kentarismさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ハズバンズ(1970年製作の映画)

3.2

どぎついホモソーシャルすぎて嗚咽が笑

オープニングで二頭筋に力を入れて並ぶ男たちが作品を表してる。カサヴェテスはマチズモのシンドさをたくさん描いてきてるけど、本作はとにかくキツかった!

平成生まれ
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我が人生最悪の時 4K デジタルリマスター版(1994年製作の映画)

3.2

ドラマ版は観たことがあり、映画は今回が初めて。若き日の永瀬正敏のカッコよさが詰まってた。

まだ不穏さが結構残っていた頃の横浜の雰囲気がエモい。あのあたりも漂白されて危うさが減ってしまった。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

宮﨑ファンが2回観ての感想。

・何回観ても味がある。10年後にも好んで観てるだろうと思う。ただ初回鑑賞時の混乱こそ本作の真髄だったと思う。

・冒頭の主観映像で体験型の映画であるとレールを敷いてくれ
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オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

3.3

レトロスペクティヴ リプリーズもこれで制覇。

・この作品のジーナ・ローランズは女優にしか見えない。中流の主婦にもなれるし、娼婦にもなれるし凄い女優。

・三世代の女性。劇を書いた老作家から強いられる
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フェイシズ(1968年製作の映画)

3.0

レトロスペクティブ リプリーズにて。

・夫役の髪型と声に記憶があり、ゴッドファーザーで馬の首を切られたウォルツ役だと気づく。

・アメリカの影の即興性が苦手だったので、同じく初期作品で即興性が高い今
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

3.8

・とんでもないカロリーの映画。ペインに塗れてて辛い…

・邦題より原題の方が作品を掴みやすいのでは?

・共依存ではあるだろうが、夫がとても酷い奴に見える

・ただメンタルの弱いパートナーを持った経験
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チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

3.9

カサヴェテスで一番好きかも

・疑似家族の話。イレギュラーな作品に部類されるが、家族をずっと描いたカサヴェテスらしさがある

・変則的なノワール。言語化できない妙な魅力がある。終盤のベン・ギャザラの演
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名探偵コナン 紺碧の棺(2007年製作の映画)

1.1

前作に続く品質の低さ。

探偵たちの鎮魂歌はオールスター物ということもあり、評価が少し高い傾向があるが、今作とどっこい程度だと思う。

幾分こちらの方がマシかな?と思ったのは、コナンと灰原のバディ感が
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アメリカの影(1959年製作の映画)

2.5

レトロスペクティブ リプリーズにて。

・基本的には脚本があって大まかな流れは決まっていたらしいが、さすがに古い作品なので、感情の描き方等に不満が残る

・イマジナリーラインを無視したカットもあって混
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戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

3.3

4K版を劇場で鑑賞。昔DVDで観た映像と違い、色が鮮やかで印象が変わる。

その頃は内容が分からなかったが、今観るとホモソーシャルを描いているんだなと分かる。

大衆的な戦争映画やドキュメンタリーを観
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ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

3.8

レトロスペクティヴ リプリーズにて。

好きなところ

・逃げた息子を車で追いかけるか場面のカメラワーク。たまらん

・テーブルで話す2人。ジーナ・ローランズをメインで捉えるカメラ。コーヒーを淹れるた
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

・とにかくケイト・ブランシェット。2時間半釘付け。

・答えをくれないスタンスが好き。主人公の行いの良し悪しを分かりやすく白黒つけない。多面的な人物描写が作り手を信頼できる。

・鏡、窓、スマホ。主人
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雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)

3.4

ロバート・アルトマン傑作選で3本目に観たが、美術、衣装、ヘアメイクまで演出意図が感じられて面白い。これが映画だよな。分割された鏡のショットとかたまらん。

フリーセックスの時代に適応してない箱入り娘。
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ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

3.3

ロバート・アルトマン傑作選にて。

観ていて苦しくなる映画を好んで鑑賞してる自分にメタ笑い。病んだ人間が視る世界の映像演出に工夫を感じる。ロンググッドバイの次に見たが、鏡、ガラスを使った演出に共通性を
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

3.8

ロバート・アルトマン傑作選にて。

・村上訳は既読。映像はNHK版のみ鑑賞あり。前情報なしだったが驚いた。時代設定を変えるどころの騒ぎじゃない。個人的には肯定したい。

・ゆるいチャイナタウンというか
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お葬式(1984年製作の映画)

4.2

・伊丹十三の映画センス。映画だなぁと思うショットが多い。

・古本で買ったお葬式日記を合わせて読んだが、映画的であることを意識して撮っていた様子が分かる。

・冒頭での雨宮夫妻の食卓上の食器の配置もい
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名探偵コナン 天国へのカウントダウン(2001年製作の映画)

3.5

何故かこだま監督時代の作品で唯一観てなかった。

前半のミステリーは凡庸だが、後半の演出がかなり冴えていて面白い。

ビルに取り残された少年探偵団をコナンが助けに向かう場面や脱出シーンはメインテーマが
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名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)(2004年製作の映画)

2.2

結構、無茶苦茶だった。前作までと違う感というか。

操縦周りはリサーチして脚本書いたんだろうなぁってのが伝わりすぎて少し冷める。

緊急事態時に新一に弱音吐いたり怒ったりしてる蘭にイラっとしてしまった
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

3.4

初ベルトリッチ。新文芸坐にて。

・音楽が提供するスケール感が凄すぎる。複数人関わっているが、坂本楽曲があまりに強い。一発でもっていかれてしまう…

・ヴィットリオ・ストラーロの凄み。逆光下で布越しに
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

3.4

スピッツと灰原メインに釣られて20年以上ぶりの映画館でのコナン鑑賞。

ドラマ、推理、アクションのバランスが良く、金ローで観た前作より楽しめた。

林原めぐみの「工藤くん」の言い方が子どもの頃から大好
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名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

2.5

子どもの頃に観た迷宮の十字路以来のコナン映画。

今のコナンってこんなエンタメ大作で破茶滅茶なのかと衝撃を受けた。松田くん懐かしい…初登場だった30巻台はまだ集めてた頃だ…

今作、ネタ映画としては一
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無法松の一生(1958年製作の映画)

3.5

午前十時の映画祭にて

・夫人はどんな気持ちで松五郎を側に置いていたのか。あの気質だと色々手伝ってくれる車夫が自分に好意を持つなんて思ってもなかったのか?

・夫人の避け方。高峰秀子の表情や動作は亡き
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.1

・シン・ウルトラマンと同じくカットによる画質の違いに違和感。この時代に劇場まで足を運ぶ観客が求めるのはこういう画を望むのか?と疑問

・庵野がこれを良しとするのはアニメ出自というのが影響してる? エヴ
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8 1/2(1963年製作の映画)

3.9

初フェリーニ。名作は名作だった

・仕事、家庭、女、宗教とあらゆる要素に翻弄されて混沌とした状況のグイドに共感できるものがある。グチャグチャで思考が収束していかないあの感じ、そしてうまくモノづくりでき
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

3.1

お気楽に楽しめる作品だったが気になる点はある。

渇きある人間の創作物は魅力的だし、自分もモノづくりをする人間としてそちら寄りだから共感をするが、幸せな人のモノづくりだって素晴らしいと思っている。彼ら
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眠狂四郎 女妖剣(1964年製作の映画)

2.2

荒唐無稽な話とエログロにツッコミどころを入れつつ楽しめば良いのだろうが、終始レンズの歪みがキツくて気になってしょうがない。

最後の円月殺法だけ露出が上手くいってない形跡が。色が死んでる。でもストロボ
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赤線地帯(1956年製作の映画)

4.0

・冒頭の浅草を映したパン。当時の街並みに惹きつけられる。あんな感じだったんだ

・京マチ子が喋る度に劇場で笑い声が。グラマラスなフィジカル。圧倒的存在感。凄すぎて気になって仕方がない

・溝口作品を何
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山椒大夫(1954年製作の映画)

3.3

入水の映像の美しさに感嘆したが、観終わった後は田中絹代の演技の素晴らしさが一番心に残っていた

刺青(1966年製作の映画)

3.2

・オープニングのインパクト!若尾文子のフィジカル!

・めちゃくちゃ短い原作をかなり脚色しており、谷崎文学味が薄くなってる

・原作のように清吉が駕籠のすだれからこぼれた女の脚を見るのと、映画のように
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雨月物語(1953年製作の映画)

4.5

・4K版を劇場で鑑賞。凄すぎるショットの連続で知的興奮。幸せを感じた。宮川一夫の撮影が神がかり過ぎ

・現代の日本人にとっても普遍的な話。怪奇っぽさもある。ある程度の抽象化がそれを高めてる。村上春樹っ
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.4

・何度もウルッときた...昔から愛読してる作品の映像化ってよくあるけど、今回の再アニメ化は最高の形だった

・スラムダンクのある意味いいところは過去描写が基本は素っ気ないところ。ワンピースの様に過去が
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劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ(2018年製作の映画)

3.3

・GET WILDに鈴木典光作画のEDが神がっている。これだけで観た価値があった。あの画調で本編も観てみたくなる…

・STILL LOVE HERに実写も劇場版コナンのEDみたいで最高。これぞこだま
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シティーハンター 愛と宿命のマグナム(1989年製作の映画)

2.0

いつものノリ。TVシリーズを引き伸ばした程度の品質という印象。
こだま監督、最初の映画?後の監督作の完成度や楽しさのルーツみはある。