vincentさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.5

スピルバーグの多くの映画と同様、公開された時点で古典になることが約束された作品なのだろう。
散りばめられた暗喩にスピルバーグの苦心を見る。
最も考えさせられたシーンはマリアがI feel pretty
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.0

三十歳などあっという間にやってきた。
成そうとしたことのリストに、なし得なかったこと言い訳をどれ程書き込んだことか。
何かを諦めたつもりなどさらさらないのに、リストには無数の付箋を貼り付けたままだ。
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ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ミッションスペシャリストのサンチェスが、幼くして亡くなった娘について語るシーンは胸に沁みた。
オーガスティン博士が雪中行を共にする少女の名前がアイリスである事の意味が切ない。
SF作品としての物語性を
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

ここまで露骨な戯画化が許されるのなら、アメリカも未だ大丈夫な気がする。
そう思いたい。
しかし、教育があり現状認識にたけた人間達のシニカルなユーモアは、時代に適応出来ない拗ね者の怒りの炎に、油を注いで
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浅草キッド(2021年製作の映画)

4.0

大泉洋に改めて注目。

自分の記憶にある同時代の・・・ある種の神話。
そう感じた。

空母いぶき(2019年製作の映画)

3.5

こと自衛隊が絡んで来るとドラマ作りは難しくなる。
自然災害やら怪獣相手ならどう弾けようと苦笑いに止まるが、政治が絡むと物語りにニヒリズムでも漉き込まないことには収まりがつかなくなる。
そんなだから脚本
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.8

比喩、暗喩、仄めかし。
監督の言いたい事は多々あろうがそれを知って見たところで何かが変わるわけでは無い。
職業柄「犬ってこんな顔や仕草をするよね」と大笑い。
擬人化を非科学的と一笑に付すきらいがあるが
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.5

真っ先にソードアートオンライン・アリシゼーションを思い浮かべた。
成る程、およそ人の考える事など似たようなもの。
最近、AIの未来に関心を寄せる作品が小説からアニメまで目白押しだが、それは集団の無意識
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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -(2019年製作の映画)

3.5

本放送の時、高いクオリティに驚いた記憶がある。
思うに、こうしたセルアニメの系譜を継ぐ映像が、より実景・・・実写ではない・・・実景に近く感じられるのは不思議なことだ。
この絵柄にミラーニューロンを狙い
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

3.5

見そびれていた映画。
戦争を語るのは簡単だが、戦場を語るのは難しいだろう。
人命が互いに等価であるのなら、信念もまた互いに等価であろう。
であるのならば、信仰に従い銃を棄てるのも、群れのルールに殉じて
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ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

4.0

アメリカらしい物語。
様々な小ネタオマージュの満艦飾。
たいそう楽しい物語だった。
変な家族の最も変な点は、もしかしたら夫婦が二十年近く仲良し、と言うことかもと思った。

機動戦士ガンダムNT(2018年製作の映画)

3.0

ユニコーンの出来が良かっただけにちと残念。
福井晴敏らしくも無く消化不良な感じ。
ユニコーンの世界線を伸ばして行くと、一味違うサーガの展開が望めそうだったのに、これでは袋小路かと。

Everybody's Talking about Jamie~ジェイミー~(2021年製作の映画)

4.0

真っ当な人間になるためには、理解者の抱擁と良きメンターの助言が必要。
それに腹心の友がいれば完璧。
と言う映画。
イギリス映画ながらペシミスティックな苦味をあまり感じなかった。
「キンキーブーツ」や「
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この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説(2018年製作の映画)

3.5

本編では使えそうに無いネタを仕込んでいるが、物語的には本編を超えられなかったのが残念。
登場人物の設定が、この手のお話の原点になり得る秀逸さを誇るだけに、もっと丁寧な起承転結を考えて欲しかった。
次回
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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

4.0

原作を読んだのがかなり昔のことなので起承転結を忘れている。
よってストーリーのネタバレが無くて助かる。
リアリティと言うよりは臨場感が半端無い。
プライベートライアンの冒頭を初めて映画館で見た時と似た
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台風のノルダ(2015年製作の映画)

3.5

勢いで物語を作るのは意外と簡単。
物語を形にするのは結構大変。
勢いで作られた物語が形になったものを楽しむのは意外と簡単だが理解するのは結構大変。

龍の歯医者 特別版(2017年製作の映画)

4.0

NHKの本放送で見たが、もう少し評価されても良い作品の様に思う。
寓意を彫り込む為のセンスオブワンダーはある。
203高地のシチュエーションで海軍陸戦隊が水兵服で騎兵となったり、大艦巨砲主義の海戦でオ
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クルエラ(2021年製作の映画)

3.5

事前に考えていた以上に面白かった。
物語に貴種流離譚が仕込まれているのが古風であった。
要約すれば⇒
モンテクリスト伯とジョーカーが憑依したドロンジョ様がボヤッキーとトンズラを率いてVフォー・ヴェンデ
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アルゲリッチ 私こそ、音楽!(2012年製作の映画)

3.5

友人の父親が、楽屋で娘を叱りつけているアルゲリッチを目撃してビビった、と言う昔話を思い出した。
天才性とは心ならず人が失った欠落を埋める神様の罪滅ぼしかと思った。
凡俗は鑑賞者である事の喜びだけで充分
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.0

思えば今やオッサンになってしまった息子をベビーカーに乗せ、未だ若かった連れ合いと一緒に、メイド喫茶のメの字もなかった秋葉原の電器店街に、エバのLDを探しに行った事を思い出した。
DVDが登場する端境期
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劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~(2018年製作の映画)

3.0

テレビ版からの大きな飛躍は無かった。
この独特の世界観と予定調和が息の長いシリーズを支えているのか。

メリー・ポピンズ リターンズ(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

リターンズと言うよりリメイクという感じ。
歌が違うだけで構成はほぼ同じ。
ディック・ヴァン・ダイクが前作ではよぼよぼ老人(ミスター・ドース・シニア)役をメイクで演じ、今回は実年齢で同ジュニアを演じてい
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.5

ナイトシャラマン風ホラー。
ビールに良く合いました。
あの状況で電気が来ている不思議に目をつむって、サイロで穀類に溺れるシーンに注目。
サイロじゃ結構人が死ぬ。

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

時間の改変ものは、SFでは古典から最新作まで定番のジャンルではあるが、本作に類したアイデアを見たことがない。
個人的には斬新な切り口に驚き感心しきり。
ストーリー的にはニールの"たった一つの冴えたやり
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冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた Fine(フィーネ)(2019年製作の映画)

4.0

物語が起承からはじまって転結へと雪崩れ込まざるを得ないのであるのなら、とことん振り切るのは正しいやり方かも知れない。
積んだレンガの目地を埋める様に行間にぐりぐりとご都合主義盛り付け、コンテクストに果
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.0

ヒュー・ジャックマンが気持ち良さそうに演じている姿を見るのが心地良かった。
人は誰しもユニークな点を持って生まれてくるが、それは才能や物の見方や身体的特徴等等、様々な形質となって現れる。
時には後天的
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

言葉を選ぶまでもなく良い話だった。
シャーリーはオレンジバードでエチュード23番を引く直前、アップライトピアノからウイスキーのグラスを下ろす。
一流の聴衆が集まる場に用意されるスタインウェイにはグラス
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プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

4.0

前半の調子で飛ばされたら泣けて泣けて仕方なかったろうが、後半ディズニー的あしらいになって少し肩透かし。
繰り返すが前半の構想で押し切られたら、もうなすすべもなく感涙の淵に沈んだであろう。

子供達が幼
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.0

キュビズムが発酵してこだまとピクミンが踊り、BLUE NOTEが内省してWindham Hillが立ち上がる。
JAZZには全てがある。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年製作の映画)

3.1

アライグマは宇宙でも凶暴であった。
アライグマが一番人間臭かったのはなぜ?

ズートピア(2016年製作の映画)

3.5

同調してしまうオオカミが愛おしい。
それにしても、BEASTARS との関係性が気になる。

ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)

4.0

なにはなくとも、カルフォルニアアシカ。 
連中の可愛らしさは犬好きには堪らない。

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

映画館で見たかった作品。語るべき言葉を持たず。最後のライブエイドは圧巻。フレディ・マーキュリーがもう二十年遅く生まれて居たら、そう考えると残念だが、遅れた時代ではあの音楽は作れなかったろうとも思う。