友達の家へ行き、仲間が集まる店へ行き、パーティーをして、恋愛をして、、なんだ、アイスランドの若者だって日本の若者とさほど違わないじゃん、と思ったのも束の間、やっぱり全然違った。
何かつらいことがあれば>>続きを読む
整然と並べられた商品の間を静かに走るフォークリフト。
「夜の時間へようこそ」というアナウンスと共に流されるG線上のアリア。
まるで全てが完全にコントロールされる中で反復されてゆくような、真夜中のスーパ>>続きを読む
文庫で手に入るチェーホフの戯曲をいくつか読んだ時、一番好きだった作品「かもめ」。ラストシーンの静けさがいつまでも心に残った。
そんな静けさがどのように映画で表現されているのか気になったのと、最近観る映>>続きを読む
一回りも二回りも歳の離れた人と屈託無く楽しそうに喋っている若者を見ることがあると、心底尊敬する。自分にはとてもできないから。
マックスが物怖じすることなく大人達の世界に突っ込んでいく様は憧れる。憧れる>>続きを読む
「チェットベイカーの自伝を読んだ者は必ず鬱を発症する」と某ジャズ評論家が発言しているのを読んで震えたのを思い出した。
音楽映画でこれほどの後味最悪映画は滅多にないと思う。
「実在する人物とは関係あり>>続きを読む
ウェス・アンダーソンの音楽愛、特に60〜70年代ロック・パンクへの愛が詰まってて、とにかく選曲が好みだった。
連発される小ネタはどれも粋で笑えるけれど、本筋「家族関係の修復」に関してはちょっと肩透かし>>続きを読む
どこまでも美しいフィレンツェとイギリス片田舎の風景。
その中で自転車を走らせ、テニスをして、ピアノを弾く彼らの姿はもっと美しい。
「美しい自然と人間の心の調和」
とでも言いたくなるようなものが映画全体>>続きを読む
10年ぶりに再度挑戦してみたが、やっぱりいまいちわからなかった。
二人で母親探しに行く中盤、これをずっと観ていたかった。
というか、105分ずっと焚き火でよかった。
自分にとってイランの街の日常の風景へとつながれるただ一つの窓口、アッバス・キアロスタミ。
都市らしくビルが立ち並んでいるかと思うと、車で少し行けば土と埃しかない荒地にたどり着く。
車を停車すればたちま>>続きを読む
「Never Rarely Sometimes Always」
ぼんやりとしたこのタイトルが鑑賞後こんなにも重くのしかかってくるとは。
映画がタイトルに意味を与え、タイトルが映画に意味を与える。
この>>続きを読む
冒頭リンゴがドラムのセッティングが違うことを指摘しながらハイハットの位置を微調整する、その時鳴ったシャンシャンという音に、一気に胸が高鳴る。
「ああ、ビートルズのライブが始まるのだ!本当に!」
ファン>>続きを読む
かつて世界中が愛した誰もが知るポップソング、
つまりどう間違っても今映画で使われることなんてないようなポップソングを、こんなにも見事に映画の重要な一場面で流してしまうグザヴィエ・ドラン。憎い!
「マミ>>続きを読む
マフィアに気に入られた少年の成長物語のはずなのに、
バス運転手のお父さん(デニーロ)がジャズ流しまくってるバスで息子と終点までドライブするシーンが一番心に残っている。
60年代NYが舞台の映画として、>>続きを読む
何が言いたいのかわからなくても、そのわからなさを大事にしようと思える映画は好きだけど、この映画のわからなさは深入りしようと思えないわからなさだ。
この結末に、何を感じればいいのだろう?
中盤までは面>>続きを読む
やだな〜こわいな〜…
と口から漏れ出てしまう相変わらずの緊張感、ダルデンヌ兄弟作品。
普通のゲーム好きだった少年がイスラム教にのめりこみ、指導者からイスラムの敵と教え込まれた学校の先生を殺そうとする。>>続きを読む
「ホモサピエンスの涙」がとても良かったので鑑賞。
わかるようなわからないような。もやもやが残る。
本作も「ホモサピエンスの涙」も、人間の滑稽のショーケースのよう。
「ホモサピエンスの涙」ではそこに歴>>続きを読む
邦画でドビュッシーやサティが流れると、日本の風景や人から音楽が浮いてしまっているのに、無理やりにその音楽の美しさに映画を落とし込もうとしてるようで幻滅することがよくある。「ハッピーアワー」で流れるバッ>>続きを読む
通称ぼくきぼ?まるで深夜アニメにありそうなタイトル。
開始5分で打ち消される、そんな冗談。
どこからどこまでも絶望しか見当たらない、
冷戦下東ドイツにおける若者達の静かに深刻な反抗の物語。
信じ難いこ>>続きを読む
エンドロールが流れ、こんなにも楽しさと寂しさの両方で胸がいっぱいになる映画はなかなかない、と思った。
すべては終わりゆく。始まったからには。
だから、泣くな。この部屋では。
もし実在していたならばフ>>続きを読む
嘘か真か、食品や薬品会社に従事する人が、その内実を知るからこそ、自社製品を絶対に口にしないという話はよく耳にする。
ワイン生産会社に就職したものの、品質の悪いものを悪びれず売り出す会社の実態に直面し>>続きを読む
オタール・イオセリアーニ監督「ここに幸あり」で、小さな部屋の窓の横で女性がピアノ、男性がギターをつつましく弾くシーンがとても好きでいつまでも心に残っている。
住宅地を歩いていてどこからかピアノやギター>>続きを読む
2度目の鑑賞。初見の時とは違い、パターソンの微妙な感情の機微に集中できたので、より楽しめた。
最近よく観ているケリーライカート監督の映画を思い出したが、彼女の映画を初めて見た時にはストレンジャーザン>>続きを読む
何故彼らの音楽をきくのか?
リバティーンズが再びロックの熱狂を世の中に呼び戻した20年前、ニュース番組か何かの取材でこう尋ねられたイギリスの平凡な少女が
「リバティーンズの音楽を聴いている間だけは、自>>続きを読む
原題「You can't take it with you」の意味は、
「あの世には何も持っていけない」
「したくもない仕事をして一生を棒にふるより、好きなことをして楽しく生きよう!」というこの映画>>続きを読む
特にその意味を感じようとしてこなかった、アメイジング・グレイスという言葉。
この言葉の果てしなく深く重い意味が迫ってくる。
1曲終えるごとに会場のボルテージは上がっていき、ついには聖歌隊の男が感極ま>>続きを読む
2度目の鑑賞。結末を知っていても、どうしようもなく泣いてしまう。
デクスターの母親がエリックを見る優しい眼差しには見覚えがあった。
幼少期に病弱だった自分は子供らしく走り回って遊ぶことができなかった>>続きを読む
何か困難を抱えて生まれてきた子供。
あるいは生きていく中で何か問題を起こしてしまった子供。
そんな子供を持った母親が悲嘆にくれるその表情や「自分は何が間違っていたのだろう。あの時ああしていればよかった>>続きを読む
ハロプロに熱狂した男達のあの頃の物語。
アイドルに限らず何かにハマって時も金も全てを注ぎ込む時代を過ごしたことのある人ならば、彼と同じように葛藤する瞬間は必ずあったはず。
「これは逃避なのではないか>>続きを読む
地面に顔を這わせて蟻を一心に見つめるモリの姿に、ドキッとさせられる。
自分は何を知りたくて、こんなにも忙しなく毎日多くのものを見ようとしているのだろう。
多くのものへ気を散らしているのは好奇心ではない>>続きを読む
タワーレコードの誕生〜繁栄〜衰退〜滅亡の歴史。
語られることの多くはタワレコに限った話ではなくレコード業界全体の歴史そのものでもあり、衰退していくレコード市場を救ったものとして、「MTV」そして「マイ>>続きを読む
子供ってこうやって大人になってくんだな。
人がいなくなるということを受け止め、それでも自分は生きていくということの残酷さを学んでいくんだな。
レンコの、大きな炎を見つめる表情や、「おめでとうございます>>続きを読む
4人の女性、3つのシチュエーションで描く彼女達の日常の風景。
ケリー・ライカート監督が描いてきた「日常に横たわる寂しさ」の様なものを、さらに極端に、些細な日常だけを切り取って浮かび上がらせようとした作>>続きを読む
ケリー・ライカート処女作。
彼女の作品の中でも「この場所から、どこへも行くことのできない私」を最もポップに、笑い飛ばす様に、描いた映画だと思う。
ミシェル・ウィリアムズやウィル・オールダム登場以前、本>>続きを読む
アメリカ郊外で発生した子供達を標的とした連続殺人。
その犯人が近所に住む警官なのではないかと疑いを持った子供達が自ら証拠を掴もうと奔走するホラー映画。
映画が始まるやいなや早速映し出される主人公の少年>>続きを読む
そうそう、これこそ自分の好きなイギリス!
例えばビートルズやディケンズの様に、どんなに時を経ても、どんなに自分の心が複雑にねじ曲がってしまっていても、いつでも心にすっと染み込んでくる清澄なもの。このお>>続きを読む