ShoIkomaさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ゴースト・エージェント/R.I.P.D.(2013年製作の映画)

3.4

 またしてもレイノルズ映画を。安定して面白い。

 テンポが良く、それが故に割と早めに核心を追う展開になってしまうので、もっと“野良の悪霊”を狩るシーンを見たかった。ライアン演じる主人公が生前いい刑事
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街の上で(2019年製作の映画)

3.6

 邦画を頑張って観てみようと思い、現代邦画のど真ん中にいるのであろう今泉力哉監督の作品を選んだ。結果、その価値は分かったし、面白さも感じたが、同時に邦画ならではの難しさも味わった。

 海外映画にも似
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クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

3.6

 スリリングだった。この映画が公開された時より、さらにそのスリリングさが現実味を持つことになってしまうとは。

 劇中で流れる重厚な音楽、クラシックバレエのシーンなど、東欧の文化はやはり美しい。そこに
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アダム&アダム(2022年製作の映画)

3.9

 これは自分の父親にも観てもらいたい映画だな。『スター・ウォーズ』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいな往年の超名作の雰囲気をまといながらめちゃくちゃアップデートされている作品だ。

 脂の乗っ
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ビフォア・アイ・フォール(2017年製作の映画)

3.4

 序盤はやはり『ハッピー・デス・デイ』や『パーム・スプリングス』と比べてしまって盛り上がりに欠ける印象だった。でもこの映画の伝えたい本質が明かされてからは、全体に漂うトーンにも納得した。

 その本質
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.0

 これ、本当にすごい。僕にとってエポックメイキングな作品になった。ここ数年で、劇場で観なかったことを後悔した映画ベスト3に入る。

 邦画はどうにも苦手で、いわゆる「予告編で必ず叫ぶシーンがある」など
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ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

3.7

『ジョン・ウィック』や『キングスマン』のようだった。アクションの見応えが凄まじい。

「ファーム」と呼ばれる組織と主人公たちの関係が、そのまま実社会のジェンダーの問題を反映しているように思えた。主人公
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ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.8

 何気なく観始めたこのシリーズだったけど、レベルの高さに驚いた。2作目にして「またこの世界観が観られて嬉しい」と感じたし、観終わるのが寂しくなった。

 序盤はとにかく笑えるシーンが満載だ。“文化系男
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ヒットマンズ・ボディガード(2017年製作の映画)

3.7

「上手すぎる」映画だなと感じた。間違いなく面白い。それが故に「物足りなさがないという物足りなさ」を感じた。

 まずプロットというか脚本がとてつもなくしっかりしている。芯が通ったストーリーライン、俳優
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ゾンビランド(2009年製作の映画)

3.5

 愉快な作品で、心を無にして楽しめる。でも、同系統の作品とは違い、少しだけ切なさが残るのはなぜだろう。

 ジェシー・アイゼンバーグもウディ・ハレルソンもハマり役だ。コメディだけどふざけ過ぎたり意味不
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.7

 去年『オリエント急行』を観たとき、「続編が今年公開だから観ないと」と書いたけど、そこから公開延期となりだいぶ待たされた。

 冒頭のシーン、近年の映画は虚構のシリーズに史実を混ぜてリアリティを出すの
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オールド(2021年製作の映画)

3.6

 思っていたより大作然とした映画だった。観終わったあとの満足感が高い作品だ。

 やっぱり「時間」をテーマにした作品は良作が多い。映画というフォーマット自体に相性がいいのだろう。この映画は、時間が人の
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さよなら、僕のマンハッタン(2017年製作の映画)

3.2

 鑑賞中、近い雰囲気の映画を観たことがある気がすると思っていたが、思い出した。『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』だ。ニューヨークの街、そこで暮らす若者、抱える悩みなど、共通項が多くあった。

 この
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明日への地図を探して(2020年製作の映画)

3.7

 原題の“The map of tiny perfect things”が、内容を観て感じる愛おしさにマッチしている。小さくて美しい映画だ。

 みんな大好き「ループもの」であり、そのなかでも定番の恋
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少女邂逅(2017年製作の映画)

3.8

 自分の理解が及んでいるとは到底思えない。でも、観たままを記憶に焼き付けないといけないと強く感じた。

 最初は、社会に蔓延る「少女崇拝」に乗っかった作品のひとつかに思えた。女子高生という存在を過度に
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クリミナル(2004年製作の映画)

3.1

「おもしろい」とか「驚いた」というより、「なるほど」という一言が合う映画。
小さな違和感が積み重なって、最後に「これがやりたかったのかー」という感じ。
クライマックスからラストシーンに続く、主人公がひ
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.8

 この映画に共感できる感性を失いつつあることを自覚して哀しくなった。

 イーニドの気持ちや行動は、すぐには反応できず途惑わされる部分も多かった。でも、かけらは残っていた。彼女を観ていて、次々と記憶が
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.7

 もっと早く観るべきだった。どうしても、ギャスパー・ウリエルの表情に見入ってしまう。

 もちろん、彼が主演だし、彼の魅力を中心に据えた作品であることは間違いない。だだ、亡くなってしまった今となっては
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.8

 久しぶりにパンフレットを買った映画になった。

 ウェス・アンダーソンのカルチャーへの愛、それにまつわる人々への愛が詰まっていた。『ニューヨーカー』という雑誌がモチーフらしい。それについてもっと予習
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アナと世界の終わり(2017年製作の映画)

3.2

 クリスマスに観ればよかった。あの刹那的な雰囲気で観るのにぴったりだ。

 初期衝動的なパワーが溢れていた。Y2Kムーブメントに通ずる、ポップパンクのような力強さを感じた。ゾンビ映画のオキマリもありつ
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サスペリア(2018年製作の映画)

3.7

 なにこれ。怖すぎない?

 リメイク元と違い、ダンスのジャンルがクラシックバレエからコンテンポラリーバレエ(モダンダンス)になっている。映画全体もそれに応じて、型破りで前衛的、インプロビゼーションの
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サスペリア(1977年製作の映画)

3.1

 とても鮮烈な画作り。建物などの美術、ライティング、特撮が凝っていて、後世に大きな影響を与えたことがすぐわかる。最近僕が観たものだと、『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』が「“っぽい”な」と感じた。>>続きを読む

激突!(1971年製作の映画)

3.7

 開始1時間で「このあとどう保たせるんだろう」と思ったが、最後までハラハラしっぱなしだった。目的地がずいぶん遠く感じた。

 冒頭のラジオから流れるニート男の悩み話、何か示唆が含まれているのだろうか?
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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

3.4

「日曜日がまだ終わってほしくない」という気持ちにぴったりな映画だ。

 ご都合主義だし、ステレオタイプだし、登場人物全員気の毒なのだけど、なんだかんだ“映画らしい映画”と言えるかもしれない。僕にとって
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.8

 現代でガイ・リッチー監督とジェイソン・ステイサムが組むとこうなるのか。ちなみに前回のタッグは2005年の『リボルバー』で、ステイサムにはまだ髪の毛があった。

 ステイサム映画はステイサムのアクショ
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ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

3.6

 これは面白い。自分がいかに“ハリウッド的”な展開や演出に慣れ切ってしまっているか認識させられた。

 観進めていく中で、「このあとこうなるのかな?」と思わされる展開がいくつかある。冒頭では自転車をキ
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.6

 ノンフィクション作品には予習した方がいいものと予備知識ゼロの方がいいものがあると思うけど、今回は予習した方が良かったかもしれない。

 パトリツィア(レディ・ガガ)とマウリツィオ(アダム・ドライバー
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アンキャニー・不気味の谷(2019年製作の映画)

2.9

 ジャケットの印象よりはまとまったストーリーだった。

 展開自体は予想通り。「こういう方向で騙したいんだろうな」という設定やキャラデザが随所にあった。キャラクター同士の会話に多少無理があるように思え
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.2

 冒頭で「実話に基づく」とのメッセージが表示され素直に信じたのだが、これは演出で実際には完全フィクションなのだとか。まじか。

 観ている最中はノンフィクションだと思っていたので、脈絡のなさやチグハグ
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プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵(2020年製作の映画)

3.6

 今までに観た脱獄もののなかでは、ハラハラ感が一番強かったかもしれない。

 信念はあっても強くはない主人公が、賢さと技巧で脱出を成し遂げる。看守たちの理不尽さに太刀打ちできる“力”がないからこそ、す
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ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

3.6

 観ることを長期間あと回しにしてしまっていた。シャマラン作品は好きだからこそガッカリさせられることも多いので、ちょっと腰が重くなってしまう。

 この作品は好意的に受け止めている。シリーズ作『アンブレ
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ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

3.5

 今年、2022年を舞台にしたSF映画。製作されたのは1970年代の初頭だ。50年前のクリエイターが発したエマージェンシーを、今の自分がどう受け取るのか。自分自身を試すような気持ちで鑑賞した。

 大
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6アンダーグラウンド(2019年製作の映画)

2.8

 もしかしたら僕はマイケル・ベイが苦手なのかも。『トランスフォーマー』もあまり好きになれないし。

 とにかく映像技術とアクションの凄さで観せるタイプの作品だ。素直に格好良いと思うけど、それで2時間は
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.4

 物語は最低限の説明でサクサク進む。テンポ○だが、説明不足に感じる部分も。が、作品全体としては渋さ、かっこよさ、ファニーさ、心踊るギミックもあって楽しめた。

「自分の身の上話を聞かせた相手が話の途中
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.6

 映画としては良かった。『キングスマン』としては、すこし物足りなさもあったかな。

 ストーリーは史実に絡み、第一次世界大戦に関連する人物や事件が多数登場する。そこにマシュー・ヴォーンらしい脚色が大胆
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