vincentさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

4.0

文句の付けようもなく面白かった。照明の効果は抜群で脚本も小洒落た台詞を散りばめてカッコいい。イノセンスを本歌取りしたと思われるが、ジョンの在り方は、表社会に生きるバトーの、裏社会に於けるカウンターパー>>続きを読む

嘘はフィクサーのはじまり(2016年製作の映画)

3.6

結局の所ノーマンとは何者だったのか。
誰もが彼を知っているのに誰も彼を知らない。
ノーマンは自分の欲望を収斂させていこうと嘘を吐き人々を囲い込もうとするが、全ての試みは思惑を超えて裏返っていく。
ノー
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私を野球につれてって(1949年製作の映画)

3.5

ワシントンの黒い霧・・・ダラスの事件・・・それがUSA・・・劇中の歌詞に来る時代の暗示を見る。1949年、アメリカが恐らく建国以来最も自信満々の時代の作品。ジーン・ケリーはアイルランド、フランク・シナ>>続きを読む

ザ・プロム(2020年製作の映画)

3.5

昨春巣篭もり中に見続けたグリーからの流れで・・・日本には無いこのプロムという文化へのアメリカ人の思い入れにはひとかたならぬものを感じる。バックトゥーザフューチャーしかりキャリーしかり。余程劇的効果が期>>続きを読む

ミスト(2007年製作の映画)

3.5

原作に戦慄した記憶があるが、映画もまた別の意味でよく出来ていた。
トランプの四年が終わった現在、霧に閉ざされたスーパーの中がアメリカのカリカチュアに見えてしまった。
民主主義は弱い。無知と偏見が寛容を
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イヴの総て(1950年製作の映画)

3.5

野心の為には息をする様に嘘をつく。昭和の少女漫画みたいにカタルシスのかけらも無い悪女もの。いつか見ようと思っていて、今日がその日だった。
マリリン・モンローがアン・バクスター演じるイブ・エリントンと重
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.8

物語はありがちで目を見張る斬新さは無かったが、アメコミとバンド・デシネのハイブリッドに漫画が嫁入りした様な作画はぶっ飛んでいた。新しい世界の入り口となる作品かも知れない。

劇場版 幼女戦記(2019年製作の映画)

4.0

原作もこの辺りまでは拳を突き上げる程に面白い。
たがワイマールもヒトラーも不在の歴史は、立ち遅れた科学故の鉄と血の戦いを、魔導と言うチートなファクターを導入する事でどう決着をつけるのか。
些か迷走気味
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ワンダフル千鳥足 in ワンダーランド(2020年製作の映画)

5.0

道中付とアニメのコラボは斬新。アート系アニメだが監督の未来に一票。

七つの会議(2018年製作の映画)

4.5

狂言と歌舞伎が大立ち回りを演じ、落語が合いの手を入れて劇四季が見栄を切る。正直な所半沢より面白かった。それにしても香川照之の気配りの効いた、三つ星の付いた世界最高級のラーメンみたいな極上の演技に酔いし>>続きを読む

記憶にございません!(2019年製作の映画)

4.0

安定した面白さ。
「チャンス」を換骨奪胎して無知の知が持つ子供の様な突破力を描いたのでは?と愚考。
「遠すぎた橋」と「大脱走」風味の音楽でワクワク感が盛り上がった。
「チャンス」は"ツァラトゥストラは
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.5

世界中のどこへ行っても人の考えることは似た様なもの。
お盆みたいなお祭りに日本人としては奇妙なシンパシーを感じてしまう。
死者の日はアスティカの信仰がキリスト教と微妙にフュージョンしてできたものらしい
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パターソン(2016年製作の映画)

5.0

海兵隊で戦地に出て叙勲もされている男が、北部の町でバスの運転手をしている。
彼は日々の徒然にノートを持ち出し言葉を書き連ねている。
彼は詩を愛する男ではあるが、おそらく自身では詩を書いていると言う意識
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プロメア(2019年製作の映画)

3.1

中島かずき全開であった。
グレンラガン、キルラキル、BNAと見てきて、"歌舞いとるな"が共通した感想。

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.5

どう評価して良いやら言葉に詰まる。
個人的にはラストのドキュメンタリー部分は作品の力を弱めてしまう様な気がしたのだった。
ただ、某大統領がとてつも無く間抜けに見えた事だけは確か。
それには大きな意味が
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背信の日々(1988年製作の映画)

3.0

ブラッククランズマンを見て、思い出した。奇妙な果実とアメージンググレースについて色々考えて保留にして、そのまま忘れていた。
トム・ベレンジャーが出てるな。見てみよう。で、・・・

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

3.1

全電源喪失と言う大事が真っ先に頭に浮かんだ。世界に原発が一機も存在しなければ、当作の様なファンタジーも成立する余地があったかも。
アニメ版"日本沈没"は、本作の家族によるサバイバルの限界を、各局面をリ
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

4.0

この時代を扱った数多の映画や小説、例えば"ダンケルク"や"バトルオブブリテン"、"英国王のスピーチ"、"オックスフォード大学史学部シリーズ"や"日の名残り"などなどが、本作の愉しみを倍増させてくれた。>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.0

ウォーリー以外を探せって言う感じの楽しさ。
一瞬、未来少年コナンのロボノイドを見た様な気がしたが錯覚だったろうか。
1回目は物語の把握に当て、2回目以降は作り込まれたガジェットを寿ぐ映画?

はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.0

何よりもキーラ・ナイトレイとマーク・ラファロが安直に恋仲とかにならなかったのが良。
キーラのクレバーな個人的趣味が生き生きと立ち上がっていく様の清しさが心地良かった。
キャロルアンドチューズデイの元ネ
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名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)

3.5

意外におもろかった。
ハリウッドのお馴染み、パパと僕ちゃんの物語がテッパン。
フシギダネの背中に玉ねぎが・・・

検察側の罪人(2018年製作の映画)

1.0

役者は皆イケてるのに物語が雑なので残念感がハンパない。
役者の無駄遣いじゃなかろうか。

青春デンデケデケデケ(1992年製作の映画)

4.0

思えば高校生だった頃の友達付き合いってのは濃い交わりであった。君子は淡き交わりなんて言うらしいが、小人も最たる野蛮な男子高校生共はドップリと青春と言う泥田の中でぬたぬたと遊び戯れていた。
大林宣彦は人
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ドライヴ(2011年製作の映画)

4.0

フレーミング、ライティング、サウンド。このトリニティが美しく調和した時、例えその物語がハナモゲラ語で語られる三文オペラや最低人と地底人の戦いであったとしても、スクリーンでは極上のカッコ良さが展開される>>続きを読む

金田一耕助の冒険(1979年製作の映画)

3.0

大林監督が亡くなった。
思えば「蘇る金狼」を観に行って、そのつもりも無いのに出会ってしまった映画だった。
令和の今日、昭和の豪華キャストから怪演を引き出し、ある意味使い倒しているその贅沢な時間の使い方
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超高速!参勤交代 リターンズ(2016年製作の映画)

3.0

上級国民に苦しめられて来た民草が、講談本の時代から、権力の中にドミナンス・ステータスではなくプレスティージ・ステータスを求めて来た系譜に連なる物語。
それを言っちゃお終いよ的な時代考証に目を瞑り、楽し
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ナイスガイズ!(2016年製作の映画)

3.5

ローレンス・オズボーン「ただの眠りを」の中で、フィリップ・マーロウは72歳。本作の頃、ロスの何処かで引退生活を送っていたであろう。
古き良きハードボイルドの時代はとうに過ぎ去り、譲れぬ一線に拘って貧乏
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.5

つくづく、見て聞いて感じる映画。言葉で上手く感想を語れない。
だから自由に没入。
二十年から三十年前の、マット・デイモン、モーガン・フリーマン、ロバート・デ・ニーロを当てて見た。
御伽噺風の終わり方に
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舟を編む(2013年製作の映画)

3.5

書籍の大海に泳ぎ出し何処と知れぬ対岸を目指すには、確かに伴走してくれる辞書と言う舟が必要。
原作を読んでいないので内心忸怩たるものがあるが、個人的にはアニメ版の方が好みである。
セットのリアリティとオ
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あの時代のオックスブリッジでの同性愛は小説やドラマでよく取り上げられているような気がする。他者の知性に対する真摯な敬意が閉ざされた等質な同性集団の中で愛情にメタモルする事だってあるだろう。
劇中カンバ
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.0

思った程には過激じゃなかった。埼玉が共闘すべき相手は茨城と信ずる、

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

3.8

前作と合わせて一つと言う作りだと思う。2Uを見て評価が変わった。ホラーからミステリー更にはSF迄風呂敷を広げて3では何を目指すのか。B級映画大好き人間にはお勧めな作品。

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.0

死に戻りのきもは繰り返される経験の落とし所。
Re.ゼロの多面的展開と比べるとちょっと物足りなかった。

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.5

42年前の興奮は覚めやらぬ。

ユバル・ノア・ハラリはホモサピが文明を興した核心には共通の物語を信じる性質があると説いている。
もしその説が真実であるのなら、遠い未来のいつか、我々は銀河を所狭しと飛び
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夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

4.0

トトロの娘はポニョだったのかと思ってしまう自分が持つ視線の向きが辛い。
表象を理解しようとするとき、脳が引用する記憶の引き出しがまだまだ足りない。
大反省。

ファースト・マン(2018年製作の映画)

4.0

家庭があり。
父と母と子が居る。
家庭があり。
夫と妻と息子と娘が居る。
理想と夢から物語が始まり、冒険心と英雄願望が起承を導き使命感と責任感が転結を極める。
裸の猿が重力の井戸を這い上がり無慈悲な夜
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