藍紺さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

藍紺

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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.0

扱っているテーマはとても重いものばかりだけど、作品を彩る音楽や空気感、そして適材適所な演者たちによって良い意味で、さらっと軽やかな作品に思えてくるから不思議。私も荻上監督の術中にハマっているのでしょう>>続きを読む

LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.0

コミュニケーションとは、ってことをずっと考えてしまう映画だった。どんな映画か前情報を入れていかなかったので、序盤のある出来事には面食らって(え、こういう展開なの?)、終盤もどうやって着地するのかが全く>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

4.1

おさかなが大好きな少年ミー坊が周囲を巻き込みながらもひたすら一途に好きなことに没頭して生きていく様を描くストーリー。さかなクンの原作が下敷きになってるけど、あくまでもさかなクンの物語、ではなく、ミー坊>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.8

エピソード満載で何でもありのわちゃわちゃムービー。
最後まで途中下車はございませんので、しっかりつかまってご乗車&ご鑑賞下さい~って感じの作品。原作は履修済。

悪運を呼び寄せてしまう運び屋レディバグ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.3

なんじゃこりゃ!!!これめっちゃ好き!こうきたか……。
とにかく観たい方は早めにIMAXで鑑賞されることをお薦めします。まっさらな気持ちで観て純粋に楽しめたし、ジョーダン・ピール、私好きだわ。この人凄
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プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

3.9

NYでバーテンダーをしている主人公が、白血病で余命僅かな旧友の「元カノたちに最後の挨拶をしたい」という願いを聞き入れ故郷タイへ向かうが……。
監督は「バッドジーニアス 危険な天才たち」のバズ・プーンピ
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.2

自分の人生だけど何だかしっくりこない。自分で選択したいのに、わたしは誰かの脇役になってない?同じ様な疑問を誰しも持つけど、毎日追わなきゃならない情報の波に呑まれて、抗う気力もないまま流されてしまうのが>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.8

多くの問題を抱えたロンドンの人気レストランが舞台、クリスマス直前の金曜の夜に巻き起こるトラブル満載94分間のノンストップムービー。

人種差別、男女格差、貧困、LGBTQ、アルコール依存、ドラッグ、S
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.6

破天荒な雷神様もメンタルを病むのは致し方ないのか。ヒーローも辛いということが共通認識となった現代において‪、傷ついたヒーローと”‬癒し‪”‬は切っても切り離せない問題なんですかね。

タイカ・ワイティ
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親密さ(2012年製作の映画)

4.3

前半は劇団を主宰している脚本家と演出家の彼と彼女が中心で物語が進む。同棲カップルのいざこざだったり、劇団内の人間関係の軋轢など身に覚えのあるエピソードが続き、青臭くて面倒くさくてこちらも居心地が悪くな>>続きを読む

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.3

1990年ソマリアで内戦が勃発。対立する韓国と北朝鮮両大使館員たちがお互い孤立無援の中行動を共にし、首都モガディシュから生死を賭けた国外脱出を目論む事実に基づく物語。
これめちゃくちゃ好きなやつだった
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.1

2011年、今村夏子作「こちらあみ子」を読んでから、ずっとこの物語は特別だった。泣きすぎて頭が痛くなった小説は後にも先にもこれが初めて。映画化に期待も不安もあったが最終的にTwitterで見た今泉力哉>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.0

25歳のアラナ(アラナ・ハイム)と15歳のゲイリー(クーパー・ホフマン)の恋愛ストーリーって設定に無理がないか?と思ってたけど、冒頭出会いのシーンから無理なく入っていけた。最初はゲイリーを相手にしてな>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.0

心冷えるヒューマンドラマ。𠮷田恵輔監督の作品はどうしてこうも観る者を嫌な気持ちにさせるのが上手いのか。

人間の本性をむきだしにして登場人物の悪意をさらけ出すいつもの𠮷田劇場に、YouTubeという素
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.9

これまでも血の繋がりのない擬似家族を描いてきた是枝作品は多かったが、そのどれよりも今作は子供たちを慈しむ姿勢が提示されている。
個人的な話だが、子供が理不尽な扱いを受けているシーンがどうにも苦手になっ
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.0

365日の内のある1日を定点観測して男女の終わりから始まりまでの6年間を遡っていく物語。映画が公開されていた時はなんとなく地雷を踏みそうで避けていたのだけどここは腹をくくって再生。
思った通り自分が経
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.9

資金集めの段階で「主人公が高齢者の女性だとお客さんが入らないので難しい。若い男性でないと」と日本の映画会社から断られて国際共同制作となった経緯をTwitterで知り憤慨。公開前から絶対に劇場で観なけれ>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.1

ずっと言えなかった「好きなもの」を好きと言える嬉しさ、そして好きな対象を他者と共有できる喜びは自分も経験したことがあるのでグッときた。でもそれだけじゃなくて、自分だけがわかっていると思って密かにあたた>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

やっと鑑賞。冒頭、ハンマーを素振りする智が現れた時はちょっと『オールドボーイ』を思い出した。
原田智が根っからの悪人とは思えない。妻が難病になってなかったら今も大阪の下町の片隅で楽しく卓球をしてたのだ
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.1

アニメ業界の覇権を目指す新人監督VS孤高の天才わがままカリスマ監督。
経験があろうがなかろうがまっさらな白い紙に魂を入れ込んで誰かに刺さる作品を産み出す苦悩はどちらも同じ。
お仕事ものは万人にわかりや
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.5

『トップガン』公開時、生まれてはいたけど子供だったため後追いでTV視聴した記憶あり。トム・クルーズの映画はだいたい観てる。ファンかと言われるとそこまで本人に深い思い入れはないけどミッション:インポッシ>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.1

日本で懸命に生きていたクルド人女子高生が在留資格を失ったことを境に、今まで当たり前にできていたことができなくなってしまう残酷な現実。こうして未来が、夢や希望が閉じられていくのか。サーリャが諦念の表情を>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

3.9

李相日監督の作品には犯罪者や社会的弱者と言われる人々に焦点を当てるものが多い。今作も元誘拐犯とその被害女児である二人の男女が、出会いから別れ、そして再会の様子が長野県松本市を舞台に描かれている。撮影監>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.6

序盤はめちゃくちゃ楽しかった!展開が早くて(そこが観たいんじゃー、飛ばさないでよ、そこんとこ詳しくとも思ったが)情報の洪水を処理するのに忙しかったけど、それも含めて良き。やっぱり禍威獣の造形が素晴らし>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

原作と違う箇所がいくつかあったけど、こちらの方が好き。映画版の方がずっと不穏で嫌な感じ、絶望しかなくていい。榛村(阿部サダヲ)と雅也(岡田健史)のアクリル板を挟んだ対峙シーンは緊張感があって見応えがあ>>続きを読む

英雄の証明(2021年製作の映画)

3.8

恋人のファルコンデが金貨を拾っていなければ、主人公である囚人ラヒムは刑期を無事勤め上げて出所できていたに違いない。彼が囚人でなければ、マスコミに取り上げられることもなく、ちょっとした善行をしただけで終>>続きを読む

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

サム・ライミ監督、流石の手腕。カメラワークやカットの美しさ、編集方法などスマートで見せ方が上手い。とにかく飽きない、ずっと面白い。特にゾンビ・ストレンジが最高にぶっ飛んでてクール!ゾンビがヒーローって>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.9

ひと癖ある独身中年男と風変わりで大人びた少年の組み合わせはわりとよく見る。この作品も最終的に大人側が子供に感化されるというステレオタイプの着地に落ち着くのかなと思ってたけど、マイク・ミルズ監督らしい視>>続きを読む

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.8

母親の過剰な期待に応えるため、体操の大会での優勝を目標に練習に励む娘ティンヤ。幸せな家族の日常を動画配信しつつ、不倫相手との逢瀬も楽しむなど自らの欲求に忠実な母親。ある日、ティンヤが謎の卵を拾い育て孵>>続きを読む

プリズン・サークル(2019年製作の映画)

4.6

島根県にある官民協動の刑務所で行われている再犯防止の取り組み、TC(回復共同体)という欧米で1960年代から始まった更生プログラムを採用し、受刑者とそれを支援するスタッフのドキュメンタリー。
ずっと観
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.5

ファンタビシリーズ第三弾。
「ファンタスティック・ビースト」の冠がどうしてついてるのかよくわからない映画になってしまったなという感想。脚本がとっちらかってて時間の関係もあるのだろうけどご都合主義なのは
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.7

過去と決別した主人公スタンが宛もなくバスに飛び乗りたどり着いた場所はカーニバル(移動遊園地)の一座の元だった…。
冒頭の入りは完璧で、これから物語がどう展開するのだろうかとワクワクさせられた。しかし、
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.7

ケネス・ブラナー監督脚本作品。
主人公バディがとにかく可愛い。自身の少年時代が投影されているらしく、映画や音楽が好きでやんちゃ、愛されキャラ全開で溌剌としていた。マイティソーやクリスティの本が登場する
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.9

「ゴッサムシティ浄化計画」を掲げ、街の自警活動に励むブルース・ウェインことザ・バットマン。彼の二年目の活動から始まる今回。

ロバート・パティンソンのバットマンがとにかく良い。
セドリックにもエドワー
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

3.5

賛否両論ある映画ですが、いやー、これ実話ってほんと凄いな。
テニス未経験者の父が、娘を世界最強のテニスプレーヤーに育てる計画を立てて、しかも現実になるってお話。
スポーツ選手と熱心な親って割とよく目に
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.6

「オリエント急行殺人事件」に続く名探偵エルキュール・ポアロシリーズ第二弾。

原作は有名で世界的にネタバレしてる作品だから普通リメイクとかハードルが上がるし敬遠するかなと思うのだけど、ケネス・ブラナー
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