放蕩息子ジェイクの生き方をそのまま音にしたような、転げ落ちてゆくピアノの旋律が印象的。
この映画ではじめてアントン・イェルチンをみたが、ヴィンセント・ギャロのような高くかすれた声がセクシーだな。
映像が良い。
物語よりも、ベッドシーンで肌の上で揺れるカーテンの影とか、描写を楽しむ映画だと思う。
ロックを認めないのはわかるとしても、40年代以降のジャズすらも一切聴かない堅物っぷり。
少年時代に自室で勝手にラジオ放送の電波とばしてたエピソードが最高。
他の人がやったら普通のほっこり映画になりそうなところを、この二人がやると凄みが出る。
主人公カミーユのキャラクターが映える、静謐な映像。
ロケーションの素晴らしさ。
「観察映画」と銘打っているくらいだから、人々の自然な営みが延々と映し出されている。牛窓へ行って数日間ぶらぶら過ごした気分になる。
どこまでもはっきりと、善人は善人、悪人は悪人として描かれ、
正義は必ず報われる。
この時代の映画を観ると「世の中こんなシンプルじゃない!」と突っ込みたくなるけれども、当時の観客はこういった映画に人生の>>続きを読む
本屋にセリーヌの姿がみえたとき、「あれ、、?」と思ったけど、外にでて二人で話出せば、ビフォアサンライズの頃と変わらぬチャーミングな話ぶりで安心。いや、大人になったからこそ、それがすごく魅力的で。
続編>>続きを読む
タイトルにひかれて観たが、「こういう事件があったんですよ」という報道番組程度のものとしてしか受け止められなかった。
映画制作陣と映画の内容の二重構造にする意義がよくわからなかった。映画制作陣の会話シー>>続きを読む
「娘をレイプによって殺された母親が、3枚のビルボードを購入して警察を批判する広告を出す」
1文で説明できる映画は間違いなく面白いのだと思う。
冒頭カフェで大真面目な顔して官能小説を執筆するイザベル・ユペールは最高。あと随所に散りばめられたロックファンを喜ばせるシーン(ポルノビデオのレンタルショップで流れているマイブラやライブハウス入り口に貼>>続きを読む
あの時ああしていたら今頃自分の人生はどうなっていただろう
という問いは誰しも頭に浮かんだことがあるはずだが、その選ばれなかった選択肢も、選ばれた選択肢同様に生きているのだ!
そんな深遠ともいえる哲学的>>続きを読む
ピナ・バウシュのダンスは難解だ。
それは映画の中でも語られるように、ダンス自体がピナとダンサー達との対話によって出来上がっていることが関係している。「様々な感情を経験した」大人のダンサーたちが、ピナと>>続きを読む
二人が出会い会話が始まった冒頭のシーンの時点で、あぁこれはいい映画だなと思った。
臆病だったり、大胆だったり、二人の言動がすごく自然で、愛おしい。
お金など送ってくれないことをわかっていながらもお酒を>>続きを読む
監督の前作「ロブスター」が素晴らしかったので期待して観たが、正直「ロブスター」ほどの面白さは感じられなかった。
「ロブスター」や「籠の中の乙女」にあったユーモア感覚が今作では失くなり、シリアス一辺倒に>>続きを読む
シマウマやキリンを捌いていくシーンは強烈だが、無機質に並べられた動物の頭の剥製をバックにじっとカメラを見据える黒人のカットも印象的。ハンターたちは狩猟が罪でないことを、自分が罪を犯していないことを堂々>>続きを読む