雨宮はなさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

真夜中の五分前(2014年製作の映画)

4.0

人をじっくり見るためにはこれくらいスローでないと無理なのかもしれない。
「こたえはいつも自分にある」というメッセージが強い。

チャイナ服もチャイニーズアクションもない、ただただ人を見つめるドラマをス
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眺めのいい部屋(1986年製作の映画)

2.0

現在著名な俳優たちの若かりし頃を観るための映画。
田舎貴族の面倒が好きでないと、退屈なだけ。

とにかく田舎貴族の窮屈さと退屈に不満のある主人公がグダグダいいながら初キスのイケメンを選ぶ話。
見どころ
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ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

2.0

ディカプリオの演技力を観るための映画。
あたたかなようで何の解決もしていない、ヤングケアラー被害者の話。

色々つっこみどころはあるけど……。
つっこんでると炎上しそうなので詳細は書かずにおこうと思う
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嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)

5.0

表現がポップなだけで、内容は全くポップじゃない事に度肝を抜かれた。
“松子”は現代にもいるし、今後もっと増えるだろう。
あらゆる社会現象やドロップアウトする人たちの実情が描かれている。

Filmar
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レンタネコ(2011年製作の映画)

3.0

さすが、猫好きの監督なだけあってレンタネコのサービスはシンプルながら必要なものがきっちり提示されるものだった。
ぼけーっと見ていられる。

猫を貸し出すための審査(猫が快適に過ごせるかを目視確認する)
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恋愛小説家(1997年製作の映画)

3.0

あまり「恋愛」を感じにくかったけど、おかげで観やすかった。
恋人よりも友人を得たことのほうが「よかったね」と思えた。

主人公の嫌われっぷりはわかるようで、わからなかった。
レストランで「出ていけ」と
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ドライビング Miss デイジー(1989年製作の映画)

3.0

デイジーの認知症を遅らせてくれたのは間違いなくホークだ。
マジカル・二グロではないだろうが、間違いなくホークはマジカルだ。

プライドだけはエベレスト級の白人女性老害の相手をするなんて、週に75ドルで
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8人の女たち(2002年製作の映画)

3.0

すがすがしいほどに全員が“オンナ”!
“オンナ”のいう“愛”は人をも殺すぞ、気をつけろ!

オゾン監督作品の見どころのひとつでもある衣装は今回も健在。
キャラクターごとにカラーが決まっているのも、心情
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人生はビギナーズ(2010年製作の映画)

3.0

内容はハマらなかったけど、ユアン・マクレガーとクリストファー・プラマーの演技でスコアは3になると思える。

監督の実体験をもとにしたとのことだけど、いまいち現実味がないというか、リアリティあふれる妄想
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カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~(2024年製作の映画)

5.0

上映館が足りてない!
角野英子さんは魔法を使って夢を紡ぎ続けている、なんともカラフルな魔女様だとわかった。

制作側の角野さんへの愛とリスペクトがしっかりと伝わる。
編にヨイショするのではなく、愛とリ
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

1.0

最低最悪、お目汚し、目の毒とはこのこと。
ディズニーから魔法は消えたのだ。

設定ガバガバ、内容ペラペラ、仕上がりグズグズ。
各方面へのリスペクトは完全に消え去り、もうD社は店じまいしたほうがいいと思
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百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

4.0

やはりスーツケース一つで生きていける身軽さはいいものだ。
「ホーム・スイート・ホーム」にならない、チャイみたいなスパイシーさが良い。

弟への手紙でモノローグが綴られているのが良い雰囲気でよかった。
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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.0

原作よりもいささか親しみやすさのある「ちひろさん」ではあるけれど、しっかり「ちひろさん」だと思える。

自分で自分の名前をつけることや、呼ばれたい名前など、名前への意識が少し変わる気がする。
ネームロ
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.0

ハリウッドには撮れない傑作。
“国”にアイデンティティを奪われて生き、最後は個人として自立できた男の話。

自分の名前を呼ぶことも呼ばれることもほとんどなく、立場で呼ばれてきた/自分を呼んできた人間の
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

5.0

いい映画に出てるなぁと思ったあの人もこの人も、この映画に出てる。
積み重ねがあっという間に崩れる勢いが妙に現実的。

「どちら側にもならない」ことは不可能だけど、努力はできる。
“ならない”なんて無理
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恋愛適齢期(2003年製作の映画)

4.0

私にも楽しく観られて好きだと思える恋愛映画があったとは。
マイベスト・キアヌ映画でもあるかもしれない。

スコアは5でも良かったが、最後のレストランシーンで評価を下げた。
私はドレスアップが必要なレス
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リトル・フォレスト 冬・春(2015年製作の映画)

3.0

映像は相変わらず素晴らしい。
けど、クライマックスに無理だと感じる要素がジェットストリームアタックかましてきた。

<無理だと感じる要素>
■いち子の母親が未成年を残して失踪したこと
■いち子が何と向
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リトル・フォレスト 夏・秋(2014年製作の映画)

4.0

落ち込んだり、うつ状態の脳に優しい映画。
料理、農作業、田舎暮らしをする橋本愛さんを眺めてデトックス。

本当はスコア5にしたいところなのだけど、「冬・春」のある台詞が気持ち悪すぎて全体としての評価が
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愛しい人から最後の手紙(2021年製作の映画)

2.0

不倫ヒロインの衣装がかわいい。見どころはそこだけ。
手紙系の恋愛ものは外さないだろうという予想をがっつり裏切ってくれた。

プライバシーや個人情報保護なんて概念はマスゴミの前には無かったことにされる。
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.0

ポスターは皮肉にもほどがある。
結婚制度のめんどくささと、大人になってからの喧嘩の仕方を教えてくれるような作品。
たまに観返して反省材料にするのがいいんじゃないかな。

夫婦がなぜ夫婦になったのかが随
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リング(1998年製作の映画)

3.0

ホラーよりもミステリーに感じて、あまり怖くなかった映画。
一番怖かったのは息子を助けようと必死な母の形相だったかも。

本作よりも前に『貞子VS伽椰子』を観て、貞子についてはダイジェストで知っていたの
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恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

4.0

復活と再生でもって“愛”を学び、身に着けた先に“ゆるし”がある。
まさしくキリスト教って感じのロマンス映画。

都合よく過ごしたい、苦しさから抜け出したいという自分本位なままでは決して抜け出せない。
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赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。(2023年製作の映画)

1.0

いやー、ひどかったー!!wwwwwwww
深夜or配信のドラマシリーズでやるような作品。

この監督や企画者は二次創作を甘く見すぎだ。
原作小説はこの後もエピソードが続く関係もあって、まだ面白がれた。
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猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

4.0

華々しくないくらいの芸能界を切り取ったような作品。
キャラクターごとの「ピュア」を見比べるのも楽しい。

主人公:仕事に対してピュア
ヒロイン:脳みそがピュア
駆け出し女優:仕事に対してピュア
ヒロイ
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ランド/再生の地(2021年製作の映画)

1.0

雄大な自然の美しさに頼りきった、出涸らしまとめ映画。
目新しさやオリジナリティは特になく、主人公への同情も共感もできない。

<作品について>
自然の映像はすばらしい。
本当に山で撮ったんだろうとか、
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鷲は舞いおりた(1976年製作の映画)

4.0

研究だけにしておけばよかったのに……。
真面目な奴がバカを見たのか、男の矜持は命を落とすってことなのか。

とにかくマイケル・ケインがかっこいい。
そんでもって、ドナルド・サザーランドもかっこいい。
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素晴らしき戦争(1969年製作の映画)

5.0

明るくて残酷なlovelyエンタメ。
死神に近づいてはいけない、ポピーを受け取ってもいけない……。

もともとある軍歌を使って作られたミュージカルときいて、わくわくで観た。
なにが“lovely”なも
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かまいたちの夜(2002年製作の映画)

3.0

原作の再現ドラマではなく、あくまでオリジナル。
けっこう頑張ってる、のに、演技がおそまつさんな人が多くて残念。

全力で盛大な自作自演だったわけだけど、自分で気づくにはヒントが乏しかった気がする。
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モダン・タイムス(1936年製作の映画)

3.0

人生初チャップリン、そして2024年初鑑賞。
究極の個人主義が明るく描かれていた。

表情、動き、衣装など見えるものだけで表現されていて、それでちゃんと話を追えることに驚いた。(ちょいちょい字幕はある
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死霊のしたたり2(1989年製作の映画)

2.0

変態ギャグ作品。ちょっと血とか内臓が多めなだけ。
恐さは特に無し、「もうええて」と言いたくなる。

前作からずっと謎なのだけど、ダンって何が良いんだろう?
医者にしては見てくれが良いってくらいでは?
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ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり(1985年製作の映画)

2.0

ラブクラフトの名前を借りて、ちょっと違う系統のゾンビ映画をつくっただけ。
原作とまるで違ううえ、コズミック・ホラーじゃないためクトゥルフ神話の雰囲気はない。

観るきっかけがラブクラフト原作だからなの
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.0

彼女を好きになることはなさそうだけど、観察対象として非常に面白かった。
ムーミン谷がどのようにできていったのか、人の精神世界にファンタジーが生まれる様子は見ごたえがある。

「二人にしかわからない言語
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ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

3.0

驚いた!
アンチとはいかないまでも、「本当に断捨離はいいものなのか?そうは思えないな」としっかり伝えてくるじゃないか。

そもそも主人公が取りつかれたように、馬鹿の一つ覚えで「自分はミニマル主義者」「
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ドラえもん のび太の海底鬼岩城(1983年製作の映画)

2.0

海における地理の勉強になる作品。
それにしても、ドラえもんってこんなにポンコツだったのか。

後半のファンタジー、冒険部分のほうがつまらなかった。
前半の海底探検ツアーのほうがよほど面白く感じた。
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ドラえもん のび太の日本誕生(1989年製作の映画)

3.0

地理や民族など、歴史の勉強になる作品。
現代社会の不自由さと逃げ場のなさも感じた。

ところで、お父さんが預かってきたのはモルモットだと思うし、あの預け方はいろいろと不安がありすぎる……。

ドラえもん のび太の魔界大冒険(1984年製作の映画)

3.0

設定が変わっても、環境(社会)が変わるわけじゃない。
残酷な世の常を、のび太が教えてくれる。

お金持ちほど快適に暮らしているのも、
その道の専門家の研究が馬鹿にされるのも、
残酷だけど普通のこと。
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