それで終わり?」系の映画ではあるが、この突き離し感が妙な余韻となって引っかかる。抑えた感じのベン・スティラーも悪くない。

アメリカン・ピーチパイ(2006年製作の映画)

2.4

ヒロインの女の子がとってもキュートでかわいい青春ムービー。

双子の弟に化けて、弟の学校のサッカーチームに入団という設定が設定だけに、かなり厳しい部分も多々あるんですが、恋愛要素も絡めてよくまとめたな
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ドラフト・デイ(2014年製作の映画)

4.0

ケビン・コスナー狙いで観たけど思いもかけぬ拾い物。NFLのドラフトデイにおける心理戦と頭脳戦を通して米国人のアメフト愛とGMの苦悩がよく分かる。逆転劇と爽快感がいかにもアメリカ的な映画。

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

3.3

映画愛にあふれている。あまりウディアレン色は出さずにラブロマンスに徹した印象。ラストが素晴らしい。

ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

3.9

三人の関係がなんだか気持ち良い。それほどの悪党というわけでもなくどこか人のいい彼らを見ていると少しホッとできる。こんな人生も悪くはない。

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.5

同じ時刻のLA、NY、パリ、ローマ、ヘルシンキのタクシー内で起こる出来事を描いた、洒落た短編小説集といった趣きの作品。好みなのはNYのエピソード。東ドイツから来た運転手とブルックリンまでの乗客とのボケ>>続きを読む

この愛のために撃て(2010年製作の映画)

3.2

フランス映画のサスペンスものはほとんど観たことがなかったけれど、アメリカともアジアとも日本ともヨーロッパのほかの国とも全く違う雰囲気。言葉の響きのせいか、テンポのせいか、雰囲気のせいかどこか違う。どこ>>続きを読む

キツツキと雨(2011年製作の映画)

3.4

ゾンビ映画の撮影を通して、気弱な新人監督と木こりの男に友情が芽生える。自信を失いかけた監督とは対照的に、映画づくりに夢中になっていく木こり。特別な教訓や感動は残さないのだけど、笑って笑って明日への元気>>続きを読む

イゴールの約束(1996年製作の映画)

2.8

イゴールがアシタに告げる瞬間が、何とも辛くせつない。でも、告げた瞬間にイゴールが一回り大きくなったことで少しホッする。

息子のまなざし(2002年製作の映画)

3.7

主人公の男性の目線の高さからの固定されていないカメラワークが良くも悪くも気になる。彼と少年の距離感がとても重要な作品ですが、気になるカメラワークでその距離感がうまく出せている。

ギャラクシー・クエスト(1999年製作の映画)

3.9

TVドラマで役を演じていた人間が、本当の宇宙戦争に担ぎ出されてしまうという設定が面白い。彼らは戦闘のプロではなく、演技者としてのプロ。それなのに宇宙船を乗り回して戦おうという無茶な展開が実に爽快で楽し>>続きを読む

50/50 フィフティ・フィフティ(2011年製作の映画)

3.1

死と面と向かうことで、気づくこと、失うもの、自分に必要なものを気持ち良く見せてくれる作品。きれいごとでもいたずらに悲惨でもなく、等身大の闘病がグッとくる。

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013年製作の映画)

3.4

古き良き時代のフォークソングと、閉塞感の物語。
あまりに辛くてどうしようかと思いましたが、終わってみれば不思議な心地よさがありました。

プールサイド・デイズ(2013年製作の映画)

4.5

この映画は日本人で共感できる人は多いのではないかと思います。共感できるが故に自身と重ね合わせて観れることもできて、楽しめる1本です。

わたしに会うまでの1600キロ(2014年製作の映画)

3.6

荷物を持てなかったシェリルが、1000マイルを走破できるのか。
その先に何が待っているのか。
旅をしている苦しみが、過去の過ちを清算しているかのようでした。

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.9

妻の突然の死に何も感じない夫デイヴィス。それからの彼の行動は周囲の人々にとっては悲しみからだけではない異様なものに映ってしまう。でも、こういう喪失感も確かにあり得るのではと思えた。

his(2020年製作の映画)

3.6

LGBTの人達とそうでない人達がどのように共生するかという問題を正面から考えようとしている点において、好感を持ちました。

ケス(1969年製作の映画)

3.6

精彩の無い日常生活の中で、唯一の希望を見出した少年に容赦なく降りかかる厳しい現実をストレートに描いています。
日ごろは冴えない感じのビリー少年が、ケスを訓練する時に見せる精悍な顔構えや授業で飼育方法を
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デイアンドナイト(2019年製作の映画)

3.6

小規模作ながらキャストが充実しており、海辺に並ぶ巨大な風力発電装置や裏稼業に絡むカーチェイス場面などドローンを駆使した撮影が素晴らしいです。
特にラスト・ショットは絶品。昼と夜(正と悪)との行動の対照
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斬、(2018年製作の映画)

4.0

確かに、今までの時代劇や侍映画は、皆、人を斬ることに何の迷いがないことが前提になっています。
中には人を斬ることを躊躇してしまう侍がいたとしてもおかしくない、と考えることは面白い。