ソウキチさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

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遠い空の向こうに(1999年製作の映画)

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炭鉱の町とロケット

この世の何処よりも狭く深い場所と、何処より見果てぬ景色…
寂れた町からのエスケープと、父子の相克を描くのにこれほど秀逸で映画的な対比のモチーフがあるだろうか

少年の夢は父親や町
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下女(1960年製作の映画)

5.0

パラサイトより怖くて面白い韓国産激辛下克上NTRの傑作!昼メロよろしく魔性のメイドが色香と殺意を使い家ごと主人を寝取るストーリーは珍しくないが、階段・ピアノ・殺鼠剤などセットと小道具を使ったサスペンス>>続きを読む

ソラニン(2010年製作の映画)

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当時サブカルクソ野郎だった私も漏れなく影響を受けた原作。
この度10年寝かせて熟成された頃だろうと映画版を初鑑賞。

台詞・ファッションから音楽まで全てがいい感じに醸されてこっぱずかしくて懐かしくて切
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めし(1951年製作の映画)

5.0

傑作。冒頭の独白と居間での所作ひとつひとつで、結婚5年目の夫婦のギリギリの危うさが伝わり一気に引き込まれる。奔放な姪の滞在をきっかけに狂い出す均衡。綺麗事じゃない清濁併せ呑む夫婦の答。幸福と諦念の天秤>>続きを読む

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

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青春映画には2種類ある。観客が眩しい刹那をモブの視点で拝む作品か、かつて主人公だった私達にもう一度青春を追体験させてくれる作品か。今作は紛れも無い後者。J・ヒルの妹を配したスーパーバッドへの新世代のア>>続きを読む

にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)

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蟲の巣穴を覗く時、驚くのはユニークな習性と繁殖本能に基づいた共同体の合理的なシステムだ。なるほど昆虫記と名付けられた今作は、近親交配の匂いがする閉塞的な山村の女達の逞しい営みを美しく映す。生きる事は元>>続きを読む

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

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まるで掌の上の精液の様に、暴発する庵野秀明の強烈な個性。社会問題だった援交をテーマにした今作は90年代に子供時代を過ごした私を、記憶通りの猥雑な魔都渋谷にタイムスリップさせてくれた。WAVESよりも2>>続きを読む

コヤニスカッツィ(1982年製作の映画)

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見果てぬ宇宙を夢想してVFXに頼らずとも、ユートピアやディストピアや異星の様な風景というSF的センスオブワンダーは既にずっとこの惑星にある。まるで地球を外から見たような、音楽と映像のトリップ。人知を超>>続きを読む