styさんの映画レビュー・感想・評価

sty

sty

映画(35)
ドラマ(1)
アニメ(0)

破戒(1962年製作の映画)

4.0

部落問題をテーマにした映画。
私は部落/同和問題について全く学んだ記憶がなく、歴史教科書に些末に記された身分制度の文字列に目を通しただけで、当該身分とされた方々の苦しみや痛みに触れる機会がなかったこと
>>続きを読む

黒い十人の女(1961年製作の映画)

4.5

小西康陽ファンとして履修しておくべき市川崑作品、ひとつめにこの定番を選んだのは大正解。モノクロ映画を見たのはおそらく初めてだったけど、まずその映像、コントラスト、被写体の配置や構図、どれもこれも驚異的>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.0

タイムループもの恋愛コメディ in パームスプリングス。
ループものであふれる日本映画やアニメの作品とかを見慣れていると登場人物同士での「愛が芽生えちゃった/叙述トリックによるドッキリ/何度もやり直せ
>>続きを読む

ネバーエンディング・ストーリー(1984年製作の映画)

3.5

最近こどもの頃に見た作品をおとなになってどう感じるか?というような検証をしているのだけど、この映画はファンタジーでドリーミーというよりは当時未就学児の自分にとってはとても怖い映画という記憶だった(まず>>続きを読む

コロの大さんぽ(2001年製作の映画)

5.0

「仔犬が一日迷子になって家に帰ってきた」というだけのたった20文字にも満たないあらすじをどうしたらこんなにドラマティックに描けんの?!となり泣いた。2Dかつアナログならでは描画が突然ブワッと空間を感じ>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

彗星が地球に落ちてきちゃったらどうなんの、という映画。
資本主義においてはどのような事件や事象も、問題に対するプラクティカルな解決を模索する前に、いつのまにか経済や利権やそれに準ずる政治やイデオロギー
>>続きを読む

レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

4.0

昔だったらゲームの進化を見て映画みたいだなと思っていたけど、アンチャーテッドとかをやり込んでいたせいかこの映画に関しては逆にゲームみたいだなぁと思いながら見ていて、今にもQTEとかが始まりそうでドキド>>続きを読む

his(2020年製作の映画)

2.5

岐阜県の美しい山村地域で描かれるカップルと子供とその親の映画。たっぷり間を設けられた演出は登場人物たちを丁寧に描いてたし、宮沢氷魚のアンニュイな表情すごく良かったなあ。
どーーーしても気になってしまっ
>>続きを読む

食べて、祈って、恋をして(2010年製作の映画)

-

めちゃくちゃ金かけて作ったジュリア・ロバーツの2時間20分にわたるプロモーションビデオ。
10年前の映画とはいえ価値観ヤバすぎてびっくりした。自分探しも金次第、世界一人旅できる経済力が前提で、人生の価
>>続きを読む

パリピ的アフターライフの始め方(2021年製作の映画)

3.8

うっかり死んじゃったパーティガールが天国と地獄の中間地点に送られ、天使からの司令により現世でやり残した事や伝え損ねた事を全うすれば天国、出来なければ地獄、、という選択を迫られるという映画。絵に描いたよ>>続きを読む

リアリティ・バイツ(1994年製作の映画)

3.5

90年代の若者(ミレニアルズの一個手前のX世代)を描いた青春群像劇。リレイナ(ウィノナ・ライダー)がキャリアの事を真剣に考えているように見えないバカげたムーブで職場をクビになり、一方でマイケル(ベン・>>続きを読む

グレムリン(1984年製作の映画)

3.5

子供の頃に見た記憶と全然違ってて笑った。当時はこの映画が本当に怖くて電気を消して寝れなくなってしまったくらいだったのに、今見るとギズモもグレムリンもお化け屋敷の小道具にしか見えなくて終始笑ってしまった>>続きを読む

銀河鉄道の夜(1985年製作の映画)

5.0

何年かに一度やってくる宮沢賢治研究欲。小説は色々読んでいたけどこのアニメはまだ見ていなかったなと思って久しぶりにブルーレイを購入してあまり期待せずに再生してみたら、あらもうちょっと、ねえ、ホント、驚き>>続きを読む

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

3.5

RENTは好きだったしこの映画のストーリーもノンフィクションの青春群像劇としては満点なのだけど、ジョナサンの作る曲調(ポップ・ロック風ミュージカル)と自分があんまり相性が良くなくて(悲しい!!)あまり>>続きを読む

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

4.7

へ〜アジア系が主役なのか〜、というくらいのテンションで見始めたら最後には号泣してしまった。クイアなアジア系アメリカ人を描く上でセクシュアリティやレイシズムの描写は避けられないと思うけど、セックスと暴力>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.6

認知症の父を描いた映画、なのだけどこの映画は父目線で時間経過や真実を映像化しているため、ともすればメメントのような叙述トリックやループ物のような、何度も見たくなるような不思議な感触のある映画だった(父>>続きを読む

シングル・オール・ザ・ウェイ(2021年製作の映画)

4.6

独身でいることを心配する肉親のために親友のルームメイトをクリスマスの実家に連れて行きウソをついて恋人として紹介しようとしたが、、というコメディ映画。基本的にLGBTQIA+を描いた映画はやれ禁断の恋だ>>続きを読む

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

4.5

ジュディ・ガーランドの晩年を描いた映画。大スターが抱えるドラッグ、恋愛、飲酒などの問題とそれに端を発する凋落を描いた映画は様々あるが、ジュディに関しては特に子役期に強制的に摂取させられていたドラッグや>>続きを読む

私というパズル(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

死産を経験した女性が様々なプロセスを経て自分の人生を取り戻していく映画。ストーリーは冗長で、一方家族は板挟みにするなと責め立てる妹、母親はもっと強くあれと強要し、夫は妻を助けることなく(産後まもない妻>>続きを読む

トゥルーノース(2020年製作の映画)

3.0

北朝鮮の強制収容所を描いた3Dアニメ。壮絶な人権侵害、虐待と虐殺の中で力強く生きる人々を描く、、、と言いたいところだがこの状況で力強く生きる意味などあるのだろうか?と思うほどあらゆる出来事がただただ絶>>続きを読む

ロマンティックじゃない?(2019年製作の映画)

4.0

ラブコメを嫌う主人公があるきっかけでラブコメの世界に迷い込んでしまい、あらゆるラブコメあるあるが起きちゃって大変〜!!というメタ視点のIQ3映画。本当にくだらなくて(←良い意味で)何も考えずに1時間2>>続きを読む

ある少年の告白(2018年製作の映画)

2.5

キリスト教の名を借りた同性愛者の矯正施設の実態を告発する原作を映画にしたもの。性的指向は選んで生まれてくることができない。選択の余地のないものを無理やり選択させられるというケースは、大小さまざまに社会>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

4.5

ゲイ・黒人・貧困というマイノリティの中でもマイノリティを描いた映画。社会の構造的な不平等が黒人と貧困を結びつけてしまっている環境に、マチズモ的なゲイフォビアの中で生き抜かなければならない主人公のなんだ>>続きを読む

アイ・アム・マイケル(原題)(2015年製作の映画)

1.5

ゲイアクティビストが聖書を読み始めたことをきっかけにしてキリスト教に目覚め、180度価値観変わってゲイフォビアになっちゃった、という実話をもとにした映画。ゲイであることもクリスチャンであることからも現>>続きを読む

リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.0

1920〜30年代くらいが舞台のトランスジェンダーが主役の映画。今の時代を生きる人々と同じく、生まれつき備わっている性別に違和感を持つ人は常に存在している。ただ社会がそれをどのように受け入れるかは時代>>続きを読む

ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

4.5

燃え殻さんの自叙伝的な小説を映画にしたもの。「ボク」とその周りの人間が纏う空気の切り取り方がすごすぎて、まるで自分が物語のモブキャラになったかのように入り込んでしまった。ストーリーを楽しむ映画ではなく>>続きを読む

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

2.5

デリヘルのスタッフとして働く女性を主人公にした映画。伊藤沙莉がファンなら見る価値ある(実際演技が素晴らしかった)が、性風俗の実態の描き方がちゃんと取材されてるとは思えない上に、フェミニズムの理解も薄く>>続きを読む