そらになるらむさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

そらになるらむ

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マジェスティック(2001年製作の映画)

3.5

「僕には信念というものがない。信念を持つための勇気がなかった。たが、ルークは違う」

人間、一度死んだ気になったら怖いものは何もない。戦死したはずのルークは、見事にピーターに憑依して、“信念と勇気”を
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ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期(2016年製作の映画)

4.0

「ちょっと外に出ない?」

3作を貫くメッセージ、それは、“ひとは一人では生きていけない。一人だと寂しいから”っていうことだと理解しました。

前作から12年空いた本作は、続編というより同窓会みたい。
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ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月(2004年製作の映画)

3.5

「物語の最後がどうなるかは、みんな気になるところ」

あなたが応援したくなる人って、どんな人?

ある本によれば、
・不器用ながらがんばっている
・ずる賢さがなくて純粋
・甘え上手
・真面目
・他人を
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ブリジット・ジョーンズの日記(2001年製作の映画)

3.5

「その時だった。そう、その時。あの瞬間、まさにあの瞬間」

“共感”の作り方を知りたいなら、この映画に学べばよい。

ある本によれば、
・主人公の目標を示し
・その動機をはっきりさせ
・主人公が目標を
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アポロ13(1995年製作の映画)

4.2

「13はラッキーナンバーだ。頑張れよ」

アポロ計画の光と影。

光(人類最初の月面着陸)の11号より、影(ミッション失敗)の13号を感動のヒーロー譚として描けるのが面白い。
要は語り手・作り手の見せ
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.5

「別の地点に立つと見方が変わるのです」

見る人に緊張感を強いる映画。
喉はカラカラ。体はぐったり。
楽しむための映画、じゃない。

宇宙飛行士という仕事は、僕には絶対無理。

ライアン・ゴズリングの
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.0

「このミッションはイヤな予感が」

究極の絶望
手繰り寄せる命綱
生への執着
二本の足で立ち上がる

私はソロで登山をする。だから、この映画のサンドラ・ブロックの心境を、少しだけ理解できるような気がす
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利休にたずねよ(2013年製作の映画)

3.5

「その鋭さもほどほどにせよ」

佐藤浩市、三國連太郎の利休と続けてきて、さてもう一つおまけに見てやるか、ぐらいの気持ちで期待せずに鑑賞。
ところがどっこい、この市川海老蔵の利休が素晴らしい。

興味深
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利休(1989年製作の映画)

3.5

「てっぺんに昇りつめて、寂しいのでございましょう」

冒頭 真っ白の朝顔一輪
終幕 凛と立つ赤い椿
画面の隅々にまで行き渡る美意識

子・佐藤浩市が演じる利休(花戦さ)を先に見てから、父・三國連太郎の
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花戦さ(2017年製作の映画)

3.0

「けったいだが、おもろいことになりそうですな」

花を活けるけったいな坊主を描く、けったいな映画。まるで漫画のつくり話だけど、割り切って見ればけっこう面白い。

惜しむらくは、野村萬斎の顔芸が鼻につい
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ビクター/ビクトリア(1982年製作の映画)

3.5

「男のフリをするのもずいぶん損ね」

“恋におちたシェイクスピア”のグウィネス・パルトロウをはじめ、男装する美女は艶めかしい。

この映画のジュリー・アンドリュースは、女装する男性を演じる美女(もはや
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ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

3.0

「♪驚きだ。時はアッと言う間に飛び去り、おかげで異常な世界が広がる」

ぶっ飛び ハチャメチャ なんじゃこりゃ ノリだけで歌い踊り狂う100分間

こんなもん、レビューできるか!
てか、頭がウニ(ゴメ
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オール・ザット・ジャズ(1979年製作の映画)

3.5

「♪あなた生き方を変えなさい」

情報量が多すぎて、一見じゃ理解しきれないけど、なんか凄いぞこれは。

自分のやりたいことを貫き、最期まで歌と踊りの幻影にまみれ、舞台で「バイバイ・ライフ」と歌いながら
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ロング,ロングバケーション(2017年製作の映画)

3.0

「なんで全部忘れちゃうの?」

さっき、うちの娘(中3)から、単身赴任先の私にLineが届いた。我が家で長く飼っていたハムスターが今朝、永眠したと。綺麗で安らかな死で良かったと。
意外なことに、娘に涙
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長いお別れ(2019年製作の映画)

3.5

「この頃ね、いろんなことが遠いんだよ」

ここまでボケてしまった伴侶に、自分は心から尽くせるか? 甚だ自信がない。

逆に、ここまでボケてしまった自分を、家族は大事にしてくれるか? 甚だ自信がない。
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ファーザー(2020年製作の映画)

3.5

「戯言で正気を失いそうだ」

ギーコギーコ。終始、弦楽器が不協和音を奏でる。混乱した雰囲気、不安定な感覚。

これは怖い映画。残酷な映画。
もはやホラー。

自分の身近に、いや、自分の中にも密やかに忍
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マッチスティック・メン(2003年製作の映画)

3.5

「才能あるな」
「生まれつきよ」
「血は争えないな」

うちにもちょうどこの年頃の娘がいるからわかるんですよ。そりゃあやられちゃうって、世の父親は。

すっかりのぼせ上がっちゃって、ハメられまくるニコ
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アメリカン・ギャングスター(2007年製作の映画)

3.0

「正しいことだから」

普通に面白いです。よく出来てます。
飽きずに見ていられます。
でも、ありきたりかな、

と思ったら、
最後の15分だけ、普通とちょっと違う。
これが実話とは。

「それで俺たち
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.0

「私は真実を話します。黙りはしない」

3人それぞれの立場から一つの物語を見せつつ、実はル・グリの「視点」からは描いていないのがミソ。クライマックスに向けて、観客はみな、自然と妻の視点に寄り添っていく
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Ray/レイ(2004年製作の映画)

3.0

「目が見えない闇の恐怖も知らないくせに」

稀代の天才 波瀾万丈のスター街道が描かれているものと期待したけど、中身は弱〜い弱い一個人の、麻薬との闘いの歴史でした。

偉いのは、芯の強い二人の女性。
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.5

「この壁の向こうは? 想像して」

いったいどれほどのスポットライトを浴びれば、トップスターの心は満ち足りるのだろう。

常に孤独に苛まれ、果てしない承認欲求に飢え、そして、ステージの上で命の残り火を
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ロケットマン(2019年製作の映画)

2.5

「いつハグしてくれるの?」

ナイトの叙勲まで得た男が自らの半生を語るのに、問題の理由を両親に擦り付けるのがどうにも女々しい。フロイトの原因論丸出しで、掘り込みが浅い。

成功した人は、嘘でもいいから
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

「過去は死んでない。だから後ろを見るのよ」

最期までしつこく書く。
“生まれ変わったら、ジェームス・ボンドを演じるダニエル・クレイグになりたい”

ダニエル・クレイグ以外の誰かが演じる次のジェームス
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007 スペクター(2015年製作の映画)

4.1

「他の道なんてあったのか? 僕は立ち止まって考えない」

007はどれを見ても、感想は一緒。
“生まれ変わったら、ジェームス・ボンドを演じるダニエル・クレイグになりたい”

出来そうなことから始めてみ
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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

4.0

「恐怖の何を知ってるの?」
「すべてさ」

昔、書いたことがある。
生まれ変わったら、“ジェームス・ボンドを演じるダニエル・クレイグ” になりたい。

何年経っても変わらない。
世の男子の永遠の憧れ。
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ピッチ・パーフェクト(2012年製作の映画)

3.0

「大学なんだぞ、楽しめ」

息子が受験に向けて追い込み中。
来春には晴れて大学生になるのだろう。

この映画を見て、大学生1・2年の頃のサークル活動の、新歓時期や学祭前の熱気を思い出した。青いし、ガム
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ワタシが私を見つけるまで(2016年製作の映画)

3.5

「独りになって自分を試してみたいの」

さんざっぱら飲んで騒いで遊んだ挙げ句、最後に行き着いた考えは、えー、なんだその程度かよ、てな感じ。
結局、みんな揃って古い価値観に縛られちゃっていて、なんかイタ
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ザ・ハッスル(2019年製作の映画)

3.5

「男は女を値踏みして搾取するの。だから私はそういう世界をひっくり返す」

レベル・ウィルソンの女詐欺師がハマり役。人は誰でも、太っちょの女性を見るといい人だと信じてしまう。

くだらない下ネタ連発コメ
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(2020年製作の映画)

2.5

「さっきのミサンガだけど、ほんとはずっと着けてて。でも最近、切れちゃって」

菅田将暉は、しゃべくりの役でこそ。
一方、小松菜奈は、だんまりミステリアスの役でこそ活きるように思う。
この映画では二人と
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フォルトゥナの瞳(2019年製作の映画)

2.5

「9千回に1回くらい、こういう選択もあっていいかな」

うーん。なんでこんなに空っぽ感が漂うんだろう。
「犠牲」という言葉が軽々しく、「運命」という言葉が安っぽい。

台詞が屈折してないから?
視点が
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.5

「恋愛は、一人に一個ずつ」

優しく古傷を舐めてくれる映画。

最初から最後まで、全部に共感。
二人がやることすべてに頷いた。

実は、人が近づくのも離れるのも、何時でも誰でも似たりよったりのプロセス
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スミス都へ行く(1939年製作の映画)

3.5

「大人の世界で理想を貫くのは困難なのだ」

正しい人をずっと演じ続けるのは、とってもしんどい。
同じように、正しい映画をずっと見続けるのも、ちょっとだけしんどい。

こんなにも青臭いストーリーを正々堂
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オペラハット(1936年製作の映画)

3.5

「この法廷は、君を、史上最も健全な人物だと認める」

私は、この作品を、史上最も健全な映画だと認める。

スッキリ安心。
善い人が、善い行いをして、正しく報われるお話。これでよいのです。
法廷シーンも
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我が家の楽園(1938年製作の映画)

3.5

「なにも恐れず自由に生きろ。楽しく生きろ」

私はこれまで、
・正しいか/正しくないか
・好きか/嫌いか
の2つををモノサシにして生きてきました。

この映画を見て、もう一つ、
・楽しいか/楽しくない
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離愁(1973年製作の映画)

4.0

「みんな退屈なんだ」
「退屈? 戦争なのよ」

カテゴリーは反戦映画なんだろうけど…

こんな状況でも妻子を忘れて愛に生きる。フランス人はちょっと違うぜ。脱帽です。

主演女優(ロミー・シュナイダー)
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哀愁(1940年製作の映画)

3.0

「皆さん、今宵最後のダンスです」

ヴィヴィアン・リーの魅力は、表情筋の細やかな動き。頬の弛緩で喜怒哀楽の全てを表す。

一方、ロバート・テイラーは顔立ちの美しさで勝負。眉の隅のほんの少しの上げ下げで
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