あるバンドの演奏でゆっくり主人公の頑な心待ちが溶解していく。監督は百の言葉よりもある夜の音楽が人をまっさらに変えることを信じていると思った。
ほとんど音と画だけで(特に顔)語り得てしまう監督の手腕に感銘を受ける。
クライマックスでのセリフの畳み掛けは子どもの未来への希求であり最後の教育。ふすま一枚隔てた距離が死者と生者をわける設計。映画監督>>続きを読む
ガッキーと磯村くんが結婚式でなんも交流せずそのあとガッキーのストレスを貯めさせるのは、2人が告白し解放される手順としては真っ当。だが、群像劇のため2人の話は寸断され、2人が向き合い本格的にストーリーが>>続きを読む
どんどん過去に遡る構成でどうしてこんな破綻した人間になってしまったのだろうという謎が明かされるストーリー。いかにひとりの人間が変節してしまうか掘り下げられる。
もとより権威と暴力に親しんでいたわけで>>続きを読む
むちゃくちゃ面白い!
オープニングであの生々しいタッチの絵が出てきたときは鳥肌何度も立った。スパイダーバースの衝撃が更新された。
ストーリーはわずかに、ん?と思う箇所があるものの、お父さんがスーパーフ>>続きを読む
人間の面倒臭さ、人とつきあうことの面倒臭さ、それが反転してむさぼりあうほど心が通じたときの輝きを余すことなく描いていた。1秒先はどうなるかわからない人間たち。唯一無二。
かなりいい映画だったが、後ろのおじさんに席を何度も蹴られたので十分楽しめなかった。上映終了後謝らせたが、怒りが全然おさまらない。お前から謝ってこい。
今年見たすべての映画の中でいちばんストーリーの語りがうまいと思った。
2人がはじめて手を合わせるときは、実写ではできないときめきの爆発が表現されており、好きな人とつながるうれしさがこちらにまで乗り移り>>続きを読む
すごすぎて、劇場を出たあとしばらく気分が悪くなった。
多くの裁判映画は司法という制度の内側にある。そこでは大抵真実が明らかになることがクライマックスになるだろう。
この映画は司法という制度に問いを突き>>続きを読む
つまらなかったと書くと反動的な人と思われる映画だが、そんなに楽しめなかった。
バービーが現実世界に行くと尊敬されておらずショックを受けるとこまではワクワクしたが、その問題は深堀されることなくケンが築い>>続きを読む
どれだけ悲惨でも終わり方の見事さに人間のたくましさを感じさせてくれる。いなくなってしまった人との約束を叶えられる人間でありたいと思う。
ブラウン管を蹴ってぶち割るシーンなど、笑えるところがたくさんあるのに、周囲で笑ってるのは自分一人だった。ひどすぎる、過剰であるのは笑えるという感性が世の中から死滅してるのか。単にツッコミがないと、ここ>>続きを読む