森野c5果実さんの映画レビュー・感想・評価

森野c5果実

森野c5果実

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耳をすませば(2022年製作の映画)

3.0

1995年にはジブリでアニメーション映画も公開された不朽の名作。
中学生時代の内容をなぞりながら、これまで語られることのなかった2人のその後の姿も映画オリジナルとして展開される。ファンにはお馴染みのア
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

5.0

あのテーマソングがかかって、こちらに向かってくる姿を観るだけでも「ゴジラ映画を観にきた!」と全身で感じられると思います。チケット代の半分はあのテーマソングに払っていると言ってもいい。
劇場だと息が出来
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

非常に社会風刺的な内容でありながら、表向きはSF/ホラーとしてリリースされている。雲に擬態した作品。

冒頭のナホム書の引用、直立した靴にはじまり、暗示的に盛り込まれたカットの数々に「これなんのメタフ
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.0

ブロードウェイ史上、映画史上に残る傑作 『ウエスト・サイド・ストーリー』がスティーヴン・スピルバーグ監督の手により現代に蘇る!

『ウエスト・サイド物語』がいかに画期的な映画かというと、それまでのミュ
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.0

イレギュラーな動きはしないはずのゲーム内のモブキャラが自我に目覚めるというドラマはどこか『トゥルーマン・ショー』を思わせ、ゲーム内で奔走する世界観はまるで『シュガー・ラッシュ』
何をされても怒らない善
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

3.0

友情・正義・女性の自立・感情の視覚化ときて、ディズニー/ピクサーは新たな領域に進んだらしい。
人生とは何か?魂とは?という哲学的な大命題に手を出した挑戦作。

人生とは目的探しの旅だけども、目的を達成
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

5.0

有名な童話を作家性豊かに膨らませた傑作!
これはストップモーションアニメ史に名を刻むこと間違いなしでしょう。

ディズニー製作のアニメ(1940年)と比較すると、ゼペットがなぜ人形を作るのか?ピノッキ
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エスター(2009年製作の映画)

3.0

孤児のエスターを迎え入れたコールマン家が思いもよらぬ事態に陥っていく様を描いたサイコスリラー。

何故エスターはこの一家を貶めるような行動をとるのか?動機や理由が分からないので最初は怖さよりも混乱が勝
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

3.0

クリスマス映画の定番ですね。
あなたが歩んできた人生には意味があるんだよと慈愛に満ちた本作は、クリスマスはもちろん、辛い時に観たらきっと救われる。恋人や家族と喜びを噛みしめて観ても良し、ひとりでしみじ
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

2.0

大阪芸大時代の自主制作『帰ってきたウルトラマン』(DAICON FILM)から40年……
これが庵野さんが温めてきた新しいウルトラマンなの…?

地球人に興味を持ったウルトラマンが地球人と融合し、次第
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DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン(1983年製作の映画)

4.0

稀代の男、庵野秀明の原点が見られます。
学生の自主制作だから予算的にも技術的にも制約はあっただろうけれど、それらを工夫と情熱で補った力作です。
独特のカメラワークは既に庵野作品そのものでした。

ジオ
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オールド(2021年製作の映画)

4.0

老いるショック!
こんなにも老いを恐ろしく感じたのは初めて。身体の不具合や病気の進行が1日で急速に進んで容赦なかった。

正直、ツッコミどころは書ききれないほどありましたが それはさておいて。
閉鎖空
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

5.0

ほぼ監督1人で製作したことで話題の本作、ストップモーションアニメで100分もあるんですよ。しかもあと2作品も控えているとか…狂気ですよね。

遺伝子操作によって永遠の命を得たらしい人間。どうやら頭だけ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

ルビー役のエミリア・ジョーンズがすごい!!

物心ついた時から家族を支える責任を感じているバックボーンをしっかりと内包し、年齢以上に成熟した雰囲気を醸し出せていたし、手話も流暢。そして音楽教師を感動さ
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カリガリ博士(1920年製作の映画)

4.0


表現主義の代表作ですね。
現在までに亜流は沢山出たと思いますが、本作を超えた作品がどれだけあるのでしょうか。

見どころはやっぱり、歪んだセット美術!
青年が語る回想パートは平衡感覚も遠近感もめちゃ
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怪人現る(1928年製作の映画)

4.0

“怪人”というからどんな風体かと思ったら、丸眼鏡にボサボサの髭をたくわえたおじいちゃんが出てきた。
どことなく大阪名物くいだおれ太郎のようなとぼけた表情のその人物に”怪人”なんて言葉は似合わない。
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ほらふき倶楽部(1926年製作の映画)

4.5

バワーズは喜劇王を装った狂人に違いない。

小さな植木に何十匹もの猫が実るなど不思議な光景を見ていた次の瞬間、重役たちが立ち上がってそれぞれに思い思いのリアクションを取るという非常に現実的で整った画へ
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全自動レストラン(1926年製作の映画)

4.8

『たまご割れすぎ問題』に続き、今回も奇想天外な発明を繰り出すバワーズ。
今回はレストランをワンオペで切り盛り!

子どもの頃の夢を具現化したような造形のマシンと、ストップモーションで働くシュールな食材
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

4.0

何をしてもダメなんだ。
お家に帰りたいだけなのに…

どんなに言動を変えてみても 黒人だからという理由で殺されてしまう理不尽さよ。
しかもこの悪夢がフィクションと言い切れないのも辛いところ。

ガール
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たまご割れすぎ問題(1926年製作の映画)

5.0

チャーリー・バワーズって一体何者?
たまたまYouTubeで見つけました。

割れないたまご製造マシーンを発明したBricolo(フランス語で機械いじりが好きな人、日曜大工の意)はその動作を証明するた
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幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

2.0

『グッド・ウィル・ハンティング』のような作品を作りたかったのでしょうか?
あれは主人公の徐々に移り変わる心情の変化と、精神分析医との信頼関係がしっかりと描かれた素晴らしいヒューマンドラマでした。
だけ
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

5.0

人との違いを受け入れ、讃えあう物語。
始まって1分くらいで泣きました。

生まれつき”特別な顔”を持った少年が主人公でありながら、当事者となる彼の目線だけではなく、他のいろんな角度から視ることができる
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キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)

4.0

無人島モノが好物なので前半は楽しく観ました。
火おこしや食糧の取り方を習得していく姿にワクワクするんですよね。

ただ、本作の主題は過酷なサバイバル生活を生き抜くことではなく、社会に戻ってからのヒュー
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.0

嫌煙家だけどタバコって絵になるのよねぇ。
本当に、本当に、登場人物がコーヒーを飲み、煙草を吸いながら取り留めもない会話をしているだけの映画。

喫茶店で居合わせた隣席の会話に聞き耳を立てているような感
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

3.0

これまで声を与えられてこなかった人々の尊厳が、音楽が、夢が、響きわたる最響の一作。
圧倒的な歌唱力はもちろん、思わず「どうやって撮影したの?」と声が出てしまう斬新な映像マジックも必見!

ただ、私が日
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魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)

4.0

タイトルに『おジャ魔女どれみ』と冠しない理由がある。

おジャ魔女どれみはコミカルなドタバタとシリアスな話のギャップが魅力的な作品で、日曜朝からやるにはちょっと重い内容(親の離婚や死別)をテーマにした
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千年女優(2001年製作の映画)

5.0

満たされないから、価値がある。

人は、相手の豊かな人間性を理解したから恋に落ちるのではありません。
そうではなく、相手を理解していないからこそ恋に落ちるのです。
恋とは合理性を超えた何かであり、相手
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.5

世の中に不安感が漂う今だからこそ観てほしい、灯火のような作品です。

30歳を目前にしてミュージカル作家の夢を成し遂げられていないことに焦るジョナサン・ラーソン。
ジョン・レノンはとっくに成功していた
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ボス・ベイビー(2017年製作の映画)

4.0

開始早々、子供部屋にレックスやチャターフォンがいたのでトイ・ストーリー始まったのかと思ったよ。

どこからどこまでがティムくんの妄想なのか?ごちゃまぜになってる感じは結構好きでした。演出イラストレーシ
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ダウンサイズ(2017年製作の映画)

2.0

Netflixでのサムネイル、とっても素敵ですね。
シリアルか何かの箱にちょこんと成人男性が座っている画像で、田中達也さんのミニチュアアート作品を彷彿とさせられる雰囲気に思わず目が留まりました。

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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

4.0

バッドエンドのミュージカルと聞き、好奇心で観てみました。

せっかくの助け舟を蹴り返すような主人公セルマの言動には終始モヤモヤしてしまいましたが、人の価値観って様々なんだなという点では妙に納得もしまし
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天使のくれた時間(2000年製作の映画)

3.0

タイトルからして 観たら超ハッピーな気持ちになれると思ったんです。
実際、温かなお話ではありました。
本当の幸せとは……正解なんてありませんが、これからの人生をどう良くしていくのか余韻を残していて良か
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.0

冬至には朝9時頃に日が昇って15時に日が沈む国スウェーデン。だから白夜の日にはみんな寝ないで遊ぶんだそうです。

そんなスウェーデンの秘境、ホルガ村の祝祭に訪れた大学生ダニー&クリスチャンは ちょっと
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

4.0

埼玉という地が舞台の作品ですが、実際にある埼玉とは何の関係もありません〜とシラを切ってかなり振り切った表現をしていましたね。
「えっ…そんなことやって大丈夫?」とちょっとドキドキしながら観ました。
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下妻物語(2004年製作の映画)

4.0

女同士の友情を描いた作品には『花とアリス』『NANA』などがありますが、これほどまでに両極端な女同士の熱い友情物語を他に観たことがありません。
ふりふり甘ロリ系少女と、ふた昔前の漫画に出てきそうな筋金
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つみきのいえ(2008年製作の映画)

5.0

積み上げられた家の下(追憶の海)へ潜り、亡き妻との記憶を振り返るという発想が面白いですね。

年月を重ねるごとに水面が上昇し、家が鋭角になっていくのを見ると気持ちは曇りました。
おじいさんが孤独で可哀
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