しゅんさんの映画レビュー・感想・評価 - 46ページ目

太陽(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

持たざるもののヒリヒリ感が強烈に伝わってくる。他者から生活を脅かされることへの怒りと、自責の念から来る苛立ちとのせめぎ合いが音を立てるように響いてくる。
そうした主題が大きなインパクトを持っているだけ
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アタラント号(1934年製作の映画)

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映画史に残る伝説の一本ということで重厚な内容を想像していたんだけど、かなり笑える映画だった。ミシェル・シモン演じるジュールおじさんと猫たちの戯れが魅力的すぎて、主題であるはずの男女の恋愛劇の色合いがか>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

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1人で生きることを許さない体制側、それに対抗するレジスタンス、どちらも子どもじみた論理を振り回していて、それがとても恐い。
レア・セドゥ演じるレジスタンスのリーダーが、仕事も恋愛もうまくいってる姿を偽
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

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燃えながら回転する車イスが一番頭に残ってる。あとナタリア・マルコ・クロが円になって踊るのを下から覗き込むように撮ったシーン。
冒頭、ロマ楽団のやぶれかぶれの疾走。楽しいのに不吉な感じがすべてを物語って
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

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木々の圧倒的な物体感。蠢く水の中で聳り立つ木にも、吹きすさぶ雪の中で倒れ行く木にも、迫りくるような「モノ感」がある。

この「モノ」から伝わってくるメッセージは、生きてようが死んでようが木も水も動物も
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ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

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スーツに白のデッキシューズの足元が映し出さた時点ですでに高まる。カセットデッキに録音したチープなリズムトラックに合わせてデヴィッド・バーンがPsycho Killerを弾き語り。曲の後半、突然リズムが>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

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登場人物全員に自分自身の弱さや愚かさを投影してしまう。ひたすらに生きることの恥ずかしさと向き合うような、そんな恥辱に満ちた幸福な時間を味わった。
カメラの目の前に役者たちが立って観客と直接コミュニケー
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スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

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よくできた凡庸な映画。あぶ刑事より脚本しっかりしてたんだろうなっていうくらいの感想しか残らない。カイロ・レンの俳優がピートタウンゼントに似てて、いい感じのコンプレックス出してたところが一番好きです。

東京物語(1953年製作の映画)

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原節子の平行に流していく団扇の扇ぎ方(本当にすごく平行な感じ!)が素敵だなと思った直後のシーンで山村聰と杉村春子が団扇を縦に仰いでいたとことか、自室で座り佇む笠智衆を横から映すカットが反対側に切り替わ>>続きを読む

さらば あぶない刑事(2016年製作の映画)

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ぼくにとってあぶない刑事はベンジーにとっての『小さな恋のメロディ』みたいなものです。友情という概念はタカ&ユージで覚えました。
思い入れのない人は見なくていいと思いますが、吉川晃司が敵役で最高です。あ
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ストレイト・アウタ・コンプトン(2015年製作の映画)

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立川シネマツーの爆音上映で。
不思議なくらい成功のための努力が描かれていなくて、元々ギフトを持つ人間同士が集まって大成功した話になってる。ドクタードレもアイスキューブもイージーEも登場した時点ですでに
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シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

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市井の人々のよくある悲喜を彩ること。車の修理屋の前を通る通行人や犬にもなんらかのストーリーを感じさせるものがある。
それにしても、雨傘屋の母娘の貧困と裕福の間の感じ、中流・ブルジョアというわけではなく
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イット・フォローズ(2014年製作の映画)

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青春はホラーだ!ということだと思います。青春は終わってもホラーは終わらない。いや、青春も終わらないのか。
it(それ)のヴァリエーションが好き。ポールの権力のないプーチンって感じの顔も好き。
舞台がデ
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神様なんかくそくらえ(2014年製作の映画)

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ハーリーの鋭さに対するイリヤの鈍さ。空気をナイフで切り裂こうとするような二人の愛の虚しさ。ilyaはil y a、フランス語で「〜がある」の意味で英語の「there is」にあたる。その名付けがイリヤ>>続きを読む

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