ホークスが親交のあったヘミングウェイに脚本を書くよう勧めたが、彼が乗り気ではなかったために「じゃあ君の一番つまらない小説を映画にするよ」ということで決まった映画。とはいえ原作から借りられているのは名>>続きを読む
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映画としては凡庸極まりないので、この映画の主題について若干考察を試みたい。
ソフォクレスによる悲劇「アンティゴネー」は、王であるクレオンの命令に背いて、兄ポリュネイケスの遺体を埋葬し、それによって>>続きを読む
かつてマックス・ヴェーバーが、そしてそれをうけた大塚久雄が述べたのと同じような意味で、現代版「ロビンソン・クルーソー」はアメリカにおいて求められる理想的人物像を体現している。日本で同じ題材で撮ったと>>続きを読む
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110階建て、地上417メートル、双子のワールド・トレード・センターの両端をむすぶ一本のワイヤーによって「緊張」を、そして弛緩を体現している。
二棟のビルに渡されたワイヤーは、当然のことながら>>続きを読む
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傑作である。冷戦期、1972年のミュンヘン・オリンピック事件を素材にした傑作「ミュンヘン」を撮ったスティーブン・スピルバーグは、本作で1950年代後半から1960年代のソ連と東ドイツを登場させ、戦後>>続きを読む
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正確に平均点、という感じ。
極めて表面的な人間たちが登場するが、それは彼らがペルソナ(仮面)をつけて演じているからに他ならない。その辺りベン・アフレックは適役という感じだが、映画として見せなければ>>続きを読む
いや~面白い。
脚本の巧みさがなければこのようなストーリーは成立しないのであるが、それにもましてカメラワークにも相当気を遣う作品であっただろう。なにしろ全編山というか森なので、景色も大して変わらな>>続きを読む
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「お前ら、おれと一緒に死んでくれ」という映画で、旧日本軍が特攻隊や人間魚雷でやったことと全く同じ構造をとっている。こうしたイデオロギー性は、相手がナチスであれば何をやっても良いという悪しき伝統によっ>>続きを読む
脚本の巧みさに尽きる。しかしカメラはフィックスでいいだろう。予算の都合なのかわからないが、惜しい。またカメラとの関係でいえば、建物を外から撮るショットでの距離感が今一つ決まっていない。近すぎるか遠す>>続きを読む
なぜこの映画が2.0点という極めて低い得点を与えられなければならないのか、以下三点に分けて説明する。
まず第一に、この映画は「2001年宇宙の旅」あるいは「コンタクト」「ほしのこえ」といった似たよ>>続きを読む
暗殺は思想などではない。片岡知恵蔵が演じる井上日召や周りの軍人たちが唱えているのは現状の腐敗とそれに対する改革であるが、その改革の思想は一切語られていない。むしろ井上日召は、「思想」に共感する同志を>>続きを読む
照明の明るさ、カメラのじりじり寄るアプローチの多用、ありきたりの演出、どれをとっても平凡。テレビドラマと同じ(これは是枝監督の作品に共通するが)ようにしか感じられず、映画館で、スクリーンで上映される>>続きを読む
馬映画である。と同時に、人間の物語でもある。
この馬と人間の関係がもっともよく現れているシーンが、交差点でのフューチャーとの再会である。馬であるフューチャーは主人に触られたことでそれに気づき、蹄を>>続きを読む
二回観たが、再見に耐えうる作品ではない。これは先を知っているからというレベルの話ではなく、この映画が矛盾を避けようとかなり神経質に話を整えているからだと思う。タイムトラベルものでは矛盾が起きやすいの>>続きを読む
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長すぎる。裕福だが不幸な家庭に育った思想的に潔癖なエリート青年が自分探しのために大自然へたった一人で出かけ、そして死んだというストーリーになぜこれほどの時間が必要なのか、よくわからない。
こうした>>続きを読む
傑作! 警察とヤクザの関係、特に菅原文太のキャラクターを一瞬でわからせるオープニングが最高。個性としては梅宮辰夫に柔道技で投げられまくる浦さんの哀愁もたまらない。もしかしたら70年代ってのはああいう>>続きを読む
「そんなバカな」
と笑って観ている内に終ってしまう映画なんて素晴らしすぎるに決まっている。いわゆるジェットコースター映画だ。
グスタヴ・Hの人生と同様に、この映画も表層しか存在しない。劇中のホテル>>続きを読む
この物語のテンポとまとまりは原作の良さなのか、脚本の良さなのか、恐らく両方だと思われるが「フランシス・ハ」を観たあとの我々にとっては、後者に傾きたくなるのも自然だろう(脚本はウェス・アンダーソンとノ>>続きを読む
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オープニングでギターを抱えるマキシムの姿とその音色で、すでに田舎のミュージシャンであることを予感させる、などと言ったら言い過ぎだろうか。いずれにせよ、本作は「女っ気なし」で十分に才能を発揮したギョー>>続きを読む
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この映画は、邦画では近年稀に見る悪役を出現させた点で既に賞賛されるべきだ。だがそれと同時に、稀に見る凡庸さを登場させたことにも注目しなければならない。それは社本(吹越)のことだけではなく、実は村田(>>続きを読む
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結局この映画はモテないセカンド童貞、もしかしたら本当の童貞の妄想に過ぎない。だが、だからこそこのストーリーはもっともらしい。妄想とはえてしてそんなものだ。酔っ払って友達を呼んで終電なくして家に泊まっ>>続きを読む