しゅんさんの映画レビュー・感想・評価 - 44ページ目

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(1966年製作の映画)

-

悪党が大金を取り合うだけのくだらない話で人の貴重な3時間を奪う傲慢さ!だがたまらなくおもしろいから許すしかない!顔面ドアップや荒野の雰囲気や決闘のカットアップのことを考えると劇場で観たほうが圧倒的に楽>>続きを読む

稲妻(1952年製作の映画)

-

父親がそれぞれ違う三姉妹一兄弟。それぞれが金と恋でにっちもさっちもいかなくなってるなかで末娘の清子(高峰秀子)だけは高潔さの中で生きようとしている。

血のつながった人間たちが金で争うって構図といい配
>>続きを読む

阿賀の記憶(2004年製作の映画)

-

物語として整理されていた『阿賀に生きる』に比べ、こちらはとっちらかったままぶつかってくる。監督がこの後数年で自殺するという事実に引っ張られているのかもしれないけど、どうにも悲痛なものを感じてしまった。>>続きを読む

阿賀に生きる(1992年製作の映画)

-

ずっと観たくて観れてなかったやつ。一時間半かけて横浜シネマリンまで行きました。山田太一のトークも聞けるということだし。

新潟と福島の県境、阿賀野川沿岸に生きる人々。彼らは普通の人たちだ。新潟水俣病の
>>続きを読む

父子草(1967年製作の映画)

-

人情物オブ人情物でした。渥美清演じる嫌なオヤジがだんだんいい奴に見えてくるのって不思議。「踏切が喜んでりゃあ」がいいセリフ。
学生役の石立鉄男が友達に似ててなんか好きになってしまった、というどうでもよ
>>続きを読む

ブワナ・トシの歌(1965年製作の映画)

-

渥美清のウルルン滞在記!オールアフリカロケなの凄い。一番の友人になるハミシの顔と歌、よかったな。
フィルムの劣化で画質が赤くなっちゃっててアフリカの自然が伝わってこないんだけどその劣化感にグッとくる。

花つみ日記(1939年製作の映画)

-

なんというか・・・観てはいけない物を観てしまったような、それこそ花をつんでしまったようなそわそわ感。まだ幼い女学生同士の疑似恋愛を描いているだけなのに何故こんな艶かしいのか・・・。いきなり食べかけのざ>>続きを読む

高慢と偏見とゾンビ(2016年製作の映画)

-

これは…すごくいいじゃないか!!
雑なB級を覚悟して観たら完成度相当高い。元々のオースティンの『高慢と偏見』が大好きなので、しっかり古典の良い味を残しているのが嬉しい。ゾンビ要素が全く邪魔になっておら
>>続きを読む

チリの闘い(1978年製作の映画)

-

とにかく労働者たちが饒舌だ。カメラの前で躊躇うこともなく喋りまくる。この迸る熱を捉えた映画。アジェンデの演説の上手さも、デモ行進の力強さも凄まじい物がある。
と同時に驚いたのは右派の熱量もかなりのもの
>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

あ、あまりにドストエフスキーすぎないか!?「主人公の男は胃がんにかかっている。男はまだそのことを知らない」みたいな冒頭ナレーションの説明過多とか、歓楽街巡りの展開とか、葬式なのにみんな喋りまくるとか、>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

-

展開の妙にやられました。「おぉそうくるかぁ」って感じ。
東京、千葉、沖縄、3つの場所で起きるドラマを同時進行で見せていくのだけど、特に東京編は妻夫木君演じる同性愛者の会社員の抱える想いを随所で細かく表
>>続きを読む

娘・妻・母(1960年製作の映画)

-

成瀬巳喜男の映画は結構騒がしいんだな。登場人物も多く、加えてみなさん饒舌なのでありました。家族の人数の多さはノスタルジアを喚起させる。今では母と子ども5人とその配偶者、孫も加えた大家族自体が珍しいもん>>続きを読む

レッドタートル ある島の物語(2016年製作の映画)

4.5

2回目 2月6日 早稲田松竹
虫のように蠢く海や森から感じるのは人間への無慈悲。『ソングオブザシー』の人に馴染む海とは対称的なリアリズムが映像を支配する。カメの前足が長く、まるで手のように動くのが唯一
>>続きを読む

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

3.8

ポーリーヌの重たいボブはとても似合っててかわいいけど男の子が同じ髪型してたら完全にオタクだな。性別って不思議。んで、ロメールは性別の不思議についてずっと映画を撮ってる。男は全員気持ち悪くて女は全員めん>>続きを読む

満月の夜(1984年製作の映画)

-

パスカル・オジェはかわいくていい声してる。そんなに美人とは感じないんだけど焦点の定まらない目が強いよ。『北の橋』観たくなってきた。
服装と髪型が最高だったのでそこにばっか目がいきました。絵本書いてるお
>>続きを読む

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

-

リアリティに感嘆するというか「こんな映像どうやって撮ったんだろう!」という気持ちにさせられる。いや、CGとお金を使えば可能なんだろうけど、それだけでは解決できないリアルさがある気がするんだよな。アメリ>>続きを読む

クレールの膝(1970年製作の映画)

-

いやぁ!気持ち悪い!ヒゲ男ジェロームが気持ち悪いのに自分にもこういうとこある気がして余計に気持ち悪い。そんな話です。『クレールの膝』なのにクレールがしばらく全然出てこないのがいい。そして膝がほんとにき>>続きを読む

プラットホーム(2000年製作の映画)

-

男の子の無鉄砲なカッコ悪さがいい。酔っ払って歌うジンギスカンの切なさよ。
ロングショットの固定カメラでずっと撮ってる。その分途中からカメラが少し平行移動するだけで「おっ」て感じる。列車を走って追いかけ
>>続きを読む

山河ノスタルジア(2015年製作の映画)

3.8

二回目 9/25 早稲田松竹
やたら連発される花火やダイナマイトの印象が強い。ジャ・ジャンクーの火薬はなんだか切ないな。
緊張した会話のときに一人だけをアップで映して他の人物を映さない手法が好きです。
>>続きを読む

第三世代(1979年製作の映画)

-

冒頭のパルス音と点滅する緑の文字のシンクロがイカす。

目的を持たない愉快犯テロリストの男女たちを群像的に描いているが、いたるところで露悪的なユーモアが炸裂している。かなり笑える。
六章立てになってる
>>続きを読む

アリス(1988年製作の映画)

3.0

アリスとヤンさんってこれ以上ないほどの組み合わせで、案の定原作のグロテスクさを見事に引き出してくれる。これといった驚きはないけど、大のおとながお遊びを真面目に貫き通している感じが潔いです。

釘とか虫
>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

-

先行上映と舞台挨拶。
作品内で8年の月日が経過した後、筒井真理子さん演じる章江の狂気がすさまじいことになってると思ってたら、三週間で13kg増量したとのこと。役者としては当然のことをしたまで、という意
>>続きを読む

セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

-

『彼女たちの舞台』観た時も思ったけど、リヴェットの衣装に対する色彩感覚はほんとに最高だな。冒頭、茶色のワンピース姿のジュリーが真っ赤なマギの書を読んでいる。この時の茶と赤の合わせ方だけで拍手を送りたく>>続きを読む

女であること(1958年製作の映画)

-

常時優雅な原節子が元恋人に再会してたじろぐときの顔がまさに顔面蒼白(白黒だけど)、表情の変化ぶりが強烈だった。まるで少女マンガのショック顔みたいだなと思ったけど、もしかしたら原節子の演技を漫画家がトレ>>続きを読む

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)

-

前評判でひどいと聞いてたけど…なるほど!とにかくシナリオがガタガタ、メインの敵と戦う話とジョーカーとクインを巡るサブストーリーの食い合わせが悪すぎて至る所で破綻が生じてる。スクワッドたちの悪さも中途半>>続きを読む

婚約者たち(1963年製作の映画)

-

工場から大量の火花が落ち込むところと祭りで人形が燃え落ちるところ、この二つの火のシーンが強烈に頭に残る。あと泥だらけの道の水たまりを跳ねつけながら救急車が工場にやってくるシーン。カタストロフィの予感が>>続きを読む

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)

-

意味の重なりで強くなってく感じ、まるでフリースタイルダンジョンみたいだったな。あと。松岡茉優がやっぱり好き。
ダサく見せるための記号がシャツインルックで、そこはモヤッとしました。

ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

-

広瀬すずの舌ったらず、すごくいい。

机くんはフレッドペリーのポロシャツを着てるただのイケメンだった。

定職/就職(1961年製作の映画)

-

ヒロインの女の子がめちゃくそかわいいと思ってたらオルミの奥さんなのかよ!この作品のためにスカウトして、惚れちゃって結婚。映画出演作はこれ1本のみ。なんてこった!

ルーリードを極度に臆病にしたような幼
>>続きを読む

緑はよみがえる(2014年製作の映画)

-

オルミの実質的デビュー作『時は止まりぬ』を彷彿とさせる吹雪の激しい雪山。そこは第一次大戦の戦場の最前線であり、過酷な環境と戦いの不毛さに兵士たちは意気喪失しているのだが、彼らを内部から食い破る激しい虚>>続きを読む

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

3.2

2回目 9/10 下高井戸シネマ
一回目は観終わったあとに清々しさを感じたのに、二回目で残ったのはおぞましさに近い何かだったので、ほんとに観た時の状態とかで作品の印象ってかわるんだなって。もちろん作品
>>続きを読む

キャロル(2015年製作の映画)

4.0

二度目 9/9ギンレイホール
冒頭に映される抽象的なパターンは何なのかと思ったらなんと排水溝のフタの模様で、そこからカメラが上昇して雨に烟った夜のニューヨークの街角を映す。この始まり方でまずやられた
>>続きを読む

ハートビート(2016年製作の映画)

-

金なしビザなしのジョニーが好きな子を誘う時にはキャンドルと薔薇をたらふく用意していて笑った。笑ったけどいいシーンだった。

君の名は。(2016年製作の映画)

-

RADWIMPSの楽曲が最初から最後まで映画を包んでいるような印象だけど、エンディング曲『なんでもないや』の「時のかくれんぼ はぐれっこは もういやなんだ」と歌ってる部分がすごい。この曲はCadd9→>>続きを読む

イタリア旅行(1953年製作の映画)

-

リアルなメロドラマってところがヌーヴェルヴァーグの人たちに突き刺さったのかな。疲弊しきった中年夫婦のイタリア旅行顛末記。決して幸福なラストではない。だけど素敵な話だ。というか、車がパレードの群衆に取り>>続きを読む

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

-

ようやく初鑑賞。

2019Neo Tokyoの煮詰まった混乱にしょっぱなからドキドキした。
大友の没個性なネーミングセンスが個性的ですごく好きです。金田とかタカシとかアキラとかありがちな名前を重要な
>>続きを読む