Saltさんの映画レビュー・感想・評価

Salt

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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ヒューストンでの告解のシーンは見事だった。愛してる人に本音を伝える時、面と向かって話すのは誰でもきつい。
それは相手に傷ついて欲しくないからではない。相手の傷付く顔を見たくないからだ。結局、自己保身と
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デッドマン(1995年製作の映画)

3.9

アメリカンドリームを夢見て機械工場の会計士として渡米したウィリアム・ブレイクは西部劇さながらの街並みの中にある機械工場に向かう。
しかし、そこには既に会計士がおり、職を失った彼は途方に暮れ、立ち寄った
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.9

推し量れない価値を持った砂漠の星アラキス。この地に皇帝から遣わされたことはアトレイデス家にとって誉であると思われたが、それは皇帝と政敵ハルコンネン家の仕組んだ陰謀だった。
ティモシーシャラメ演じるアト
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生きる(1952年製作の映画)

4.5

久しく、こんなに高く点をつける。
仕事一徹だった父が私が働き始める時にぜひこれを観なさいと言ってくれた。

戦後すぐに生まれた父からは、夕時に公園で遊んでいると母が自分の名前を呼びに来たと懐かしげに語
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.7

トリニティ実験を成功させたオッペンハイマーが一般市民に対し講演した際の演出がこの映画を象徴していた。
オッペンハイマーが人生で味わった名声と後悔、そして苦い名声は彼を一生苦しめ続けただろう。
一体それ
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

3.8

カウリスマキ作品の登場人物には皆根が無くていい。
片雲の風に誘われて、行く当てもなく路銀でぷらぷら旅に出ていく。
少し憧れてしまう。
フィンランドにもジプシーはいるのか?と思ったが、彼らの存在自体がジ
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

3.7

負の社会現象を起こした作品として名高い時計じかけのオレンジを初めて見た。
狂ったサイコ野郎が思うがままに殴り、ファックし、殺す愉快犯的な描き方は珍しくはない。
ただ、同時にキューブリックが示した全体主
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.0

1940年代までフィンランドはソ芬戦争を続けたことで、ソ連の影響力がその後も強まった。
この映画にも随所にそのような雰囲気が漂っている。
本映画でも他のカウリスマキ作品に見られるような特徴、ロマンス・
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.8

石油革命と石炭貯蔵量の減少から各地で労働者があぶれ、その結果犯罪率やホームレス、闇商売なんかが横行するようになった1950年頃のフィンランドかな?
アキカウリスマキ作品は頭を殴られて気を失う作品が多い
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スナッチ(2000年製作の映画)

3.9

各所にギャグが織りまぜられていて飽きずに見られた。
ジプシーとかギャングとか裏バイヤーとか実際にはよく知らないけど、説明されたら理解できる人達を選んでるのも面白いね。
登場人物多いけど、どんどん見やす
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.5

うちの父も認知症で77歳。
これを演じてるアンソニーホプキンスが83歳なんて信じられない。
どういう風に認知症の症状を映像化できたんだろう。
これが正しいのだとすると、悲しいね。
いずれうちの父もここ
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(1963年製作の映画)

4.5

この映画を見ると街を歩けなくなる。
両親がそう言ったのはいつのことだったろうか。
鳥の狂気が表すものは何か。
外部からの来訪者に対する排除機構か。
あるいは、鳥が外部からやってきて街を征服する様子を描
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オー・ブラザー!(2000年製作の映画)

3.9

1930年代のダム建設の記憶っていうのはアメリカ人にまだまだ残ってるんやなぁと。
今作でも、スミス都へ行くとかでもダム建設は出てくるよね。
それに伴って、宗教観だったり人種差別の人々の価値観が大きく変
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984年製作の映画)

4.1

私はあと何度この映画を見るだろう。
回想すべきシーンがいくつもある。
私に情けをかけてくれるような友人は果たしているのだろうか。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.8

レオとプラピの貴重な共演作品
感触としては、一流の俳優と監督が撮ったオマージュコメディって感じ
庶民的にはヒッピーってもっと自由で気楽に生きてる気障なやつらなイメージだったけど、ハリウッドに住んでるよ
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パラノーマル・アクティビティ(2007年製作の映画)

3.0

初めは主人公の男の謎の存在に対する対応などに共感していたが、後半からあまりにも子供っぽすぎる対応や見えない存在であるのに執拗に姿を明かそうとするなどの対応があまりにも不自然だった。
また、謎の存在がカ
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リオの男(1964年製作の映画)

3.7

ルパンのモチーフになったと言われても頷ける。コミカルとシリアスを行ったり来たりする作品。フィリップドブロカの作品はまぼろしの市街戦に次いで2作品目だが、コミカルな部分と空中の綱渡りなど共通するところも>>続きを読む

小説家を見つけたら(2000年製作の映画)

3.8

枯れる行く末の見える老人には若人の華々しい未来が見える。
けれども、若人は目の前にある理不尽や試練に慄き立ち止まってしまう。
文を書くことにもそれは通じ、老人は自らが歩んできた道を振り返り文章を書くこ
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ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999年製作の映画)

4.5

ホラー映画ではなく、アンビエント映画としての先駆けとなる作品ではないだろうか。ただただリアル。リアルしかそこにはなく、彼ら以外の存在を感じえない絵に存在する異質性。
ノンフィクションの遭難を克明に記録
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.7

ストップムービーの頂点を見た。
クレイだけじゃなくて、チョークや絵の具で壁にモーションを演出するやり方は非常に斬新。

強調社会(村社会)から逃げ出した少女が、自分の世界を築くために教化・洗脳していく
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怪物(2023年製作の映画)

3.8

子供は嘘をつく。
親は信じて守るが、悲しくもそれは子供も周りも傷つけることになってしまう。
自らの子供にはこうあって欲しいという幸せの形を押し付けてしまうからだ。

子供がそれに逆らうのは、ある側面か
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クルエラ(2021年製作の映画)

3.9

明快な勧善懲悪と展開、なによりエマ・ストーンと仕立て服のマッチが素晴らしかった

サイレントヒル(2006年製作の映画)

3.5

世界観の作り込みは見事。配役や演技も抜群にいいが、現実世界の動きとパラレルの動きをあまりインタラクティブに描いていないため非常にわかりにくくなっているところが残念だった。サイレントヒルの原作を経験して>>続きを読む

山女(2022年製作の映画)

3.9

遠野あたりの民話を織り交ぜて作られた作品。3代前の咎を未だに背負う家が東北の飢饉をどう生きのびたかを寓話的隠し事をせず映した点、白神山地の自然の美しさを生き生きと撮した点が明確なコントラストとなってス>>続きを読む

来る(2018年製作の映画)

3.9

この日本の宗教観が乱れまくった雰囲気はもはや美しい。
キャラクターに言及した感想が多いため、それが気になって見たがいやはや中身や雰囲気もそれに劣らず素晴らしかった。
神道、仏教、ユタの霊媒、護摩祈祷、
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