Spicaさんの映画レビュー・感想・評価

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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

4.1

夫を亡くしたロンドンに住む家政婦のミセス・ハリスが勤め先で目にしたディオールのドレスの美しさに一目惚れして、パリにドレスを買いに行く物語。

そんな都合よくいく?ということも多々あれど、夢と優しさに溢
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劇場版ラジエーションハウス(2022年製作の映画)

3.8

「われわれには生きる義務があります。大切な人の思いを忘れずに共に生きていく義務があるんです」

前半と後半でガラリと展開が変わり、2話分のドラマを楽しめた感じ。
彼らが立ち向かう問題は胸が塞がるくらい
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ティファニーの贈り物(2022年製作の映画)

3.7

気軽な感じでハッピーになれそうな作品を観たくてクリスマス作品ですが初夏に鑑賞。
ティファニーの店先で高価な指輪とお手頃なピアスとの買い物袋の取り違いからおこるシンプルなラブコメディなんだけど、メインの
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画家と泥棒(2020年製作の映画)

3.9

「何を思い、何を感じ、なぜ俺に関わるんだろう」

最初はドキュメンタリー風の映画なのかと思った程、劇的で秀逸なドキュメンタリー作品だった。

2015年にオスロのギャラリーで実際に起こった絵画の盗難事
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オールド(2021年製作の映画)

3.4

久々のシャマラン監督作品。
急速に年老いていくビーチに取り残された人々の謎解きと脱出劇。

美しい景色とは対極の絶望感に包まれた空間と、猛スピードで過ぎていく年月の容赦の無さに、とにかく早くラストに辿
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.9

勉強も仕事も恋も、目移りばかりするユリヤの自分探し。なりたいものに近づくたびに違和感や物足りなさを感じ、また別のものへと気持ちが向いてしまうユリヤ。
彼女の心を表すがごとく焦りと不安で目まぐるしく変わ
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.7

伊坂幸太郎『マリアビートル』は既読ですが、原作とは全くの別もの。
ツッコミどころ満載というか、ツッコミどころしかなかったというか。
んなわけないでしょ!と呆れつつも2時間の目まぐるしい列車の旅、ドタバ
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博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

4.0

スティーヴン・ホーキング博士の半生を、妻だったジェーンの自伝をもとに描いた本作。
おおよその物語を知っていただけに観るのを後回しにしてしまっていたが、とても見応えのある作品だった。
二人が恋に落ち、こ
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GHOSTBOOK おばけずかん(2022年製作の映画)

3.5

神木くんにガッキーとキャスト目当てに鑑賞。
前評判を小耳に挟み、正直全く期待してなかっただけに、子供も楽しめる作品として意外と良かったなという印象を持ちました。

出てくるゴーストは妖怪系からドラゴン
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ポリー my love(2004年製作の映画)

3.4

ジェニファー目当てで。
ベン・スティラーにちょっとお下品な方面の笑い満載な感じ。『メリーに首ったけ』を彷彿とさせるようなスタート。
過剰なギャグネタにかなり辟易しながらもジェンは可愛いし、一周まわって
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パリの恋人たち(2018年製作の映画)

3.4

英語での原題は『A Faithful Man』
『ある誠実な男』というタイトルで東京国際映画祭で上映された作品。
『パリの恋人たち』よりも原題のままの方がしっくりくる内容でした。

恋人のマリアンヌか
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一枚のめぐり逢い(2012年製作の映画)

3.6

ニコラス・スパークスの原作を『シャイン』の監督が映像化。
出演はザック・エフロン、テイラー・シリングなど。

前半はストーリーの展開もとてもゆっくりと丁寧な感じで良かったのだけれど、後半の展開がかなり
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去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

3.8

アラン・レネ監督作品。

きっかけは澁澤龍彦が文章を、野中ユリが挿画を担当した『狂王』というとても美しい本を手に取ったのがきっかけ。ルートヴィヒ二世を描いた本の中でこちらの映画の舞台になったお城が出て
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セイフ ヘイヴン(2013年製作の映画)

3.9

ニコラス・スパークス原作の小説を映画化。『ショコラ』や『ギルバート・グレイプ』のラッセ・ハルストレム監督作品。『親愛なる君へ』と同じ組み合わせですね。

ある港町に故あって逃げてきたケイティ。妻を失っ
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親愛なるきみへ(2010年製作の映画)

3.7

ニコラス・スパークス原作の小説をラッセ・ハルストレム監督が映像化。

チャニング・テイタム演じる軍人ジョンと、アマンダ・セイフライド演じる学生のサヴァナは夏の休暇中に出会って恋に落ちる。仕事のために離
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SAINT LAURENT/サンローラン(2014年製作の映画)

3.5

ギャスパー・ウリエルとレア・セドゥ、そしてサンローランのファッション目当てに。

映像はとても美しくまさに眼福。

ストーリーは終始サンローランの心の中を這い回る不安定な幻影に惑わされっぱなし。ある程
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ワタシが私を見つけるまで(2016年製作の映画)

3.6

脚本は『そんな彼なら捨てちゃえば?』『君への誓い』『アイ・フィール・プリティ!』のアビーとマークのコンビ作品。

原題は『How to be single』

仕事や恋に邁進し失敗を繰り返しつつ自分見
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.8

ずっと疎遠にしていた家族にもうじき死ぬことを伝えられますか

余命いくばくもないことを伝えに来たのに家族はここぞとばかりに愛をぶつけてくる。ときに傷つけてしまう形で…

一瞬一瞬が、胸をえぐられるよう
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アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(2018年製作の映画)

3.9

「心の底から信じるようになったの。強く望めば夢が叶うとね」

外見にコンプレックスを抱えていたレネー。
そのコンプレックスが思い込みという「魔法」によって取り払われたことによる弾けっぷりが凄まじい。
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

4.0

珈琲を少し丁寧に入れて、タバコの代わりに粒チョコ片手に鑑賞しました。

ジム・ジャームッシュ監督。
豪華キャストが本人役を「演じて」いる今作品。
登場するのはカフェ、コーヒー、煙草、そして会話。
まさ
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ハッピーエンドが書けるまで(2012年製作の映画)

4.0

個人的にとても好みの作品でした。

『きっと、星のせいじゃない』のジョシュ・ブーン監督のデビュー作とのこと。

原題は『Stuck in Love』
可愛らしい邦題になっていますが、離婚した妻を待ち続
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99.9-刑事専門弁護士‐ THE MOVIE(2021年製作の映画)

3.6

何だか気づけば癖になる、そんなキャラクター達。昔のパートナー達も出演してくれたりのサプライズ。
事件や依頼は深刻で重い内容なのだけれど、それをむず痒いギャグなどで和らげつつ楽しませてもらいました。
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オリ・マキの人生で最も幸せな日(2016年製作の映画)

3.6

監督の新作が気になったのでまずはこちらを。

舞台はヘルシンキ。
セリフと物音のみがモノクロの映像に静かにのせられて。
大事な試合を控えているのに恋に落ちちゃったボクサー、オリ・マキのお話。

言葉数
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.9

シリーズが進むごとにハリポタのようにダークさが増していく。動物たち(とジェイコブ)にほっこりさせられるのも束の間。魔法戦というより精神的な闘いであり心がざわざわし続けました。ダンブルドアやクリーデンス>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.7

「もういない人に会うには自分が生きているしかないんじゃないでしょうか」

無駄な音のない静かな作品だった。シイノのマリコへの届かない叫びばかりが響き渡っていた。

マリコはもうとっくに壊れていたのかな
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.8

『フランシス・ハ』のグレタが監督を務めた作品。

冒頭ではちょっと尖った青春ものかと思って見始めたけれど、後半からの追い上げが凄かった。彼女の精神的な幼さから大人への一歩の描き方が痛々しくもリアルでひ
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前科者(2022年製作の映画)

3.9

「戻ってきて」

WOWOWのドラマ版を観て良かったので。

保護司としての有村架純のゆったりとした佇まいから漂う、ここに帰ってきていいんだという安心感がすごい。彼女自身、脆いところもあって、何度も挫
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ゴッホとヘレーネの森 クレラー・ミュラー美術館の至宝(2018年製作の映画)

4.0

「変人の真髄を作品で見せてやる」

へレーネ・クレラー=ミュラー。
作品のみならず、ゴッホの書簡から彼の人生や人柄にも魅了された彼女。
彼女のおかげで今の私たちはゴッホの作品を目にすることができている
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シンデレラ(2015年製作の映画)

3.8

「勇気と優しさを忘れないで」

母の遺してくれた言葉は宝物。

リリー演じるシンデレラの青いドレスが眩しいほどに美しく眼福。
ケイトの継母役は堂に入っていて流石といった感じ。
ヘレナらしい愛嬌満載のフ
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しあわせの百貨店へようこそ(2018年製作の映画)

4.2

売り子の女性達と客とのエピソードがメインなのかと思っていたけれど、女性店員達のそれぞれの人生にしっかり踏み込んだお話。期待以上にとても良かったです。

原題は『Ladies in Black』
シドニ
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オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

4.5

「人生で成し遂げた一番重要なことは悲しみをあとから助けにできたこと、そして無条件に愛せたこと」

オードリー・ヘプバーンのドキュメンタリー。
作品を観たり、写真展にも行ったりしていて大好きな女優さんだ
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.3

総集編と外伝のみ鑑賞済みでしたが、冒頭からラストへの期待と不安で涙が止まらず。
長かった苦しみ悲しみ。
愛していると伝えることの難しさと大切さを教えてくれる作品でした。
映像の美しさも格別ですね。

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0

ウェス・アンダーソン好きにはたまらない作品。何も考えずひたすらシュールな洒落た世界を堪能できる喜び。

編集長追悼号の記事を冒頭から最後までたっぷりご紹介。
大義も名文も、意味深長な台詞も感動も明解さ
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