カレクックさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

カレクック

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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圧倒された。「支配ー被支配」という構造を打ち壊すのは混じり気の無い正直さである、というシンプルなメッセージを伝えるために、ここまで完璧なストーリー・テリングと映像表現を必要とするものなのか、と呆気に取>>続きを読む

誘惑のアフロディーテ(1995年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

リンダもアマンダもどちらもアフロディーテだっちゅうことだわな。ギリシャ悲劇をネタにしながら誰も不幸にさせないウディ、最高。

ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画(2013年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

予定と違うが行けるだろうと高を括ると破滅を招く、少しでも不安なら引き返すべし、という実用的な教訓を得られた。
脚本に他者が加わっているためか、他のライカート作品よりも行間が詰まっている気がしたが、やは
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

危うく可憐な、アバズレの姿をした妖精の物語。どこまでも堕落してゆく中で神がワンダを天に召さなかったのは、罰を与えたのではなく希望を託したのだ。ジタバタして生きる輝きをとらえた生命賛歌。

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

力士が相撲部屋を舞台に作ったような映画、といえばいいのか、そんな特殊で普遍化しがたい日常を、一匹の鳩が我々に共有させてくれる。西部開拓時代が舞台の『ファースト・カウ』としっかり地続きの、友情ものの傑作>>続きを読む

東京画(1985年製作の映画)

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監督の詩のようなモノローグが良かった。それなかりせば、ETVスペシャルと間違えたかも。

スターダスト・メモリー(1980年製作の映画)

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多分何か(8 1/2とか?)のパロディなんだろうけど、このみなぎるエネルギーはどうだ。世間の称賛も罵声も憧憬も嫉妬も、全てまとめて吸い取ってパワーに変えて投げ返す。誰が観たって精神状態を心配したくなる>>続きを読む

ギター弾きの恋(1999年製作の映画)

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ウディの作品を観ていつも思うのは、好きなものだけを妥協なく詰め込めば必然的に傑作が生まれるということ。

アニー・ホール(1977年製作の映画)

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久しぶりに観て、自分がどういう映画が好きなのかがはっきりわかった。観ながらずっとPTAのことを考えていた。

浮浪雲(1982年製作の映画)

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ジョージ秋山原作、大和屋竺脚本、山城新伍主演、という「ノアール」な布陣で製作されているが、一概に大人向けとも言い切れない、アニメだからと子供が間違って観ることを狙って作られたような、「子供は大人の父」>>続きを読む

風の歌を聴け(1981年製作の映画)

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大学時代の映画の授業の先生が大森一樹さんだった。その時はゴジラの監督という認識だったが、しばらくしてこの『風の歌を聴け』を初めて観たときは、なんだこれはと悪い意味で震えた。村上春樹の原作に愛着が強すぎ>>続きを読む

キッドナップ・ブルース(1982年製作の映画)

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まるで知らなかった。浅井慎平の脚本・監督によるこの作品、ATG系というくくりになるのかはその辺に明るくないので分からないが、約90分間一瞬たりとも気の抜けたカット、意味の無い映像が流れず、主演のタモリ>>続きを読む

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

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英国を舞台にしながらも監督節全開。ジャン=ピエール・レオも目を見開いて完全にアキ映画の住人になっている。
いつもながら挿入歌が最高なのだが、とりわけジョー・ストラマーのソロ楽曲がゴキゲンで、ギターとコ
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結婚のすべて(1958年製作の映画)

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デビュー作にして傑作。破天荒さが抑えられているからこそ、余計に映画作りの上手さと、粋で鯔背で洒脱なセンスが引き立ってる気がする。オープニングから掴まれたが、エンディングはさらに完璧。

江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)

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これで何度目かの鑑賞。原作は自分にとって生涯ベスト級の小説で、よくぞこれを映像化したものだと感嘆する出来栄え、なのだけど、観るたびにその感動が減じるのはどういうわけか。筋を知っているから、というのはこ>>続きを読む

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

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思いが溢れすぎて息苦しいほど。
家族が集まる時に否応なしに漂う居心地の悪さが、美しく甘美的とも言える映像と両立してしまう矛盾に驚かされるが、それこそがノスタルジーの仕組みそのものなのかもしれない。
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喜劇 とんかつ一代(1963年製作の映画)

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名曲「とんかつの唄」(ソギー・チェリオス版で知ったが、森繁のオリジナルには敵わない)の録音版ではなく映画版を聴きたくてアマプラレンタルで再鑑賞したが、ファーストシーンの豚供養からずっと(断続的でなく)>>続きを読む

パラード(1974年製作の映画)

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まさに創作をテーマにした映画で、緻密な計算のもと偶然性をも我が手に収めたいという作家的衝動がサーカスという設定の中に結晶化している、と思う。

女は女である(1961年製作の映画)

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やりたい放題の天才の頭の中。
日常解体とエンタメが均衡を保つのはラブコメやミュージカルなのだろう。これがそのどちらとも思わないけども。
ちなみに、大きな読書灯を抱えて部屋を移動するのはフランスの当時の
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

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くそして人生は続く、と星野源は言った。
誰もが人生1回目、人生のマウントをとろうともがきながら人生に引き摺られる、哀しくてやがておかしきビギナーたち。
予想はことごとく空振り、伏線かと思えど回収もなく
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俺たちホームズ&ワトソン(2018年製作の映画)

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安易に傑作扱いばかりしていいのか知らないが、『ゲット・ハード』コンビにジョン・C・ライリーまで出演しているのだから、これがスコア3を切るなんてどうかしてる(どうだっていいけども)。10代で出会っていた>>続きを読む

アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!(2010年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

最高。ギャグもキレキレだけど、バディものとしても成長譚としても社会派作品としても、まさに肉汁滴るクオリティ。ゴルフの打ちっぱなし場でヘリが撃ち落とされるシーンは映画史上に燦然と輝く。あとやっぱりあのジ>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

バリー・キオガン(コーガン?)の演技はもちろん圧倒的だし(岡田准一のごとくムキムキなのが不気味さを過剰化している)、映像・内容ともに優れているとは思うが、最後の種明かし的展開は個人的には蛇足だった。

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

世評よりずっとわかりやすくて、いわゆる眼福のウェス映画としてだけでなく、感動作とも言える逸品だった。戦場カメラマンの夫とその妻が対話する場面は、(設定は複雑だが)自分でも意外なほど胸が締め付けられた。>>続きを読む