あかつかさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

笑えるけど笑えない。初めてこんな映画見た。『ハッピー・デス・デイ』と『告発の行方』と『オールド・ボーイ』の脚本家が膝詰めして書きました、みたいな。

「胸糞映画」と紹介されてたんだが、胸糞って言葉は嫌
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喜劇 急行列車(1967年製作の映画)

3.5

寝台特急さくらの車掌渥美清。東京発長崎行の列車の中で起こる連続スリ事件。さぁ犯人は誰か!?と思ったらあっけなく30分で解決した。後半は列車を乗り換えて特急富士での人情噺。

渥美清が奥さんと子ども4人
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砂の器(1974年製作の映画)

4.0

何を書いてもネタバレになりそう。蒲田で殺された仏様みたいな善人。丹波哲郎と森田健作が本州縦断しながら犯人と動機に迫る。

会いたくても会わない、欲しくても願わない。そう考えちゃう人間って怖い。

野村
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二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.0

ピカピカの1年生だった12人の生徒が成長していくわけだが、面影そのままで大きくなってるもんだから、「え、これ何年か越しに撮影したん!?」って思ったら、よく似た兄弟姉妹を集めたらしい。

「教師はただた
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キネマの天地(1986年製作の映画)

3.5

浅草の映画館で働いてた小春ちゃん(有森也実)がスカウトされて松竹に。田中絹代がモデルらしい。蒲田撮影所で出会う監督たち、裏方さんたち、俳優たち。背後に軍部と忍び寄る戦争。書棚にあるマルクス兄弟の本を見>>続きを読む

燃えつきた地図(1968年製作の映画)

3.5

たまたま見てた『砂の女』と『他人の顔』が、勅使河原宏の「失踪三部作」の1と2らしく。となれば3作目を見てみなきゃ。

探偵の勝新太郎が、失踪した男性の行方を追う。依頼人に市原悦子(声だけでわかる)。失
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他人の顔(1966年製作の映画)

4.0

事故で顔に大けがを負い、すっかり性格もねじ曲がった男。医師に他人のマスクを作ってもらったことで、マスク男の自我が目覚める。原作小説とは主題は同じだけどだいぶ違う(と思う)。

顔って一体なんだろう。「
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ワウンズ: 呪われたメッセージ(2019年製作の映画)

1.5

スマホを拾っただけなのに…。

主人公のバーテンダーが、上映時間稼ぎみたいにあっち行ったりこっち行ったり。なかなか進まないバイオハザードのよう。まったく進まねーなと思ってたらそのまま終わった。

グノ
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吹けば飛ぶよな男だが(1968年製作の映画)

4.0

なべおさみ&佐藤蛾次郎コンビと出会う緑魔子。ミヤコ蝶々、有島一郎、犬塚弘との不思議な出会い。ヤクザ、風俗、学校、教会…いろんな世界の人たちが気にかけてくれるのに、貧しさに負け、世間に負け…。ああ、貧し>>続きを読む

蒲田行進曲(1982年製作の映画)

4.0

映画見てなくても知ってる「銀ちゃんとヤス」。そして階段落ち。

「コレがコレなもんで…」
「キャデラックに免許がいるかよ!」

知ったかぶりすると、この熱量とスピード感が深作欣二なんだろうな。いつもさ
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二階の他人(1961年製作の映画)

3.0

気づけばこのひと月で山田洋次作品を10本以上見てた。アマプラの松竹チャンネルのおかげ。月330円(税込)なのでマジでオススメしたい。

本作は山田洋次の初監督作品とな。自宅の二階を貸している若い夫婦。
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愛の讃歌(1967年製作の映画)

3.0

ボブカットの倍賞千恵子かわいい。

南米に行きたがる恋人に振り回されながらも、理解し、支える春子。後年、ヤクザな兄貴をもって苦労する妹さくらに通ずるものがある。

お店の中でなじみの連中(太宰久雄とか
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同胞(はらから)(1975年製作の映画)

3.5

岩手の過疎村で劇団の公演をしたいとやってきた倍賞美津子。応対する青年会の面々。演劇ってなんだべ?いくらかかるんだべ?赤字になったらどーするべ?意見は真っ向から対立。頭を抱える青年会長寺尾聰。挙げ句「失>>続きを読む

幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

開始60分過ぎてからの登場(しかも回想シーン)でも全部持って行っちゃう倍賞千恵子。

ひとりじゃ何もできない健さん。いじらしい。

実は私、武田鉄矢があまり得意ではなくて…たぶん金八先生が嫌いだからだ
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遥かなる山の呼び声(1980年製作の映画)

5.0

いわゆる民子三部作の3作目。夫が病死し、ひとりで牧場を切り盛りする倍賞千恵子(息子は吉岡くん)。ある雨の夜、流れ者の高倉健がやってくる。どう見ても怪しい。挙げ句、働かせてください、なんて。

これが倍
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故郷(1972年製作の映画)

5.0

瀬戸内で石の運搬を生業にしている夫婦。真面目で働き者だけど高度成長期の波に飲み込まれ…。民子三部作の前作『家族』同様、時代に取り残される井川比佐志と倍賞千恵子夫妻。

ほんのちょっと昔まで、農民の子は
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ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

3.0

気づけば麻生うさぎ祭り。

高校の先輩を慕って東京の大学にやってきた秋子。ところがどっこい先輩はフヌケだし、学生はセックスばかりしてるし。意気消沈して田舎に帰ろうとしたところで心理学の教授につかまり、
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変態家族 兄貴の嫁さん(1984年製作の映画)

3.0

開始2秒でもう小津っぽくて笑える。

そもそも小津も十分ピンクなとこあるよな。『晩春』の壺論争とかあるし。知らんけど。

『神田川淫乱戦争』にも出てた麻生うさぎがきれい。

笠智衆役?に大杉漣。

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神田川淫乱戦争(1983年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

黒沢清の長編デビュー作。

恋人と日々つまらんセックスをしている明子。ある日、神田川をはさんだ向かい側のマンションの母子が濃厚接触していることを知る。「これはイカン」ということで、友人とともに少年を助
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いいかげん馬鹿(1964年製作の映画)

3.0

松竹チャンネルに登録したら、気づけば山田洋次祭りになってた。「馬鹿シリーズ」の二作目。

少年の頃に村を出ていった問題児が10年ぶりに突然帰郷。いろんな騒動を巻き起こしたり巻き込まれたり。主人公ハナ肇
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馬鹿まるだし(1964年製作の映画)

4.0

山田洋次✕ハナ肇の「馬鹿シリーズ」の第一作目。こないだ見た「馬鹿タンク」は第三作目らしい。

シベリア帰りの流れ者、安五郎(ハナ肇)。腕っぷしが強く素直な性格で、村人から頼りにされるようになる。やがて
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家族(1970年製作の映画)

4.5

高度成長期から取り残された者たち。

長崎の離島の貧しい一家が、開拓地北海道に向かう。伊王島、福山、大阪、東京、函館、根室。60年前の日本縦断ロードムービー。貧しく、若い夫婦にとってつらい出来事ばかり
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馬鹿が戦車(タンク)でやって来る(1964年製作の映画)

3.0

村のノケモノ一家のハナ肇がブチギレて、隠し持っていた戦車で破壊の限りを尽くすという夢のある話。

もうちょっと喜劇風味にできなかったものか。

若い頃の常田富士男が倉崎青児そっくりでびっくり。
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学校(1993年製作の映画)

4.5

アマプラの松竹チャンネル無料14日間過ぎちゃったけど見たいのたくさんある。

山田洋次が監督で、西田敏行が夜間学校の教師とあらば、もう☆5確定でしょうと思ったが、ハードル高くしすぎた。いい映画に違いな
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

シリーズを重ねるに比例してどんどんつまらなくなるのになんで作るか。

なんか前半ミッション・インポッシブルみたいになってた。

恐竜たちがパークを飛び出し、これがホントのジュラシック“ワールド”。
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

5.0

母親が風間杜夫が好きだったもんで、幼い時に見た記憶。「なんつー話や」と思ったの覚えてる。

これをネタバレとは言わんと思うが、子どもの頃に死んだ両親と出会い、ひと夏を過ごす男(風間杜夫)の話。「異人」
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痴漢電車 只今本番中(2007年製作の映画)

4.0

引き続き勝手に滝田洋二郎祭り。アマプラでレンタルしたものの見ようとするとエラーになっちゃって。なのに「48時間以内に視聴を始めろ」という煽り。問合せしたいけどモノがモノだけに…。いろいろ苦労したけどな>>続きを読む

病院へ行こう(1990年製作の映画)

5.0

勝手に滝田洋二郎祭り。『痴漢電車 只今本番中』をアマプラレンタルしようとしたらなぜかエラー出ちゃうので本作を。

昔はこういうのがフツーにゴールデン洋画劇場とかでやってた。大地康雄が胃カメラで嘔吐する
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お受験(1999年製作の映画)

4.0

小栗康平祭りは一段落して、滝田洋二郎祭りになりそう。

実業団陸上の老ランナー矢沢永吉と専業主婦の田中裕子。まさに割れ鍋に綴じ蓋キャスト。

矢沢永吉が走ったりお受験ソング合唱したり、田中裕子が松田聖
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僕らはみんな生きている(1992年製作の映画)

5.0

「特攻隊じゃないんだよ」
「む…無神経だな君はっ!」

山崎努と真田広之と岸部一徳と嶋田久作。人間の嫌なところも悲しいところも愛らしいところも全てを浮き彫りにしてくれる4人。

赴任先が戦地となり命か
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埋もれ木(2005年製作の映画)

3.0

前4作からして大した事件は起きないんだとわかりながらも、見てしまう不思議。小栗康平のネバーエンディングストーリーみたいなファンタジー。

坂本スミ子が『楢山節考』以来、二度目となる前歯の抜歯で挑んだと
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眠る男(1996年製作の映画)

4.0

勝手に小栗康平祭り。

韓国のスター(アン・ソンギ)とインドネシアのスター(クリスティン・ハキム)と日本のスター(役所広司)が豪華共演してるわりにはおそろしく静かでゆっくりで、見てるこっちが眠る男にな
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死の棘(1990年製作の映画)

2.5

勝手に小栗康平祭り。

松坂慶子「どこへゆく…」

「どこへいく」じゃなくて、「どこへゆく」。この差は大きい。

『泥の河』『伽椰子のために』とともに戦後三部作と呼ばれているそうな。戦後の混乱がベース
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伽揶子のために(1984年製作の映画)

4.0

気づけば勝手に小栗康平祭り。アマプラの松竹チャンネル2週間無料のうちに。。

戦後と朝鮮人と日本人と、二世。そして男と女。『泥の河』同様、冒頭2〜3分のシーンだけで胸をつくものがある。

浜村純、加藤
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泥の河(1981年製作の映画)

5.0

戦後10年。人の命が今ほど重くなくて、誰もがふと戦争を思い出す時代。神武景気に乗れた人、乗れなかった人。スカみたいに生きて、スカみたいに死ぬ人。

うどん屋の子どもと、向こう岸に流れてきた「けったいな
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ハムナプトラ 失われた砂漠の都(1999年製作の映画)

3.0

インディ・ジョーンズの続編的な立ち位置だったはず。続編もできたしそこそこヒットしてたけど、インディには遠く及ばず。わちゃわちゃと追いかけっこしてるだけ。

レイチェル・ワイズ、こんなに可愛かったっけ。
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