やたら綺麗で寧ろストレスの溜まるおうち。
何かあれば直ぐさまカメラを向くる今日の人々。記録することに意識を奪はれ、無機質なる媒体に感性を支配せられ、己が体験を無意識のうちに蔑ろにする人々。思考をテ>>続きを読む
何時の時代も、健康至上主義者こと高慢なるエゴの塊まりが “親切心” とやらを以てのさばりつゞくる社会。
赤ん坊の面倒をとにかく見たがらぬ、倫理観なき大人たち。厄介ごとは御免であると云はんばかりの其>>続きを読む
彼んな鼻糞のカスみてえな薄つぺれえ紳士、殺しちまへ!
惚れた女が居た。然し彼女は、都会より来し別の男に惚れてしまうた。何んと哀しき物語り。
敢然と立ち向かはんとするも、無論うまくゆくはずもなし。紳>>続きを読む
嗚呼、然うさ。確かに彼の美しく果敢なき三部作と二部作とを冒涜するかの如き物語ではあるさ。加へて変にユウモアを交へたり、変にマアベルオタクに媚びたりしたせゐで、もう何うしやうもなく野暮たく成つちまつてゐ>>続きを読む
広大なる大地。聳え立つ山々。其の圧倒的なる空撮からして、もうはや涙が出る。
たゞ、何んなに壮大なる世界が舞台にせられても、矢張りロオド・オブ・ザ・リングである。詰まるところ、描かるゝものが常に人間なん>>続きを読む
休息なき労働者の、根こそぎ日銭を回収せらるゝ哀れ極まりなきおはなし。
いやあ面白い。
奇跡的なるタイミングの聯続に因つて生まるゝ様々なる滑稽劇に、何度も笑うてしまふ。高速逆再生に依るテンポの良さ>>続きを読む
ビシビシアツい愛の焼石に、とろけちやふ御話し。
白と黒の幻想的なる対比。均整の取れた完璧なる構図。恐怖さへ覚ゆるほどに美しき画。而して、機械的なる無言のユウモア。諧謔に富んだ大真面目なる愛。人と獣>>続きを読む
「桜花抄」
花、雪、月。移ろひに美を感ずる日本人の感性に寄り添うた、大へん叙情的なる一作。
スマホなんてものは無い。事前に調ぶ。徹底的に調ぶ。そして其れどほりにゆかねば、ひどく焦る。都合よきタイミン>>続きを読む
漂白ジヽイが強すぎる御話し。
一作目と三作目との架け橋たる今作。物語りは彌〻旅から戦ひへ。舞台も、山々の見ゆる広大な大地から人間の居城へとシフトする。
たゞ前作から大きく変はるのは、他でもない、>>続きを読む
皆んな大好き、恋する惑星。
オヽプニングからしてもう最高。スタイリツシユなチエイスシインでありながら、なぜか叙情的でもあり美しい。
一言で云へば、たゞ走つて女に打つかるだけのシインである。然しMi>>続きを読む
此岸から視た、子の成長。
もう、画がバチバチに、且つ慎ましくキまつてゐる。
日本家屋の間(ま)。其処に佇む人。風景。其処に佇む人。調和する身体の向きや視線の向き。
目、頭、延いては全身が吸ひ込まれ>>続きを読む
然ういふことなら俺れも早死にしたいおはなし。
偉ぶつてゐるやうで間抜けな男たちが可笑しくて堪らない。原節子にゾツコンなザマや、其の場を遣り過ごす為めの適当なハツタリなどには、頗る笑うてしまふ。矢張>>続きを読む
大量殺戮礼賛時代。
総べてが可笑しい。上手くゆくのも上手くゆかぬのも、派手に遣らかすのも地味に遣らかすのも、何も彼もが可つ笑しい。元出納係の俊敏すぎる金の数へ方に至つては、何度見せられても笑うてし>>続きを読む
矢つ張り、梁朝偉の死体が弄くり返されるおはなし。
裏切られし過去を以てなほ忘れられぬ人。最期に一目逢ひたかつたといふ願ひ。内に秘めたる恋ひ心と、無二の友への粋なる計らひ。愛が為めに負うた深き瑕。卵>>続きを読む
ゾオイ・サルダナは緑でも青でも美しいおはなし。
土地々々の美しき伝統や信仰、民俗などを毫も慮らず、又た尊びもせず、一次的で一方的な価値観から彼れらを未開人だと見下ぐるブンメイジンの高慢さ。美しき信>>続きを読む
突如開講する、女の腹の触り方講座。
絵画のやうに構築せられし一枚々々の画。月や太陽、妊婦の腹の神秘的映像美。然うして作品を導く壮麗な楽曲。自然物も人工物も、本作が描きたるものは悉く美し。
又た其>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
間抜けでエロいおはなし。
映画の発明時に生まれた機構と其の発展の歴史が築いてきた常識とを解体し、新たなる映画の道を切り拓いてきたゴダアルが、自身第二の処女作に位置付けたといふ本作。矢張り表現の面白>>続きを読む
セックスばっかしてる奴らのおはなし。
成るほど撮影の裏側を見れば、其れは偽りに見ゆることばかりであらう。然しながら、彼れらの真実を描く為めには、嘘たる様々な技巧が必要なんである。事実を偽ることで真>>続きを読む
あの床屋、ホント誰れなんだよ。
葉問(梁朝偉)の伝記映画と云はれたらまあ其のとほりなんであるが、然し其の印象は可成り薄い。抑〻主人公は本当に葉問で良いのかしらとさへ思ふ。主人公は寧ろ宮若梅(章子怡>>続きを読む
『Blade Runner 2049』に「Spider-Man 2099」に「EXPO 2025」に……ぎいいいいいいい!!!
てつきり2046年の物語りなのかと。てつきりゴリゴリのSFなのかと。>>続きを読む
何がモオツアルトなのかもよく判らないおはなし。
幾つかの物語りが出鱈目に継ぎ接ぎせられたやうな印象を受く。
たゞ、作品の背骨には一つのテエマが確乎として流れてゐたやう思ふ。詰まるところ、己が表現の>>続きを読む
ぐ、ぐもおおおお!!!
大きなスクリインに映ゆる此の雄大なる自然と壮大なる世界観! 然うしてアツプで見せらるゝ表情から微かに表出せし人々の思ひ! 極めつけは、優しくて然し荘厳なる彼の音楽! ぐ、ぐも>>続きを読む
梁朝偉が謎すぎるおはなし。
刹那の想ひ。叶はぬ恋ひ。其れでもなほ慕ひつゞくる彼れらの純情。愛する者の為めに自らを犠牲にする美しさ。引き際の美学。潔き滅びの、即ち諦念の美しさ。『天使の涙』にも通ずる>>続きを読む
結局、アンコオルワツトが全部持つて行つちやふ御話し。
哀愁漂ふ梁朝偉の煙り。艶美極まる張曼玉の容姿。鮮やかに発色したる赤と、其の上に煌々とギラつく文字。
嗚呼……私しもう王家衛の虜である。
衣装は>>続きを読む
エヴア・グリインが脱がないおはなし。
アクシヨンはもちろん、ポオカアのシインが兎に角クウル。加へて、エヴア・グリインの容貌や佇まひが何んとも美し。然うして、ボンドが007へと成る過程が切なくも格好>>続きを読む
皆んなで一緒に人肉を啄ばまう!
怖いといふより気持ち悪い。鳥に限らず、虫でも人でも兎に角何んでも、夥しく群れたものは大体気持ちが悪い。
其の気持ち悪さが、本作では如実に表現せられてゐる。成るほど物>>続きを読む
だが、金城武には余んまり近付きたくないおはなし。
時にゆつたり、時にせはしく。
センセエシヨナルな音楽と独特なカメラワアクと残像に富んだスロオ・モオシヨンとに依りて情感溢るゝ陶然たらしめし映像美と>>続きを読む
友達と絶交するおはなし。
主題を可成り勘違ひしてゐた。
此れは飽くまでもヌウヴエルヴアグに焦点を当てゝゐる。其れも “二人“ のヌウヴエルヴアグにである。
故に、此れまでのゴダアルを明瞭に描いたと>>続きを読む
目で人柄が語らるゝおはなし。
不穏なカメラワアクや、光りと翳りのコントラストが、いやに目に残る。映画史上最も有名なる彼のシヨツトに就いては、云はずもがな(たゞ、此れが割合ひ序盤に遣つてくるのは、意>>続きを読む
コレットの美貌に、目を撃ち抜かるゝおはなし。
何んだか、「アントワヌ・ドワネル」シリイズのお浚ひといふ印象を受くる。とはいへ、此の一つ前の回に観た『家庭』しか存ぜぬ私しでも、楽しく観賞でくる内容で>>続きを読む
胡散臭すぎる日本人。
いやあ面白い!
先づ、第一に、可笑しくて堪らない! 妻とのすれ違ひ、就職時の取り違ひ、全く通じてゐない会話、異文化との下手糞なる交流、然うして金を借りてばかりの友人や、時間>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
鳩ちやん……。
無垢なる鳩ちやんの顔が、最早や悪魔にしか見えない。
成るほど鳩ちやんは、貴賤の壁を軽々飛び越え、不断であれば交はる事さへ無かつたらう彼れらに、清らかなる愛と絆とを与へた。謂はゞ、貧>>続きを読む
赤くて、青くて、ときどき白いおはなし。
久方ぶりの新文芸坐。何んだかやけに気持ちが好い。
デカいスクリイン。風情あるマスク。心地の好いシイト。むにゃむにゃ。一寸、映画内映がの気ぶんであひゅ。むにゃ>>続きを読む
江戸川コナン並みに名付け方が安直なおはなし。
同じシユバンクマイエル作品の『アリス』や『ファウスト』に比ぶると、物語りは可成り解りやすい。
成るほど非日常が隙を見て日常に忍び込み、物語りに一種の不>>続きを読む
いや、そっちのスキャンダルだったのかよ。
三船だのオウトバイだのは、最早や何うでもよい。
彼の背、彼の声、彼の表情。のちの『生きる』に繋がる、志村さんの名演が堪らないのである。
貧弱なる精神が為め>>続きを読む